議会での質問・討論(詳細)
2019年5月24日

■議案関連質問(北谷まり)

新たな劇場整備について

議会が反対しても新劇場整備を推し進めるのか

北谷議員:北谷まりです。日本共産党を代表し質問いたします。

まず、市第2号議案 横浜市新たな劇場整備 検討委員会条例の制定についてです。議案は、「文化芸術における創造及び発信の新たな拠点となり、まちの活性化につながる新たな劇場の整備を検討するため、市長の付属機関として、横浜市新たな劇場整備検討委員会を置く」というものです。

報道によると、市長は4月19日、都内で開いた投資家説明会で劇場整備について、「どんな反対があっても、将来を見据えてやっていかなければならない」と言われたとのことです。例えば、議会が反対してもやるということであれば、2元代表制を否定することになってしまいます。そうであれば、あまりにも議会無視ではないでしょうか。その発言の真意をうかがいます。

林市長:北谷議員のご質問にお答え申し上げます。市第2号議案についてご質問いただきました。投資家説明会における説明内容についてですが、投資家の皆様の新たな劇場整備による活性化への期待が大変大きいと、その会場に行って感じられました。また投資意欲を高めていただくために私としても積極姿勢を前面に出して説明したのが、そういった表現になりました。新たな劇場整備の検討にあたっては有識者の皆さんによる検討委員会でしっかりと議論をいただくとともに市会の皆様にも丁寧に説明をさせていただきます。

急いで劇場整備する理由はない

北谷議員:新たな劇場については、2018年10月策定の中期4か年計画で、整備に向けて検討することが盛り込まれました。そして、2018年度予算で、整備検討調査を民間シンクタンクに依頼し、その報告書が2019年2月28日に提出されました。

今年2月14日開催の政策・総務・財政常任委員会で、その報告書と同一の内容を概括的にまとめた資料が配布されました。ヒアリング結果の最初には、首都圏には、本格的なオペラ・バレエ等の舞台芸術を上演するにふさわしい舞台設備を有し、十分なキャパシティがある劇場はほとんどなく、実演団体からは劇場不足への危機感が示されていると書かれています。

しかし、そのあと、わが国では本格的なオペラ・バレエの実演団体は多くない、劇場の貸館事業として実演団体が借りて上演するケースはほとんどないと記述しています。一方では劇場不足を訴え、他方では実演団体は多くなく、自主公演もほとんどないと矛盾だらけの説明です。報告書を読む限りでは、会場不足の声はバレエに限られ、オペラ・ミュージカル・歌舞伎からは出ていません。何を根拠に会場不足としたのか不信感が募ります。

今、横浜市民は気軽に文化・芸術活動を享受できる環境にあるといえるでしょうか

本市においても、箱物ありきではなく、コンテンツ、文化事業をどうしていくのかをまず市民に示し、文化・芸術団体への財政的支援を強化するなど、時間をかけて文化醸成を図るべきで、劇場整備を急がなければならない理由はありません。

文化芸術活動の拠点として活性化するには、文化施設の運営への芸術家と市民の参画を促し、舞台芸術や司書、学芸員など専門家の身分を保証し、専門家として力量を発揮できるような支援などが求められます。同報告書で劇場整備検討の意義については、都市のランドマーク、観光資源となった諸外国における具体的な例を紹介しているだけです。整備が必要な根拠を示さないまま、わずか12人の委員で新たな劇場の整備について検討する委員会の設置はあまりにも拙速で、乱暴すぎると考えますが、見解をうかがいます。

林市長:検討委員会の設置は拙速とのことですが、昨年度、関係者へのヒヤリングなど実務上の検討を進めまして、劇場整備の効果とともに、課題なども明確になってまいりました。そこでこれらについて、専門的な視点から検討するために、検討委員会を設置するものです。着実に検討を進めるという認識で、取り組んでおります。

