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【2007年第1回定例会】 「予算議案関連質問と答弁要旨」 関美恵子議員(07.02.21)
( 実際には、質問と市長答弁がそれぞれ一括して行われましたが、わかりやすいように、対応する質疑と答弁を交互に記載しました。)
削減される教育予算、市長は教育重視というけれど…
関議員:私は、日本共産党を代表し、教育環境の改善、要保護世帯向け長期生活支援資金に関わって、中田市長並びに押尾教育長に質問いたします。
最近、保護者から「教室の窓のカーテンの洗濯を学校からたのまれた」「教室の扇風機を買うため2000円負担してくださいと言われた」という驚きの声を聞きました。本来なら学校運営振興費をあてるところですが、3年間で約4億7,000万円削減されており、そのことと無関係ではないと思われます。
教育全体の当初予算は、市長就任の02年度と比較して、局再編による、はまっ子ふれあいスクール、預かり保育、スポーツ関連、幼児教育関連事業が他局へ移ったことを考慮しても、約1,000億円台から約800億円台まで減ったと考えていいと聞いています。少人数学級や中学校給食への取組や学校特別営繕費の確保も可能になる程の大幅な削減額です。市長は教育について重視していると日頃から口にされていますが、一方で教育予算を削減した理由は何か伺います。
中田市長:お答え申し上げます。
まず、教育環境の改善についてご質問をいただきました。
教育予算が縮減していることについてでありますけれども、ご案内の通り厳しい財政状況のなかにおいて、まず教育委員会自身では必要ではありますけれども、しかし教育は横浜の未来を作り出す原動力でありますから、きわめて重要な分野であるという認識を持って、予算を作成しております。平成19年度予算におきましても未来の横浜をになう子どもの教育を充実するということのために、中期計画及び横浜教育ビジョン推進プログラムの着実な推進に向けて、教育予算への一定の配慮を致したのであります。
関議員:学校特別営繕費は、安全で快適な教育環境を整備する重要な予算です。ところが、02年度予算と比較すると給食室は26%、トイレ改修は45%、教室等環境整備はなんと16%まで削減され、給食室整備では02年度12校実施から新年度は4校に。教室等環境整備は、年間千数百件の要望があり、防水・安全等への対応で手いっぱいです。エレベーター設置も「要望して3年経つが設置されない」と、応え切れていません。英語活動推進のため、夏休みも授業数確保となるとクーラー設置も必要です。学校特別営繕費について現場の要望にこたえる年次計画や予算の大幅な増額が必要ですが、教育長の見解を伺います。
押尾教育長:教育環境の改善について、ご質問いただきました。
学校特別営繕費につきましては、平成18年度末の補正予算を含め、対前年度比6.8%増となり、総額132億円を確保し、校舎の耐震補強、老朽化した校舎の防水工事や外壁改修等必要な対応を計画的に進めてまいります。厳しい財政状況ではございますが、効果的効率的な予算執行に努め、教育環境の整備を実施してまいります。
関議員:学校運営振興費や学校特別営繕費の削減で危惧されるのが、学校ファンドの創設です。わが党は、横浜教育ビジョン推進プログラムに盛り込まれた学校ファンドは学校間に差を生じ、公教育を歪めると考えています。そこで、学校ファンドをその目的を越えて、学校運営や教育環境整備に充当することはないのか、伺います。
押尾教育長:学校ファンドにつきましては、昨年3月の横浜教育改革会議の最終答申の特色ある学校つくりのための保護者・地域の学校への支援策としてご提言をいただいたところで、現在その内容について検討を行っているところでございます。
学校での教育課程の実施に必要な経費はこれまで通り公費負担とし、不足した場合に学校ファンドから補填するものではありません。
保護者のニーズの高い少人数学級の推進を
関議員:本市のいじめ発生件数は、05年度は794件と増加傾向を示し、学力は市教委の調査で「考える力」や「説明文を読む力」ともに50%前後と低く、いずれも抜本的対策が求められています。
学校教育に対する保護者のニーズも、文部科学省の意識調査などでも「教科の基礎的な学力」93.3%、「人間関係を築く力」92.7%と大変高く、授業や学習指導では「複数担任制や少人数による指導を行う」が80.9%で、最も高く少人数による指導へのニーズが強いことを示しています。
