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Gikai 議会での質問

【2007年第1回定例会】 「代表質問」大貫憲夫議員(07.02.20)

(実際には、質問と市長答弁がそれぞれ一括して行われましたが、わかりやすいように、対応する質疑と答弁を交互に記載しました。)

 

 
強引な市政運営が、どれだけ市民を苦しめているか

大貫議員:私は、日本共産党を代表して中田市長に質問します。
  まず始めに市長の市政運営についてです。市長は2月8日の本会議で新年度の施政方針演説を行い、2007年度を「余儀なき改革」から「創造的改革に舵を切る年」と位置付けました。しかし、その施政方針演説の特徴は、これまでの強引な市政運営が、どれだけ市民を苦しめているのかの反省もなく、国の悪政の元で貧困と格差の広がりに苦しむ市民の生活実態に対する言及が一言も無かったことです。

この5年間の「余儀なき改革」は、コスト削減のためとして市民利用施設の有料化、公立保育所や学校給食調理など、本来行政が責任を持って行うべき事業や市民サービスを民間委託し、切り捨ててきました。市営バスの路線廃止はその典型です。今年度、多くの市民が反対を表明した58路線の廃止・統合問題は、一部の路線は見直したものの、そのほとんどが強行されようとしています。その目的は、市営バスへの補助金削減です。

市長とも親交があり、公共政策を専攻する上山信一慶応大大学院教授は、「交通にはビジネスだけでなく福祉の視点が必要。横浜市の財政規模からみれば、バスの赤字は大した額ではない」と指摘しています。市長の行ってきた「余儀なき改革」は、そのほとんどが上山教授の指摘されたように、目先のコスト削減に目を奪われ、それぞれの事業や政策を分断してとらえ、市政全体としてトータルに見ようとしない短絡的なものであり、市民の求める「改革」と対峙するものといわざるを得ません。市長はこの指摘に対して見解を伺います。


中田市長:お答え申し上げます。
  まず、市政運営について、ご質問いただきました。市政全体をトータルに見ることについて上山信一教授のお話を出しまして、その指摘に対してどう思うかということでありましたけれども。まさに上山さんのですね、発言の一部だけを捉えていますよね。それこそトータルに見たほうがよろしいんじゃないですかというふうに私は言わなければいけない。ということはですね、バス路線ひとつひとつを見ることなのではなくて、市営バス全体を見なければいけない。さらには、市営バスだけではなくて、市民の足をどう確保するかということを全体で見なければいけない。さらにはそこに税金を出すことに対する市政全体を見なければいけない。そのことによって、福祉にせよ経済施策にせよ教育にせよ地球環境問題にせよ地域の中のインフラ整備にせよすべてが影響してくるわけですね。そういうことをトータルにみて、ひとつひとつの仕組みということをできる限り持続可能な仕組みとしていく。完全に持続可能な仕組みにそれを完結することはできないものもあります。なぜならば、行政というのは儲かることだけをやっているわけではないからです。しかし、できうる限り持続可能な仕組みとしていく。そういうことにすることによって、トータルとしての横浜市の市政運営というものを持続可能なものにしていくということが重要なんでありまして、この点というものを私たちは考えるというのがトータルの視点ではないかというふうに思います。


国の悪政から市民を守る地方自治体の役割と逆行


大貫議員:市長は、5年間で福祉や医療などを累計で約400億円も削減してきました。これらは、国が生活保護や医療など「構造改革」として社会保障費を大幅に削減し、国民負担を容赦なく増やす中で、市民生活にさらなる困難を強いるものとなっています。市長の言う「余儀なき改革」は、国が市民に悪政を押し付けてきたとき、その国の悪政から市民の生活を守るという地方自治体の本来の役割と逆行するものです。この点での反論があればお聞きします。


中田市長:自治体本来の役割についてと、自治体本来の役割について反論があれば聞くというご質問でしたけれども。反論も何もですね、国と地方自治体との適切な役割分担に基づいておのおのの権限と責任のなかにおいて、住民の福祉の増進・向上に努めていくということが基本であると。そういう意味で、自治体の基本的な役割を踏まえて、たとえばですね、日本共産党のみなさん悪い例しかあげませんけれども、福祉分野において小児医療費の適正の拡大であるとか、あるいは障がい者自立支援法施行に伴う利用者負担の緩和といったことなど、まさに市民生活に目配りをしながら予算編成をしたというのが今回の予算であります。