文化芸術を経済活性化、都市の持続的成長の手段にしているようにしか見えない

北谷議員:近年の国の方針には、「稼ぐ文化」をめざし、芸術・文化に「経済効果」や「効率」を求め、それを作品や文化事業の評価の基準にする傾向がみられます。目先の利益だけを追い求めるやり方では文化の発展はありません。中期4か年計画では、劇場整備の目的は、さらなる魅力・賑わいを創出し、都市の活性化につなげるためとしています。市民との議論も全くないなかで、わずか1年足らずで結論を得ようとすることは、文化芸術を経済活性化、都市の持続的成長の手段にしているようにしか見えないと考えますが、見解をうかがいます。

林市長:文化芸術に関してのご指摘ですが、文化や芸術は、心豊かな子ども達の育成、地域コミュニテイーづくり、また歴史伝統の尊重などに大きく貢献するものと考えます。一方、賑わいなど経済の持続的な発展や、都市の活性化にとっても大変重要な役割を果たします。

今後の文化芸術は、こうした多面的な効果をもたらすことを積極的に認識して、取り組むべき施策と考えておりまして、市民の皆様にもしっかりとご説明していきます。

開発事業者から出ている費用対効果への疑問にどう答えるのか

北谷議員:先ほど述べた、報告書の、開発事業者等ヒアリングでは、横浜とオペラ・バレエはイメージが合致するがマーケットは厳しい、運営事業者ヒアリングでは、オペラ・バレエといったハイクオリティの芸術を実現する劇場の場合、一般的な多目的ホールより高いレベルの管理技術が求められ、管理運営コストも高くなる、ポップスなどのジャンルと両立させなければ、年間で施設稼働を確保することは困難との見方が記載されています。費用対効果や設置の意義について疑問を呈する意見です。この意見に対する市長の見解をうかがいます。

本格的なオペラが上演できる新国立劇場の収入規模は約70億円、うち利用料収入等は約30%の約23億円であり、約7割が補助金等となります。市長が言われる機能を有する劇場を実現しようとしたら限りなく新国立劇場の規模となってしまいます。一地方自治体としての領分を超えることに対して市民の理解は得られるのでしょうか。

横浜市は市内にオペラ・バレエの愛好者がどれだけいるのかは把握していないとのことですが、それにもかかわらず、オペラ・バレエを中心とした劇場とした理由をうかがいます。 

林市長:事業者等からのヒヤリングの結果についてですが、市場還元運営コスト、施設稼働率など、劇場運営については、数多くのご意見をいただきまして、その中には、厳しいものもありました。まさに、今後の検討における大切な指摘であると受け止めております。

私も指定都市市長会の会長として、各会員の都市にある劇場についても、時には、視察というか、ご一緒に見せていただいたり、お話をお聞きしたりする機会がございますけど、いずれも、大変、制度とか、特に中国、韓国もそうでございますけれど、ほとんど国立で支援していくという状況がございます。

特に韓国などはそういった文化芸術を輸出するという考え方がございますので、国のそういうところの方針をはっきりさせておりますけれど、日本の場合は、伝統的な色々な事情がございますけれど、基本的には民間でやるということの方針の方が強いです。ということで、例えば能楽などもですね、お弟子さんを抱えて、大変な、シテの方もお弟子さんを抱えなければ、生活上難しいと伺っておりますし、歌舞伎は松竹がやっておりますけど、基本的には、あまり国が強く運営費を出すこともございません。

国立大には出されておりますけど、そんなことで非常に運営が厳しいということも、私は十分承知しておりまして、特に西洋は、伝統的に国がそれを育てていく、小さい頃から、積極的に子どもにも見せるという、そんな仕組みでやってきたから、劇場に足を運ぶ方も大人の方たちがですね、本当に日ごとに通っていく、特にまさか日本ではバレエとか、例えばオペラとかですね、そんな沢山の公演回数はございませんけども、パリやベネチアにしても何にしても、重要なる舞台芸術ってものをほぼ休みなくやっているわけです。

そういった文化が、日本にはないですから、同じように望むわけではありませんが、国際的な、国際都市として、やっぱり、私としては、これはやっていかなくてはならないことなので、ここでキチっと議論のテーブルにのせて…ちょっと答えが少しづれたら申し訳ございません。ちょっと余計なことを申し上げたかもしれません。ともかく観客を育てるということも必要ですし、文化芸術アクション事業というのをやりましたけど、これも劇場がない故にはじめたという状況です。