04年度から国が進めている学級編成の弾力化実施は46道府県に広がっています。本市でも、04年度22校、05年度31校、06年度は44校に広がり、県独自の弾力的運用も1、2年以外で小学校で36校、中学校で7校実施しています。実施校の校長から、「教師の指示が一人ひとりに行き届く。
落ち着いた学級運営ができる」という感想を聞いていますが、保護者や担任や児童・生徒からどのような声があり、教育委員会としてどのように評価しているのか、伺います。
市独自で実施する場合の人件費の試算もされているようですが、30人学級、35人学級を小学校1年のみで、また1、2年で実施した場合、人件費の試算を正規教員、非常勤講師それぞれで伺います。
ところで、川崎市は、新年度、少人数学級を非常勤で新1年生対象に実施する予算を計上したと聞きました。本市においても、非常勤講師からでも、市独自に少人数学級に取り組むべきと考えますが、教育長の見解を伺います。
押尾教育長:次に、研究指定校として35人学級を実施している小学校の保護者等の声や教育委員会の評価についてでございますが、実施校における学校長から報告によりますと、たとえば個に応じたきめ細かな指導ができるなどのメリットがあげられている一方で、お互いに多くの児童と触れ合うことができず、交友関係が限定されるなどのデメリットも指摘されているところでございます。教育委員会にいたしましては、引き続きそのあり方について十分検証していく必要があるものと考えております。
30人学級および35人学級を本市の小学校1年生で実施した場合の人件費の試算についてでございますが、30人学級の場合は正規教員であれば約26億円、非常勤講師であれば約10億円を、また35人学級の場合はそれぞれ11億円と4億円を見込んでおります。なお、1、2年生で実施した場合は、1年生のみで実施した場合のほぼ倍額を見込んでおります。
本市独自に非常勤講師を配置して少人数学級を実施することについてでございますが、多額の財政負担の問題のほか、国立教育政策研究所の調査結果において学級規模の縮小という点についての明確な有効性は認められないとの報告もあり、教育効果の点からも本市独自に学級規模を引き下げることは困難であると考えております。なお、来年度予算におきましては、低学年サポート事業やアシスタントティーチャー派遣事業の拡充を図り、よりきめ細かな授業が可能となるように致しました。
足りない代替教員、改善策を
関議員:現在、産休などの代替教員が補充されないという問題が何校かで発生しています。中には120日間4か月も欠員のままだったという場合もあります。学校内のやりくりで少人数教育の教員を担任にするなど、教育にも支障が出ています。教育委員会は、欠員解消に努力しているとはいいますが、このようなことが許されるのか、まさに教育委員会の責任問題と考えますが、教育長の見解を伺います。
02年度584人だった臨時的任用職員が06年度には1065人に増えています。しかも、定数内として正規でもらえる欠員臨任が587人も含まれています。採用試験の合格者を増やしたり、予算をつけて試験会場を他都市で行うことなどによって、定数に見合った教員を確保することを最優先で行うべきではありませんか。今後どのような改善策を図っていくのか、合わせて伺います。
押尾教育長:欠員代替教員の配置についてでございますが、近年首都圏における教員需要が増加しておりまして、年度途中においてすぐに任用に応じられる代替教員が非常に少なくなっていることが背景にございます。しかしながら、特別な事情がある場合を除きまして、迅速に配置を行っており、2月1日現在の欠員代替教員配置率は99.9%となっております。今後も迅速な配置に努めてまいります。
次に、定数に見合った教員の確保についてでございますが、まず教員採用試験の合格者数につきましては、質を重視しながら毎年採用者数を増やし、確保に努めております。また、試験を他都市等で実施することにつきましては、試験問題や個人情報などのセキュリティーの問題など実施にあたって様々な課題がありますが、現在研究をしているところでございます。
欠員解消のための改善策につきましては、大学の説明会の訪問箇所の拡大や、大学4年生だけでなく3年生を対象にした早期説明会の実施、教育委員会ホームページを活用して本市教員からのメッセージを掲載するなど、広報活動を強化するなどして、採用者の確保に努め、欠員の減少を図ってまいります。