大貫議員:06年度に実施された老齢者控除の廃止や公的年金等控除の見直しなどの税制改悪により、高齢者を狙い撃ちした増税は格差拡大に追い討ちをかけています。この税制改悪による高齢者負担増などの本市における影響は約24万人、影響額は約56億円とされ、高齢者の生活を直撃するものです。これに輪をかけて07年度は定率減税の全廃や税源移譲によって住民税が大幅に増えます。


  昨年、青葉区において日本共産党が実施した住民アンケートは、返送された84%が65歳以上の高齢者からの回答で、その75%以上の方が「生活が苦しくなった」と答え、中には「1,000円以上の買い物には緊張する生活」とも訴えています。


  市長は、12月の定例会でわが党の質問に答え、住民税増税によって減免対象から除外されるなどの影響が生じる高齢者や低所得者等に対し、「今後の状況を見て経過措置や緩和措置を設ける」とされていましたが、新年度予算案での本市独自の新たな具体策を伺います。


中田市長:税制改正に伴う高齢者の負担増への対応についてということでありますけれども、介護保険料等の負担緩和措置に加えて、新たに紙おむつ給付事業であるとか住み替え家賃助成事業であるとかこういったことなど、負担の影響が大きい4事業についてはこれまでも各方面から様々ご要望がありました。そういう意味で、そうしたご要望やあるいは私たちが把握をしてきた実態ということなどを踏まえて、平成19年20年度の2年間、負担緩和措置をいたしていくところであります。


大貫議員:特に、国民健康保険料への影響は重大です。今回の住民税増税によって、これまで課税所得が200万円以下の低所得者層の市民税率が3%から6%になることによって、大幅な負担増になります。今でもぎりぎりの生活の中で国民健康保険料が払えない世帯は2割にものぼっている状況です。従来の本市が行ってきた国民健康保険財政への市費繰り入れだけでは、市民の窮状をカバーできません。市費繰り入れの増額や新たな助成制度の創設が必要です。市長の見解を伺います。


中田市長:国民健康保険料の負担緩和についてでありますけれども、毎年一般会計から多額の市費を繰り入れておりまして、平成19年度予算案におきましても約88億円を計上いたしております。また18年度の税制改正に伴って負担増となった高齢者に対しましては、国の緩和策に基づいて19年度も引き続き市民税額から一定額を控除して、保険料を判定する措置を行ってまいります。


贅沢な開港150周年記念事業、相変わらずの大企業バラマキの新年度予算


大貫議員:次に新年度予算案について質問します。
  新年予算案は「創造的改革」を前面に押し出し、「国際競争力の強化」を口実に、大企業優遇の公共事業への「重点化」を進める国の「成長戦略」を下請け、それを具体化するものとなっています。


  その第一は、ヨコハマ国際戦略に基づいて実施される「横浜開港150周年記念事業」です。市長は、横浜開港150周年を「第二の開港」と位置づけ、横浜の活力・魅力を発信し、シティセールスをするために祝賀イベント等を行うとしています。この事業に新年度予算では、大桟橋の基部に位置する象の鼻地区の水際線プロムナードなどの再整備に27億円、マリンタワー再生として10億円など56億円計上し、記念イベントなどのために総事業費として3年間で約200億円を見込み、若干の民間からの寄付を受け入れるとしてもそのほとんどを税金で賄おうとしています。これは、施政方針演説で「財政状況が依然として厳しい」とした市長のアナウンスとあまりにも違いあります。「記念イベントに投入する予算はあっても、困っている市民にはないのか」という声が出ています。この声にどのように答えられるのか伺います。


