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Gikai 議会での質問

【2006年度第3回定例会】 「一般質問」中島文雄議員(2006.09.20)

中島文雄議員の質問全文と市長等の答弁は、以下の通りです。(実際には、質問と答弁がそれぞれ一括して行われましたが、わかりやすいように、対応する質疑と答弁を交互に記載しました。)

 

中島議員:私は、日本共産党を代表して、市政における重要課題のうち、「税制改悪」による影響、市営バス路線の廃止計画、市立高校教育改革推進会議の「答申」等にしぼって、中田市長並びに魚谷交通局長、押尾教育長に質問したします。

 

「税制改悪」による高齢者負担に市独自の軽減策を


  まず、「税制改悪」による高齢者負担増等の影響についてです。
  6月に住民税の通知を受け、区役所の窓口に「間違いではないのか」「なぜ、こんなに増税になるのか」という問い合わせや苦情が殺到しました。


  65才以上の老齢者の各種控除が廃止され、住民税が数倍から十数倍になる大増税が一気に襲った結果であります。これに連動し国民健康保険料等が「雪だるま」式に膨れ上がり、高齢者の生存権をもおびやかす大問題になっています。今回の高齢者大増税と負担増を引き起こした原因は、小泉「構造改革」によって、与党の自民・公明が一体ですすめた税制改悪の結果であり、その責任が大きく問われます。


  そこで、老年者控除の廃止、公的年金控除の縮小、老年者非課税措置の廃止について、06年度での対象者数と、市民税・県民税の影響額をどのように試算されているのか伺います。


  この増税の波は、今年度だけに止まらず、今後さらに押し寄せます。
  日本共産党市会議員団は7月28日、市長に対し、高齢者に対する負担増の中止や、軽減措置の拡充等を求める「緊急申入れ」を行なったところです。これに対する「回答」は、「年齢にかかわらず公平に税負担を」などとする国の税制改正の趣旨を考慮すると、「見直しや凍結を国に求めたり、軽減措置を新たに創設するといった要望には添いかねます」というものでした。


  改めて伺いますが、市長は、今でも国の「税制改正」を良しとするのか、良しとするならばその理由について、明確な答弁を求めます。


  また、市民税の軽減措置拡充についても、生活保護基準以下の年金収入の人にまで、課税する過酷な状況の中で、住民のくらしを守る自治体の役割に応えた回答とは言えません。


  そこで、本市市税条例施行規則・第18条の3「市民税の減免」の該当者としてうたっている「生活保護法の規定による扶助を受けている者に準ずる者」、この準ずる者の収入基準相当額モデルについて、「65才単身者世帯」および「65才夫婦2人世帯」で示していただきたいと思います。


  生存権がおびやかされている中、せめてこの「減免の施行規則」の活用・徹底が強く求められます。区役所の窓口での対応や、広報等で市民にきめ細かく周知していくべきですが、その対策を伺います。


  「雪だるま」式負担増も深刻です。わが党の「新たに増税となった世帯への軽減措置の拡充」の申入れについて、市長は、国の基準に沿って緩和措置を取っており、これ以上の本市独自による措置を行なう必要はないとしています。


  当局試算でも、「65才以上の年金収入、夫:245万円、妻:80万円の2人世帯」で、国保料と介護保険料の合計額は昨年度11万9040円から15万7270円と、今年度だけで3万8230円も負担増になり、来年・再来年とさらに大幅に負担増の影響が生じます。それでも、軽減措置の拡充が必要と思わないのか、改めて明確な答弁を求めます。


  本市独自の福祉サービス利用にも深刻な影響が出ます。今回の「税制改悪」で、非課税から課税世帯にされることで、「非課税特例措置」の減免対象から除外される影響について、高齢者の主な対象事業及び対象事業数と、2005年度における延べ対象人数の実績を伺います。合わせて、対象除外者への緩和措置等の実施が必要と思いますが、見解を求めます。

中田市長:お答え申し上げます。
  まず、「税制改正」による高齢者負担増等の影響についてのご質問をいただきました。


  65歳という年齢だけで一律に優遇をしている税制の見直しを行ったというものであります。この税制改正による影響者数は約24万人、影響額は約56億円となっています。


  影響額の改正項目別でみますと、老年者控除の廃止で約37億円、公的年金等控除の見直しで約16億円、老年者非課税措置の廃止で約3億円というふうになっております。


  次に高齢者への税制改正に対する考え方についてでありますけれども、今回の税制改正は優遇措置が設けられた昭和20年代に比べまして、社会保障制度の充実、平均年齢の上昇など、高齢者の税の負担能力が大きく変わってきていることなどが背景にあるというふうに考えられます。年齢に関わらず、能力に応じて公平に負担を分かち合うという趣旨で行われたものと理解をいたしております。


