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Gikai 議会での質問

基本構想特別委員会「高野明子議員の質問と答弁要旨(06.06.21)

高野議員:私は日本共産党を代表して、基本構想・長期ビジョンについて質問いたします。6月8日の議案関連質問で、わが党は、都市像を支える5つの柱に、平和と福祉、人権が抜け落ちていることを指摘しました。

私は、市民生活の現状から20年後に向けてどうあるべきかも含めて具体的に質問します。


平和はすべての基本、「平和都市」を都市像の柱に明記すべき


  まず、最初に平和の問題ですが、わが党の指摘に市長は、「平和を重視している」と答弁しました。横浜市は米軍基地を抱え、市民と一体となって米軍基地の全面返還を掲げています。市長が「平和を重視している」というのであれば「平和都市」を都市像の柱に明記し、その姿勢を示すべきです。


  言うまでもなく、平和はすべての基本です。その立場から、20年後も基地が市内に存在することは、あってはならないことだと考えますが、いかがでしょうか。特に、日米軍事同盟の再編による相模原補給廠の強化は、その兵站基地としてノース・ドックの強化に結びつきます。さらに、鶴見の安善米軍基地、池子米軍住宅を含め、その返還を具体的な文言として基本構想に盛り込み、「平和都市」を都市像の柱にすべきですが、市長の見解を求めます。


中田市長:これまでもですね、基地の返還といったことについては、市会と行政が一致をして取り組んできたわけでありまして、そういう意味では今回具体的に小柴に関しては返還そのものがされたという成果にもつながっているわけであります。また、すでに合意がされているものもあることはよくご承知のとおりであります。


  そういう意味においては、これまでも、これまでの基本構想の中で、横浜市が平和を希求しながら基地についての対応をしてきたよ、今後も今ご議論いただいている基本構造の中において私共は平和を求めながら、その中において基地問題についても対応していくということだと思います。


高野議員:横須賀米海軍基地への原子力空母配備の問題も、長期ビジョンでの本市の安全という立場から看過できません。市長は定例記者会見で、横須賀市長の原子力空母配備容認表明をめぐって、「どんなに批判されようとも、私はあれを配備してよい、これは駄目だと口を出すつもりはない、国の責任で決めること。なぜ『反対』と言うのか不思議だった」と発言しています。横須賀への原子力空母配備は、原子炉事故による放射能汚染の危険性が高いことは専門家も指摘し、多くの市民も反対しています。仮に事故が発生すれば、横浜市民の命・財産も危険にさらされるものです。


  同じ東京湾内であり、横浜市は他人ごとではないはずです。事故が起きたときの市民の安全を考えたとき、「ノー」と言うのが市長の役目と思いますが、それでも市長は、原子力空母配備の問題を国の問題と言い切り、「反対」表明はしないのか伺います。


中田市長:従来から私はですね、原子力に対するわが国の国民感情、市民の懸念、こういうことを踏まえると、避けることが望ましいと、そう明確に言っているわけです。ただし、空母の配備といったことなどわが国の安全保障に関するそのことについて、これは国の専権事項なんです。国は自らの事務として国民にきちっと説明をする責任があるわけであって、そのことを私たちが求めていくことは、私は当然だと思います。しかし、国が国民に対して安全保障上の観点から配備を決める、そしてそのことについてきちっと責任をする、このことが筋ではないですか。


高野議員:他の都市の市長も反対を表明しています。


自治体の役割の基本は「住民の福祉の増進」


  都市像の柱に「福祉」を盛り込むべきとするわが党の質問に対し、市長は「5つの柱は横浜がめざす都市像の実現を支える柱として描いたものであり、政策項目を挙げるものではない」、このように答弁されていますが、それは的外れな見解です。自治体の役割は、地方自治法第1条で「住民の福祉の増進を図ることを基本として」と明記されているのです。福祉増進は、選択肢の一つではなく地方自治体の責務です。20年後の都市像として掲げていないことは、自治体の本旨にも背を向けることであり、自治体の長としての資質を問われるものです。市長の見解を伺います。