  そもそも、これほどの予算をつぎ込んでまで、「ヨコハマ国際戦略」として横浜を内外に売り出すためにイベントが必要なのでしょうか。これだけの予算を福祉や市民サービスに回せば、「余儀なき改革」として奪われた市民生活を少しでもカバーできるではありませんか。今、市民が置かれている現状から見れば、開港記念はもっと質素に、市民が港のある街の素晴らしさを再認識し、市民全体で開港を祝うことの出来る行事に変更すべきです。いかがでしょうか。


中田市長:次に新年度の財政状況についてご質問いただきました。
  開港150周年記念事業の必要性についてということでありますけれども、2009年に迎える開港150周年、これは50年後の開港200年というものを見つめながらも、横浜の再発展、こういう契機にしていくという意味では、議会の多くのみなさんも大変に重要な契機だというふうに思っておられますし、私たちも非常に大切に考えております。また、横浜に限らず、日本社会全体がけっして明るいニュースが多くない、これからの閉塞感ということについて、多くの人たちが潜在的に感じている。そういうなかにおいてこの150周年というのは歴史を振り返って、これからに向けた軽く私たちがもう一回希望をもって抵抗しているというようなことに、私たちは大いに生かしていく、そうしたチャンスを横浜は持っていくということを私たちは重視をしていくということであります。


  この節目となる年に、記念イベントを開催をして、361万人の横浜市民が大いに共有できる横浜に対する誇り、歴史といったものを調整をして、そして象の鼻地区の再整備など関連事業を推進するということは大変意義あることだと思います。


  開港150周年記念事業、市民全体で祝うことについてでございますが、2009年の開港150周年記念事業は、今日の横浜の繁栄の礎を築いた港や先人の業績に感謝をし、市民の誰もが港横浜を回帰意識する、先ほども申し上げたように大変良い機会であると考えております。それこそ、次世代の浜っこが夢や希望を感じるということができるような横浜の創造に向けて、市民全体でお祝いをできるようにしていくということは、大変重要なことであると認識をいたしております。


大貫議員:第二は、目に余る大企業に対する補助金や減税のバラマキの問題です。これまでの日産や富士ゼロックスなどに加え、新年度では松下電器産業のために都筑区池辺町の土地開発公社の土地1.1ヘクタールを87億円、1平方メートル79万円で購入し、権利金11億円、月額253万円、30年間の地代合計9億円で貸与するとしています。

わが党は、問題の土地の賃料について、その額が妥当かどうか調査しました。都筑区内でも地価が低い市街化調整区域の車両置き場の賃料が1平方bあたり月546円という土地がありました。

松下電器の賃料は228円、この2倍強という計算になります。今回の松下電器への地代は異常な安さであることが判明しました。さらに、松下電器には横浜市から助成金7億円と固定資産税・都市計画税を5年間半分免除するとされています。地代によるこの資金の回収は少なくとも100年以上はかかってしまいます。

この松下電器は年間売り上げ8兆9,000億円、営業利益4,143億円、企業の内部留保も約8兆円という大企業です。その大企業に、ただ同然で横浜市の土地を貸与するということになります。しかも、この土地は、近隣に既存の松下電器の工場があることから、松下電器にとって、企業戦略上のどから手が出るほどほしい土地だと考えられます。市民には財政状況が厳しいといいながら、大企業には何故これほどの大盤振る舞いをするのでしょうか。市長の明快な答弁を求めます。


中田市長:次に、大企業の例を挙げながら企業誘致についてのご質問をいただきましたけれども。市内産業の事業機会の拡大や市民雇用の確保など経済活性化を図るとともに、市の財政基盤強化に寄与するものであるから、私たちは力を入れているわけであります。企業立地促進条例の認定実績は約半数が中小企業です。共産党のみなさんは最初から大企業優先だというふうに条例を作る段階からおっしゃっておられましたから、22件の認定事業のうち10件中小企業、簡単に言えば半分中小企業であるという現実から目を背けて相変わらず大企業誘致だと、こういうふうにおっしゃっておられますけれども、今申し上げた実例というものもよくみていただきながら、今後とも条例を活用し、積極的に企業誘致に取り組んでまいりたいと思いますので、静かにお聞きをいただければと思います。