  生活保護受給者に免じて減免の対象となる方の収入金額についてということでありますけれども、算定の基礎として生活保護基準額を用いています。この生活保護基準額はそれぞれの世帯の情況に応じて異なるために、基本となる生活扶助および住宅扶助を元に試算をいたしてみますと、65歳で単身の場合は約162万円、65歳で夫婦2人世帯の場合は約232万円であります。


  また、減免制度の周知については、これまでも納税通知書や税務広報誌への掲載、区役所窓口でのご案内などを行ってまいりました。今後もわかりやすい周知に努めてまいります。


  税制改正に伴う国民健康保険料や介護保険料の軽減についてでありますけれども、国の基準に沿って国民健康保険料は算定時に市民税額から一定の額を控除いたしております。また、介護保険料は本来適応される保険料を段階的に引き上げることによりまして負担の緩和を図っております。これらの措置によりまして、一定の負担緩和が図られているものと考えております。


  なお、国民健康保険においては従来から市独自の保険料負担緩和措置といたしまして、毎年一般会計から多額の市費を繰り入れているわけであります。また、介護保険においては本市独自に保険料段階を新たに設けて一定の軽減を図っております。


  今回の税制改正で減免対象から除外されるなどの影響が生じる高齢者の事業についてでありますけれども、敬老特別乗車証交付事業、インフルエンザ予防接種事業など約10事業ありまして、17年度は延べ約23万7000人が対象となっております。なお実際に影響を受ける方は、今申しあげた方々の一部の方となります。


  経過措置や緩和措置を設ける考えについてでありますけれども、今後の情況をみながら判断をいたしてまいりたいと考えております。

 

必要な補助金を打っても、市営バス路線の存続を求める市民の切実な要望に応えるべき


中島議員:つぎに、市営バス路線の見直し等に関わって質問します。
  市交通局は、「運行が非効率」「採算が見込めない」として、58路線に及ぶ廃止等の見直しを打ち出しています。計画を知った市民からは、「市民の足を守れ」「なぜ廃止なのか」等の苦情や問合せが、数多く寄せられています。


  まず、公営交通の使命を投げ捨てるような今回の見直しをなぜ行なうのか、改めて交通局長に説明を求めます。


  これらの背景に、中田市長の「民営化至上主義」「効率主義」の市政運営があるのではありませんか。バス事業の「廃止」などを「許可制」から「届出制」へと、原則自由化にした道路運送法の規制緩和路線に乗り、2003年3月に市営交通事業あり方検討委員会を立ち上げ、「補助金のカット」「自主自立の経営」「民営化」等の「答申」を2004年1月に出させ、それをテコにして、04年3月に交通局「経営改革プラン」、05年5月に本市「経営形態ビジョン」を矢継ぎ早に打ち出し、「民営化」をちらつかせながら、徹底的なコスト削減を押し付けるシナリオであります。


  そこで、中田市長にいくつか伺いますが、市長就任以降、行政路線等の一般会計任意補助金について、その推移を改めて報告して下さい。


  来年07年度で一般会計補助金をゼロにするとしています。これでは「市民の足」を守るという言葉は口先だけで、ねらいは民営化への「地ならし」ではありませんか。また、補助金を全額カットして公営交通を維持できると考えているのか、合わせて見解を求めます。


  拙速な判断は、自治体の公営交通サービスにとって、取り返しのつかない事態を引き起こします。


  廃止等の「申出」を受け、「生活交通確保対策地域協議会」を主宰する神奈川県では、私どもの問いに対して、「住民合意が基本です」と基本姿勢を回答しています。これを受けた「地域協議会」の横浜分科会では、住民意見・要望にもとづいて十分協議することは当然ですが、本市の基本的態度を伺います。


  鶴見区だけを見ても、岸谷地域の自治会等から1400名以上の反対署名、交通不便地域の元宮・江ヶ崎・矢向方面では「廃止はひどい」と、3500名を超える署名と共に、今定例会に障害者団体から請願も出されています。大黒海づり公園方面の見直しについても、生麦子安漁業連合組合から陳情も出されるなど、全市的にも存続を求める切実な声が大きく広がっていることは市長もご存知だと思います。


  そこで、交通局では「補助金を打ってもらえれば廃止しないで済む」と住民説明会でも述べているわけですから、07年度からの一般会計補助金の全額カットを止め、必要な補助金を打っても、市営バス路線の存続を求める市民の切実な要望に応えるべきです。市長の明確な答弁を求めます。

