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【2006年度第4回定例会】 「決算反対討論」中島文雄議員(06.12.08)
自治体本来の役割に逆行
私は、日本共産党を代表して、2005年度一般会計歳入歳出決算および、12件の事業費会計決算等の認定に反対し討論を行ないます。
05年度予算は、「400億円の財源不足」を大々的に宣伝し、内部経費の削減・受益者負担の適正化の名で、徹底的な事業の見直しのもとに予算が編成されました。「社会的公正・公平」「選択と集中」などと、市民サービスの切り捨てや人員の削減など、440事業・190億円の見直しを行い、市民負担増等への直接影響額は、28億5,000万円、通年ベースでは36億円にのぼるものでした。
予算で徹底的に市民サービスを切り詰めた上に、一般会計における実質収支、いわゆる決算剰余金を47億8,000万円も生じさせています。市民サービスに直接関わる健康福祉局では、予算で27億円を削り、その上に34億万円余の不要額が生じています。こんなに決算不要額が出せるなら、「切り捨てた市民サービスを元に戻せ」などの市民の怒りは当然です。
中田市長になってから、「事業執行の効率化」「メリットシステムの定着」などとして、03年度以降05年度まで、38億3,000億円、44億1,400億円、47億8,000万円と、巨額な決算剰余金を作り出す一方で、累計300億円近くの市民サービスを削減してきました。これを「財政改革」と言うならば、自治体の本来の役割に逆行する「改革」だと指摘をしておきます。
決算認定に反対する具体的な理由ですが、その第一は、「社会的公正・公平」、受益者負担の適正化の名で、情け容赦なく市民サービスを切り捨てたことであります。
国の生活保護行政改悪に追い討ちをかけるように、保護世帯への上下水道基本料金減免や、市独自の援護の打ち切り、高齢者の基本健診・がん検診やインフルエンザ予防接種の負担増、毎年支給してきた敬老祝金の廃止、難病患者への療養補助の廃止など、「弱者切り捨て」は目に余ります。また、地区センターの有料化や各種市民利用施設の軒並み値上げ、社会福祉施設や病院などへの上下水道料金の軽減制度の廃止、グループホームの整備助成金の廃止など、これほどの市民いじめ、福祉切り捨ては市政史上、未曾有のことです。住民の福祉増進等のために支出する本市の扶助費は、13政令市中10番目という事態を直視すべきであります。
市民サービスの切り捨てなどの理由として、市長は、口を開けば「将来にわたって持続可能」のためだとか、「負担の公平性」などとしていますが、税制改悪による「雪だるま式」負担増や、障害者福祉・医療の改悪などと重なって、高齢者と社会的弱者のくらしこそ、持続可能どころか破綻をきたしております。
第二は、公共事業での「選択と集中」が生活基盤を削減する一方で、大型開発事業や大企業支援には大盤振舞いだということであります。
05年度は、借上げ市営住宅の整備中止をはじめ、学校修繕費や教室等環境整備、私道対策費など、軒並み生活基盤に関わる事業が削減をされました。これは、市民生活の安全・安心に関わるだけでなく、市内中小企業の仕事減らしとなり、地域経済にも否定的な影響をおよぼしております。
一方で、みなとみらい21関連事業等に163億円をはじめ、スーパー中枢港湾整備や高速道路関連など、大型開発事業には特段の事業費が投入されました。とりわけ高速横浜環状道路は、まだ事業が本格化していない05年度でも、83億5000万円が投入され、今後、環境破壊だけでなく、10年〜15年にわたって毎年100億円以上の巨額な負担を伴います。これでは、市民が求める生活道路等の整備に支障をきたすことは必至であり、計画を抜本的で見直すべきであります。
また、05年度は、京浜臨海部やみなとみらい21地区への企業誘致促進として、市税の二分の一軽減、一社につき上限50億円の建設助成金の支援など、「インセンティブ条例」が具体化された年でありました。
日産一社だけで10年間にわたって約50億円の助成をはじめ、これまでに19件・約92億円の誘致企業への支援を決めてきましたが、そのうち、なんと約83億円が大企業向け、中小企業への支援はわずか9億円であります。これでは、「企業誘致と称して、大企業向けの手厚い支援策ではないのか」の批判が出て当然であります。
しかも、みなとみらい21・旧高島ヤード地区では、処分地の簿価割れにより、現時点で464億円の赤字が想定され、600億円の赤字を税金で穴埋めする「第二の南本牧」の様相を呈しております。
税金軽減や助成金に一定の制限枠を設けるべきであります。帝国データバンク調査でも指摘しているように、企業の進出・立地条件の意向は「周辺の居住環境」であり、横浜のような「カネの力」に頼ることなく、他都市で行われている「知恵と工夫」を生かした誘致活動へ転換すべきであります。
合わせて、市民の税金などで支援策を行なった企業には、市民の優先雇用、派遣やパート労働など非正規雇用でなく正規雇用への誘導、地元市内業者からの物品購入など社会的責任を果たさせること。そして、一定の条件を設けて助成金等を市に還元する仕組みを作るなど、自治体の役割を果たすべきであります。
浪費型の大型開発・大企業支援を見直して、公共事業を生活・福祉密着型に切り替えることを強く求めておきます。
第三は、市民サービスに直結する福祉や教育などに、「民営化」や効率主義・市場原理主義を持ち込む問題であります。
