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【2006年度第4回定例会】 「議案関連質問と答弁」柴田豊勝議員(06.12.08)
柴田豊勝議員の質問全文と市長等の答弁は、以下の通りです。(実際には、質問と答弁がそれぞれ一括して行われましたが、わかりやすいように、対応する質疑と答弁を交互に記載しました。)
柴田議員:日本共産党を代表し、市第74号議案他3議案について中田市長に質問いたします。
首長がらみの汚職事件は、議会のオール与党化も関与
最初は、市第74号議案 横浜市長の在職期間に関する条例の制定についてです。
報道では、今期市長の53項目のマニフェストが10月現在一項目も実現していないと批判をしていました。今回の条例提案は、あせって唐突とも見えることをまず指摘しておきます。
市長は、市長選時のマニフェストで「市長には強力な権限が集中しており、長期在職には弊害がつきものです。横浜市政を永続的に発展させる仕組みとして、3期を限度としてバトンタッチする『時間的分権』が必要」という考え方を示しました。
最近、福島、和歌山、宮崎各県で知事の関わる公共事業の発注をめぐる官製談合、岐阜や長崎県で県庁ぐるみの裏金問題等が続出し、汚職と腐敗にまみれた状況がマスコミを賑わし、国民の怒りが沸騰しています。市長は多選が弊害を生むと決め付けていますが、談合問題が起きた前宮崎県の知事は一期目ではあり、汚職と腐敗の原因を多選の弊害だけに求めることは出来ません。首長の資質を問題としてとらえるべきものです。
さらに、チェック機能として働くべき議会がその機能と役割を果たしていないことも大きな問題とマスコミは報じています。1995年国会において、県知事と政令指定市長の多選を禁止する議員提案が出され、議論された参院の趣旨説明では「昨今におきまして、地方議会の総与党化の傾向がみられ、議会審議が形骸化している。そこで首長の多選を制限する必要性が大きくなっている」と動機付けをしています。正に汚職・腐敗の進行は、議会のオール与党と議会のチェック機能が発揮し得ないところから生じているとの指摘について、議会のあり方自体をどのように考えているのか、市長の見解を伺います。
首長の多選禁止は現在全国の8つの自治体で条例化されており、そのうち埼玉県、及び川崎市等4自治体では現職のみの適用で、自分だけをしばる謙虚なものとなっています。しかし、本市の場合は条例で将来をもしばるものにしたのはなぜか、見解を伺います。
中田市長:お答え申し上げます。
まず、市第74号議案についてのご質問をいただきました。
公共事業に関連した事件の多発は多選の首長のもと、議会のチェック機能が働かなっていることなどによるものではないかというご意見でありますけれども、一般的には公共事業に関連した事件の背景として、多選により選挙に絡む事業者との癒着が生まれやすいといった弊害もあるとは言われております。ただし、先ほど柴田議員が、多選が弊害を生むと中田市長は決め付けているというふうにおっしゃいましたけれども、私は今日の答弁を通じてそうではないと言っているわけでありまして、そういう意味では弊害もあるというふうに言われているということを今申し上げました。しかし、公共事業についていえば、いまだに一般競争入札制度を導入せずに指名競争入札でほとんどの公共工事の発注を行っていること自体の方が問題だろうというふうに思います。
本市においては、すでに原則としてすべての工事を一般競争入札しておるわけですが、この公共工事に限らず、様々な課題に対して行政と議会双方が新たな時代の要請を踏まえてしっかりと取り組んでいくことが大切であるというふうに考えております。
本市の条例を自身限りに適用されるものとしなかった理由についてでありますが、私自身はそもそも3期を超えて存在するつもりはないと様々な機会で申し上げてきたわけでありますけれども、私限りの条例であればそういう意味ではあえて制定をする必要もないのかもしれません。一方で、今回の条例は、市民、議会、行政の共通の理解と認識のもとに、横浜市の自治のあり方についての意義を定める、そのことに意義があると考えて提案をさせていただいているものであります。
副市長4人体制は、さらに強引な行政運営を加速させるもの
柴田議員:次に、市第76号関連です。
トップマネージメント改革の一環として、特別職執行体制の再構築のために副市長を4人体制にしようとするものです。4人体制の理由として、「少子高齢化社会の急速な進展などの社会構造の変容に伴う福祉領域の拡大への対応」「地域交通政策」などの複数の局・区にまたがる重要課題を円滑に進めていくために、諸機関との調整を強力に行う必要があるとしています。
