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【2006年度第3回定例会】
「議案関連質問」高野明子議員(2006.09.13)
高野明子議員の質問全文と市長答弁は、以下の通りです。(実際には、質問と答弁がそれぞれ一括して行われましたが、わかりやすいように、対応する質疑と答弁を交互に記載しました。)
高野議員:私は、日本共産党を代表して、市長が提案したいくつかの議案について質問いたします。
町田市長パーティー事件で市長の責任を職員にすりかえるな
まず、最初に市第48号、市長給料の減額についてです。
横浜市は8月31日、前港北区長の石阪丈一町田市長の政治資金パーティー事件に関わって、市の幹部ら88人を大量処分し、市長自身は、「外部評価委員から厳正な処分として意見を聞いたら減給10分の2を3ヶ月が相当ということだった。だが、自分自身で思い巡らした結果、減給50%、3ヶ月という処分を課した」と強調しています。しかし、外部評価委員は市長が任命されたものです。今回も、市長お得意の「なんとか委員会方式」で、客観性を装いながら、市長の意向に沿った結論を引き出すやり方を踏襲したものです。外部評価委員の意見より少し厳しい処分にしたことが、なぜ厳正な処分になるのか、見解を伺います。
さらに市長は、「組織風土が一人ひとりの職員の感度を鈍らせている」、このことが今回の事件の原因で、「その組織風土を変えられなかったことに強い責任を感じている」としていますが、これは「悪いのは自分ではなく、悪いのは組織であり、鈍い職員たちだ」と言うことになり、責任を職員一般にすりかえています。
今回の事件は、市長の側近幹部が中心になって、町田市長選に「特別な力を入れている」市長を見て、それを斟酌した行動が起こした事件ではありませんか。マスコミも「中田市長の絶大な政治力」、「上ばかり見てゴマをする幹部が増えている」と指摘しています。トップダウンで、都市経営戦略会議、エンジンルームなどの機構を通じた市長の政治手法そのものが生んだ事件だと思います。再発防止を言うならば市長のこうした市政運営の手法こそ見直すべきです。市長の見解を伺います。
情報公開の問題でも不可解です。情報公開は市長の選挙公約でもあり、信条でもあるはずです。そして、職員のわずかなミスも含め不祥事の情報はすべて公開してきましたが、今回の事件では、「捜査への支障」を理由に詳細の公表を拒否してきました。この言行不一致は不可解なものですが、都合の悪い情報は非公開なのか、と市民からも厳しい批判が寄せられていますが、市長はそれにどう応えるのか、伺います。
中田市長:お答え申し上げます。
まず、市第48号議案についてのご質問をいただきました。
外部委員の意見を聞き、処分を行ったことについてでございますけれども、これは特別職については本人の申出に基づいて処分を実施をしてきたわけでありますけれども、これまでそうしたかたちでやってきているのに対して、今回はやはり事が大きい、そういったことを考えた時に、より厳正に期すということを考えて、外部の有識者のみなさんにご意見を聞いたということに致しました。
この外部有識者の方もですね、ただ単に、要諦といったものを軽い重いというふうに判断をするのではなくて、今回の調査チームの報告書の作成そのものに関って、すなわちその今回の町田市長のパーティーの件についての内容を十分にわかった上で、今回処分についての相談に乗ってもらう、すなわち外部有識者のみなさんがどういったものを求めているのか、忌憚なく出してもらうということをお願いをしたわけであります。こうした方々の意見を踏まえて、さらに自らその内容というものを十分に理解をして、しかるべきものにすべく、今回私の件は上程をさせていただいているものであります。
再発防止に当たっての市政運営の手法についてということでありますけれども、調査チームの報告書を踏まえ、検討を行うために、8月の24日に再発防止検討委員会を設置を致しました。その中で全庁的な議論を行いながら、市民からの信頼を回復するとともに、職員の組織や経営責任職に対する不信感を払拭をして、風通しがよく、職員がはつらつと仕事に取り組める職場作りに向けて、検討を致してまいりたいと思います。
