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【2006年度第3回定例会】
「反対討論」柴田豊勝議員(2006.09.29)
私は、日本共産党を代表して今定例会に上程された議案の中から11議案と請願8件の不採択に反対し、討論を行います。
市長の処分はお手盛り処分ではないか
まず、市第48号議案、市長給与の減額についてです。
「市長給与の減額」は、前港北区長の石坂丈一町田市長の政治資金パーディー事件に関わって、市長の給料の50%を3カ月間減給するものです。
この事件について市長は、関係した88人のうち83人を条例に基づいて分限懲罰審査委員会での審議をえて処分を行いました。ところが市長を含め、特別職5人については、特別職に対する処分に関わる地方自治法施行規定を準用しての懲戒処分審査会や、「横浜市吏員懲罰審査会」を設置し処分を行うことにより、法的根拠と客観性、透明性を確保すべきものを、それを避け、外部の審査委員会を自分で人選して、その評価を基に自分の処分を決めたのです。自ら厳しくしたと強調していますがお手盛り処分ではありませんか。
しかもその上、市長は、事件の要因を「組織風土が一人ひとりの職員の感度を鈍らせた」と決めつけ、市長の責任を職員の責任をすりかえています。
また、「横浜市吏員懲罰審査会」の設置を求めた請願をも不採択としたことは、市長の後始末を是認することです。
保育園の民営化には保護者や事業者との合意が不可欠
つぎは、市第50号議案2007年4月から日野保育園等4園を廃止する「保育所条例の一部改正」と、それに関わる請願についてです。
本年、5月22日、横浜地裁から、04年4月に強行した柿木台保育園など4園の、民営化手続きについて、「児童福祉法の裁量権の逸脱・乱用」「保護者の同意のない廃止は違法」と断罪されました。下された判決を真摯に受止め、十分な検討もしないで、引き続き08年度も4園を民営化することは、何がなんでも「民営化ありき」とする行政手法として重大な問題があります。民営化するにあたって、「保護者や事業者との合意」を求める請願の趣旨は、今後、横浜の保育行政にとっても重要なことです。
民営化にあたって、世田谷区の「民営化ガイドライン」を参考にし、本市「ガイドライン」等の作成を求める請願について、「今ある本市の民営化方針と遜色がなく、作る必要はない」とする当局説明を「了承」するとして、「不採択」を主張した会派の見識を疑わざるを得ません。世田谷区の「民営化ガイドライン」は、「従来進めてきた手順では保護者の不安や懸念を大きし」、混乱等を引き起こした反省の上に立って、「保護者の理解や協力は絶対必要」という基本的な背景として策定されたものであることに目を向けようとしないものです。
また、本市の保育行政を担う民間保育園に対し、この4月から、一園あたり年額500万円〜1,000万円にもおよぶ補助金の大幅削減が、保育水準や保育環境に重大な影響をもたらしており、元に戻してほしいという請願には、応えるべきです。
東戸塚西地区の地区計画は住民参加で進めるべき
次は、市第54号議案、東戸塚西地区の地区計画についてです。今回、都市計画提案制度を使って西A-イチ地区を100メートルのビル建設を認める地区計画に対して、東戸塚駅を挟んだ東側の「特定街区地区」の高層マンションに住む住民から372通の意見書が提出されました。その内370件は反対意見で、その主な理由は眺望権の確保という問題です。街づくりは住民参加で進めるべきであり、周辺住民多数の反対を押し切っても行うものではありません。
「危機管理監」になぜ元高級警察官僚か
次は、市第55号議案、「危機管理監」を横浜市防災会議の副会長に任命することを否定するものではありません。「危機管理監」になぜ横浜の自然災害に関係もなく、公安警備畑を歩み・国の情報機関等の部署を担ってきた高級警察官僚をすえたのかが問題です。「国民保護法計画」の具体化にための司令官として期待したのではないかとの疑念はぬぐい切れません。
横浜美術館に指定管理者はそぐわない
次は、市第63号議案、横浜美術館の指定管理者の指定についてです。
横浜美術館の指定管理者として、横浜市芸術文化振興財団・相鉄エージェンシー・三菱地所ビルマネジメント共同事業体を指定管理者に指定しようとするものですが、「公募」に応じたのがこの団体のみという結果が、そもそも美術館の指定管理者の指定は「公募」にそぐわないことを示しています。
横浜市は、例外を認めず制度導入と公募を進めていますが、大型文化施設について、「公」から「民」への移行がなじむのかとの議論もあります。政令市において、指定管理者導入は、大阪市の非公募を含め4市であり、9市は直営で止まっています。しかも、民間企業の参入は本市のみで他に例をみません。
美術館は、高度な専門性が求められ、本来業務の調査・研究は長い時間をかけ、地道な活動が求められているものです。営利を優先し、「入館者数の増加」を求め、イベント志向に重心が移ることで、調査・研究して後世に伝えるという地道な作業がおろそかになれば美術館としての使命が揺るぎかねません。