ベイサイドバレエというのも、劇場がないので、外でやろうということから始まりました。では、県立があるじゃないかとか、カートがあるじゃないかというお話がありますが、基本的には県のものでございますので、横浜は非常に、奥行きもあまりなくて、大きな舞台芸術ができない、関内ホールだけということですから、374万人都市としては異例の状態があるわけです。これは慎重にですね、特に一番重点を置いていますが、経営のマネージメントに置いています。

話がすこし広がりました。申し訳ございません。将来的にそういうことも認識しながら、しっかり検討をするということでございます。

それからヒヤリング結果についてご質問がありました。劇場運営が非常に重要なので、ここはしっかりと委員会でも専門的な知見からも、色々な形で議論していただきたいと思います。

オペラ、バレエを中心とした劇場とするというような形になっておりますが、これは決してオペラとバレエしかやらないというわけではございません。例えば横浜では、歌舞伎を上演できるという状況がないのですね。小さい劇場で、例えば、文楽をちょこっとやったり、去年ですかね、市川海老蔵さんが関内ホールにおいでいただきましたけど、これは本格的な上演では決してございません。

非常にショートにしたものをちょっと上演するものですから、そんなことで、これはもう舞台芸術でございますから、もちろん中心的なものと据えますけど、単なる日々の貸し劇場にしてはならないということなので、ここでやりたいという人たちがいれば当然、あまりなんでもかんでも受けいれることではございませんけど、世界レベルのものをキチっと横浜にもそういうのがあるんだっていうことを、私はお示しすべきだと考えています。

それから、話が長くなりますが、実は、観客がいないのではないかというような、本当に横浜でお客が入るのかというご心配もあると思いますけれど、実は横浜市で、横浜意識市民調査を30年度ですが、市民生活の行動のアンケートで、観劇やコンサートに行く方の頻度は、年に1回か数回が35.8%というお答えでした。そして逆に行かないという方は、57.8%です。劇場やコンサートに行くって方の54.2%が都内に行くとお答えなんですね。

例えば他の行動、映画館に行くとスポーツを見るとか、習い事に行く人達は東京に行くわけじゃないのです。6.7とか、習い事10.6みたいに東京にはいきません。横浜市内でできるんですが、観劇やコンサートは東京に行くってことなんですね。それはやはり横浜市で、観られないということが一つと言うことと、無いから余計習慣がつかないので、すべて東京に行ってしまえばいいのではないという考えがあるのではないかと。特に渋谷は非常に力を入れて、今はミュージカル劇場とか専門のものを建てていますし、今、池袋は来年開場ですかね、素晴らしい劇場をお建てになるということでございます。そんなことで、横浜市にはそういうとこはないということが、私としては、大変、将来的にも心配でございます。

これについては、今日ここでちょっと長くお話しましたけれど、これからまた、沢山こういうお話をする機会を持たしていただくというふうに思います。

ですからオペラ、バレエを中心としたということでございますけど、ただただ、オペラ、バレエだけでないということを申し上げたいということと、あと、インバウンドの誘客という多面的な効果もございますけれど、これは、例えばバレエ、オペラにしても、ほぼ日本での集客ができるものは、海外のものでございます。

横浜市はですね、国際局や私が海外に出張した折りなど、それぞれ色々な有名な劇場の詳細を尋ねして、いろんなお話しさせておりまして、海外のカンパニーなど大変期待をしている。横浜でぜひ、上演させていただきたいとおっしゃっていますから、そういう意味で海外との各バレエ団やオペラ劇場とか、要するに劇場ですね、そういうところとも提携はおそらくキチっとできてくると思いますから、多方面でやりますので、そんな拙速に前のめりというわけではございません。

結局ですね、私も過去の例として、経営者もやらせていただきましたけど、やはり文化芸術活動を支援するというのは極めて困難でした。喜んでやるって方はほとんどいなかったですね。要するに経営者やっている時も、ほとんどサラリーマン社長というのは、ほとんどセーブできません。オーナー社長になれば、いわゆるパトローゲという形でやれますけど、ですから私の思いとしては、これをやり遂げることは相当困難がいる、誰が反対するとかそういう問題ではないのです。非常に難しいところだって気持ちをただいまもっているところです。ですから、全然、先生方が反対するでしょとかそんなことを申し上げているのではなくて、本当に厳しいご意見を伺いたいと考えている次第です。すみません。ちょっと長くなりました。