小学校1年生から英語教育の必要性と指導体制は
関議員:教育予算が削減されるなかで、小中一貫英語教育は6億900万円から7億9700万円に増額し、うち6億7,300万円は現在54校の小学校英語活動推進校を140校に拡大するための予算で、09年度までに全校展開という力の入れようです。英語活動は、中・高学年は総合の時間に、低学年は総合がないので新たに時間を確保し、週1時間程度実施する計画です。05年7月、本市の教育改革会議第1回答申で打ち出されたものですが、英語教育活動の対象学年については、中央教育審議会の外国語専門部会は06年3月に小学校5年生以上を対称にする方向で検討する必要があるとしたまでで、文部科学省の正式の方針があるわけではありません。
国語もおぼつかない1年生から英語学習を実施するとした理由は何か、伺います。
派遣会社との契約で外国人の英語指導助手を配置すると聞いていますが、指導案や教材は担任が準備します。各学校において、指導体制についてどのような課題が出されているのか、伺います。専門性や教師の過重負担から、英語の専科の配置を求める声があがっていますが、当然の要望です。美術などのように、英語に専科教員を配置して授業を進める考えはないのか、伺います。
押尾教育長:英語学習を小学校1年生から実施する理由でございますが、横浜教育改革会議において未来をになう子どもたちを育成するために、国語力の充実と小学校1学年から英語教育を進める必要があるとのご提言をいただきました。教育委員会といたしましては、横浜語学教育の推進事業として、すべての教科の基本となる国語力と、国際都市横浜の地域特性を生かした英語によるコミュニケーション能力の育成を図ってまいります。
英語教育を進めるに当たっての指導体制についての課題でございますが、小学校英語の指導にあたっては、今後小学校英語活動推進校での検討内容を参考に、効果的な指導体制を検討してまいりますが、担任教師と外国人講師との打ち合わせ時間の確保が難しいなどの課題が現在出ております。
小学校における英語教育実施のための専科教員の配置についてでございますが、本市が導入する予定の英語教育は、外国人講師とチームティーチングなどによりまして、担任が指導することを想定しており、専科教員の配置は考えておりません。
関議員:給食調理業務の民間委託事業は、人件費によるコストを縮減する目的で導入され、新年度は65校に拡大します。調理業務にかかる人件費のコスト縮減額は9800万円で、運搬業務にかかる経費2億600万円を考慮すると、逆に民間委託の方が4900万円のコスト増となります。中期計画で125校まで計画していますが、コスト縮減についてどのような見通しのもとに行うとするのか、市長に伺います。
港北区の太尾小では、民間委託に向けた3回の説明会に、のべ228人の保護者が参加し、賛成の意見は1人もなく、「なぜ民間委託か理解できない」「民間委託のメリットが感じられない」との意見が多数出されたということです。議会へも2152人分の署名とともに実施の延期を求めた請願が出されているところです。教育委員会も「反対が多いと受け止めた」と発言したようですが、保護者の理解を得て進めるというのが教育委員会のこれまでの見解です。現状でもこのことに変更はないのか、教育長に伺います。
延期を求めている保護者の1人は、「新しいことを始めるには不安はつきものです。学校、保護者、地域が協力し、取り組める体制を作ることが何より大切です」と述べていますが、このことは教育委員会自身がいっていることではありませんか。強引なやり方で、保護者に学校や校長への不信を抱かせることがないよう、強く求めておきます。
中田市長:給食調理業務民間委託による17年度の縮減額についてでありますけれども、委託事業費から給食運搬・機材等の経費を除くと約9800万円の縮減見込みとなります。また、125校まで委託を拡大した場合、一定の条件を服して試算をしますと約5億円の経費縮減になると思われます。
押尾教育長:最後に、給食調理業務民間委託実施にあたっての保護者理解についてでございますが、保護者説明会等を通じて委託業務の範囲、安全衛生の基準、業者選定の考え方、運搬など民間委託での新たな取り組みなどなど、保護者からの質問や疑問について説明し、理解を得られるよう努めているところでございます。一部に反対の意見もありますが、多くのご理解を得ているものと考えております。
