|
【2006年度第2回定例会】「一般質問」大貫憲夫議員
(実際には、質問と答弁がそれぞれ一括して行われましたが、わかりやすいように、対応する質疑と答弁を交互に記載しました。)
市民の声を聞いて、住基ネットの「横浜方式」を堅持せよ
大貫議員:私は、日本共産党を代表して、中田市長に質問します。
その第一は、住民基本台帳ネットワーク・「住基ネット」の、いわゆる「横浜方式」の廃止についてです。
わが党は、「横浜方式」は、「緊急避難」という「曖昧さ」を持つものの、事実上、住基ネットに「不参加」の状態になっていることをもって、一定の評価をすると同時に、「不参加」を明確にすべきと主張してきました。
市長は5月10日、「住基ネット」への接続を全員参加方式に転換すると発表しました。今回の市長の豹変に、「横浜方式」を選択した83万市民は、驚き怒っています。なぜなら、「住基ネット」が稼動して、4年になろうとしていますが、「横浜方式」でのトラブルは何も起きておらず、何の不都合も生じていないからであります。また、ことしの秋から行われる住基ネットを使っての国民年金等の現況確認などについても、「横浜方式」をとっている市民にとって何の不利益もありません。
何も今、「横浜方式」をやめ、全員参加に転換する必要はないのです。なぜ、これほどあわてて全員参加に切り替えるのか、合理的な理由をお示しください。
市長は、3月10日に「住基ネット」の安全性を審議会に諮問し、その答申から全員参加への転換を決断したとされています。しかし、審議会はわずか3回で3時間足らずの論議でした。しかも5人の委員のうち、これまで最も全員参加に慎重だとされていた委員が3回とも欠席の中で答申が出されたものです。その答申の信憑性に誰しもが疑問を持ち、論議が尽くされていないと考えるのは当然です。住基ネットに不参加を選択した83万人の市民の意思を受け止め、市長は再度の諮問をすべきではなかったかと、こういうふうに考えますが、なぜそうしなかったのか、お答えください。
審議会では、個人情報保護法が施行されたことをもって安全が確保されたとしていますが、法ができれば安全ということもありません。国会では市場化テスト法が制定されました。その結果、行政の窓口業務を受託した民間企業等が端末機を通じて全国の住民情報を検索することが可能になり、全国どこか一つの自治体から情報が漏洩すれば、その被害はすべての自治体と国民に及ぶことは必至です。さらに、国民総背番号制の問題も含めた住基ネットの将来像もはっきりしていません。
このような情勢下では、「横浜方式」を堅持することが市長のこれまでの主張と合致することではありませんか。いかがでしょうか、お答えを伺いたいと思います。
今回の市長の突然の方針転換は、強引に「住基ネット」を国民に押し付けた4年前の国のやり方と同じではありませんか。今回の市長の決定は、余りにも自分勝手で強引なやり方であり、先の保育園の民営化で横浜地裁から違法とされたやり方・手法そのものです。いま、何よりも必要なのは、今回の全員参加への移行の決定を撤回し、市民にその是非を問いかけ、意見を聞くことではないでしょうか。お答えください。
中田市長:お答え申し上げます。
まず、住民基本台帳ネットワークシステムのついてのご質問をいただきました。なぜ今全員参加するのかについてということでありますけれども、これはもう繰り返しご説明してきましたとおり、そもそも法律において全員参加するということが規定をされているわけでありまして、横浜方式はあくまでも住基ネットの総合的な安全性が確認できるまでの緊急避難的な措置ということを市民の皆様にもご説明をして、実施をしてきたわけであります。今回、専門分野の方で構成をされている横浜市本人確認情報等保護審議会から住基ネットは総合的にみて安全であるという答申をいただいたので、全員参加するということを判断したものであります。
再度審議会に諮問しないのかということでありますけれども、審議会においては15年4月に開催した第1回から、住基ネットの安全性に議論をしていただいてきたわけでありまして、その上に立って今回安全性についての答申をまとめていただいたところであります。また、答申内容は、会長の責任のもとに審議会における議論の結果としてお出しをいただいているものであり、再度審議会に諮問する考えはございません。
