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Gikai 議会での質問

【2006年度第4回定例会】 「一般質問と答弁」荒木由美子議員(06.12.13)

荒木由美子議員の質問全文と市長等の答弁は、以下の通りです。(実際には、質問、市長答弁、第二質問(市営バス問題のみ)、市長答弁がそれぞれ一括して行われましたが、わかりやすいように、対応する質疑と答弁を交互に記載しました。)

 

荒木議員:私は日本共産党を代表して、市営バス路線問題と、税制改悪による高齢者負担増について、市長に質問します。


一般会計からの任意補助金で現行の市営バス路線を維持せよ


  まず、市営バス路線問題についてです。市長は、04年1月の「市営バス事業のあり方に関する答申」を受けて、交通局にこの3年間にわたって自立した経営を求めてきました。その方針を受けた交通局は「交通経営改革プラン」を策定し、人件費の抑制、業務の効率化、経費の削減を行ってきました。そして、来年度からは、任意補助金なしの民間並みの経営を求める意向を忠実に実行するため、6月に58路線の廃止計画を発表しました。


  この9月に各戸配布されたチラシで58路線もの再編計画を知らされた市民の声は、「一方的に赤字になっているからといって提案しているが、これまでそういう説明はなかった。どうしてこういう計画がでてくるのか、きちんと市は説明すべきだ」というものです。これらの多くの市民の怒りの声に推されて、10月から4方面別に公会堂において9回の説明会を設定し、南区公会堂の説明会では、初日に200人を越える方が会場に入れないという事態を引き起こしました。


  9回の説明会参加者は2100人を超え、私自身も3回説明会を傍聴しました。参加者の声は「今回の案はあまりにも一方的だ」「短期間にことを進めすぎている」というものが圧倒的で、誰もが市の説明には納得できず、不満の声を表していました。さらに説明会後の11月24日には、交通局が再編成の確定を一方的に発表し、これらの動きについて「結論を出すのは早すぎる」という声もあがっています。


  バス路線問題の廃止に対して存続を求める署名は、12月5日現在13万1277筆に達しています。市長はその内容について、十分承知しているはずです。県の協議会では路線の廃止・変更は住民の合意を必要としています。それにもかかわらず、なぜ市長は市民合意を前提とせず、このような再編計画を強引に進めているのか、まず、伺います。


中田市長:お答えを申し上げます。
  まず、市営バス路線に関してのご質問をいただきました。
  再編計画に関する市民のみなさんとの話し合いについてでありますけれども、市営バス事業の諸改革のなかで、路線の見直しがこれまでもたびたび議論をされてきたわけであります。今回の地元説明会などにおいては、様々な声が寄せられたわけですけれども、そうした市民のみなさんの声を踏まえた上で、暫定運行措置を含めて本市としての対応を決定をいたしました。なによりも交通局は企業としてお客様に支持されていくということが重要でありますから、その意味においてお客様に対して交通局はしっかりと対応をしなければならないわけでありまして、今回そういう意味では市民のみなさんにご説明をしてきたところであります。


荒木議員:今年の3月、市長選挙が行われました。市長が立候補するにあたり、市民から「その際になぜバス路線再編を選挙公約に掲げなかったのか。再選後にこういうやり方をするのは卑怯だ」という批判の声が寄せられていますが、この点についての市長の見解を伺います。


中田市長:そして、本件と選挙公約との関係ということについてでありますけれども、バス路線の再編については、これは平成16年の市営交通事業あり方検討委員会の答申、2年前の答申を受けて、交通局が市営バス事業の自主自立の健全な経営をめざして策定した経営改革プランに基づく取り組みのひとつとして行っているものであります。従いまして、バス路線再編の取り組みは、本年春の市長選挙より前からその経緯を踏まえて行われてきたものでありまして、また、実施にあたっては市会にもこれまでご説明をしながら数多くのご議論をいただくとともに、市民にも議論の過程など必要な情報を速やかに公表するなど、できる限りていねいな説明に努めてきたところであります。そういう意味では、卑怯ということとは逆で、堂々とこれまで出てきたものであります。


荒木議員:生活維持路線につづいて暫定運行の提案など、住民説明会後も次から次へと見直しが行われ、交通局・道路局・都市経営局などからその内容が報告されています。


  この間の市の対応は、計画案そのものがずさんだったことを証明しているものです。こんなずさんな計画を市民に示し、市民に不安と混乱をもたらしたことに対し、市長は自身の責任をどう考えているのか、伺います。