オペラ・バレエを中心とした劇場の理由ですけど、海外ともつながるし、そこをフックに色々な人達にお集まりいただきたい、それから、インバウンドと申し上げましても、大阪に行かれる外国の人はものすごく多いです。私は驚きました。横浜市は、宿泊が73万人ですが、おそらく大阪は1千万を超えていますが、それで観光消費枠も一兆円を超えています。大阪は。すごいおそろしいことだと思います。だから、ここも大切なものだと思います。

検討委員会の設置より前に市民ニーズ調査を

北谷議員:また、観光について現段階では、オペラ・バレエ鑑賞へのインバウンドは大きくないが、誘客効果が高まる期待があるというだけで、データも根拠もなく、「箱もの先にありき」という感は否めません。中期4か年計画には、横浜を取り巻く状況で、「本格的な劇場を整備することにより、プレゼンスを大きく向上させることが期待できる」と、ここでも「期待」を述べ、力強い経済成長と文化芸術創造都市の実現では、「本格的な劇場など、横浜のあらたな魅力、にぎわいを創出」と、整備することが既定路線のごとく記述され、前のめりであることが読み取れます。しかし、中期計画策定時に寄せられた2129件のパブリックコメントのうち、劇場整備について言及しているのは8件しかありません。劇場整備について、市民に周知されておらず、関心も低いと言えるのではないでしょうか。

このような状況から、整備ありきではなく、オペラ・バレエ等の上演を市民が望んでいるのかどうか、委員会設置の前にニーズ調査をするべきと考えます。ニーズ調査の結果を踏まえて整備が必要か否かを改めて検討することを強く要望しておきます。

池上小と菅田小の統廃合について

学校統廃合を加速させる基本方針を改めよ

北谷議員:次に、市第17号議案横浜市立学校条例の一部改正についてです。議案は神奈川区の池上小学校と菅田小学校を廃止し、旧池上小を建て替えて菅田の丘小学校を新たに設置するものです。

2010年12月策定の「横浜市立小・中学校の通学区域制度及び学校規模に関する基本方針」は、2018年7月、「横浜市学校規模適正化等検討委員会」の答申を経て、12月に基本方針改訂版が出されました。

これまでの方針では、25~30学級を大規模校とし、学校統廃合により、統合校の学校規模が恒常的に25学級以上となるような場合、学校統廃合の対象から除くとしていました。ところが、改訂版では、小中学校25~30学級を大規模校から準適正規模校へと変更し、統廃合後の学校規模が、25学級以上でも統廃合が可能としました。この変更は統廃合を加速するためにされたと言わざるを得ません。基本方針は統廃合をさらに促進するためのものなのか、うかがいます。

鯉渕教育長:学校規模に関する基本方針の改定についてですが、子どもの教育環境の改善に向けて、近年の環境の変化に対応できるよう、小規模校や過大規模校のそれぞれの適正化を図るために、8年ぶりに改定したもので、必ずしも統合だけを促進するというものではありません。

北谷議員:基本方針改訂版には、部会を設置して学校規模の適正化等に向けた検討を円滑に進めるためには、必要に応じ、学校運営協議会や横浜市学校規模適正化等検討委員会など、外部の意見を参考にするとあります。この規定は、答申にある、地域における合意形成に時間を要したケースが出たことを取り上げ、部会における協議が膠着状態になった場合に備えて、円滑な部会運営に向けた調整方法について検討が必要であるとする見解が元になっています。これは、じっくり時間をかけて地域住民の意見を聞き、反映させて納得と理解を得ることを否定しており、住民を軽視するものだと言えます。

統廃合をなぜ急いで進めなければならないのでしょうか。市教委は小規模校の長所として、「子ども同士よく知り合うことができ、人間関係が密になる」「縦割り集団行動などを通じて、異学年の子ども同士も関わりを深めることができる」「様々な学習活動の場で、一人ひとりの良さを生かして、それぞれが活躍する機会をもつことができる」としています。