横浜方式を堅持すべきということでありますけれども、そもそも申し上げたとおり全員参加は法律で定められたものであり、私個人のある意味では「好き」「嫌い」というような考えで「堅持する」「しない」ということを判断できるものではそもそもないわけであります。だからこそ審議会から答申をいただいて、今回の全員参加を判断をしたわけであります。
全員参加を撤回し、市民の意見をきくべきではないかということでありますけれども、これは繰り返しになりますけれども、横浜市として住基ネットの総合的な安全性が確認できた時点で全員参加するということは、横浜方式の当初からの考えであり、市民の皆様にもご説明をし、このことは市民の皆様にも手続きの際に十分衆知をして手続きをしていただいたものであります。今回、住基ネットは総合的にみて安全であるという答申をいただいたので全員参加に移行したものでありまして、撤回する考えはありません。
政治資金規正法違反問題について、市長は関与・責任を明らかにせよ
大貫議員:つぎに、政治資金規正法違反問題について伺います。
先週9日の金曜日、政治資金規正法違反問題に関わる本市の庁内調査チームの第一次調査段階の報告書が出されました。この報告書は、まったく的外れなものです。なぜなら、今回の報告では、庁内調査チームとして副市長を含む14人の発起人にいっさい事情聴取を行っていません。05年度の各区長・事業本部の総務担当課長等からヒヤリング等を実施しただけです。これでは、庁内調査チームは事件の核心をそらし、関係者の保身を図るためのものといわざるを得ません。この指摘に市長、どのようにお答えになるのでしょうか。
事実、現在庁内調査チームが行っている「横浜市役所の組織風土に関する職員全員アンケート」はその典型です。なぜならば、その調査を行う理由として、「今回の問題は、その原因の根幹において、横浜市職員の資質や職場風土が問われている」からだとしています。これは、副市長をはじめとする一部幹部の引き起こした事件を、あたかも市職員の「資質」と「組織風土」に起因するものと描き出そうとするものです。まさに、悪質な「すり替え行為」で、即刻撤回すべきです。明快な答弁を求めます。
市長は、これまで市職員の過失・事故・事件については、細大漏らさず市民に公表し、処分を行ってきました。それに比較して、今回の事件で関係者に対する市長の対応は、全く異なっています。自分の直近の幹部と一般職員とは違うとでも言うのでしょうか。市長は、事件を起こした14人の幹部らに対する本市として責任を問い、しかるべき処分を実施すべきと考えます。市長の見解を求めます。
この問題での最後は、今事件での市長の関与の問題です。
市長は、今回の事件に関わって「知らなかった」と繰り返し、自らの関与を否定しています。しかし、3人の副市長と収入役までが「石阪丈一さんにエールを送る横浜市職員の会」の発起人になって、呼びかけているのに、中田市長だけが知らないということは、いかにも不自然です。
市長は、昨年10月石阪氏から依頼されてビデオメッセージの収録をし、それと前後して、石阪氏と市長との写真入の連盟ポスターが貼り出され、11月29日には「石阪氏にエールを送る会」で挨拶され、1月20日には「石阪氏の『改革!市民大集会』」のメインスピーカーを務め、そして、2月19日に出陣式に出席されています。これだけの応援をしながら、「石阪丈一さんにエールを送る横浜市職員の会」が発足したことも、動きも知らないということはありえません。それでも、市長は「知らぬ、存ぜぬ」を通すおつもりなのか、伺います。
この「横浜市職員の会」のパーティ案内の裏面には「当日は中田市長にも出席していただく予定です」と記載され、実際市長は同パーティに参加しています。これは重大なことです。市長は、このパーティを開く動機も内容もまったく何も聞かなかったのか、何のパーティかも知らずに出席を同意されたのか、この点について明快な答弁を伺います。、パーティに出席を求められたのは何時で、誰から依頼されたのか、その際、主催者である「横浜市職員の会」についても何も聞かなかったのか答えください。
5月15日に開かれた臨時本会議で、太田議員が次のように発言しました。「今度、渦中の室長に来てもらって、よく話を聞いたのです。室長、市長に頼まれたのだろうと僕ははっきりと言いました。市長は違うといっておられるようですけれど、室長はうなずいて、自分が全部しょっかぶって行くつもりですとはっきりといったんです」というものです。この発言が事実であれば、まさに、これは市長の事件への関与を明確に示すものであり、「何人も、国または地方公共団体の公務員に対し、当該公務員がしてはならない行為をすることを求めてはならない」という、政治資金規正法第22条9項の2に違反する犯罪です。この際、太田議員の発言を否定されるのかどうか、市長の答弁を伺います。
