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【2006年度第4回定例会】 「反対討論」関美恵子議員(06.12.22)
私は、日本共産党を代表し、市長提案の議案のうち5件の議案について、また、7件の請願不採択に反対し、討論を行います。
首長の汚職・腐敗事件の原因は、首長個人の資質の問題
まず、市第74号議案は、横浜市長の在任期間を実質的に3期までとする条例の制定です。提案の理由に「幅広い権限を有する市長の職に同一の者が長期にわたり在任することに伴い、発生するおそれのある弊害を防止するため」とあります。
このところ4期5期努めた首長の汚職事件や裏金問題が厳しい批判にさらされていることを考えれば、その通りと思えなくもありませんが、談合問題の前宮崎県知事の場合は1期目であり必ずしも長期にわたり在任したわけではありません。汚職や腐敗の原因を「多選」だけに求めるのは無理があり、むしろ首長の資質の問題としてとらえるべきです。
町田市長選にからむ政治資金規正法違反事件は、中田市長1期目に発生しました。市政史上かってない不祥事に発展し、市政への市民の信頼は損なわれ、横浜市中期計画の取り組みにも支障があるとの反省から、信頼回復の「コンプライアンス委員会」をたちあげる程の深刻な事態といえます。周囲に「イエスマン」が増え、組織の風通しが悪くなり、弊害が起きやすくなるのは「多選」とは限りません。市長の市政運営の姿勢が原因です。
自治体は、市民から直接選ばれ、強力な権限をもつ市長を、同様に市民から直接選ばれた議会がチェックし、緊張関係のもとでバランスを保ちながら自治体運営を行っていくという「車の両輪」に例えられます。ところが、議会のオール与党化がチェック機能を形骸化させ、横浜市会も「実体伴わぬ車の両輪」とマスコミから評され、例外ではありません。議会にも、弊害を発生する責任の一端がないとは言い切れません。
市長の任期については、有権者である市民が決する問題であり、市長が将来にわたって縛る性格のものではありません。
副市長4人体制は今以上の強引な行政運営を加速
次に、市第75号及び76号議案についてです。
トップマネジメント改革は、横浜市中期計画の遂行や、地方分権、三位一体改革、大都市制度問題などについて国へ積極的な提言を行うために、強力なリーダーシップが必要と繰り返し強調し、その取組として副市長を3人体制から4人体制へと定数を変更し、強化しようとするものです。
他にも、国や政府機関、財界の代表が多数顔を並べた、まるで小泉政治の「構造改革路線」をリードした経済財政諮問会議の横浜版ともいえる「経営諮問会議」を設置し、月1回のペースで開催し、そこでの意見を都市経営や政策に反映するとしています。
市長は「トップマネジメント改革と行政運営のあり方について、効率的・効果的に施策・事業を推進していく必要な体制を整える」とし、「それにもまして、横浜の将来を見据え、より建設的・創造的な市政運営を展開できるように、質的な変換を図っていく」と答弁されていることは重大です。市営バスの路線廃止の強行にみられるように、諮問機関の「あり方検討会」の提案を絶対的なものとして具体化する、市立保育園の民営化問題では、違法判決を受けても何らの再検討もないという異常な市政運営です。市民ニーズに的確に応え、リーダーシップを発揮するとはいいますが、見えてくるのは市長を支える体制を厚くすることで、さらに強引な行政運営を加速させるということです。
市長の決済の2割を副市長に、副市長の決済の5割を局長に委譲し、意思決定の迅速化を図るともしています。副市長、局長の権限が拡大することは、庁内の上下関係が強まることにもなります。市長の手足としてのトップダウンの範囲を拡大し、行政の中の民主主義をくずしていくことに繋がりかねません。
360万都市に保健所1か所で市民の健康維持管理を守れるか
次に、市第78号議案についてです。
局に、感染症や食中毒等、健康管理機能の強化部門を設置することに異議をとなえるわけではありませんが、問題は、保健所を局1か所に集約し、現在の18行政区を支所とすることです。地域保健法の指針でも、政令市は「行政区単位に設置されてきたことに配慮しながら、都道府県の設置する保健所との均等および保健所政令市の人口要件を勘案して保健所を設置することが望ましい」とし、「人口30万人以上の市は保健所政令市への移行を検討すること」ともしています。この指針に照らして、360万人の本市で保健所1か所はあまりにも乖離があるといわなくてはなりません。
また、地域保健法で「保健所の事業の執行の便を図るため、支所を設けることができる」とあるのは、京都市のように行政区ごとに保健所を設置し、その他に保健所事業の執行に便を図るため、支所を置くと解釈すべきです。保健所は、本来公衆衛生の維持・向上を図る第一線の行政機関です。直接住民にサービスを提供する総合的な健康維持管理機能を備えた機関としてサービス機能が重視されているのです。だからこそ、各区に1か所の保健所が必要なのです。
負担が増える後期高齢者医療制度、県内20名の広域連合議員数も不適切
次に、市第86号議案についてです。
後期高齢者医療制度は、2006年の通常国会に小泉構造改革の一環として提出された医療制度改革関連法の一つで、現行の各種保険制度から後期高齢者を切り離し、75歳以上の後期高齢者、県内75万人、市内30万人が加入することになる新しい医療保険制度です。
制度の問題点は、後期高齢者の医療給付費が増えれば保険料が値上がりにつながるという仕組みで、資格証の発行対象になること、「後期高齢者の心身の特性にふさわしい診療報酬体系」を口実に診療報酬が引き下げられ、必要な医療を受けられなくなる危険性かあります。日本共産党は、国会で高齢者に対して新たな負担増ともに、高齢者への差別医療をもたらすものだとして反対したところです。