大貫議員:問題の都筑区池辺の土地は、土地開発公社が公共工事の代替地として確保してきた土地とされています。用途は工業地域です。高い家賃や地代で苦しんでいる市内中小企業の工場に優先的に利用できるような施策を何故考えなかったのか疑問です。異常なまでの大企業優遇の今回の事業を中止し、市民の財産である池辺の当該土地を市内中小企業振興のために活用することを要求します。市長の見解を求めます。


中田市長:都筑区池辺町の事業についてでございますけれども、当該事業は企業立地促進条例の対象地域となっている内陸北部工業地域において、市内経済の活性化に寄与する企業の立地を図るために実施をしたものであります。事業予定者の決定については、新規貸付期間などの条件を明示した上で公募を行いまして、複数の応募者の中から外部委員による審査を経て決定を致したものであります。今後については、事業予定者への当該土地の貸付を計画通り進めてまいりたいと考えております。


大貫議員:第三は、新年度予算案は新たな大企業奉仕の公共事業に道を開くものとなっている問題です。今回、10年以上も凍結していた新市庁舎整備のための調査費を計上し、07年度中にも候補地を選定するとしています。特に注目されるのは、今後20年先を展望し、横浜駅周辺の大改造をするための事業推進調査費がついたことです。

また、新年度予算で計上された中期計画の重点事業では、スーパー中枢港湾に22億円、今後5年間で180億円、横浜環状道路に87億円、今後5年間で650億円、羽田空港再拡張事業に24億円、今後5年間で84億円の予算をつぎ込もうとしています。高秀前市長など歴代の市長以上に大企業・財界奉仕の大型公共事業が目白押しとなっています。まさに、国や財界の進める都市再生の具体化であり、財政状況が厳しいといいながら市民福祉を削り、新たな大型公共事業を始めようとしているこのことについて、市民にどのように説明されるのでしょうか。

そして、これらの大企業奉仕の大型公共事業を遂行することは新たな財政困難を生じさせるか、または市民サービス切捨てや「民営化万能論」に基づく行革を市民に押し付けるか、二者択一になることは必至です。これでは市民の理解を得ることは出来ません。市民の求める行財政改革は大型公共事業計画を総点検し、無駄な公共事業、不要不急の事業は抜本的に見直しすることにより、財政再建の財源とすることを求めているものだと考えます。この点での市長の見解を伺います。


中田市長:新年度予算案を市民にどのように説明するかということでありますけれど、19年度予算においては財政状況が厳しいなかにあっても、福祉、子育て支援、環境、経済など市民ニーズの高い事業に重点的に財源の配分を致しております。福祉サービスなどへの経費である扶助費は年々増加を致しまして、19年度予算においても前年度に比べて2.9%、74億円の増となっておりまして、一般会計総額に占める割合は約20%に達しているわけであります。また、現在進めている社会資本整備についてはいずれも市民生活の利便性の向上や市内経済全体の活性化に必要な事業であると考えております。


「住民の福祉の増進を図る」という自治体本来の使命を放棄するのでは本末転倒


大貫議員:行財政の効率的運営は、横浜市が地方自治体として国民・住民の税金を財源としている以上、当然のことです。しかし、「住民の福祉の増進を図る」という自治体本来の使命を放棄するのでは本末転倒です。

行政の「効率的運営」と「住民サービスの充実」を両立させてこそ、本当の行財政改革であり健全な財政再建への道だと考えます。この立場に立ち、新年度予算案一般会計で1兆3310億円を、市民生活向上最優先に転換することを要求して、私の質問を終わります。


中田市長:行財政改革についてでありますけれども、これは厳しい財政状況であると、そうしたなかにおいて、より効率的効果的な行政運営を実現をするために、これまでもいろんな努力をしてまいりました。行政の仕組みや手法について見直し、市役所内部経費の削減であるとか、時代の変化を踏まえた事業の見直しといったことなどに取り組んできたわけであります。その結果として、生み出された財源を、市民生活を支え守るサービスに振り向けてきたわけでありますけれども、今後も持続可能な行財政運営のもとに、市民満足度の向上めざして、一層の努力をいたしてまいりたいというふうに思いますので、ご理解をいただければと思います。


  以上、答弁申し上げます。