1、第2回定例会(6月市会)は、5月30日から6月20日までの会期で開かれました。
市長からの主な提出議案は、地方税法の一部改正に伴う市税条例の改正、指定管理者制度の導入と指定にかかわる議案25件、利率8%以上の未償還企業債の借り換えを行うための公債費を増額する補正予算などでした。高利の未償還企業債の借り換えは、かねてよりわが党が主張していたものであり、市民の要望が実ったもの。市長提出の44議案すべて賛成多数で可決、成立。
党議員団は、市税条例、営利会社の参入に道をひらく指定管理者制度導入諸条例など9件の議案に反対しました。
2、反対した主な議案について
(1)市第4号議案「横浜市市税条例の一部改正」について
この条例改正は、第159国会で成立した地方税法の一部改訂によるもので、その内容は、年金収入・245万円以下の65歳以上の高齢者に対する住民税非課税措置を3年間の経過措置をへて、廃止するなどというものです。
市長は「現役世代と高齢者間の税負担の公平を確保するため、障害者のように真に配慮が必要な者に係る制度に改組すべきとした政府税制調査会答申を実施する」と、国の方針をそのまま受け止め、高齢者に痛みを押し付けることに、なんら違和感もないという市長の政治姿勢は、地方自治体の役割を投げ捨てるもので問題です。
市長は、負担の公平性といいながら、3年後の08年には4億5千万円の負担増を強いる事実に目をつぶっています。さらに、重大なことは、これまでに改悪された市税条例によって、来年度からこのほかにも影響がでてくることです。老年者控除の廃止で23億円、公的年金者控除の上乗せ部分の廃止で18億円。その上に配偶者特別控除と定率減税の廃止などです。
今回の住民税非課税措置の廃止で、介護保険、敬老特別乗車証、国民健康保険など料金が課税か非課税かで大きく違ってくる本市の実に49もの事業・制度にも影響が及びます。
市長は「国民健康保険料については、今後平成17年度市民税の算定をもとに、各所得階層への影響について見きわめます。また、他の政令指定都市と連携をして、国に負担緩和のための財政措置を要望する」という答弁にとどまっていることは問題です。
(2)横浜市技能文化会館条例の一部改正は、技能文化会館に指定管理者制度を導入するもの。
同館で、この3月まで市が実施してきた労働相談は、04年度相談件数が1803件で、02年度の1902件につぎ過去2番目という多さです。「ニート」などへの対応として、新たに「就業相談」「キャリア・カウンセリング」「就職支援セミナー」など「しごと支援センター」として、就職の準備段階から就職後の相談に取り組む機能を拡充したことは評価できます。
労働相談、就労支援は市が直接支援をしてこそ効果が望めるものです。そのためには、横浜しごとセンターは、その目的からしても市が直営でおこなうべきです。
(3) 横浜市公園条例、横浜市リサイクル施設条例、横浜市港湾施設使用条例、横浜市海づり施設条例の一部改正の議案は、指定管理者の指定の手続きをするものです。
わが党は、公の施設の管理運営にあたっては、その施設の設置目的に沿った適切・良好なサービス提供を担保するために、専門性・継続性・安定性の視点から指定団体を限定している条例について認めてきました。
しかし、4つの条例にかかる施設は公募が原則となっており、営利会社の参入は、その施設の目的をきちんと果たすことができるのかという点で、運営面での公平性・公正性などをはじめ、市民サービスの向上につながるのかという点でも問題です。
市長は「選定委員会の議事録は、会議後、議事内容を精査確認し、要点を取りまとめた上で、なるべく早期に公開する」と答弁しましたが、公園の指定管理者の選定において、昨年12月に3回行われた公園の指定管理者選定委員会の議事録が、肝心なところは、ホームページで見る限り未だに公表されておらず、公表されているものも議事録といえない内容です。再度改善を要求。
(市長答弁を受けて当局の態度がひょう変)
