2006年6月21日
日本共産党横浜市会議員団
団長 大貫憲夫
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2007年いっせい地方選挙に合わせて、横浜市会の議員定数(92)を削減する動きが浮上しています。自民党は11削減を決め、民主、公明にその意向を伝えたと報じられています。
定数問題は、市議会のなかの「議会のあり方調査会」で議論されることになり、12月議会で決着がつく見込みです。
こうした動きの背景には、全国的な「行政改革」の流れとあいまって、中田宏市長の議員定数削減の強い要求があります。中田市長は、今年3月の市長選出馬にあたり、各党への支持要請のなかで、2期目の課題として、議会改革に言及していましたが、「議員定数、費用弁償、情報公開、調査費などすべてを改革する必要がある。(市長主導で改革をすすめるのは)極めてみっともない姿だ。議会が自ら考えてやることを期待している」と、当選後そのトーンを上げています。このこと自体、執行機関(市長)による議決機関(議会)への介入ともいえる極めて異常なことです。今回の自民党案の背後にこの中田市長の強い意向があることは確かです。
全国的な議員定数の削減は、国が地方自治体にもちこんできた住民犠牲の「地方行革」の重要な柱の一つとして推進されてきました。国は1994年、97年の地方行革指針で、地方議会に「自主的に組織・運営の合理化等をすすめること」を求め、定数削減の圧力をかけてきました。
2005年3月に総務省が出した新行革指針も、地方議員の定数と報酬について、「住民等に対する説明責任を果たすよう努めること」として、事実上の圧力をかけています。
しかし、地方議会は、住民のもっとも身近な議会として、住民の声を自治体に反映し、行政をチェックするための住民の代表機関です。地方議員の大幅な削減は、市民の声が行政に届かなくなるということであり、結果として自治体を住民から遠ざける役割をはたすものです。
全国市議会議長会も、「議会の役割として、政策提案・監視機能を十分に果たすためには、相応の議員定数と報酬が不可欠である。…単に議員定数を減らし、さらには報酬を減らしているのみでは議会改革たり得ず、『削減ありき』の議論ばかりでは議会制民主主義の成熟には繋がらないのである」(「分権時代における市議会のあり方―中間報告」)とのべ、地方分権の時代に議員・議会の責務が大きくなっている今日、安易な定数削減は、地方分権の主旨に反し、議会の機能を低下させるものと警告しています。
しかも横浜市の場合、議員定数を削減する理由はまったくありません。
地方自治法で人口規模に応じて定められた上限は横浜市の場合96人ですが、現在すでに4人下回っています。また議員1人あたりの人口は、全国15の政令都市で横浜市は最も多い38,904人で、最も少ない静岡市の3倍近い人数となっています。これは市民の側からみれば横浜市の場合、静岡市に比べ議員さらには市政が3倍遠い存在であり、一票の価値は逆に3分の1にすぎないことを意味します。政令都市全体の平均は、議員1人当たり21,687人ですから、横浜市は全国の政令都市と比べても、議員、市政との距離は2倍、一票の価値は半分です。
県内の議会では、人口約22万人の茅ヶ崎、大和、厚木の各市では、それぞれ30、29、28人の議員が活動する一方、同じ人口規模の神奈川区、港南区では各6人しか議員がいません。
横浜市の現状はそれだけ市民とのパイプが細いことを示しています。
人口比で全国最少の横浜市の議員定数をこれ以上削減することは、議会制民主主義の発展の大きな障害となるものであり、議会の自己否定に等しいものといわなければなりません。
また、議員定数の削減は、大会派には有利で、少数会派には不利にはたらき、結果として、多様な民意をきりすてることにもなり、市民の市政に参加する権利をせばめるものです。
議会改革をいうなら、定数削減でなく、もっとやるべきことがあります。
その第1は、議員報酬の二重取りといわれている費用弁償を廃止することです。費用弁償は、地方自治法上、「職務を行うため要する費用の弁償を受けることができる」と規定され適法ではあるものの、議会に出席するたびごとに出る金額(横浜市は日額1万円)は、実際の交通費から大きくかけ離れ、さらに支給事由が報酬や政務調査費と重複し、いま全国で見直しの動きがはじまっているものです。県内でも、費用弁償を支給している自治体は36議会中6議会にとどまり、うち半分は2千円ないし実費となっています。
今年の第1回定例会で、わが党はネットワーク横浜と共同し、「費用弁償の廃止」を条例提案しましたが、自民、民主、公明はこれを否決するとともに、支給対象の会議を減らし、日額12,000円を2,000円減額する改定条例を可決させました。この改定で費用弁償の年間予算約7200万円の約3割が節減できると胸をはりましたが、問題はまったく解決されておらず、抜本的な解決、すなわち廃止こそ求められます。
第2は、議員の調査研究に資するため必要な経費の一部として、各会派にたいし交付されている政務調査費の使途を全面公開することです。毎年、各会派は収支報告書を提出していますが、大項目と数字のみしかなく使途の不透明さが指摘されるなか、わが党は2001年度分から自主的に細目を公開してきました。議会が市民の信頼に応えるためにも、この多額にのぼる政務調査費使途の全面公開は不可欠となっています。
第3は、議員1人上限120万円にのぼる海外視察費の見直しです。本当に海外視察が必要ならば、政務調査費をあてればすむことです。議会が身を切るというのなら、ここにもメスを入れるべきです。
このほか、市民に開かれた議会にするために委員会等の市民の傍聴を認めること、議会を活性化するために不可欠な議員の発言時間の保障など、さまざまな改革が必要です。
日本共産党横浜市会議員団は、議会の形がい化をもたらす議員定数削減に反対し、(1)現行定数92名の堅持、(2)国勢調査にもとづく行政区格差の調整を基本に各党間で大いに議論すべきと考えています。この立場こそ、市民の期待に応えるものと確信するものです。
以上