議案は、2008年のスタートに向け、神奈川県後期高齢者医療広域連合規約の議決を求めたものです。
規約案は、連合議員の選挙の方法、議員の任期、運営協議会などについて規定していますが、問題は被保険者の資格や保険料などの重要な内容を審議議決する議会の構成です。
広域連合には35市町村が加わることになるにもかかわらず、議員定数を20名としたことです。これによって特例市一般市町村の場合、ブロックごとの代表選挙となっています。これでは、はじめから広域連合を構成する各市町村の代表による議会の構成にはなりません。市長は「議員定数は、広域連合議会が独立した団体として意思決定を迅速かつ円滑に行えること。議会運営の事務の簡素化効率化から20名とした」と答弁されていますが、保険業務を担うすべての市町村の意見が反映されてこそ、公平・公正な運営も可能になり、現に京都府や広島県は全自治体の他に人口比も加味した構成となっていることと比べても問題です。
住民の強い要望、日常生活に不可欠な市バスの存続を
次に、請願第13号は市営バス18系統の存続を求め、31団体3,705人が、請願第22号、23号は市営バス11系統の存続を求め、2団体3,294人から請願されたものです。
いずれの路線とも、高齢者・障がい児者はもとより、通勤、通学、区役所へと、日常生活で必要不可欠との住民の強い要望のもとに維持する結果とはなりました。市側の進め方のなかで、市民への明確な説明や回答がなく、市民の大きな不信感をかったことは周知のところです。問題は、維持するとはいえ、11系統は神奈中に変わり、運行方法・期間について安定した路線確保とはなっていないことです。請願者が「市政の一つに安全・安心・人にやさしい街づくりを掲げている。それならば市の責務として市バスを存続してほしい」と述べている言葉に真摯に耳を傾けるべきです。
存続すら脅かす民間保育所への補助金カットをもとに戻して
次に、請願第18号は、35,605人より保育予算の充実を求め、提出されたものですが、なかでも、今年度民間保育所に対して、国の運営費に重複する補助金のカット、原則保育時間を8時間から11時間とする長時間保育費のカットなどが、保育園の存続を脅かすものになっています。一園あたりの削減額は、2006年度503万円、わが党が行った横浜市私立保育園園長会との懇談で「24時間保育している園で月額110万円の赤字」、また「毎月100万円赤字。市から10%の削減と聞いたが、40%近くなる。制度的な欠陥としか思えない。これは詐欺に等しい」また「3か月で300万円の赤字。このままで保育園が生き延びられるのか」との声が相次いで出されました。さらに2007年度の削減額は934万円にもなるということで、保育条件、保育環境への影響は明らかです。請願を採択し、長年横浜市の責任で保育水準を引き上げるために予算化してきた補助金をもとに戻すことは緊急の課題です。
学童保育に必要とする児童が誰でも入れるに十分な予算措置を
次に、請願第19号学童保育の充実・発展については、横浜学童保育連絡協議会よりだされたもので、署名者は36万8,560人に達し要望の強さを表しています。
今年度から加算制度と抱き合わせで基本補助費を削減しました。委員会の審議で「基本補助額が200万ほど減額になっている。加算制度で補助をつけているが、実際の状況は経費補助が増額したクラブ36%、減額が64%、平均の増額が51万、平均の減額が71万円」との局長の答弁で、多くのところでクラブの運営が厳しい状況に追い込まれている実態が明らかになりました。私も地元の学童の方から「保育料はあげられない。かといって保育内容をこれ以上落とせない」と板ばさみの中で指導員や保護者が苦労している話を伺い、充分な予算措置に対する要望の切実さを知らされました。必要とする児童が誰でも入れる充分な予算措置と対象児童を拡げることは市の責任であり、まさに子育て支援そのものです。
委員会の審議の中で、ある議員から、36万を超える署名をある政党の政策とか活動手段に利用しているとの発言がありました。議員ご本人の考えではなく、引用するにしても、これは的外れで、請願者に対する最大の侮辱になるということをはっきり申し上げておきます。
どの学年でも35人以下学級の実現を
次に、請願20号は、どの学年でも35人以下の学級編成ができるような教員配置を求めた県への意見書提出と市独自の教員配置を求めたもので、168団体から提出されています。実施校の反応は非常によく、2006年度、研究指定校方式の35人以下学級は44校に広がり、市独自の弾力化による実施をあわせると87校に広がっております。ところが、最近県教委は正規で行ってきた教員配当を非常勤に切り替えるなど、非常に厳しい財政を行っております。こうした時期に、県への意見書提出は時宜を得たものと考え、採択を求めます。
子どもの心身の健全な発達のためにも、学校給食の果たす役割は大
最後に、請願第21号は小学校給食の直営の存続と中学校給食実現等を求めたものです。昨今の「いじめ」「自殺」といった子どもたちをめぐる深刻な状況をみても、子どもたちの心身の健全な発達は、学校教育として強く求められるところです。学校給食がその実現において果たす役割は大きいと考えますが、保護者だのみの愛情弁当を基本に、民間だのみの業者弁当、さらに加えて民間委託の推進では、市の役割を後退させるだけです。
以上をもちまして、私の反対討論を終わります。
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