議会での質問・討論(詳細)
2020年9月29日

■資源循環局(かわじ民夫9月29日)

河治委員:河治民夫です。よろしくお願いします。
 委員長、スライドを使用許可願います。
源波副委員長:はい、どうぞ。
河治委員:最初は、ヨコハマ3R夢プラン推進計画についてです。
 2011年1月に策定されたヨコハマ3R夢プランは、2010年から2025年までの16年間で、2009年を基準にごみと資源の総量を10%削減、温室効果ガス50%削減、最終処分場第5ブロックの埋立期間は50年を指標としました。目標達成に向けて、ごみ総量では毎年着実に削減が求められています。ところが、2019年は2018年度より増加です。温室効果ガスでは1期も2期も未達成、2017年、2018年は2009年基準年を超えました。最終処分場では、広報紙、横浜きれいなまちのこの中にも、(資料を提示)また、先ほどの委員にもありましたが、現状の埋立てが続いた場合30年度程度で満杯とあり、目標達成に向けた相当の決意が求められています。
 

3R夢プランの現状について局長の所感を伺います。
金澤資源循環局長:委員からも御指摘いただきましたが、ごみと資源の総量や温室効果ガスの削減など、なかなか難しい状況にございます。一方、コロナ禍が続く現在におきましては、廃棄物行政の根幹にあります生活環境の保全、公衆衛生の維持といった役割、ごみの収集、運搬、処理、処分が重要な状況となっております。廃棄物処理における安全、安心、安定をしっかりと守りつつ、3R夢プランの目標達成に向けまして引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
河治委員:すみません、本市の基本政策ですので、このことについて副市長にも一言伺いたいと思います。
小林副市長:環境の問題は、現在とともに将来にわたって貴重な財産を引き継いでいくためにもしっかりとした取組が必要だと思っております。今委員から御説明があったとおり計画の達成についてはなかなか難しい問題があるというふうに認識をしています。プラスチック問題一つ取っても、ペットボトルについてはもう100%に近い回収率がありますけれども、プラスチックについてはまだまだそういった状況に至っていないとか一つ一つ課題がございますので、しっかりとPDCAを回して取り組んでまいります。
河治委員:それでは、具体的に伺います。ごみと資源の総量の削減についてです。
 スライド御覧ください。(資料を表示)この間のごみと資源の総量の推移です。着実に減らすべきなのに2019年度は前年度より増えました。どのような評価でしょうか。
金澤資源循環局長:景気動向など様々な要因で増減いたしますので一言では言い切れませんが、台風の影響やラグビーワールドカップ2019TMなど大規模イベントの開催、日本最大級のホテルなど大規模施設の開業、また、大型事業系ごみ資源化施設が本格稼働のほか、今回の新型コロナウイルス感染症拡大による影響が考えられるところでございます。こういったことから、ごみと資源の総量は昨年度増加したところでございます。
河治委員:2018年からの3次計画では、2021年度で117.3万トンが目標です。今年度はコロナ問題もあり家庭ごみが増大していると聞きます。単純計算では今年度の目標は118.1万トン以内です。進捗状況はどうか、また、減量化はどう進んでいるのでしょうか。
卯都木政策調整部長:家庭系ごみにつきましては、緊急事態宣言発出期間の4、5月で、前年同時期と比べ、燃やすごみは12%、缶、瓶、ペットボトルは16%、プラスチック製容器包装は12%増加しました。その後、いずれも増加率では10%以下に落ち着いておりますけれども、依然として多い状況にございます。一方、事業系ごみにつきましては、4、5月で前年同時期と比べて21%減少し、その後も前年よりも10%程度少ない状態にございます。

