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【2006年第1回定例会】 「予算反対討論」 関美恵子議員(06.03.10)
市民にさらなる苦しみを与え、市民要求に逆行する予算案に反対
私は、日本共産党を代表し、2006年度横浜市一般会計他12件の予算案および14件の予算関係議案に反対し、討論を行います。
一般会計は、定率減税の縮減等による144億円増税など市税収入として214億円増の6776億円を見込んだ結果、8年ぶりに前年度比1.3%増の1兆3002億円となりました。
市長は、「昨年の予算編成の開始時点で250億円という多額の収支不足が見込まれる」とし、財源不足を強調しています。
しかし、その「250億円の財源不足」のアナウンスが正しかったのかどうか、疑問です。その理由は、この間の財政見通しでの歳入額と、実際の歳入決算額に甚だしい乖離があり、実際、03年度400億円、04年度258億円歳入決算のほうが多く、財政収支でも03年度38億円、04年度で44億円の黒字になっているからです。さらに、余剰金の2分の1を財政調整基金に積まれ、その額も増加しています。
また、市長は、財源不足250億円について、「05年度当初は450億円と見込んだ。しかし、改めて適切に見込んだところ250億円に縮減できた」と答弁されているのです。何が「適切」だったのか疑わざるを得ません。ただはっきりしていることは、「財源不足」を理由に、市民サービスが容赦なく削られ、同時に行政リストラが行われたということをはじめに厳しく指摘し、反対の理由を述べてまいります。
第一は、格差社会と日々の生活に苦しむ市民にさらなる苦しみを与えることです。
障害者や家族、関係者の努力と運動で障害者施策も前進させられてはきましたが、福祉や働く場、所得保障など、依然と厳しい状況といます。ところが、市は、障害者自立支援法を理由に、無料で精神障害者の通院を支援する「結核・精神医療附加金」制度を、国に先んじ昨年10月に廃止したのに続いて、新年度はガイドヘルプ事業で約3億円減らすなど、障害者と家族にさらに負担を背負わせようとしています。「今後の見通しがたたない。社会から障害者をしめだすのか」の声は聞こえているのでしょうか。
生活保護世帯への特別乗車券交付事業の廃止で、通年で9億5,000万円の削減です。保護世帯への利用実態アンケートを行い、保護費や移送費等で対応できているからというものですが、生活を支えるため、安い食材を求めてバスで買出しに行ったり、焼却場の無料入浴施設を利用することなどに使われ、助かるといわれ、大変喜ばれ、外出を支援してきたものです。市長は、この間、夏・冬の慰問金の支給をはじめ、水道料金等への援護費を一気に廃止してきました。今度は、外出というささやかな楽しみまで取り上げようというのでしょうか。
介護保険制度の改悪によって、特別養護老人ホームなど、介護施設の居住費・食費が全額利用者負担となり、低所得者に補足給付が取られたとはいえ、高齢者全体では大変な負担になります。その上、新年度は、介護保険料が基準額で月3265円から4150円に増額です。「税制改悪」の都合だけで課税者になった高齢者の保険料負担の軽減は国の水準にとどまっており、本市独自の抜本的な救済措置があって当然です。
小泉「構造改革」によって新たな貧困が生まれ、05年度横浜市市民意識調査も、約70%の市民が日本社会を「公平でない」と答えています。
格差の広がるもとで、国民健康保険料が払えず、昨年10月時点で資格証明書の交付は3万4769世帯と、他市と比べても突出し、異常です。資格証明書の大量発行は事実上治療をうける権利を市民から奪うもので、認めることはできません。
市長は「受益と負担の公平性」を図ったとか、「4年間で扶助費を695億円増加させてきた」と反論されますが、能力に応じた負担、必要とする人への保障こそ社会保障の公平・公正といえるのであり、扶助費の増加は半分が国・県の負担で、しかも増額分は国の制度改変や対象者増によるものが大半を占め、市長の努力とはいえません。
また、市内2ヶ所の夜間急病センターの運営助成費も減額され、06年度は03年度比で7000万円弱、41.4%削減です。「これでは市民の救急医療は守れない」という怒りの声が医師会からも聞こえています。
第二は、市民の要求に応えた子育て・教育施策になっていないことです。子育てや教育をめぐる困難な状況が広がっていることは、誰しもが認めるところで、保育所に期待される役割はいっそう大事になっています。ところが、「国基準に重複した助成の見直し」として、長時間保育事業費など13億円に及ぶ法外扶助費を削減しました。その影響額は1園平均503万円、経過措置がおわる07年には938万円にもなります。05年度の保育料の値上げなどによる保護者負担増9億3000万円に続くもので、「横浜市は、子どものことを大切に思っていない」との声があがっています。
学童保育では、従来の委託から補助方式に変えたことで、長年の要望であった家賃補助、障害児加算などが認められた一方で、基本補助額約200万円の削減、70%にあたる121クラブが減額となり、全体で5300万円の削減です。結局、保育料を増やすか指導員の手当てを減らすかの選択となり、存続が危ぶまれるクラブが出てきています。親が働きながら安心して子どもを生み育てる環境を整えることは市の責任であり、少子化対策としても急務です。毎年行われている学童の充実を求める40万人を超える署名に応え、市の責任を後退させるべきではありません。