指定管理者の評価も民間に任せていいのか
次は、市第65号議案一般会計補正に関連して「指定管理者第三者評価事業の補正について」です。株式会社を含む民間団体を評価機関として認定し、その認定機関に821の公の施設の指定管理者の評価をさせようとするものです。ここでも企業に市場開放です。指定管理者制度によって「公の施設」の管理運営をアウトソーシングして、さらにその評価についても民間に任せることは「公の関与」を限りなく薄くするものです。
市立大学の授業を値上げする要因は何もない
次は、市第64号議案、公立大学法人横浜市立大学への授業料の値上げの認可を求めるものです。
現在、高等教育の無償化が世界の流れです。市長は日頃、グローバル都市横浜を目指すと宣伝されていることを考えれば、今回の市大の授業料値上げは市長の意思とは違うことになります。
今回の授業料の値上げは、市立大学が独立行政法人化されたことなどを理由に、一般財源からの大学運営交付金を毎年削減し、5年後には交付金をゼロにするためのものです。
小泉構造改革は格差を拡大し貧困を広げ、そして、それは、市大の学生やその保護者を取り巻く環境にも襲いかかっています。しかも、諸物価の高騰はいっさい見られないなど、客観的な授業料値上げの要因はなにもありません。教育の機会均等の確保という立場からも、今回の授業料値上げは認められません。
常任委員会の傍聴は当然のこと
請願5号は、市会常任委員会に傍聴席の設置を求めたものです。来月から決算特別委員会局別審査から傍聴の試行が開始となります。常任委員会の傍聴席の確保と傍聴を認めることは当然であり、採択を求めるものです。
70歳以上の医療制度、負担増の改善を
請願8号には、医療制度の改悪に関連して、後期高齢者医療制度の創設に伴う保険料負担の改善等を求めています。
この医療制度の改悪は、本年6月国会で自民、公明党によって強行採決され、10月から施行されようとしており、患者・国民からだけではなく、医療関係者からも大きな怒りが寄せられています。
制度改悪の中身は、現役並みの所得のある75歳以上の高齢者の窓口負担を現行から3割に、70歳以上の療養病床入院患者の食費・居住費を自己負担に、高額療養費自己負担限度額の引き上げ、保険適用と適用外とする「混合診療」の本格導入など、年間2,900億円の国民負担増の一方で、2,500億円の国庫負担を削減しようとする戦後最悪とも言える医療制度の改悪です
後期高齢者の医療制度は、75歳以上の高齢者を現行の各種健康保険から除外し、県の広域連合で新たな保険制度の創設しようとするものです。県内75万人、横浜市内30万人が対象とされ、保険料は月額6,200円になるとされています。また、後期高齢者の心身の特性等にふさわしい診療報酬体系を理由とした差別医療の導入も危惧されています。
請願が、「過度な保険料負担にならないよう」あるいは「十分な財政措置」を広域連合準備会や国に求めることは当然であり、また、がん検診、乳幼児医療助成、重度障害者医療費助成の拡充等についても、市民要望に応えて採択すべきです。
大型産廃施設「金沢シンシア」は住民の不安を解消してから
最後は、請願第12号、産業廃棄物焼却施設建設計画の凍結についてです。
これは金沢区幸浦1丁目に建設が計画されている日量372トンという大規模な産業廃棄物焼却処理施設建設をすることに対して、地元住民から、並木の住宅団地から500メートルしか離れていないため、住民の健康を守る見地から、建設について凍結をして欲しいというものです。その具体的な要望として、窒素酸化物排出計画目標の50ppmを30ppm以下に引き下げること、金沢区児童の「ぜんそく被患率」が市内で一番高いため、その原因究明を行ない、大気汚染との因果関係が明らかになるまで施設建設の許可をおろさないことなどを求めています。
近隣住民からは、ぜんそくと大気汚染との因果関係についての不安を持つ声が広がり、国道357号線・市道富岡109号線・市道長浜道路での自動車排気ガスと今回の大規模焼却工場建設により、さらに一日あたり700台という運搬車両が増えるということから、工場からの窒素酸化物だけではなく、ぜんそくに影響する大気汚染物質の増加に危惧をするのは当然のことです。
市が今回の大規模焼却工場建設に土地の売却から関与していたことからしても、市が責任をもってぜんそくとの因果関係を明らかにすることや、窒素酸化物排出計画目標を30ppmまで引き下げて欲しいという住民の願いに応えるのは当然のことです。
「法に違反していなければ、産廃施設建設の許可は下ろさざるを得ないということから、この請願は採択できない」などという理由で不採択にするのは、住民に背を向けた態度といわざるを得ません。
以上で日本共産党を代表し、私の討論を終わります。
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