事件の公表、情報公開ということについてでありますけれど、これは先生ご承知の上でお聞きと私は思いますが、誤解と混同しないでいただきたいと思いますが、本市においては不祥事は速やに公表をするということを原則としているわけですが、今回の事件に関わらずですね、事案の性格であるとか、とりわけ捜査が入っているというような場合において、捜査当局との関係などによって公表の時期について配慮が必要だというのは、今回のケースに限らず私どもとして取っている対応であります。その場合についても、これはいかにそういった期間があろうとも、事後にはすべて明らかにするということをこれは基本としているわけでありまして、今回の事件についても、検察の判断がでた時点で調査報告書を公表しまして、これまで把握した事実を明らかにするということとともに、私自身も説明を尽くすようにしてまいりました。
保育所民間委託には一定のルールを定めたガイドラインの作成を
高野議員:次に、市第50号議案は、日吉西保育園など4園を民営化に伴い廃止するものです。
横浜市が2004年度から市立保育園の丸山台、鶴ヶ峰、岸根、柿の木台の4園を民営化・廃止したことに対して、4園の保護者ら68名が民営化手続きの違法性を求めて横浜地裁に提訴。その判決は児童福祉法第24条「保育所において保育を受ける権利」を侵害したとして、民営化の実施を「その裁量の範囲を逸脱・濫用したもので、違法である」と断じました。今回も民営化を提案していますが、高裁で係争中であり、判決が出るまで民営化を凍結することが行政の責任と考えます。司法の判断を無視するでは市民は納得しないと思います。民営化は凍結すべきですが、市長の見解を伺います。
現在保護者説明会が行われていますが、民営化は絶対反対、保育内容の継続ができるのか、保育士が変わることによる影響、移管先法人が決まらない中で移管についての話し合いは不安だなど、さまざまな心配や意見が出されています。特に日吉西保育園については、保護者から民営化を一年延期の請願が提出されているように、異論が際立っています。にもかかわらず保護者の意見を無視するように、一律に民営化を提案するのはなぜか、少なくとも日吉西保育園は民営化から除外すべきですが、市長に伺います。
民営化しても保育の質は変わらないとの市の説明に対して、「公立保育所と同じなら民営化する必要はない」との保護者の意見は当然です。ところが横浜市は、民間保育園に対する法外補助金のカットを強行し、民営化された保育園からも「詐欺ではないか」「よこはまの保育園がこわれる」と市に対する抗議の声が出ています。補助金カットによって正規保育士のパートへの切りかえ、職員の賃金カットで補っている園も続出しています。このような保育環境が悪化する補助金の削減は当然と考えているのでしょうか、補助金は元に戻し、保育の質を確保すべきですが、市長の見解を伺います。
世田谷区では、民間移管で保護者と意見が対立した際、行政と保護者会、園長、学識経験者など各方面の方々で民営化に関するガイドラインを検討する検討会を立ち上げ、7回に及ぶ活発な議論を行い、「ガイドライン」を策定しています。区は保護者との話し合いをしていく中で、民営化に対するさまざまな心配、懸念に対する的確な説明、十分な情報提供を行うことが大切であると認識し、民営化を行う場合の一定の基準、ルール、いわゆる「ガイドライン」を作成し、区民に説明責任を果たすことを行っています。本市も、地裁の判決を踏まえて、民営化に対するガイドラインの策定を検討すべきですが、このことを強く要望しておきます。
中田市長:次に、市第50号議案についてのご質問をいただきました。
高等裁判所で係争中に民間移管を進めることについてでありますけれども、平成16年度の民間移管に関する横浜地方裁判所の判決は到底承服することが出来ないために控訴をし、現在東京高等裁判所の判断を仰いでいるところです。また、17年度以降の民間移管については、円滑に行われ、移管された保育所も概ね順調に運営されているという実績があります。さらに、時間延長サービスや一時保育の拡充など、保育環境を整え、市民のニーズに早急に応えていくということが行政の責務であると考えておりますので、本年度も引き続き民間移管を進めてまいります。