教育の現場では、いじめ・不登校・学級崩壊と深刻な事態が改善されないまま、児童・生徒の学力や体力の低下も問題にされています。産休になっても代わりの先生がなかなか見つからないなど、子どもにとっても教師にとっても深刻な実態になっています。抜本的に解決するには、一人一人の子どもに目がゆきとどく30人以下学級の実施がどうしても必要ですが、市として実施する考えは全く見られません。むしろ、逆行する小規模校の統廃合を推進し、コスト削減を優先しています。また、中学校給食の実施は子どもや保護者の長年の願いですが、背を向けたままです。生徒の体力向上からも検討を始めることを強く求めます。
第三は、地域経済の活性化より大企業サービスを優先させていることです。横浜経済の活性化では、市長は対象地域を9地域に拡大した企業誘致や成長力ある新産業の集積強化で、「都市間競争」に打ち勝つことを強調しますが、既存の中小企業や商店街への支援を抜本的に強化するものはなく、商工業・サービス振興費は5億5000万円と、経済関係予算の0.74%にすぎません。一方、日産には本社誘致にあたり、工場建設とあわせ最終的には54億円もの支援をし、大企業へは至れり尽くせりです。公共事業でみても、MM21関連事業に328億円、スーパー中枢港湾づくりとして南本牧・本牧の埋め立て事業111億円、横浜環状高速道路関連で89億円などを大企業の「国際競争力」の強化として重点的にすすめる一方、市民要望も高く、中小企業の仕事おこしになる「生活密着型」の公共事業は、市営住宅の新規直接建設ゼロ、整備費予算は4億円も減額され、公園の市単独事業の15%削減など低く抑えられ、これでは地域振興と市内経済の活性化は望めません。
第四は、中田市政の市政運営のやり方の問題です。ひとつは、公立保育園の民間移管、学校給食調理業務の民間委託、市バスの民間移譲に加え、指定管理者に積極的に営利企業を参入させています。
これらの事業は、子どもや市民が対象であり、コスト優先の企業のやり方にはなじみません。進め方においても、学校給食を例にとれば、コスト削減によるサービス水準の低下や安全性への保護者の不安に答えることなく、説明し理解を求めるが合意は求めないという「教育委員会の結論」を押し付ける手法で進め、保護者の信頼を裏切るようなことにもなっています。
ふたつは、市民との「協働」の問題では、市長はG30の取り組みで目標を上回る成果をあげたのは市民と協働した結果だと自ら評価されています。しかし、金沢区に日本最大規模の産業廃棄物焼却施設を建設する問題では、地元の「金沢シーサイドタウン連合自治会」が建設計画の白紙撤回を求めた1万2000人分の署名を市長に提出し、市の責任で住民説明会を開くことを求めています。「協働」といいながらこういう事態を招いたのは、産廃施設建設を説明会も開くことなく住民に押し付ける市の無責任さによるものです。
また、地域活動振興費についても、一世帯1000円から700円に引き下げ、しかも世帯数の範囲を変更するなどした結果、地域活動振興費が減額になる自治会・町内会が全体の60%に達し、半分以下に激減するケースも出ています。2年間の激変緩和措置がありますが、以後は会費の値上げなど住民の負担でやってくれというものです。市民の自主的活動が発展的に保障されてこそ、行政との信頼も生まれ、「協働」も意義があります。「新しい公共」として市の都合をおしつけるやり方は問題です。
第五は、市民サービスに逆行する建築事務所の統廃合と職員の削減問題です。職員を23人削減し、指導行政の効率化や専門分野の体制を強化するとして、建築事務所を1ヵ所に統廃合することは、1年以上前から検討されてきたと聞いていますが、この裏には「建築確認申請は、公ではなく、民にまかせればよい」として市長の考えがあったはずです。これ自体問題ですが、耐震偽装問題や東横インの違法改造が明らかになった今、直ちに統廃合の計画を中止し、4方面の体制強化こそ重要です。
市長は、この4年間で2,633人削減し、05年度末で人口10万人当たりの職員数は661人と政令市中最少にしたばかりか、06年度は消防職員へのヘリコプター業務手当の一部を残して、火の中に飛び込む危険な職務遂行に対する特殊勤務手当も廃止しました。そもそも市の条例では、特殊勤務手当について支給対象については、身体、肉体的に過度の疲労を伴う業務となっています。そうした点でも消防士の変則勤務手当や出場手当などはこれに該当していたものであり、職員との合意を得ることもせず、一旦ゼロベースにするというのは問題です。
さいごに、わが党は、市民のくらしと福祉に重点的に配分する「予算等の組み替えを求める動議」を提出致しました。不要不急の大型開発事業の一部を見直せば、組み換えは可能です。議員各位の真摯な検討を心からお願いし、動議に基づく予算に編成し直す事を強く求め、私の反対討論を終わります。
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