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【2007年第1回定例会】 「予算案反対討論」 柴田豊勝議員(07.03.20)
私は、日本共産党を代表して、市第99議案、2007年度一般会計予算案を初め、20件の議案に反対し討論を行います。
中田市長就任から5年目となりました、昨年末ある新聞が「信頼を失った横浜市」と題する記事を掲載しました。内容は、横浜市は何ものにも代え難い市民の信頼を失ったというものです。「政治資金パーティ事件」「交通局が不採算路線の切捨て」とその後の混乱ぶり、などを紹介しています。これは全国レベルの重い指摘であり、全体として市民の厳しい目線でもありました。市長が「余儀なき改革」から「創造的改革に舵を切る年」と位置づけ、編成された予算案は、改革の名に値いしないものです。
反対の第一は、相も変らぬ福祉サービスの削減についてです。
今年度の予算編成に関わっては、国の税制改訂により、市税収入は、過去2番目の規模となったにもかかわらず、市民には新たな負担がズッシリと重くのしかかって来ました。その上に、福祉施策の切捨てとは、ひどすぎます。
第1は、福祉分野の市民サービスの切り捨てについてです。「要支援」以上の高齢者を対象に食事届ける「高齢者食事サービス事業」は、原則「介護二」以上に基準を絞られてしまいました。高齢者ホームヘルプ事業は、これまで週6時間だったサービス提供の上限時間が、介護保険予防給付と同水準の1,5時間程度まで段階的に短縮されてしまいます。
民間施設で暮らす生活保護受給者に年5000円支給、支払されている「日用品費」も段階的廃止され、09年度全廃です。国民健康保険証の取り上げ、本市のひどさは際立っています。今年2月に発表された厚生労働省の調査結果では、全国で滞納が480世帯、その内、国保証が取り上げられ、医療費窓口で一旦全額医療費を支払わなければならない資格証明書が35万世帯で史上最悪です。本市では、滞納が11万世帯、その内約3万世帯に資格証が発行され、これは、滞納世帯数の27%、全国平均の約4倍です。名古屋市ではわずか20世帯、さいたま市でも21世帯です。どこが違うか、心の通った収納対応、可能な限り資格証を発行しない立場が欠落していることです。本市の対応を厳しく批判するとともに対応の転換を強く求めておきます。
第2は、制度の持続可能を理由にしての制度の廃止や市民負担増をおしつけている点です。市長は、施政方針で「創造的改革への舵を切る」とて、その一番に市営バス路線の再編をあげ、「税金のムリな投入で、財政が破綻し、ある日突然すべてのバスがなくなることは断じて避けなければなりません」なとど市民と利用者をおどしていますが、とても360万市民を預かり、代表する市長とは思えない言動です。2006年度計上していた交通局バス事業への任意補助金をセロにした異常さは、唖然とするばかりです。
赤字を理由に路線の廃止をすることは、公営交通の役割を放棄するものです。元々、他都市比較でも、収入に占める一般会計補助金率は、10%は、最低の水準であり、一般会計への負担は、決して重いものではありません。一方、市民の運動と声の高まりにより、「維持路線」や激変緩和の「暫定路線」を新設しましたが、とても市民の期待に応えるものではありません。
更に、今年度の乗客利用実態調査に基づいて、敬老バス制度も持続可能な制度と称して利用者への負担増を検討していることです。東京都が課税者について、1,000円から経過的措置がありましたが、20,510円に制度変更により申請者が17万人から10万人に激減しました。こうなったら制度が残っても「高齢者の交通の確保と社会参加等」制度の目的を果たすことが出来ません。
第3は、教育委員会の予算の減少についてです。
横浜の未来を担う子ども、児童・生徒への予算がこの5年間に、局再編を考慮しても、約1,000億円台から800億円台まで大幅削減であり、委員会審査の際に他会派の議員からも、横浜の教育に対する心配の声が上がったほどです。
教育予算を削減しながら、一方で、横浜市教育委員会が3月1日に各学校に、「儀式的行事等における国旗・国歌の適正な取り扱いについて」実施指針を通知しています。内容は、儀式的行事における国旗の掲揚について「儀式会場舞台壇上正面向かって左に国旗」「屋外掲揚塔には、中央に国旗…」国家の斉唱については「司会者が参列者に起立を促し、国歌を発する」「ピアノ、吹奏楽などの伴奏により、指揮者の指揮の下に行う」事などを求めるなど、異常な強制です。内心の自由に立ち入らないことは国旗・国歌法の審議でも明らかでありあります。とても容認できるものではありません。このような通知で強要しながら、教育環境は、どうでしょうか。
給食室は26%、トイレ改修は45%、教育等整備費は16%までの削減。給食室では12校から4校となっています。ひどいじゃありませんか、一方で、教育等環境整備は、年間千数百件の要望があっても先延ばしされています。現場の要望に応える年次計画や予算措置の求めに対しても「効果的効率的予算につとめる」との答弁にとどまり、ここには何らの反省もなく、教育施設改善への熱意を感じるものがありません。
第4は、官から民へと称して公共のサービスを関係者の合意を得ることもなく民間にゆだねる無責任さも、くり返し指摘をしなければなりません。