河治委員:次は、温室効果ガス削減についてです。
 近年の豪雨や台風、異常気象は温暖化が大きな理由と言われ、温室効果ガスの削減は地球的課題です。横浜市役所を事業体とした場合の温室効果ガスの排出量は、一般廃棄物処理事業が全体の約3分の1を占め、9割以上がごみの焼却に伴うものであり、そのうちその約8割をプラスチック類の焼却が占めています。 スライドを御覧ください。温室効果ガスの排出量の推移です。2013年度、平成25年度から増え続け、2017年度、平成29年度は28.6万トン、2018年度、平成30年度は29.1万トン、いずれも基準年度2009年度、28.9万トンを超え不名誉な結果です。どう分析、また評価されているのでしょうか。
金澤資源循環局長:3R夢プランにおける温室効果ガス排出量の算定では、委員から御紹介いただきましたが、燃やすごみの中のプラスチック類の影響が大きくなります。近年、燃やすごみの中のプラスチック類の量が少しずつ増えたことが主な増加要因と分析しております。
河治委員:2019年、令和元年度は前年度より減りましたが、計画では24.9万トン以下なわけで、目標より1.1万トンも多い状況です。評価はどうでしょうか。
金澤資源循環局長:温室効果ガスの排出量の削減に向けまして、ごみの発生抑制、分別排出の徹底、施設の省エネ化、創エネ化の推進などに取り組んでまいりました。現在、海洋プラスチック問題やレジ袋の有料化など、プラスチックに対します市民の皆様の関心が高まっておりますので、発生抑制や分別排出の徹底など、市民や事業者の皆様の御協力をいただきながら一丸となって取組を進めてまいります。
河治委員:スライドを御覧ください。組成分析での分別率の推移です。瓶、缶、ペットボトルは分別率は約95%前後で推移ですが、プラは60%強であまりにも低過ぎます。結果についての見解を伺います。
金高家庭系対策部長:家庭から排出されますプラスチック類は、素材による分別ではなく、容器包装かどうかで分別が変わるため、その区別が分かりにくいことなどが主な原因と考えております。
河治委員:2017年、容器包装プラと製品プラの一括収集実証実験を行ったと聞きます。どのようなことだったのか、目的、取組、結果について伺います。
金高家庭系対策部長:国がプラスチック製容器包装と製品プラスチックを併せて回収した場合の課題を把握するために行ったものでございます。内容ですが、平成29年11月に市内の協力地域において、プラスチック製容器包装と製品プラスチックを合わせたプラスチックの分別収集品目を設定し、回収、リサイクルを実施しました。回収量はプラスチック製容器包装のみの場合に比べて約1割増加するという結果となっております。
河治委員:分別収集等の支障はなかったのでしょうか。
金高家庭系対策部長:この実証実験ではリサイクルの可能性というのも調査しておりますが、リサイクルについては支障がないという結論が出てございます。
河治委員:容器包装プラ、製品プラの一括収集でも収集、選別、資源化で何ら問題ないとのことですから、少なくても製品プラの資源化に踏み出し、温室効果ガスの削減を強めるべきではないでしょうか、伺います。
金澤資源循環局長:プラスチック製容器包装のリサイクル費用につきましては、容器包装リサイクル法に基づきまして、容器包装を利用して商品を製造、販売する事業者が負担をいたしております。一方で、製品プラスチックにつきましてはそのような制度がないため、現在、仮にリサイクルする場合には費用の全額を市町村が負担することになります。そのため本市といたしましては、製品プラスチックもプラスチック製容器包装と同様にリサイクルを進めるための制度を整備するよう国に働きかけているところでございます。
河治委員:国の動向についても教えてください。
源波副委員長:ただいま答弁の整理中でございますので、しばらくお待ちください。
金澤資源循環局長:現在、国におきましても、プラ対策の強化の一環として容器包装プラに加えまして、製品プラもどのような形でできるか検討を進めているというふうに聞いております。
河治委員:ぜひ、温暖化対策も含めて進めていってほしいと思います。
 

河治委員:次は、最終処分場についてです。
第5ブロックの埋立期間は50年以上の指標です。先ほどの委員のほうからもありました。資源循環局の広報きれいなまちに2019では、現状で推移したら30年で満杯になるとしています。50年以上使用するための手だてが求められると思いますが、所感を伺います。
金澤資源循環局長:最終処分場を50年使用するためには、3Rの取組をより一層進め、埋立てをするごみそのものを減らすことが第一だと考えますが、焼却灰の資源化につきましても焼却処分場の延命化につながる有効な手段と考えておりますので、厳しい財政状況でありますが、長期的な視点を持って着実に取り組んでいきたいと考えております。また、新たな技術等の開発にも注視してまいりたいと考えております。
河治委員:先ほど答弁があった中で、焼却灰の資源化について横浜市中期4か年計画の振り返りでは、目標7万3000トンに対して、2018年、2019年の2年間で2040.9トンしかできず大きな遅れです。結果、評価はどうでしょうか。
金澤資源循環局長:厳しい財政状況の中、なかなか予定どおりにはまいりませんが、何とか一定の事業費を確保し、可能な限り資源化を進めているところでございます。
河治委員:すみません、遅れた内容について話をされていないのですけれども、目標どおり進んでいない。
金澤資源循環局長:当初予定では7万3000トンを4か年で行うということでございますが、厳しい財政状況の中で様々な形で予算を配付、我々も使っていかなければいけないという中で、予定どおりにはいっていないというような状況でございます。
河治委員:非常に不十分な答弁です。最終処分場の埋立期間が危ぶまれる中で、延命策としての焼却灰の資源化の現状が見られるように、今から計画どおり進んでいないことを非常に私は危惧します。遅れをどのように取り戻すのか、伺います。
金澤資源循環局長:何とか最終処分場を50年使用するために3Rの取組をより一層進めて、まずは埋立てするごみそのものを減らしていきたいと考えております。また、焼却灰の資源化につきましても処分場の延命化につながる有効手段でございますので、厳しい財政状況ではありますが、何とか長期的な視点を持ちながら取り組んでいきたいと考えております。(私語する者あり)