中田市長:今回のご質問、その趣旨に照らして地方自治法第1条の2に謳われている住民の福祉ということについて、改めて私も勉強しました。この住民の福祉というのは、高齢者福祉など一般に用いられるいわゆる狭義の意味での福祉を指しているのではありません。これは、広く国民全体を指して、地域における公共の利益をさしている福祉ですから、それこそ的外れです。


  従って、地方自治法上の住民の福祉を増進するという視点は、基本構想全体がすでに体現をしているものであって、都市像を支える柱の一つとして位置づけられるべきものではない、そう考えます。


高野議員:では、市長は「セーフティネットの行き届いた社会の仕組みをつくりあげると謳っているから福祉の視点がある」、このように答えています。これも言い逃れの詭弁としか思えません。セーフティネット論は、福祉を救貧対策で事足りるとする、極めて前近代的な考え方です。綱から落ちた人を救う網を用意することが今求められる福祉の水準なのか、そのようなもので良いか、市長に伺います。


中田市長:どちらが前近代的かは聞いている方にゆずりたいというふうに思いますけれども。いわゆる狭義の福祉、高野議員がおっしゃっている狭い意味での福祉、この視点からいえば、障害者や高齢者などが地域の中で生き生きと暮らしていけるまちを目指すことや、あるいは個人の尊厳を尊重した福祉や医療の仕組みを整える、このことが盛り込まれているんです。読みましたか。盛り込まれているんですよ。どこが救貧対策なんですか。どこが救貧対策で事足りてるその視点なんですか。そういう意味において基本構想全体、何かのひとつの文章をだけもってそこに書いてある書いてない、しかも的外れなところを読んで書いてる書いてない、では議論が成り立たない、そう思います。


高野議員:これは市長自らが答弁された内容です。


「交流拠点都市」「活力創造都市」は財界が求める都市像


  次に、都市像の柱立てについてです。多国籍企業を代表する財界がめざす都市像は、都心部に林立する高層ビルにエリートたちが住み、グローバル資本の国際的な競争力を支えることのできる都市であり、また、生産・流通などの効率的な都市形成を可能にする、いわゆるインフラ整備です。この大都市戦略に沿ったものといわざるを得ないのが、都市像を支える5つの柱の構成です。


  世界の知が集まる「交流拠点都市」、新たな活躍の場を開拓する「活力創造都市」を描いていますが、これは財界が求める都市像を横浜的に言い換えただけです。ここには、市民の生活状況の悪化に寄せる心、市民生活を守るという自治体の役目を発揮する姿が見えません。「生活快適都市」、「環境行動都市」、「安心安全都市」を後に謳っていますが、優先順位が逆さまではないでしょうか。市長の見解を伺います。


中田市長:都市像を支える5つの柱でありますけれども、これは優先順位ごとに書いているわけではないわけです。それは、日本共産党のみなさんにとって、おもしろくないそういう文章は他にあるかもしれませんけど、坊主憎けりゃ袈裟まで憎いようなですね、そういう議論はやめていただきたいと思いますね。


都市間競争で大規模開発をすすめることは大企業優先の支援策の強化


高野議員:次に移ります。実現の方向性と取り組みでいくつか伺います。あの論議をする必要がないようなそういうご意見ですから。


  4項目に、都市の活力を高めるために横浜の立地条件を生かし、空港、港、道路鉄道が一体的に機能するまちづくり、活力ある産業の集積で活力と競争力あるまちを目指すとなっています。


  これは、都市間競争で大規模開発をすすめ、大気汚染や振動・騒音など招く高速道路計画や必要のない大水深バースづくり、産業の集積を理由に大企業優遇の支援策を強めていく意図が見えています。地方自治体がやるべきは、地域経済を支えている中小零細企業に対する支援を重視し、高齢者や子どもたちが安心して利用できる生活道路や公園の整備こそ求められるものですが、都市経営局長に伺います。


深川都市経営局長
:いわゆるオールオアナッシングという話ではありませんで、たとえば羽田空港問題、あるいは横浜港の問題、いずれも市民の就業の場とかあるいは所得を向上させるとか、そういう面も非常に重要な社会基盤だというふうに考えていまして、一方で生活道路の問題、公園の整備というようなものもいずれも重要なものだというふうに考えております。

 

