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【2006年度第2回定例会】「議案関連質問」関美恵子議員
(実際には、質問と答弁がそれぞれ一括して行われましたが、わかりやすいように、対応する質疑と答弁を交互に記載しました。)
私は、日本共産党を代表し、今議会に提案された議案のうち、市第6号議案他7件の議案について、市長に質問いたします。
長期ビジョンに「平和」「福祉」「人権」を明記せよ
関議員:まず、市第6号議案「横浜市基本構想の策定」についてです。2005年2月に市は「長期ビジョン策定の考え方」を発表していますが、策定の進め方の考え方として、市長が積極的に進めている「民の力が存分に発揮される都市の実現」や協働を推進する制度や環境の整備を示し、その考えに立って、市民は長期ビジョンの策定に参画するとしていることです。策定当初段階から市民相互の議論、学識経験者等からなる審議会、市民の代表である市会の議論を行うとはいいますが、これでは、あらかじめレールが敷かれた上での議論となり、問題です。見解を伺います。
さて、基本構想についてですが、横浜市の20年後の都市像を支える5つの柱から「平和」の文言が消えています。確かに、リード部分に「平和」とあるにはありますが、これでは棚上げ同然です。現行基本構想では「国際平和都市」と第一の柱に掲げられ、積極的に世界の平和に貢献するとうたっています。基本構想の基調になっていると説明するのであれば、柱にもかかげ、明確に示すべきですが、見解を伺います。
同様に「福祉」の文言も柱から欠落し、実現の方向性と取り組みの最後の項に一回だけでてきます。地方自治法第2条で、地方自治行政の事務の第一は「住民の安全、健康及び福祉の保持」であり、事務を処理するにあたって基本構想を定め行うと規定されていることを考えれば、現行のように柱とすべきではありませんか。伺います。
人権についても、「平和」と同様に棚上げ同然です。川崎市は、「子どもが生きる力をつけるために、子どもたちの人権を尊重しながら」とか、「男女の人権が等しく尊重され、その個性と能力が十分に発揮される男女共同参画社会の形成に向けた施策の推進」などとなっています。人権の尊重は民主主義の根幹であり、国際港都として世界と交流する上でも人権の尊重は欠かせないものです。明確に内容で都市像に盛り込むべきと考えますが、見解を伺います。
都市間競争に勝ち抜くため、国内外から企業集積をすすめ、多くの人に活躍の場を提供していくとしています。また、東京の一極集中に伴い、急速に住宅地が拡大するなかで、産業の集積を図るとともに、魅力的な都心部を形成することにより、多くの人が訪れ、生活・就業する大都市になったとも述べて、現行基本構想が過大都市は好ましくないとしていることと比べても、肯定的です。これまでも、都市間競争として、オフィスビルの建設、南本牧埋め立て、上大岡再開発事業に巨額を投入してすすめ、収支不足を市費で穴埋めをする事態になったことの二の舞にもなりかねません。市長は、この過ちを今後20年間において繰り返すつもりなのか、伺います。
地方自治は、憲法で保障された基本的人権を実現する場であり、住民の生命・健康・福祉などの公的な責任を果たし、その水準を常に向上させていくことが求められますが、これは、地方自治の担い手の不断の努力を通じて実現されるものです。市職員は、その担い手の一人です。そして、地方自治体の日常業務は、職員によって担われているのです。こうした公務労働に誇りと生きがいを持たせるのが長の責任です。自治体の基本構想でその職員を「経営資源」と物扱いするような考え方は間違っています。係長試験の受験率の減少に見られるように、市職員のモチベーションが低下する一因とも思えますが、「人権感覚が全く感じられない」この表記は改めるべきですが伺います。
中田市長:お答え申し上げます。
まず、市第6号議案についてのご質問をいただきました。「民の力が存分に発揮される都市の実現」などの趣旨が基本構想策定の前提になっていたのではないかという点でありますけれども、策定の進め方においては本市が非成長拡大という時代認識の下に「民の力が存分に発揮される都市の実現」ということを推進していくことを記載したものであります。これも踏まえつつ策定作業への市民参加を進める中で、市民のみなさまと行政がどのように協力していくべきか、公共とはどうあるべきかということについても議論をしていただきたいという趣旨であります。
都市像を支える5つの柱に「平和」を盛り込むことについてでありますけれども、これは先生がお考え以上に重視をしているわけでありまして、5つの柱の大前提である基本構想全体の内容にかかわる冒頭の横浜の都市像において、「横浜は平和や人権の尊重を基調とする」という視点をすでに盛り込んでございます。
都市像を支える5つの柱に「福祉」を盛り込むことということでありますが、この5つの柱というのは横浜がめざすべき都市像の実現を支える柱として描かれているものであり、政策項目を挙げる、そういうところではございません。なお、一例をあげますと、5つの柱のひとつである「いつまでも安心して暮らせる安全安心都市」には「セーフティネットのゆきとどいた社会の仕組みをつくりあげる」ということなどの福祉の視点も盛り込まれております。