中田市長:市民にお示しした計画についてでありますけれども、58路線の再編計画は交通局が事業者として日頃から調査、把握をしている個々の路線の利用実態などに基づいて策定をいたしまして、市民にお示しをしてきたものであります。これに対して、本市としましては、最寄り駅まで15分の交通体系を確保していく上で、必要なバス路線、市民のために、民間も対象とした横浜市生活交通バス路線維持制度を新設をいたしました。また、地元説明会などでいただいた多くの市民の声を踏まえて、一部の路線については廃止をするまで2年間暫定運行を行って、本市として市民生活の激変緩和措置を講ずることといたしました。市民の声を聞いて、計画を立てて、そしてそうした意見を踏まえたこの計画について、ずさんといわれるのはいかがなものかと思います。


荒木議員:あり方答申では「バス事業として採算性を確保しにくい人口密度の低いエリアが点在することとなり、こうした地区の住民の重要な交通手段として、バス路線の整備が求められてきたことから、市営バス事業に過度の負担が強いられてきた面は否めない」と、市営バス路線の運行を維持するために任意補助金を導入してきたことを認めています。市長は、任意補助金の必要性を否定するのか、伺います。

        
中田市長:任意補助金による市営バス路線の運行についてでありますけれども、これまでの任意補助金が市営バス路線の一定の役割を果たしてきたことは事実でありまして、それを否定するものではございません。しかしながら、右肩上がりの経済環境ではなくなっているのはもう周知のことでありまして、また乗り合いバス事業の規制緩和に伴って、公営バスにおいても民営バスと同一の競争環境化での事業展開が求められている、そうしたなかにおいては、市営バスだけに市の財政支出を任意補助金というかたちで継続をしていくということは、これは困難であると考えております。


  今後の少子高齢化など、バス事業を取り巻く厳しい経営環境のももとにおいては、市営バスにおいても一層の経営努力が求められるのは、これは当然のことであります。


荒木議員:もともと市営バスが走っている路線は7割が赤字で、採算が取れない路線です。しかし赤字であっても、利用している市民にとってその路線は、欠かせない足です。そのバスが走っていることにより、通勤・通学をはじめ通院や買い物など、地域住民の生活向上に寄与している路線が圧倒的です。バスを利用している市民からは、「このバスがあるからここに住み続けられている。税金をたくさん払っているのに、赤字を理由にそれを認めないというのであるならば、これ以上税金を払いたくない」という声が寄せられています。11系統や79系統の住民からは、「市長にこの路線に乗ってもらって、現状認識をきちんとしてから提案してほしい」という声が届いています。今回市長が任意補助金を繰り入れたくない真意は、市民のこのような切実な声に耳を傾けるより、他都市がやっていないことを横浜が先駆けて実施したということ、いわゆるナンバーワン市長であることを積極的にアピールしたいからではありませんか、伺います。


中田市長:任意補助金を廃止することの真意についてということでありますが、平成19年度に一般会計の任意補助金を受けない、自立した経営を実現をしていくという目標は、市営バス事業のあり方に関する答申を踏まえて、平成16年3月に策定をいたしました市営交通経営改革プランにおいて、交通局自らが決定をしたものであります。交通局がこの目標を達成していくこと、また市全体として改革にたゆまざる取り組みを進めていくということは、これは市民の付託を受けた市役所として当然のことでありますし、市民のみなさんに今後も引き続きサービスをお届けをしていくためにはそうした工夫を常に積み重ねていかなければいけないことであります。


荒木議員:南区は高齢化率が18区内で一番高く、マイカーを運転することを避けたいという高齢者をはじめ、若い人たちでも、公共交通機関を積極的に活用したいという市民の認識が高まっています。市営バス路線を維持することは、自家用車による交通を減少させることにつながり、市長の公約にある「脱石油依存型社会」を掲げていたことと合致しています。まさに地球環境にやさしい政策だと考えますが、市長のこの点についての認識を伺います。


中田市長:バス路線の維持による環境政策の推進についてでありますけれども、今回の再編対象路線選定の基本的な考え方、これは鉄道、民営バスなどの代替交通があって、競合により運行が非効率となっているとした路線や、乗客が少なく運行効率が極端に悪い路線であり、環境政策面でのバスの役割ということについては十分認識をいたしております。むしろ、新たな地域交通サポート事業調整ということとともに市営バス事業経営体制の強化によって、将来にわたって必要なバスネットワークを維持する、そしてバス交通を利用していただく、このための方策であります。