今回の事件のすべてを市長室長にかぶせ、幕引きを計ることは許されません。中田市長は事件への関与を明らかにし、その責任を取るべきです。市長の見解を求めます。
中田市長:次に、前港北区長の政治資金パーティに関してご質問をいただきました。
調査チームについてでありますけれども、警察の調査に支障が生じない範囲で、今回の問題の外形的事実を把握をするとともに、不正防止内部通報制度、要望記録交渉制度といった事故防止策が機能していたのかといったことなどの調査を行っているところであります。これまで、各局区、事業本部の総務担当課長に対してヒァリングの実施や調査表の提出を求めまして、この結果について6月9日に市会の都区別委員会にも報告をし、明らかにしてまいったところであります。現在、引き続き関係者のヒァリングや職員アンケートを行っているところでありますが、これらについてもその結果は今後報告書としてしっかり公表をいたしてまいりたいと考えております。
「横浜市役所の組織風土に関する職員全員アンケート」についてでありますが、これは市政方針でも述べましたように、事態を厳粛に受け止めまして、深い反省のもとに二度とこのような問題の起きない組織作り、組織風土の改革に取り組んでいく必要があるわけであります。今回のアンケートは調査チームが実施をしているものでありますが、組織風土の認識や自己防止策が有効に機能しているかどうかということについて、経営責任者を含めた市職員全員の意見を把握をする、そのために行っているものであります。
職員の処分についてでありますけれども、今後県警の調査が進み、法的な問題が明らかになる中で、本市としても調査を当然行っているわけであり、全体の状況を把握した上でそれぞれの職員の責任についてはしかるべき対応は致します。
私自身の今回の件への係わりについてということでありますけれども、11月29日に開かれました「前港北区長にエールをおくる横浜市職員の会」において来賓としてあいさつをいたしましたが、パーティそのものに関わったことはございません。ただし、現在横浜市役所で起きているこの事態について、組織の長として私は責任を痛感をいたしております。案内状についてでありますが、その内容については事前に相談を受けたことも、各局区長に送られているということも、それは私は知りませんでした。会への出席についてでありますけれども、明確な時期は記憶をしてございませんが、日程が決まった段階で前市長室長から話があって了解をしたものであります。
臨時本会議における発言についてでありますけれども、私自身はこの件に関して前市長室長に対して指示を出したということはございません。
市民の前に明らかにすることについてでありますけれども、現在調査チームが事実関係の調査を行っておりますので、県警の調査状況も踏まえて、しかるべき時期には行政を預かる立場として私自身の責任についても明らかにし、そして市民の皆様へ説明責任をしっかりと果たしてまいりたいというふうに考えております。
(第2質問)
大貫議員:お答えありがとうございました。太田議員の発言に対する市長のお答えがされていません。この問題では大変重要な問題で、室長がうなずいて、自分が全部背負っていくつもりですとはっきり言ったという、その発言というのは非常に重要な発言ですから、これについて否定されるのかどうか、はっきりしていただきたいと思います。以上です。
中田市長:私は明確に答弁申し上げましたけれども、私が前市長室長に指示をしたという事実は全くございません。以上です。
国保資格証世帯の就学児童に保険証の発行を
大貫議員:続いて、こどもの医療について質問します。
いま、貧困と格差社会の広がりの中で、国民健康保険料を払いたくても払えない世帯が急増し、保険料の滞納が増えています。その世帯に対し、制裁措置として、本市は機械的に資格証を発行し、保険証を取り上げています。5月1日の最新データでは、30,651世帯に及んでいます。このこと自体重大な問題ですが、さらに、大きな問題はその世帯の児童・生徒への影響です。子どもたちが発病したとき、資格世帯のため医療を受けることを躊躇するという事態が生まれています。
これまでの制度と変わり、保険証はカード形式になり、一人ひとりが持つことになりました。親は資格証であっても、就学中の児童・生徒への保険証発行は可能です。地方自治体が負う「児童を心身ともに健やかに育成する責任」という立場からも、資格証世帯での児童生徒への保険証の発行を求めます。