しかし市長は、2期目当選後にプライバシー保護に関して安全性が確保されたとして、いとも簡単に住民基本台帳ネットワークを国機関に接続し、さらに赤字を理由とした市営バスの路線廃止の強行にみられるように、諮問機関の「あり方検討会」の提言を絶対的なものとして具体化しました。市立保育園の民営化問題では、強引な民営化で横浜地裁より違法判決を受けても、何ら再検討もしないなど異常な市政運営です。市民ニーズに的確に応え、その規模にふさわしいリーダーシップを発揮するとしていますが、中田市政を支える3人の副市長体制を4人体制にすることは、さらに強引な行政運営を加速させるものと考えますが、見解を伺います。
副市長4人体制と合わせて設置する「経営諮問委員会」は、月1回のペースで開催し、そこで出された意見を都市経営や政策に反映するとしています。このやり方は、小泉首相の構造改革路線をリードした経済財政諮問会議の横浜版を連想させるものです。
また、その顔ぶれとして国や政府機関、財界の代表等が多く見られますが、これでは「官から民へ」「民間で出来ることは民間で」と、さらに公共サービスをズタズタにすることが懸念されるばかりです。また、自治体運営が企業経営と同列にされる危険性があります。
そこで伺いますが、委員会の6人はどのような基準で選任をしたのか、伺います。
さらに、トップマネージメント改革のひとつとして、副市長を本部長とした「コンプライアンス委員会」の推進体制を整備することをあげています。
「法令の遵守」とのことですが、「石坂丈一さんにエールを送る横浜市職員の会」に関する調査チーム報告によれば、約21,000人が協力した職員アンケートの中で、「なぜこのような問題が起きてしまったのか」との問いに、「当事者に公私の区別がついていない」47%、「法令や規則を守る意識が低かった」22%、「自由にものが言えるような職場環境にないから」12%、「問題があると指摘しても聞く耳を持たない体質があるから」10%となっています。このアンケート結果は、極めて重大な指摘です。「公私の区別がついていない」、「聞く耳を持たない」という法令遵守に対する意識の低さは、市長に向けられているのではありませんか。コンプライアンスを声高に叫ぶのは正に職員への責任転嫁であり、問題の本質のすりかえです。副市長を増やすことに連動するとは思えませんが、見解を伺います。
中田市長:次に、市第76号議案についてのご質問をいただきました。
トップマネージメント改革と行政運営のあり方についてでありますけれども、今回の改革は先ほども申し上げましたとおり、どうすれば市民生活が真に豊かなものになるのかといった観点から、権限委譲や意思決定の迅速化といったことなどを進めて、効率的・効果的に施策・事業を推進をしていくということのために、必要な体制を整えていこうと、こういうことでお願いをいたしているのであります。それによりまして、横浜の将来を見据えてより建設的・創造的な市政運営を展開できるように、質的な変換を図っていく、そのことが主なねらいであります。
経営諮問委員の選任基準についてのご質問ということでありますけれども、深い見識で幅広い議論をしていただけるように、学識経験者、経営者の方々で、地方自治や経営などに深い専門性を持ちながら、その専門分野にとどまらない活躍をされている、そうした方々にお願いをするというふうに心がけたわけでございます。
特別職4人の執行体制についてでありますが、基礎的自治体として360万人を抱える本市の規模は、これはもうご承知の通り突出しているわけであります。中期計画を速やかに執行できるということとともに、複数の局区にまたがる重要課題、あるいは地方自治体を代表する立場で国に対して積極的に発言をしていくということも求められております。そうした中、コンプライアンスの推進はもとより、市民ニーズに的確に応えて、本市横浜市としてその規模にふさわしいリーダーシップを発揮をしていくということのためにも必要な体制だと考えて、お願いをさせていただいているところであります。
18の保健所を1か所にするのは、市民の健康を守る行政の役割の後退
柴田議員:市第78号議案、横浜市福祉保健センター条例の一部改正は、現在、区福祉保健センターにある保健所を支所に格下げし、18の保健所を1つにまとめ、感染症、食中毒等の健康危機管理機能強化に対応しようとするものです。
中田市政のもとで、基本検診などの保健所業務が減少しています。これは、公衆衛生の維持強化を図り、市民の健康を守る第一線の行政機関の立場を後退させるものです。今回の支所化により、さらにこうした保健所の役割が低下するのではありませんか。見解を伺います。
これまで各区の保健所に配置していた医師は2002年には44人であったのが、今年度は36人となり、8人減、福祉局及び衛生局合計でも59人が48人と11名の減となっています。さらに今回の改定で、各区の医師配置が1人になる可能性があるとしています。1人では保健所機能の確保が出来ません。市民の不安を解消し、区行政の有り方とも関連して、支所にも医師2人体制を堅持することが必要と考えますが、見解を伺います。