河治委員:次は、減量化への周知、啓発についてです。
 資源化、減量化、ごみ削減は市民の協力が不可欠です。スライドを御覧ください。家庭から排出される燃やすごみの組成分析です。紙類は28.2%です。そのうち資源化分別対象が10%あり、プラは12.4%で、分別対象は容器包装が5.1%、ペットボトル0.1%とあります。さらなる分別、資源化をすべきとしていますが、市民への周知徹底をどう進めるのでしょうか。
卯都木政策調整部長:広報よこはまや広報テレビ、ラジオ番組など市の広報媒体の活用、ホームページへの掲載、ツイッターやフェイスブック等SNSでの発信など様々な手法を用いて多くの市民の皆様の目に触れるよう周知を図ってまいります。また、分別していただいたものがどのようにリサイクルされ、環境負荷を減らすことができるかなどが分かりますと市民の皆様の意欲的な分別につながりますので、しっかりとお伝えしてまいります。今後も、方法や内容を工夫しながら啓発を行ってまいります。
河治委員:先ほどの委員もありましたけれども、昨年9月に資源循環局はプラスチック資源循環アクションプログラムを策定しました。この中では、ワンウエーの使用削減、プラの代替に努めるだとか、バイオプラは長期使用する、そうしたことを市民と事業者に求めているのですけれども、この周知徹底もどうするのかを伺います。
卯都木政策調整部長:アクションプログラムにつきましては、策定の段階から市連会、また区連会を通じて市民の皆様に広く意見を伺うとともに、策定後は、市民の皆様にお願いしたいことなどを住民説明会や出前講座など様々な機会を捉えてお知らせしてまいりました。なお、アクションプログラムにつきましては市のホームページに掲載してございまして、いつでも御覧いただくことができるようにしております。
河治委員:G30のときは、周知活動が2年間で1万1000回と聞きます。3R夢プランは、現状のまま推移するなら、資源化も温室効果ガス削減も最終処分場の延命も達成できないように私は思います。分別収集の周知徹底をどのように進めてきたのか、伺います。
卯都木政策調整部長:G30プランのときには、10分別15品目とごみの分別が大きく変更され、市民の皆様の生活に影響がございましたので1万回を超える啓発を実施し、市民の皆様に繰り返し説明をさせていただきました。現在、プラスチック対策や食品ロス削減など、毎年1300回前後の啓発活動を行っております。
河治委員:先ほどの委員とも重なるところはないのですけれども、小学生への環境教育というのは非常に私は重要だと思うのです。それは別な角度からなのですけれども、子供たちが学んで、お父さん、これでいいの、お母さん、もっとこうしたほうがいいのではないの。それはすごく子供たちが学んだことは家庭や地域に大きく反映すると思います。取組はいかがでしょうか。
金澤資源循環局長:これまで小学四年生の授業で利用する環境学習副読本の作成や焼却工場の見学、出前教室、小中学生を対象としたヨコハマ3R夢ポスターコンクールなどを実施しているところでございます。さらにこれからは、これまで当局が培ってきた経験を生かしながら、リモート授業の実施や新たな動画の作成など、社会状況に合った方法も検討してまいります。
河治委員:先ほどの小学校の教材はこれなのです。(資料を提示)小学校四年生用のつなごう未来へヨコハマ3R夢ということで、私が見てもこれはすごいことを学んでいると感じるのですけれども、一般の人も学ぶことが大事だと思うのです。では、一般の人は何を学んでいるのか、その教材はと言ったら広報紙、先ほど言いましたきれいなまちに2019、これは中身が難しいです、本当に難しいです。きれいなまちにの発行はどれぐらいあるのか、また、どのように使われているのか、教えてください。
源波副委員長:ただいま答弁の整理中でございますので、しばらくお待ちください。
金澤資源循環局長:発行部数につきましては後ほどデータをお示ししたいと思いますが、使い方に関しましては、環境事業推進員の皆さんや地域の皆様にお配りするなど、使用しているところでございます。