中田市長:続いて、子どもの医療についてのご質問をいただきました。
国民健康保険資格証世帯の就学中の児童等へ保険証を発行すべきということでありますが、滞納世帯への資格証の交付は、被保険者の負担の公平性を確保するという観点から、市町村に義務付けられた制度でありまして、保険者としての責務であるというふうに考えております。交付にあたっては、従来から納付相談等の際に生活状況を詳しくお聞きするなどしまして、実態の把握に努めて、法令に基づいて適正かつ丁重な対応をいたしております。なお、6歳未満の乳幼児やひとり親家庭などについては、本市独自の施策として、資格証世帯であっても保険証を発行をいたしております。
ケアマネ難民を防ぐための実効性ある対策を
大貫議員:最後に、介護保険について質問します。
改定介護保険法が4月からスタートしました。これまでも介護保険制度は重い利用料負担や施設整備の遅れなどのために、利用者にとって必要なサービスを受けられないという矛盾を抱えたまま実施されてきました。今回の改定は、これらを改善するどころか、さらなる負担増、介護サービスの取り上げ、介護施設の抑制などを行うもので、問題だらけの改悪だといわざるを得ません。
特に、介護が必要と認定されたのに、ケアプランを作成するケアマネージャーが見つからないという「ケアマネ難民」の問題が、全国から報告されています。改定した介護保険法では、これまで要介護1と認定された人のうち約6割が要支援2に区分され、本市では、これまでの要支援1の人と合計で、今後2008年度には27,000人の超える人が新たなケアプランを作る必要が出てくると予想されます。介護保険法では、地域包括支援センターで要支援者のケアプランを作ることが原則になっていますが、なぜ「ケアマネ難民」というような状況が生まれるのか、本市の現状と将来予測、そして、その対処についての考え方を伺います。
「ケアマネ難民」という状況が予想される中で、利用者の実態にあったケアプランの作成とチェックが可能なのか心配されます。その点でも地域包括支援センターの役割が重要です。同センターへの人的・財政的な援助も含め、支援策を打ち出す必要があると考えますが、市長の見解を求めます。
また、今回の改定の認定区分変更により、要支援2になった人は原則的に電動ベッドや車椅子が利用できないことや、サービスの利用限度額が要介護1にくらべて4割も減らされること、病院に通う際の介助がなくなるなどされています。従来どおりのサービスが受けられなくなることは大問題です。本市の場合の実態を伺うと同時に、本市独自の支援策を実施することが必要だと考えますが、市長の見解を伺って、私の質問を終わります。
中田市長:続いて、介護保険についてのご質問をいただきました。
要支援者のケアプラン作成にかかる本市の現状と将来予測および対処についてでありますけれども、要支援者のケアプランは、地域包括支援センター自ら作成するかあるいはケアマネージャーに委託して作成をしております。本市においては、地域包括支援センターの体制確保に早くから取り組んでおりまして、現時点で要支援者がケアプラン作成を断られているというそうした事実はきいてはおりません。しかし、作成にかかる介護報酬が半額以下に削減をされたということなどから、ケアマネージャーが受託に消極的になっている例もあるものと考えられます。今後、要支援者の増加が予測をされますが、地域包括支援センターに対して必要な体制を確保できるように、引き続き指導をいたしてまいります。
地域包括支援センターへの支援についてでありますけれども、ケアプラン作成については制度移行直後ということもありまして想定以上に時間がかかっているときいております。このため地域包括支援センター職員に対する研修や区役所による相談対応業務負担軽減のための事務の簡素化などの対策を準備をいたしているところであります。
要支援2になった方のサービス利用の実態と本市独自の支援策についてでありますが、今回の制度改正においては介護度が軽い要支援の方については電動ベッドなどの貸与や通院等乗降介助が原則として給付の対象外というふうにされたことから、問い合わせや相談などがよせられているところであります。利用者の方には軽度の場合、自らできることは自ら行っていただくことが介護予防の面から必要であるという趣旨をご理解をいただくように努めさせていただきたいというふうに思っております。
以上、答弁いたしました。
|