人権を明確に盛り込むことについてでありますけれども、これも基本構想全体の内容に関わる冒頭の横浜の都市像の部分に、「横浜は平和や人権の尊重を基調とする」というふうにあります。「年齢や性別、障害の有無や国籍にとらわれることなく、多様な個性を尊重する」というふうにもまた、記述されております。そういう意味で、全体に対してむしろこれもきちっと明瞭に書かれているものであります。当然でありますが、人権の尊重は基本構想の基本的な精神として位置づけられていると考えております。
企業集積により過大都市になるという指摘でありますが、基本構想では横浜が活力あふれる都市であり続けるためにも、国内外からの企業集積などによって、多くの人に活躍の場を提供していくことも目指しております。これは都市像を支える柱の一つである「活力創造都市」を実現する上で重要でありますが、同時に「生活快適都市」や「環境行動都市」なども掲げて、まさにバランスのある都市の形成を目指していくと、これを全体としてきちんと盛り込んでございます。
「経営資源」という表現は改めるべきとのご指摘ですが、基本構想においては「都市像を実現をしていくためには、限られた経営資源を有効に活用し、効果的に取り組まなければならない」と記載をされていますが、これは大都市経営の基本を記述したものであります。このことが本市職員の人権の問題や意欲の低下を招くということは、これは的外れだと思います。当然に本市職員も市政運営を担う大切な人材である、そのように認識をしております。
関議員:(第2質問)基本構想はすでにレールが引かれていたんじゃないかという問題に関連してですけれども、市長は、今の市長の姿勢を述べただけだというふうにお答えになりました。そうであるならばですね、これ、策定の考え方なんですが、4ページ5ページ、5ページの冒頭にこうした考え方に立ってと明確に書いていますが、これを削除すべきだと思うんです。再度質問いたします。
中田市長:答弁した通りでありまして、広範な議論をして頂いたものであります。
障害者自立支援法による障害児負担を軽減せよ
関議員:つぎに、市第11、12、14、15、16号の各議案は、障害者自立支援法の実施に伴い、なしの木学園、地域療育センター、総合リハビリテーションセンター、身体および知的障害者更生授産所各施設の利用料金を定める等のため条例改正しようとするものです。
障害者自立支援法により、障害児施設についても利用契約制度が導入され、これまで児童相談所が「措置」をしてきましたが、事業所との契約に変わります。新制度のもとで、児童相談所の役割がどのように変わるのか、伺います。
現在、障害児施設を利用している人が、引き続き利用できなくなるのではとの危惧の声があります。特に児童デイサービスは、障害かどうかはっきりしない子どもたちがたくさん利用している施設サービスですから、調査自体が大変難しいともいわれていますが、どうなっていくのか、伺います。
また、制度変更後も利用者へのサービス内容について、関係者間で慎重に話し合い、決定する必要があります。市としての考えを伺います。
ところで、成人の場合、現在、調査員や審査委員による障害程度区分認定が行われていると聞いています。本審査や判定の身体・知的・精神の3障害の判定件数は、直近の集計で何件になっているのか。また、障害程度区分判定の対象者は、3障害合わせて約8000人いると聞いています。現在の実施状況から見て、10月までに障害程度区分の判定を完了し、サービスの利用決定ができるようにするための進め方と見通しはあるのか、伺います。
一次判定は、介護保険より27項目多い106項目のコンピューター判定となっています。介護保険の認定では、一種一級の最重度障害者で電動イスに乗っている状態の人でも要介護認定3で中程度の介護度になるとか、全盲とか聾唖者は、「非該当」「自立」になるケースが多いといわれています。果たして知的障害や精神障害が正しく判定されるのか疑問です。区分認定は、あくまでも支給決定の「勘案事項の一つ」とされるものですが、障害程度区分審査会の審査において、実態を正しく判定ができるよう、どのような配慮がされているのか、伺います。
新制度での応益負担導入による1割の利用負担は、障害者には過酷です。障害児施設やいくつかの施設を除いて利用負担は4月から実施されており、「この義足だと7、8万の負担になる」「月の費用が6万かかるようになった」、なかには「夫の年金では、家族全員が食べていけなくなる。障害の息子を世帯分離したい」など切実です。
本市では、在宅の市民税非課税世帯に対し「負担なし」の軽減措置を取り、評価するところです。その対象者は、約4400人ということですが、課税世帯まで拡大する考えはないのか。また、10月から定率負担が導入される障害児施設の利用料についても成人と同様の負担軽減策を講じる考えはないのか、合わせて伺います。
国は通所施設の報酬をこれまでの「月払い方式」から「日払い方式」に変え、報酬額を抑制しました。障害者は体調が悪くなることも多く、毎日通えるとは限りません。利用者の欠席がそのまま施設の収入減につながる恐れがあります。市として、その影響を調査する必要があると考えますが、見解を伺います。
中田市長:次に、市第11号議案、市第12号議案、市第14号議案、市第15号議案、および市第16号議案についてご質問をいただきました。
児童相談所の役割についてでありますが、施設利用の必要性、施設種別、および利用頻度を決定するという役割は従来と変わりませんが、どの施設を利用するかということについては、保護者が施設と契約するということになります。