子どもの立場に立てば、小規模校の長所を活かす学校づくりをめざすべきです。ところが、短所の解決には、統廃合しか方法がないかのように示して、統廃合へと誘導しているのが実態であり、看過できません。日程ありきで検討部会を進行させる新たな規定を加えたうえに、小規模校を否定する基本方針は間違っています。この基本方針は見直すべきですが、どうか、うかがいます。

鯉渕教育長:基本方針を見直すべきとのことですが、当基本方針は、通学区域及び学校規模の適正化方策の考え方を示すのです。小規模校は、児童生徒同士がよく知り合うことができ、人間関係が密になるなど一定のメリットがあります。

その一方で、適正規模化は多様な個性と触れ合える機会が増え、運動会などの行事も盛り上がることで、学校全体に活気が生まれ、児童生徒の教育環境が向上します。今後も保護者地域の皆様の理解と協力を得ながら、学校の適正規模化を計っていきます。

統廃合検討部会の開催前に地域を対象とした説明会を開催すべき

北谷議員:「池上小学校・菅田小学校」通学区域と学校規模適正化等検討部会は、2018年1月31日に第1回の部会が開かれました。そして、4月26日の第3回の部会で統合の方向性が検討されることになったことをもって、教育委員会は統合が決定したとし、7月10日、建て替え対象校選定会議で対象校として選定し、池上小学校建て替えに関する基本構想業務委託の入札を7月24日に公表、8月24日に事業者決定し、住民置き去りのまま、着々と統廃合と建て替えをセットで進めてきました。部会が、「統合校の良好な教育環境を確保するため、校舎の建て替えや必要な施設整備を行うようお願いします」との意見書を提出したのは2019年1月30日です。

この意見書が提出されるまでは、保護者・住民説明会が行われ、部会は継続しているのですから、保護者・住民の意見をしっかり聞くべき期間のはずです。2018年11月に地域説明会が開催されましたが、参加者からは「統合に反対」「たかが1年で統合と決めてしまうのか」などの意見が出されたにもかかわらず、住民の声が反映されておらず、地域の理解と納得を得たとは言えません。

地域防災拠点や街づくりの観点からも、学校統廃合は地域にとって重大な問題です。統廃合の方向を決めたから、説明会を開催する、このようなやり方を二度と行うべきではなく、部会開催前に地域を対象とした説明会を開催すべきと考えますが、見解をうかがいます。

鯉渕教育長:部会の開催前に地域への説明会を行うべきとのことですが、検討部会の開催前に、対象校の保護者に向けて説明会を開催しており、本件についても、平成29年12月に1回目の保護者説明会を開催しております。また、検討部会の内容につきましては、リーフレットを通学区域内の全戸に配布し、地域にお住まいの皆様に、議論の内容をお伝えしており、頂いたご意見は部会に報告し、検討の参考とさせて頂いております。

第二質問

北谷議員:説明会についてですが、私が質問したのは、地域説明会のことで、保護者説明会のことではございませんので、もう一度お答えいただきたいと思います。それから通学路の安全に対する要望書ですけれども、その現地確認を教育委員会自ら行ったのかどうか伺います。

鯉渕教育長:地域への説明会のことにつきましてですが、検討部会の事前に説明会を開いたのは、先生ご指摘の通り、保護者に向けての説明会がございます。保護者また地域への説明会は11回やっておりますが、検討部会の議論と同時並行的に行ってきたものです。

それから交通安全の要望書につきまして、現地確認を教育委員会もしたのかということですが、地域の皆様方とともにさせていただいております。また、私自身も先日させていただきました。以上ご答弁させていただきました。

北谷議員:説明会について、事実を伺ったのではなくて、部会開催の前に、地域説明会を開催すべきだということについてお答えをいただきたかったので、答弁漏れです。

鯉渕教育長:この検討部会での検討も、地域の方々が入っております。また、保護者の代表も方々も入っております。まずは、保護者への説明会をし、検討部会を開きながら地域の皆様方も含めて、説明会を開いてまいりました。検討部会の他に、11回保護者、また地域の方への説明会をやりながら、丁寧にご説明させていただいたつもりです。そうしたことの結果として、検討部会において、統合の方向性が出されまして、本日、議案提出ということでご議論いただいております。