中田市長:市営バス路線の見直しについてのご質問をいただきました。
  私が市長に就任した以降の一般会計任意補助金の推移でございますけれども、不適切な事務執行による補助金を除きまして、平成14年度25億5400万円あった任意補助金は、その後の収支改善や退職金補助金のようにその役割が16年度で終了したものがあることから減少いたしまして、18年度予算では16億7300万円となっております。


  一般会計補助金の削減の趣旨についてでありますけれども、16年1月の市営バス事業のあり方に関する答申におきましては、市の財政がひっ迫をする中、これまでの運営費補助に頼ることなく、自立した事業運営を行わなければならないとされております。この答申の趣旨を踏まえまして、16年3月に市営交通経営改革プランにおいて、一般会計の任意補助金を受けない自立した経営という目標を交通局自らが設定をいたしました。この目標は、今後の少子高齢化など厳しい経営環境を考えると、持続可能な健全経営のために達成すべきものであり、今後公営交通として存続をする場合であっても市民の足としての役割に配慮をしつつ、求めていくべきであるものと考えております。


  地域協議会における市民の意見や要望の反映についてでありますけれども、この協議会はバス事業者の路線退出等の意向を受けまして、必要な生活路線の確保方策などを国、県、市町村、事業者で協議をすることを目的として、県に設置をされたものであります。


  2月に先行して退出等の意向申出をした9路線に関する市民意見や要望につきましては、すでに本市から協議会へ伝えております。また、追加の29路線につきましては今後の協議の中で、伝えていく予定となっております。


  路線存続を求める市民要望への対抗についてということでございますが、市営バス事業のあり方に関する答申の趣旨を踏まえて、交通局が持続的に経営の収支均衡を図るために、バス事業者として非効率な路線や不採算な路線の改革に取り組んでいくことは、避けては通れない問題であると認識をいたしております。こうした中において、本市としては、確保すべきバス路線の一定の水準やその維持方策に関する内容を早期に取りまとめまして、公表をいたしてまいりたいと考えております。


  残余の質問に関しましては、教育長、交通局長より答弁をいたします。

魚谷交通局長:市営バス路線の見直しについて、ご質問をいただきました。
  58路線見直しの理由ですが、さまざまな経営再建とともに、付帯収入増収などによりできる限り多くの路線を維持するなどしてまいりたいと考えておりますが、そうした取り組みだけで将来にわたり現在の路線のすべてを維持することは残念ながら困難であると判断をいたしました。そこで、お客様の利用動向や他のバス路線や鉄道など代替交通機関の情況などを総合的に勘案し、将来にわたって自立経営を継続的に維持していくことのできる路線網へ転換するため、今回の再編成を行うこととしたものでございます。以上でございます。

 

私立高校の「使命」や「将来像」は、誰のためにあるのか


中島議員:つぎに、横浜市立高校教育改革推進会議の「答申」に関わって質問します。
  「答申」は、冒頭の市立高校の再編整備と課題で、「必ずしも設置する法的義務のない高校を横浜市は維持していくべきか」とか「基礎自治体である横浜市が年間100億円を超える公費を高校の設置に投入する意味があるのか」等の問題提起や、今後、横浜市立高校の在り方について、第一に「市立高校をすべて廃止」、第二に「公設民営化」、第三に「独立行政法人化」、最後に「市立高校として維持」という四つの選択肢を視野に入れ、検討したと報告されています。そこで、教育長に何点か質問します。


  まず、「市立高校教育改革推進会議」に諮問を行なった目的は何だったのか、そしてこの「答申」を受けて教育委員会として、市立高校の再編をどのように進めようとしているのか、伺います。


  「四つの選択肢」でメリット・デメリットをつけ、市立高校の「廃止」や「民営化」等をすれば、「公費を義務教育の充実に振り向けることができる」などともしています。これでは「市立高校はお荷物だ」と言わんばかりです。また、「ゼロベースからの検討」をうたっていますが、これは中田市長の就任以来万たび使われてきた言葉であり、今まで積み上げてきたものを一気に破壊する「改革」手法と、軌を一にするものと言わざるを得ません。