これまで、「公の施設」に指定管理者制度を導入する場合、公募とする場合は、条例に明記されていました。福祉衛生病院経営常任委員会に付託された指定管理者制度を導入する9件の条例は、いずれも公募の明記がなく、これまでの経過からいって、すべて非公募にするというものでした。
ところが審査の中で、福祉局長は、「選定にあたっては公募を原則とする」と言明し、これまでの態度を一変させました。
この当局の急変をもたらしたのは、7日と10日の本会議での「今回の提案している施設について公募を行わないことは施設の活性化につながらない。今後は公募を行って民間事業者が参入する機会を広く確保することを基本としたい」との市長答弁です。
市長の本会議の答弁をうけて、提案された議案に明記されていない「公募」ということに急きょ変わったことは、あまりにも異常なことです。
3、一般質問について
日本共産党からは柴田議員が立ち、ごみの資源化・減量化、市バス路線減便問題、平和・基地問題で市長を追及しました。
ごみの減量化・資源化については、4月からの全区の分別収集の本格実施にあたり、G30推進の問題点をふまえ、日本共産党の提案を行いました。
家庭ゴミの削減にとって紙類の回収・資源化がポイントの一つです。現在の月1回の回収では、家の中に古紙がたまって大変、民間事業者の協力もえた町内会等の集団資源回収を積極的に行うよう支援策の拡充を要求。市長は、「古紙類の回収は、今後とも資源集団回収や資源回収ボックスの設置等推進をはかる。収集回数増は、推移をみて、市民の声を踏まえて検討する」と答弁。
市バスの民間移譲について、柴田議員は、市民への説明が、交通局のホームページに掲載されたが、減便についてふれていない。市長が行政に都合の悪いものでも情報公開するといっているが、おこなわれていないと批判。移譲対象地域の説明会の開催と協議内容の公開を要求。交通局長は、「乗客への案内を停留所やバス車内に掲示し、ホームページへも掲載していく。減便については、ダイヤ改正の3週間前に行い、ご理解を得たい」などと答弁。
他の政党、会派も一般質問に立ちました。市長が誘致表明したサミットについてどこも言及。
自民党・・・日産本社と芸大大学院の誘致を横浜の自立性を高めるものと称賛、港湾病院と市大の民営化、法人化を「改革」の成果と持ち上げるなど、中田与党色をいっそう強める質問を行ったことが特徴でした。
民主党・・・石播出身の議員が、公的サービスを民間に委ねる民営化に係わって、利益追求の仕組みがなじむかどうか判断できないと、営利会社の参入に疑義をはさむ考えを示しました。
公明党・・・市が実施中、実施検討している施策を数多くとりあげ、「実利」獲得、「実績」づくりに躍起。
4、定例会の冒頭には、議会の構成を決める人事が行われました。
各常任委員会の役職に、まちづくり調整都市整備副委員長に高野議員を選出。大貫議員が都市経営総務財政委員、関議員が市民教育委員、中島議員が道路消防委員のほか市会運営委理事、荒木議員が福祉衛生病院経営委員、柴田議員が経済港湾教育委員にそれぞれ選出された。空白委員会は水道交通と環境創造資源循環の二つです。民間移譲による市バス路線の減便、G30、動物園など焦点となっている問題を扱う委員会が、空白となっており、論戦と市民運動には不利となってきます。
5、請願・陳情、意見書について
請願は、「指定管理者制度の移行に伴う施設の管理運営について」、「児童生徒の健全育成に関する警察と学校の相互連携に係る協定書の白紙撤回に関する決議」「横浜しごと支援センターの直営について」など4件が提出され、義務教育費国庫負担制度の堅持に関する意見書の提出だけが、採択されました。
議員提出議案は、米国産牛肉の輸入再開等に関する意見書など意見書提出5件で全会一致または賛成多数で可決。日本共産党は、社会保障制度の抜本的改革を求める意見書には、年金の一元化も盛り込まれており、国が進めている社会保障制度「見直し」方向の推進を求めるものであり、日本共産党は同意しませんでした。
以上