「市立保育園の強引な民間売却方式は、横浜地方裁判所からの違憲判決をうけても開き直りの態度でさらに推進する姿は、ひどいものとして全国の関係者から注目を浴びています。学校給食調理業務の民間委託も、関係者の合意を求めることもなく「計画と結論ありき」であり強引さが目立っています。市立動物園についても何の問題もない直営方式から指定管理者の指定を機会に民間参入に道を開くことになります。
区役所窓口と行政サービスコーナーに派遣労働者を導入することについてです。これまで本市職員と嘱託職員で運営してきたものを民間に解放することは、個人情報の保護の立場からも不安を拭い去ることは出来ません。さらに不安定雇用の典型でもある、派遣労働者を制度導入し試行とのことですが、地方自治体が不安定雇用を増長させること自体あってはならないことです。
市民との協働でも新たな問題が出ています。家庭ゴミの収集回数の削減問題です。
週3回から2回にむけて、市民にパブリックコメントを実施したとのことですが、件数百件程度であり、市民は、これまで「G30」に協力をしてきただけに関心の高いはずですが、パブリックコメントは、それに見合っていません。パブリックコメントと区連協などへの説明でよしとするところに問題があります。市民の意見の実質的な聴取なき実施は市民の行政不信をもたらすだけです。
最後に、「横浜市消防力再編計画検討委員会」の検討結果にもとづいて、「多様化する災害への対応や複雑化する建物構造など、消防を取り巻く環境が大きく変化している」と横浜型消防力として「消防署・所、ポンプ車、はしご車」などを削減することは、市民の安心と安全の施策充実を求めることに逆行するものです。
第5は、「国際競争力の強化」の名のもと、高速道路、港湾、誘致補助金等で大企業呼び込みのインフラづくりへの重点化したことです。
都筑区池辺町の土地開発公社の土地1.1ヘクタールを87億円、一平米79万円で購入し、権利金11億円、月額253万円、30年間の地代合計9億円で松下に貸与するというものです。しかも土地開発公社からの購入が市債でありその結果、30億円の金利分が上乗せされ、本市の負担は117億円となります。他に助成金7億円、固定資産税などの減免が5年間分で約1億円です。したがって、30年間分を試算すると、本市の支出・減免が約125億円、一方、本市の収入は土地代の9億円、5年後以降の固定資産税及び都市計画税を現行の水準で試算しても10億円程度あり、他に法人税収入は不透明であり、松下電器産業への異常なサービスといわなければなりません。
環境破壊と借金を膨らませることになるになる高速横浜環状道路及び関連街に87億円を計上しています。北線の関連の岸谷・生麦線の生麦中学校下のトンネル工事により、現在までに明らかに家屋の損傷が8軒にも及んでいることが判明していることです。
南本牧ふ頭高・規格コンテナターミナル大水深バース整備では、これまで「今後の物流動向」を見定めとしていた方針を突破してMC3の工事に着手するとしています。特別委員会の港湾局審査では、国が水深16メートルでよしとしているにもかかわらず、船の大型化などを理由にして本市が水深18メートルに固執するなどチグハグさも異例のことです。
また、「横浜開港150周年記念事業」です。横浜市民は、開港150周年を祝ってくれます。しかし、3年で200億円を見込み、今年度だけで56億円を計上し、大桟橋の象の鼻地区の水際線プロムナードの再整備、マリンタワー再生などを行うとしています。市民は、開港150周年はお祝いの気持ちがあっても「多額な投資・華美なイベント」を期待していないことを断言しておきます。事業費の捻出の仕方も問題です。
市長就任以来、2003年度から実質収支の推移で38億円、44億円、そして47億円と実質黒字となっています。「財政の健全化」を理由に、国基準・他都市以上のサービスはやらないとして、福祉や市民サービスを切り詰めさせた結果です、その財源を積み立てた「財政調整資金」を活用していることです、本来、災害や財源不足に備えるいわば「市の貯金」を取り崩すことに批判も集まっています。
最後に、10年間凍結されていた新市庁舎構想についてです。市長は、本会議で同構想を開港150周年記念事業として、位置付けることを言明しました。新市庁舎は、床面17万から19万平米が必要といわれています。事業費は不明ですが、事業費400億円の日産本社の床面積、8万平米の倍以上ですから、1,000億円前後となることは必至です。こうして巨費をかける新市庁舎建設は、財政状況を踏まえ市民合意を得て進めるべきものです。今年度より現市庁舎の耐震補強工事に3年間50億円を投じます、耐震補強が完成すれば、今後50年から60年使えることも明らかになりました。それだけに市庁舎に対する市民的関心は、大きいものがあります。
住民の福祉の増進という自治体本来の役割を担うべきであります。我が党は、不要不急な大型開発を見直せば市民の暮らしが守れます、その立場から市長提案、予算案に対して、組み換え動議を提出いたしました。議員各位の真摯な検討を求めます。以上、市長提出議案のうち20議案に反対し、私の討論を終わります。
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