  そこで、「ゼロベースからの検討」や「四つの選択肢」での市立高校の在り方検討が、諮問の目的に沿っているのか伺います。


  「メリット・デメリット」論で、小・中義務教育と高校教育に、コストによる敵対関係を持ち込むことも問題であります。このような検討が「教育の改革」「誇れる高校の創造」のためと言えるのでしょうか。見解を伺います。
  高校の「使命」や「将来像」は、誰のためにあるのでしょうか。「答申」の視点には、教育の基本や生徒・子どもたちの観点はどこにもありません。あるのは、「都市戦略構想に基づいた政策を実現するために必要な人材の育成」「サイエンスフロンティア地区の発展を支える人材育成」あるいは「文化芸術創造都市横浜に貢献できる人材育成」などが目立つばかりであります。


  これほど行政の教育介入を露骨に表した、高校教育改革「答申」に問題はないと考えているのでしょうか。答弁を求めます。


  この春、神奈川県の高校進学率が90%を割って、89.6%と35年前の水準に逆戻りしたと報じられ、定時制高校への入学は3.7%と最高になっています。格差社会と貧困の広がりによる影響は否定できません。「答申」に定時制高校についての具体的な検討結果がだされていないのも問題であり、横浜市立高校の在り方の中でこそ検討すべきです。


  私は、本市高校の緊急課題として、廃止した定時制の復活と新たな拡充策を提案いたしますが、答弁を求めます。


  「改革推進会議」の審議の中で出された意見をめぐって、東高校の生徒や保護者、卒業生等から、疑問や怒りの声がたくさん寄せられています。東高校について、「改革云々のレベルにない」「こういう学校を今後どうするかが問題」などとされ、今後の検討で、「真っ先に再編統合の対象になるのでは」との危惧が持たれて当然です。東高校は40年の伝統をもち、地域でも評判がよく、生徒や保護者等から誇りがもたれている学校です。


  そこで、危惧や疑問を持たれている関係者に説明責任を果たすこと、そして学校改革と言うならば、生徒や保護者、関係者など現場の意見の尊重と、合意形成を基本とすべきです。合わせて答弁を求めて、私の質問を終わります。

押尾教育長:横浜市立高等学校教育改革会議最終答申についてのご質問をいただきました。
  改革推進会議に対する諮問の目的と答申に沿った計画の作成スケジュールについてですが、高校教育を取り巻く新たな社会状況に対応し、横浜市が高校を設置する意義と使命を明確にするため、市立高校のあり方を抜本的に検討することを目的に諮問を行ったものでございます。また、今後は答申の趣旨を踏まえ、年内には市立高校改革のための5ヵ年の推進プログラムを作成してまいる予定でございます。


  次に、改革推進会議での検討が諮問の目的に沿っているかということについてでございますが、市立高校のあり方をゼロベーズから検討することから議論が始まり、様々なあり方を検討した上で、市民の支持・信頼を得られる市立高等学校としていくためには、生徒ひとりひとりが自らの能力と個性を伸ばし、希望する進路に進むことができる高校とすべきと、目指す方向の答申をいただいたものであります。


  高校教育においてコストを論ずることや、教育改革についてのお尋ねでございますが、改革推進会議では教育内容や学校運営などいくつかの視点から市立高校のあり方を検討していただきました。その中で、費用対効果も含め、総合的な視点からどのような高校ならば本市として設置する意義があるのかといった点について、様々な議論をいただいたものでございます。こうした議論を踏まえ、教員の教師力や学校の経営力を高め、学習環境を充実させるとともに、生徒の学力向上と進路希望の実現する市立高校の教育改革の推進を図っていきたいと考えております。


  次に、市立高校の使命ですが、市立高校は明治15年の横浜商業学校の設立以来、横浜の発展を支え、市民生活の向上に貢献しうる人材を育成する役割を担い、これまでの厭戦を重ねながらも、数多くの人材を輩出してきたと考えております。横浜市の発展に寄与することや有能な人材を育成していくことは、市立高校の重要な使命のひとつであると考えております。


  次に、廃止した定時制高等学校を復活するとともに、新たな拡充を図るべきとのことについてでございますが、定時制高校の整備としては、平成14年3部制の横浜総合高校を開港いたしました。また、市内には4校の県立高校の定時制もございます。今後も社会状況の変化や多様化する生徒の情況に応じて、生徒が社会の中で自立し、主体的に生きる力を培うことのできる学校づくりに努めてまいりたいと思います。


  最後に、高校のあり方の検討にあたっては、説明責任を果たし、現場の意見を尊重すべきだということについてでございますが、改革推進会議には現職の校長、副校長も委員として参加しております。これまでも適切な時期に学校現場との意見交換を行うとともに、この5月には市民向けのシンポジウムを開催するなど、様々なご意見に耳を傾けた議論を進めてきたところでございます。今後も、現場主義の考え方に立って、改革に努めてまいりたいと考えております。