わが党は、単に「民間活力」を否定するものではありません。下水汚泥の改良土プラントや消化ガスによる発電など、企業の技術活用が有効なものもあります。しかし、福祉や教育など市民サービスに直結する公共的な仕事は民間任せにせず、自らの責任で取り組むことこそ自治体の役割です。見境なく効率主義、「民営化ありき」を持ち込む行政運営は、自治体の自殺行為とも言えるものであります。
小学校給食の民間委託化、保育園の民営化などに、市民から不安と怒りが寄せられているのは当然であります。また、指定管理者制度を、「みなと赤十字病院」や公園などほとんどすべての「公の施設」に導入してきました。とりわけ地区センター等市民利用施設には指定管理者制度の導入と合わせ、利用料の有料化や値上げ、利用時間の一方的な規定などは、負担増だけでなく、市民活動への支援・協働などと常々口にする市長の言動にも反するものであります。
児童福祉法における放課後児童健全育成事業との関係を精査せず、キッズクラブ等を推進することも問題であります。保育に欠ける放課後児童の生活と遊びの場として大きな役割を果たしている学童保育クラブ事業を、今年委託から補助方式に変え、基本補助金の削減などで、一ヵ所当たり206万円も減額したことは問題です。41万人におよぶ「学童保育の委託継続・拡充」を求める「署名」を踏みにじった強行姿勢は改めるべきであります。
また、「市立保育園の民営化」について、横浜地裁から柿木台保育園など4園の民営化手法について、「児童福祉法の裁量権の逸脱・乱用」「保護者の同意のない廃止」は違法と断罪をされました。この判決を不服として高裁に控訴したこと自身問題ですが、下された判決を真摯に受けとめず、また十分な検討もしないで、引き続き民営化を強行することは、何がなんでも「民営化ありき」の手法であり、行政としてあるべき姿ではありません。
第四は、市民への周知や議会軽視と言われる、拙速で強引な市政運営の問題です。
05年度は、がん検診や基本健診の制度改悪の変更通知が、議会の議決を得る前に、各区で「広報」等に掲載し、配布されたことが、わが党の指摘で明らかになり、「議会無視」として大問題となりました。これは、単に区窓口の手違いでは済まされず、背景にトップダウン・強行的な市政運営があり、その端的な表れと言わざるを得ません。
基本健診について、04年度には65歳以上の再検診を廃止し、一般の特定検査500円を一律1,200円に自己負担を引き上げ、05年度、06年度には、胸部レントゲン検査の廃止、無料対象年齢を65歳から70歳に引き上げる改悪を強行しました。これらの制度改悪で、04年度〜05年で約24万5000人から20万人に基本健診が激減いたしました。
がん検診についても自己負担が12%から20%に増額し、無料対象も65歳から70歳に引き上げられました。
基本健診やがん検診は、予防医学の大事な事業であり、早期発見で医療費の給付を抑制できることにつながります。基本健診・がん検診の改悪を止め、元に戻すべきであり、事業の制度改変を、議会にも市民にも十分な説明もなく強行するなど、あってはならないことです。
競合路線の市営バス路線を民間に移譲した「再編」につづき、05年度末から突然示された「市営バス路線の廃止等再編計画」も問題であります。公共交通の中心的な役割を果たす公営交通、いわゆる市営バス等は、市民生活における利便性を確保する公共サービスであり、これに「採算性」を持ち込む、異常な市政運営の表れです。
中田市長は就任以来4年間で、市営バス運営への補助金を約40億円から20億円に半減させ、来年度、任意補助金の全額カットへの意向がバス路線廃止の背景となっていることは間違いありません。
突然の「廃止計画」の発表で、市民の怒りが沸騰し、短期間に10万人を超える「存続」を求める陳情署名などが寄せられました。市は、市民の声に押されて「生活交通バス路線維持制度」や「暫定運行措置」を発表し、58路線のうち19路線を「補助金を交付」して3年間の維持、および13路線について2年間の「暫定運行」等を打ち出しました。
しかし、これらはあくまでも暫定的措置であり、市民の不安や危惧が払拭された訳ではありません。わが党は、市長に対して、市民合意が得られない再編計画は一時凍結し、すべての路線運行を維持すること、今後再編計画の作成にあたっては、住民代表や交通専門家などを含め、再検討することを申し入れたところであります。
市民の声も聞かずに拙速・強行の市政運営は、今後、厳に慎むべきであります。
最後は、米軍基地や憲法の平和原則に対する市政の対応についてです。
折りしも今日12月8日は、65年前に日本が太平洋戦争に突入した日です。侵略戦争の戦禍によって、国民のみならずアジア・太平洋地域の人々に、計り知れない苦難と犠牲を与えました。この痛苦の反省の上に、「戦争をしない」「戦力を持たない」憲法9条がつくられ、戦後の日本がスタートしました。いま、「過去の侵略戦争を正当化する」歴史認識や、憲法を変えようとする動きに対して、アジア諸国を中心に批判が広がっています。
中田市長は、最近のテレビ番組で、憲法に自衛軍を明記することに賛成し、衆院議員時代には「自衛隊を軍隊として憲法に明確に位置づける」と政策をかかげておられました。池子の森に米軍住宅建設を容認し、また住民投票条例の制定を求める運動が、いま大きく広がっている原子力空母の横須賀配備問題についても、「賛成だと言える権限がない」「国の専権事項」などと、事実上容認する態度は、基地返還や平和と安全を求める市民の願いに逆行するものであります。
以上で、決算認定に反対する理由を述べ、私の討論を終わります。
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