荒木議員:私たち日本共産党市会議員団は、1.当面、現在の再編を一時凍結すること、2.一般会計からの任意補助金を投入して現行の路線を維持すること、3.今後の市営バスのあり方については、住民や専門家などによる懇談会により検討していくことを提案しています。この点についての市長の見解を伺います。


中田市長:懇談会の開催による今後の市営バスの検討についてでありますけれども、市営バスのあり方につきましては、横浜市市営交通事業あり方検討委員会において、平成15年3月から議論をされまして、適切な考え方が答申されているわけであります。また、これに基づく経営改革方針については、今後とも市民の代表としての議会に対して十分に説明をいたしてまいります。今回のバス路線再編についても、市民の理解を得るために一層の努力を交通局にも指示をいたしました。今後、市営バス事業の経営は改善型公営企業というかたちで出発をいたすという方向でありますが、お客様や交通専門家の意見をよくうかがいながら、進めてまいりたいと考えております。

 

荒木議員:2回目の質問をさせていただきます。市営バス問題についてです。
  12月1日の毎日新聞では、「市民に廃止路線を公表したのが9月15日、その後11月10日、58路線のうち30路線の廃止を発表したが、『結論ありき』の計画という印象が強い。中田市長は『交通局改革は今に始まったことではない。利用者の声を聞いた上で解決策を考えた結果』と説明するが、たった2か月での最終決定。市立保育園の民営化と同様、あまりにも拙速ではないだろうか」と指摘しています。また、11月21日の朝日新聞では、「寺田教授は廃止に至る過程において『横浜市は答申の形に合わせることを急ぎ、市民との合意形成努力を欠いた』」と指摘しています。これらの指摘について、市長は率直に素直に認めるべきだと考えますが、いかがですか。


中田市長:お答え申し上げます。
  まず、結論ありきとの報道などの議論をご紹介になって、それらを素直に認めるべきではないかというと質問だったと思いますけれども、まさに結論ありきではないから、市民のみなさんからご意見をいただいて計画を見直したりして手直しをして最終的に出しているわけであります。最初に出したものを一語一句変えなければ結論ありきと言われ、変えれば先ほどのようにずさんと言われ、それはおかしな理屈です。


荒木議員:次に、市長と親交がある上山教授は、「交通には、ビジネスでなく、福祉の視点が必要。市の財政規模からみれば、バスの赤字はたいした額ではない」と指摘しています。しかも来年度の路線編成自体の市全体の財政効果は2億から4億円程度といわれています。それでも強引に今回の改革を進めようとしている一番の理由を、市民の納得がいくように明確にお答えください。


中田市長:二つ目にお示しした計画を進めていく理由ということでありますけれども、これは今後も横浜市の交通体系というものを市民のみなさんにしっかりとご利用いただけるようにし、なかんずくそのなかにおける市営バスの役割というものを考えた時に、市営バスが今後も継続的に企業としてしっかりと市民のみなさまにサービスをお届けできるようにしていく、そのために計画を進めているところであります。


荒木議員:市長は市民の声をきいて暫定路線を決めたとおっしゃっています。しかし、市民は暫定路線を望んでいるのではありません。これまで通りの継続を求めているのです。市民の声をきくのであれば、暫定路線あるいは生活維持路線、次から次へと変えていくのではなくて、やはり市民の声をきちんときいて、現状の58路線、このままの存続がなぜできないのか、もう一度改めてお答えください。


中田市長:次に、全路線の存続がなぜできないのかということでありますけれども、これは多くの市民のみなさんもお気づきでありますし、もうすでに多くの方々にこうした論議もなされて、話がなされておりますけれども、今横浜市のバス路線で、市営バスもまた民間のバスも黒字の路線も、今後順次赤字になっていく、そうした路線が多数ございます。それは人口減少社会の中で、なかなかこれまでと同じバス路線の維持というのが、民間も市営バスも含めてやりにくい時代になっていくからです。そうした中において、市営バスは企業として今後も継続していける体質と体力をつけ、そのうえでバス路線を含めた交通体系全体を市として考えていく、このことが重要であります。


荒木議員:それから、市長のやり方は、私も見ていて思います。あり方答申をてこにし、そのあり方答申が本当にすばらしいものなのかどうか、一度市民に示してから進めていったらいかがでしょうか。改革の進め方はあり方答申だけではありません。市民との合意形成を基に進めるべきです。この点についても、明確にお答えください。
  以上、再質問させていただきました。


中田市長:最後に、あり方答申についてのご質問をいただきましたけれども、これはまさしく様々な的な角度から様々なご議論をいただき、さらにこれを市民のみなさんに公表してこれまで進めてきたわけでありまして、日本共産党のみなさんもそうしたことをしっかりと市民のみなさんにお伝えになることが寛容かと思います。
  以上です。