保護者から請願が出ている保育所も条例改正を提案したことについてでありますけれども、これまでの民間移管では移管先法人が決定した後、6か月余りの準備期間で円滑に移管が進められております。従って19年度移管の対象4園についても、同様の期間の設定で円滑な移管が可能と判断をして条例改正を提案をしたものであります。
なお、円滑な移管に向けて、保護者のご理解を得ることができるように引き続き努力をするとともに、保護者・法人・横浜市で構成する3者協議会を設置をしまして、3者で具体的な内容を話し合いながら民間移管を進めてまいります。
民間保育所に対する法外扶助費の見直しについてでありますけれども、この法外扶助費の見直しは主に国基準と重複をした助成などについて行ったものであります。一方で、改定後においても保育の質が確保できるように、本市独自の保育士配置基準は従来どおりとしております。障害児保育の助成などについては拡充を図っております。
危機管理監に元警察庁職員は適任は
高野議員:次は、市第55号議案、横浜市防災会議条例の一部改正は、横浜市防災会議の副会長として新たに「危機管理監」を配置するものです。危機管理監には、8月21日付けで採用した元警察庁職員の上原美都男氏を任命しています。2004年当時北海道警本部長であった上原氏は、北海道警の裏金問題で10分の2減給3ヶ月の処分を受けています。今回の政治資金規正違反事件でも、職員の法律に対する認識が問われています。この点でも横浜市の危機管理を統括する「危機管理監」にふさわしくありません。ましてや、市長は採用した時直接会っていないと言っていますが、面識のない人を採用することも問題です。
今回、防災会議の副会長に「危機管理監」を外部から起用し専任としたことで、横浜市防災計画がどのように変わるのか、伺います。
横浜市防災対策は自然災害から市民の命と財産を守ることが中心です。そうであるならば、自然災害の専門家こそ「危機管理監」にふさわしいものです。だからこそ、他都市でも行政内部の局長クラスを配置し、警察庁など外部から採用していません。待ったなしの自然災害から市民を守る施策はますます重要です。市民要望でも防災・安全対策は強く求められています。この市民の期待に市長はどのように応えるのか、伺います。
問題は、現在横浜市は国民保護法にもとづく市国民保護計画素案が示され、06年度中に計画を策定することになっていることです。この素案では国民保護計画と防災計画や緊急事態等対策計画との連携を図り、初動体制においては市防災計画の組織体制に準じて組織体制を構築するなど、災害対策の仕組みを活用することになっています。今回、警察庁の防諜キャリアをわざわざ「危機管理監」として外部から配置したのは、武力攻撃やテロ対策として市民の訓練を日常的に行うことによって、国の国民保護法に基づく市の国民保護計画の具体化のための司令官としての配置ではありませんか。市長に伺います。
中田市長:次に、市第55号議案関連についてのご質問をいただきました。
危機管理監の選任によって防災計画はどのように変わるのかということでありますけれども、平常時において本市の危機管理対策に関する施策の立案・実施をすることが、危機管理監の役割のひとつであります。このため、危機管理監には対極的な視点から防災計画を捉えて、危機管理対策のより一層の充実に努めてもらうということになります。
市民の期待にどのように応えるのかということについてでありますけれども、地震や風水害の自然災害を初めとする危機事案については、私の指揮命令のもとに全局区が機動的かつ横断的に対処して、本市組織の機能を最大限に発揮をさせる必要がございます。そのために危機管理に対して、私を直接補佐し、全局区を統括する危機管理監を設置をして、安全対策を強化をしたということであります。これはもちろん市民の期待に十分応えるもの、まさに市民の期待に応えるためにということであります。
危機管理監の役割についてでありますが、危機発生時の職務としましては、その対応に当たって市長である私を補佐すること、全庁的な危機対応に係る統括調整指示などであります。また、平常時の職務といたしましては、危機管理業務に係る総合的な企画調整、局区の危機管理に関する指示・指導などであります。このことによって様々な危機に迅速・的確に対応して、市民の生命・身体・財産の安全確保を図るものであります。
よこはま若者サポートステーションでの若年無業者への支援に期待
高野議員:次に、横浜市一般会計補正予算の内、よこはま若者サポートステーション事業について伺います。