利用契約制度の導入により、障害児施設を利用できなくならないかということでありますけれども、障害児については、障害程度区分による判断基準を設けないこととしているため、施設の利用がこれまでと変わることはないと考えております。
障害児のサービス内容についてでありますが、引き続き児童相談所や障害児施設など関係機関が連携しながら対応いたしてまいります。
障害程度区分認定審査会の判定件数についてでありますが、6月5日現在で223件でございます。今後の見通しと進め方についてでありますが、認定調査および審査会の判定件数も増加してきておりまして、10月に向けてサービス利用に支障がないよう、局と区が連携して取り組んでまいります。
障害程度区分認定審査会の審査・判定についてでありますが、障害特性を十分に把握した専門的な知識を有する委員が、コンピューターの一次判定に反映されない医師意見書などを考慮しながら、実態に即した適切な判定を行っております。
利用負担額の軽減措置を課税世帯に拡大することについてでありますが、国においては新たに利用者負担が生じることから、低所得の方を対象に様々な減免制度を設けております。しかし、生活費が高い大都市においては在宅の低所得の方のサービス利用が抑制される懸念があります。そこで、本市では特に他の階層と比べて負担増の影響が大きい消費税非課税世帯の方を対象に、本助成事業を実施することにいたしたものであります。
障害児福祉施設の利用料についてでありますが、現在国において保護者負担の軽減策について検討をいたしているところであります。
通所施設の費用算定を日払い方式に変更したことによる影響についてでありますが、日払い方式に変更になったのが本年4月1日でありまして、変更後の期間が短いため施設から十分な実績を把握するに至っておりません。利用実績が少ない場合には減収が想定をされますが、今後実態の把握に努めてまいりたいと思います。
脳血管医療センター付属の介護老人保健施設は直営のままで
関議員:つぎに、病1号議案についてですが、横浜市立脳血管医療センターの直営の介護老人保健施設を指定管理者に委ねるというものです。
当初、脳血管医療センターは、脳卒中などの脳血管疾患発症直後の急性期医療から回復期までの一貫した治療を提供する理想的な脳血管専門病院として、多くの市民の期待を集め、設置されました。整備されたにもかかわらず、本市は04年秋に、急性期・救急医療から撤退し、回復期リハビリテーションを中心とした施設にする方向を打ち出し、関係者と世論の高まりによって、結果として撤回されると経過がありました。今回の指定管理者への動きは、この流れと無関係ではないといわざるを得ません。市民にとって、急性期から回復期をそなえた脳血管専門病院があるという安心感は計り知れません。その役割を果たしている老健施設についても、民間の老健施設は数も少なく、さらに介護報酬の引き下げにより入所者への影響も懸念される中で、サービスの水準の維持や費用の面でも市民に与える安心感を考えると直営の意義は大きいと思いますが、見解を伺います。
中田市長:続いて、病第1号議案についてのご質問をいただきました。
脳血管医療センター併設の介護老人保健施設を直営で開業した意義についてでありますけれども、脳血管医療センターから家庭へ復帰する際の中間施設としての役割を果たすため、センターに併設をして設置をいたしたものであります。直営の方が費用的にもサービス面でも安心できるということでありますけれども、指定管理者制度導入後も基本的に介護報酬制度および本市条例に基づく料金が適用されることとなります。また、サービス面においても民間施設の知識・経験を施設運営に活かすことで、適切なサービスが提供されるものと考えております。
住民税額変更に伴う国民健康保険料の負担増を軽減させよ
関議員:最後は市第9号議案についてです。
2006年の地方税法改定により、所得税から個人住民税へ約3兆円の税源移譲が、2007年度から実施されます。その結果、個人市民税所得割の税率が、現在の3,8,10%から一律6%へとフラット化されます。税率フラット化は、税の所得再配分機能を弱めるという問題がありますが、所得税・個人市民税合計の税負担は増加させないという原則で、調整が行われると聞いています。
問題は、住民税額に応じて決まっている国民健康保険料などの住民負担増です。影響の深刻な国民健康保険料の負担増を軽減するため、負担増をなくすための措置は当然と考えますが、今回そのための条例提案がありませんが、なぜないのか。また、市民の心配を気遣えば、遅くとも次の定例会には提案すべきと考えますが、合わせて伺い、私の質問を終わります。
中田市長:最後に、市第9号議案についてのご質問をいただきました。
今回の市税条例改正に伴う国民健康保険条例の改正についてでありますが、市民税の改正は19年度から実施となりますので、市民税額を算定基礎とする国民健康保険料への影響も19年度からとなるわけでありまして、今後試算などを行ってまいります。また、19年度の保険料は今年度の医療費総額や19年度の市民税総額の見込みを反映させて算定できた段階で、例年通り国民健康保険運営協議会でのご審議をいただくというふうになります。
以上、答弁申し上げました。
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