持ち家担保の生活資金貸付制度と生活保護の適用は
関議員:次に、要保護世帯向け長期生活支援資金について伺います。
これは、今年の4月から、生活保護の対象だが、居住用不動産を有する65歳以上の高齢者について「要保護世帯向け長期生活支援資金」を創設し、貸付制度利用を優先させ、利用期間中は生活保護の適用は行わないというものです。
生活保護を申請する場合、居住用不動産の活用は3000万円以上の評価額に適用しています。それを概ね500万円以上とした場合、貸付制度への対象者を広げることになります。概ね500万円以上とした理由は何か、伺います。
貸付制度を利用している期間中も要保護者であることに変わりはないとしていますが、そうであるなら、新たに負債を負わせることは、生活保護の趣旨からどのように説明するのか、伺います。
貸付制度の利用を拒否した場合、生活保護を選択をする自由はなく、一定期間の後、生活保護は打ち切られます。利用した場合は当然生活保護の適用はありません。いずれにしても生活保護の条件を満たしながら適用からは外れるわけで、このことは申請の権利、受給の権利を奪うということです。貸付制度の狙いが申請抑制にあることは、明らかです。北九州市の餓死事件、秋田県での自殺事件も、生活保護の対象であるにもかかわらず、申請を拒否されたことが発端でした。市として二つの事件から何を学んだのか改めて伺います。
貸付制度の導入の根拠は、05年12月「生活保護の在り方に関する専門委員会」の報告書の中で、「居住用不動産を保有する被保護者が死亡した場合、その不動産を扶養義務者が相続することが社会的公平性の観点から問題である」との指摘ですが、続けて「これらの不動産が相続される場合、相続人に保護に要した費用を返還させる仕組みを設けるなど、法制的なあり方を含めて今後検討を深めるべきとの意見があった」となっています。その後、「法制的な在り方」を検討した形跡は全くありません。憲法24条に規定された財産権・相続権という個人の「尊厳」に関る権利が、「処理基準」「技術的助言」によって侵害されることになるわけですが、相続権など法的検討がされていないなかで、本市が導入する理由は何か。また、制度の導入自体、見直すべきと考えますが、合わせて伺って、私の質問を終わります。
中田市長:次に、要保護世帯向け長期生活支援資金についてのご質問をいただきました。
評価額500万円以上とした理由ということでありますけれども、国の説明によりますと、大都市近郊では500万円以下の不動産物件はほとんどない。貸付制度の利用者は都市部に多くなると想定されていることから、対象となりうる物件をカバーする評価額として500万円以上とするということであります。
貸付制度と生活保護制度の趣旨でありますけれども、この貸付制度は要保護者が固有する居住用不動産を活用して生活資金の貸付を受けるものであります。従って、資産の活用を用件としている現行の生活保護制度の趣旨に沿ったものと考えています。
貸付制度と他都市の事例を踏まえた保護申請への対応についてでありますが、資産のある方の保護の申請に当たっては、貸付制度の使用が優先されますので、まず貸付による生活に要する資金を確保してからになります。また、貸付期間中も適宜相談に応じまして、貸付金が限度額に達した後は生活保護が適用になるかどうかを説明し、理解を求めることと致します。なお本市においては、従来から業務に精通した職員を窓口に配置を致しまして、親切でていねいな対応をするように努めているところであります。
貸付制度導入の見直しについて、制度導入の理由とまた見直しということについていかがかというお尋ねでありますけれども、被保護者に対して扶養をしなかった扶養義務者が被保護者の死亡時に家屋について相続するという現状になっているわけですね。そういう意味ではこれは社会的公平の観点からなかなか理解が得られないということがあります。そこで、要保護者向け資金制度が創設をされまして、居住用不動産を有する高齢者世帯等に貸付を行って生活資金に使用させるというものであります。貸付制度導入の趣旨から考えまして、生活保護制度の運用上必要な制度というふうに考えておりますので、しかるのち導入をいたして議論申し上げているところでございます。
以下、教育長に答弁いたさせます。
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