同事業は、今年度から国がはじめたモデル事業を視野に入れて、青少年の自立支援を進める地域支援拠点「よこはま若者サポートステーション」を開設し、職業的自立に向けた総合相談、若年無業者の自立に向けた体験機会の提供など行い、さらに、現在市内で活動している若年無業者支援に取り組むNPO法人等と連携し、自立支援のネットワーク化を図るとのことです。
支援事業を行うにあたっては、現在活動中のNPO法人などの活動実態や、若年無業者、いわゆる「ニート」の実態を正しくつかまなければ、適切な支援策は進められません。それら実態把握はどうなっているのか、伺います。
若年無業者に至る経緯ではさまざまです。専門家からは、その原因が極限までストレスのたまる過重労働をはじめ、さまざまな分析がされています。いずれにせよ、人間関係や新しい環境に適応できない点では共通しています。多様な段階での対応や、ステップアップしていく段階での「場」の提供で立ち直っていく、そして、就労につなぐことが大事です。今回のサポートセンターの開設は、このような若年無業者に対する支援として重要な施策だと思います。その点では、現在活動中のNPO法人等の経験を学び活かすことが必要ですが、今後どう活かされるのか、伺います。
人を育てる、就労支援は本来行政の責任です。活動中のNPO法人は、利用者負担や独自の事業などで、家賃や人件費をまかなっている現状です。今後、サポートセンターのネットワークを築いていく上で、これらの団体の支援も重要です。少なくとも人件費や施設費の補助が必要だと思いますが、市長の見解を伺います。
中田市長:続いて、市第65号議案についてのご質問をいただきました。
よこはま若者サポートステーション事業でありますが、若年無業者およびその支援に取り組むNPO法人等に実態についてでありますが、若年無業者は市内に約2万2,000人と推計しておりまして、一方で若年無業者や引きこもり状態にある若年・若者の自立支援に取り組む公益法人やNPO法人などは現在把握している法人だけで10団体を超えております。なお、若年無業者の実態や支援に取り組む法人などの活動状況を把握するために、実態調査を予定をしております。
若年無業者支援に取り組むNPO法人などの経験の活用についてでありますけれども、よこはま若者サポートステーション運営主体につきましては、若年無業者の自立支援に関して、すでに活動実績がある法人の中から公募によって選定をする予定であります。
また、サポートステーションにおける相談事業や研修企業、職場体験事業などの実施にあたりましては、関連をするNPO法人などとの連携によって進めていくということに致しておりますので、これまでの団体の経験が活かしていけるというふうに思います。
若年の無業者支援に取り組むNPO法人等に対する支援についてでありますけれども、NPO法人の活動というのはまさにその自主性主体性というのが常にそれぞれお持ちなわけであって、そういう意味では自主性主体性というものを尊重していくということが何よりも基本であるというふうに考えています。なお、サポートステーションとの連携によって実施をしていく事業については、必要な経費を支援をするということにしてまいりたいと考えます。
選挙公約の小児医療費無料化の就学前までの拡充などはいつ実施か
高野議員:最後に、一般会計補正予算では、よこはま若者サポートステーションなど10事業が計上されていますが、先の市長選挙で、マニフェストで市民に約束した政策項目の小児医療費無料化を就学前までとすることや、特別養護老人ホームの整備などが計上されていません。なぜ計上されなかったのか、今後の優先順位はどのように実行されるのか伺いまして、私の質問は終わります。
中田市長:この事業以外の日本再構築プランの項目に関する今後の考え方についてでありますけれども、庁内や議会における議論、次期中期計画素案のパブリックコメントも始めているところでありまして、そうした市民意見といったものもいただいて、そうしたものも踏まえて最終的に次期中期計画に盛り込むなど、実現のための必要な対応というものを図ってまいりたいというふうに考えております。
以上、答弁申し上げました。
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