河治委員:G30から相当ごみ量が減ってきて、これから減らしていくというのは相当な努力、周知というのはこれが大事だと思うのです。そういう意味では、広報紙はすごく内容が濃いのですけれども、これを積極的に活用して、それが楽しくなるような学習といった形で、広報をしっかりと周知徹底するということが今後市民の協力を得る上でもすごく大事なことではないのかと私は思うのですけれども、いかがでしょうか。
金澤資源循環局長:先ほど委員からもございましたが、子供向けの環境学習副読本は大変分かりやすいというお話で、きれいなまちには少し難し過ぎるというようなお話がございましたが、なかなか子供向け、一般の方向けなど、どのような形でどういった情報を出していくかというのは難しい状況でございます。これからいろいろな意味で対象者に分かりやすいものとなるよういろいろと検討してまいりたいと思っております。
河治委員:次は、公衆トイレの再整備についてです。
 2018年から4か年で22か所の整備計画ですが、2020年の7か所の進捗はいかがでしょうか。
寒河江家庭系対策部担当部長:今年度に建て替えや改修を予定していた7か所のうち、6か所については、現在、契約や着工に向けた手続を進めており、いずれも今年度末に完了する見込みです。残りの1か所である三溪園前公衆トイレについては、前面道路での下水道工事が今年度末まで延長されトイレの改修工事が困難となったため、令和3年度に実施する方向で調整してまいります。
河治委員:実はこの計画は2019年度、ラグビーワールドカップ2019TM、そして2020年、今年の東京オリンピック・パラリンピックを機に来街者へのおもてなしといったところも出ているのです。こうした国際的イベントの契機というのはいい機会であると思うのですけれども、もっと大事なことは市民の暮らしの社会的な支援といった立場が重要だと思うのですけれども、そういった立場に立てばもっとスピード感を持って進めるべきだと思うのですが、どうでしょうか。
金澤資源循環局長:公衆トイレにつきましては、設備の老朽化や和式便器が残っているところなどが課題となっております。限られた財源の中で老朽化の程度や利用状況などを精査いたしまして、優先順位を見極めながら、必要な改修や洋式便器への更新などを順次進めていきたいと考えております。
河治委員:市民の声も聞きながら整備数を広げるべきではないでしょうか。
金澤資源循環局長:まずは現段階で計画しているものをしっかりと整備してまいりたいと考えております。
河治委員:しっかりやってください。
 最後は、収集運搬業務委託についてです。
コロナ禍の中で、特に緊急事態宣言の発令時は自粛生活で家庭ごみが増えたと聞きます。本市の委託契約の資源ごみの回収、現場労働者からの訴えです。1日3回の車の運行では回収し切れず、4回以上になったと。蒸し暑い屋外での回収作業は苛酷で作業時間が大幅に増えたのに何の手当もない、風呂も入れない、改善してほしい。こうしたことが私にありました。資源循環局はこうした事態をどのように認識しているのでしょうか。
金澤資源循環局長:当局に直接そういった声は届いていないような状況でございまして、委員からのお話で今お話を聞いたというような状況でございます。
河治委員:本市が行っている委託契約のマニュアルです。仕様書の中に労務管理があります。説明してください。
金澤資源循環局長:こちらは家庭ごみ収集運搬業務委託におけます一般仕様書の第15条の労務管理だと思いますが、労務管理について規定している箇所でございまして、労働基準法や労働安全衛生法などの労働関係法規の遵守を定めているものでございます。
河治委員:本市は発注者責任として労務管理が正しいかどうか監査すべきだと思うのですが、どうでしょうか。
金澤資源循環局長:基本的な話でございますが、労働条件や労働環境の改善等々のお話だと思うのですけれども、受託事業者の責任において実施されるものと認識をいたしております。
源波副委員長:河治委員、時間でございます。
河治委員:発注者責任としてぜひ責任を取ってください。
 終わります。


新着情報

過去記事一覧

PAGE TOP