「多様な働き方」は財界・大企業に好き勝手の「自由」を保障するもの


高野議員:6項目では、個性を活かして働ける社会、働く意欲や努力が報われる社会を実現していくとして、具体的には個性・能力に応じた多様な職業や働き方を選択できるまちを目指しています。財界・大企業によるリストラと、それを後押しする小泉内閣「構造改革」による相次ぐ労働法制の規制緩和、雇用の流動化によってパートや派遣労働、有期雇用など非正規労働者をつくり出し、その結果、所得格差と就職難が広がる「格差拡大」が社会問題化しています。「多様な働き方」は、財界・大企業の求めに応えた、雇用も好き勝手にできる「自由」を保障するものであり、その不安定雇用をそのまま置き換えた「謳い文句」とまったく同じです。本市の市民意識調査でもフリーターの雇用者でも72%は正社員を希望しています。多様な働き方以前に、非正規労働者をなくしていく本市としての対策こそ盛り込むべきですが、都市経営局長に伺います。


深川都市経営局長:新しい基本構想におきましては、個性や能力に応じて自ら働き方を選択できるまちを目指すといったようなところを描いてございまして、先生ご指摘のような若者の不安定雇用を増大させるといったような趣旨ではございません。


市職員減らしは行政の役割の矮小化


高野議員:次は、実現のための基本姿勢について伺います。
5つの都市像を実現していくために、市民と行政が役割と責任を認識し、協力してつくるとなっています。そして、市民力の発揮として「新しい公共の創造」を進めるとしています。


「経営資源の制約」と市の職員を減らし、福祉、教育、医療など本来行政が担うべき施策を民に委ねていますが、これではあまりにも行政の役割を矮小化するものです。中田市長は、これまでの福祉切捨てと負担増路線を持続可能な制度とするためと強弁されてきましたが、市民いじめの行革はきっぱりやめるべきです。また、市民協働はあくまで主体的な市民活動の協働であって、間違っても行政の下請化で財政の削減を図るものではありません。


  福祉や医療、教育など行政職員の果たす役割は欠かせません。行政職員が市民生活の実態に接してこそ、今行政が何をしなければならないかがわかるものですが、都市経営局長にこの点について伺います。


深川都市経営局長:多様化する市民ニーズにより的確に応える、柔軟かつ迅速なサービスを提供するためには、それぞれの事業においてもっとも効果的効率的なサービス供給主体というものを選択をするということが必要でございます。公的なサービスを行政だけではなくて、市民やNPO、あるいは公益的団体、民間事業者などがそれぞれの役割の中で担うといったようなことで、市民満足度の向上が図られるというふうに考えております。


高野議員:職員の役割がすごく重要だと思いますが、この点についてはどのようにお考えでしょうか。


深川都市経営局長:職員の場合にはやはり組織力といったものが非常に重要でございますので、行くべき目標といったようなものをまず明らかにして一致団結をして市民満足度の向上のために遂行をしていくのが重要だというふうに思っております。

 

区長の準公選制制度、教育委員の公募制などを検討すべき


高野議員:最後に、行政の役割、自立と分権の地方自治を目指してですが、市民との協働による「自治」と「経営」をすすめるとしていますが、大都市横浜の運営では、区役所分権と市民参加が不可欠です。区役所を住民自治の単位として、区長の準公選制制度、教育委員の公募制など検討していく方向を示していくことや、政策立案段階への市民参加が重要ですが、その言及と位置づけがありません。自立と分権の地方自治にふさわしく、位置づけを示すべきですが、都市経営局長に伺います。


深川都市経営局長:新しい基本構想におきましては、行政の役割といたしまして、自立と分権の地方自治をめざして市民との共同により自治と経営をすすめると、あるいは持続可能な行財政運営を行う、さらに市民満足度の高い自主的自立的な大都市運営をめざすといったような視点などを盛り込んでおりますが、これはあくまで大都市経営の基本というものを通知したものでございます。


高野議員:自立と分権ということであるならば、区長の準公選制制度、教育委員の公募制など検討していくべきではないかと思いますけれども、再度伺います。

深川都市経営局長:先ほどの基本構想の中で謳われました大都市経営の基本というものを頭におきながら、そうした利便に基づく具体的な制度あるいは仕組みといったようなものにつきまして、時期中期計画において十分検討してまいりたいというふうに思っております。


高野議員:終わります。