 

要介護認定を受けている高齢者に障害者控除の制度を周知徹底せよ


荒木議員:次に 税制改悪による高齢者負担増の軽減策についてです。
  自民党・公明党が実施をした住民税大増税により、高齢者を中心に苦情と抗議が殺到しました。全国的に500万人もの高齢者に数倍〜10数倍にのぼる負担増がおそいかかりました。横浜市も例外ではなく、区役所への抗議・相談が殺到したのは6月のことです。この増税問題は今年だけでとどまらず、来年1月には所得税、6月には住民税の定率減税が完全になくなります。さらに消費税を10%にするという計画もあり、このままでは、庶民の暮らしはますます厳しさを増し、普通に生活できないという深刻な事態を招くことは避けられません。先日のNHK番組「ワーキング・プア」で報道されていたように、働き続けても貧困が解消されない多くの国民を生み出していることに政府は目をつぶり、国民生活を向上させるための打開策をなんら講じてないことが一番の問題であることを、まず私たちは指摘せざるを得ません。


  このような状況の下で、2006年度に実施された税制改悪で影響を受ける高齢者は本市だけで約24万人、影響額は約56億円となっています。
  非課税から課税世帯にされることで、従来の特例措置の減免対象から除外される影響は深刻です。9月議会において、わが党が求めたそのための経過措置や緩和措置を設ける考えについて、市長は「今後の情況をみながら判断をいたしてまいりたい」と答弁しています。来年度の国の制度および予算に関する提案・要望書を7月と11月に出されていますが、経過措置の継続をはじめ税制改悪による高齢者の負担軽減を求める文言は見当たりませんが、どうされたのか説明を求めます。


中田市長:次に税制改正による高齢者の負担増の軽減策について、ご質問をいただきました。
  高齢者福祉事業の経過措置や緩和措置についてでありますけれども、引き続き状況の把握に努めておりまして、これを受けて判断を致してまいります。


荒木議員:もともと、国および地方自治体には、市民生活のセーフティネットとして、各種減免制度があります。問題は、その制度の使い勝手と市民への周知徹底の仕方です。                                
  そこで、2002年8月1日に厚生労働省が「老年者の所得税、地方税上の障害者控除の取り扱いについて」という通達を出していますが、この通達を受けて、介護認定を受けている高齢者がこの障害者控除を使えることについて、どのように対応してきたのか、伺います。


中田市長:高齢者の障害者控除の取り扱いについてでありますけれども、障害者控除を申請した方の個々の状況を状態を把握をいたしまして、国の認定基準に基づいて、適正に実施をいたしております。


荒木議員:いま、全国では、この通達にもとづいて、要介護認定を受けている方たちを対象にして「障害者控除」が適用できることを知らせている自治体が増えています。厚生労働省の通達をそのまま受けて、市はその通りに実施しているといいますが、要介護認定者は今年の10月末時点10万516人で、そのうちこの制度を使って障害者認定を受けた方は昨年度での実績で152人と極めて少ない状況でした。この数字から、いかに多くの方がこの制度を知らされていないかが見えますが、市として要介護認定を受けている方に対して、これまでどのように周知徹底をしているのか伺います。


中田市長:障害者控除の適用に関する周知についてでありますけれども、要介護認定の申請時に区の窓口で介護保険サービス利用の手引き、これを配布をいたしておりまして、この中で障害者控除についても説明をいたすようにしております。また、同様の内容については本市のホームページにも掲載をしてございます。


荒木議員:市の方針として、使える制度を積極的に活用できるよう知らせなかったことが、そもそも自治体として問題で、猛省すべきことです。今後は、東京世田谷区のように、介護認定を受けている方に対し、この制度があることを知らせる独自のチラシを作成すること、また個別通知に入れることや、区のサービス課に置くなど、周知徹底することを提案しますが、見解を伺います。


中田市長:周知の徹底についてでありますけれども、今後要介護認定結果を通知する際にお送りしている高齢者福祉サービスのご案内に障害者控除も記載をしまして、周知を図ってまいりたいというふうに考えております。
  以上、答弁申し上げました。


荒木議員:来年度から市民税が一律10%になります。これによる雪だるま負担増を回避するために、各局において利用料負担のあり方がゼロベースから検討されていると聞いています。高齢者の将来不安は計り知れないものがあります。すみやかにこの検討結果を市民に公表すべきことを申し上げて、私の1回目の質問といたします。