中田市長:続いて、市第78号議案についてご質問いただきました。
改正に伴う保健所の役割についてでありますが、今回の改正においては健康福祉管理機能強化を図るということのために、一(いち)保健所体制としてまいります。各区福祉保健センターは、保健所支所として、保健所と同等の業務を行っていくことといたしておりまして、区における保健サービスはいままでと同様に市民の方々に提供をいたしてまいります。
医師の2名体制を維持すべきということでありますけれども、予防接種、乳幼児健診、感染症対応などの業務に携わる医師は、引き続き各区に配置をいたしてまいります。なお、福祉保健センターを保健所支所として位置づけるということによりまして、センター長は医師以外の職種でも可能となるわけですが、今後も福祉保健センターとしての業務が円滑に執行できるように、区・局において必要な体制をとってまいります。
高齢者に新たな負担を強いる後期高齢者医療制度
柴田議員:最後に、市第86号議案、神奈川県後期高齢者医療広域連合規約についての協議に関連してです。内容は、県を単位とした広域連合規約を定めるために関係市町村との協議を求めているものです。
後期高齢者医療制度は、75歳以上の高齢者を現行の各種健康保険から外し、広域連合で新たな保険制度をつくるもので、県内75万人、市内30万人が対象とされています。
問題の第1は、今まで保険料を払っていなかった被用保険者の被扶養者を含めて高齢者から保険料を徴収することです。徴収方法は、介護保険と同様に8割の人では年金から天引きするとしています。保険料は広域連合ごとに決めることになっていますが、国の試算では年7万円を越すとされています。保険料を払っていなかった人に対しては激変緩和措置として2年間半額になるとしても、新たに負担になることに変わりはありません。
第2は、国はこれまで被爆者や障害者、結核者への医療などの公費医療対象者と同様に、高齢者を資格証発行の対象から外してきましたが、今後、後期高齢者医療制度では保険料の滞納者から保険証を取り上げ、「短期証」や「資格証」の発行を行うことまで法律で定めていることです。
第3は、診療報酬が他の世代とは「別立て」で、「後期高齢者の心身の特性にふさわしい」との口実で診療報酬が引き下げられ、その結果必要な医療を受けることができなくなる危険性があることです。
国の試算によると、年間2,900億円の国民負担増の一方、2,500億円の国庫支出金を削減しようとしています。まさに、後期高齢者医療制度は国の「歳出削減」だけが目的で、持続可能を大義にした高齢者いじめの典型として、医療関係者にも怒りと不安が広がっています。
このように、この制度は後期高齢者への負担を強要する最悪の高齢者いじめそのものですが、後期高齢者が安心して医療を受けられなくなる恐れについて、市長の見解を伺います。
また、後期高齢者の意思の反映についての仕組みが欠落していることも大きな問題です。保険料の減免規定などについての高齢者等当事者の意見が反映するシステムを明記すべきと考えますが、見解を伺います。
最後に、議員定数についてです。神奈川県の基礎的地方自治体数は35ですが、選出される議員は20名です。人口比で横浜市は7人となっており、これでは議員を選出できない自治体が多数を占めてしまいます。保険業務を担うすべての市町村の意見が反映されてこそ、公平・公正な運営が可能となります。京都府・広島県のように、全自治体の他に人口比も加味する方法が最善とも考えますが、市長の見解を伺いまして、私の質問を終わります。
中田市長:最後に、市第86号議案についてのご質問をいただきました。
後期高齢者医療制度については、75歳以上の後期高齢者の心身の特性や生活実態などを踏まえて、高齢期における適切な医療の確保を図るために、設置をされたものであります。後期高齢者に適切な医療の給付などを行うために設けられた制度であると考えております。
高齢者の意見を反映できる仕組みについてですが、広域連合の運営につきましては広域連合の議員は市町村議会の議員から選出されること、広域連合条例で定める運営協議会においては県内の35市町村すべてが運営に参加する仕組みであること、こういったことによりまして高齢者の意見を反映をしていく、そうしたものになっていると考えております。
広域連合の議員の選出についてでありますけれども、県下全市町村で検討を重ねた結果、議員定数については広域連合の議会が独立した団体として意思決定を迅速かつ円滑に行えること、議会運営事務の簡素化効率化が図られること、こういったことなどを考慮して、20名といたしました。また、市町村ごとの定数は、人口や被保険者数などをもとに規定をいたしたものであります。
以上、答弁いたしました。
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