統廃合で安全上のリスクがあがる通学路の整備に教育委員会は責任をもて

北谷議員:統廃合は地域からの要求ではありません。教育委員会が先導したのですから、通学路の安全には責任を持つべきです。統廃合により、それまで通いなれた通学路から、慣れない通学路に変更され、距離が延長されることで、安全上のリスクが増しますが、そのことをどう考えているのかうかがいます。

地域からは通学路の安全について、要望書が提出されています。私は現地に行って通学路を歩き、周辺の環境も見てきました。大型車両の頻繁な通行、街灯のない農道、子ども一人歩くのがやっとの狭い歩道、視界の悪い信号、信号を待つ場所のない交差点など多くの課題があります。

子どもたちが事件・事故に巻き込まれないよう、危険回避は必須です。通学路は学校に通うための道路であることから、子どもの安全を守る立場に立てば、その整備は、土木事務所まかせではなく、教育委員会が第一義的に責任を持って対応することが不可欠です。見解をうかがいます。

鯉渕教育長:通学安全のリスクについてですが、通学路における安全対策については、統合の検討段階で、検討部会委員や保護者の皆様とともに、現地確認を行っておりますが、その上で、検討部会から安全対策に関するご要望をいただいております。これを踏まえて、関係機関と連携し、交差点の歩行者滞留場所整備や近隣事業者の皆様への協力依頼など、保護者の皆様の不安を解消すべく、取り組みを進めてまいります。

通学路は、教育委員会が責任をもって整備すべきとのことですが、学校統合に関する通学路の安全対策については、土木事務所や警察等と連携しながら取り組んでいます。交差点の歩行者滞留場所整備に向けた地権者との協議や、歩行者用信号設置に向けた交通量調査など、教育委員会として責任を持って取り組んでおります。

なお池上小学校の校庭面積についてですが、今後基本設計、実設計を進めていく中で、できる限り市の基準としているグランド面積に近づけるよう、努めてまいります。現状よりも広いグランド面積を確保できる見込みです。以上ご答弁申し上げました。

統合しても、校庭面積が国基準を大きく下まわる市基準にも届かない

北谷議員:菅田の丘小となる、現池上小学校は、元々敷地が狭い学校で、現在校庭は2952平方メートルで、国基準の半分に過ぎない横浜市基準の約3800平方メートルでさえも大幅に下回ります。建て替えにより、拡張されるとしても市基準も満たさないことがわかっているのに、統廃合を進めることは理解できません。よりよい教育環境の整備と言うならば、少なくとも、市基準を満たすことは当然のことではないでしょうか。

学校の統廃合は安易に行うべきではありません。企業間の合併など、大人社会でも現場の混乱があるのです。答申に、「学校統合により新たに生じた課題」について、学校統合に伴って生じたものがほとんどであったとの記述があることに、教育委員会は真剣に向き合うべきです。

例えば、統合前の学校で、配慮が必要として手厚いサポートを受けていた子が、統合後も同じサポートが受けられるという保障はなく、不安を感じるのも当然です。子どもの立場に立ったよりよい教育環境とは何か、考え直すことを強く求めておきます。

地下鉄センター北駅近くの1万2千㎡の市有地の売却について

市有地の活用は、広く市民の声を聞く仕組みの創設を

北谷議員:最後は、市第33号議案 都筑区中川中央1丁目所在市有土地の処分についてです。議案は市民ホール予定地として平成8年と平成18年に取得した約1.2ヘクタールの市有土地を、民間事業者に売却するというものです。売却後、事業者が内装を含む区民文化センター及び民間施設からなる一棟の複合施設を整備し、本市は事業者と区民文化センターに係る売買契約を締結して、所有権を取得すると聞いています。

市民利用施設整備のために取得した土地を、なぜ民間営利事業者に売却するのか、市民が納得できる説明はありません。本市には、用地取得が困難なため、遅々として整備が進まない市民利用施設が多くあるのですから、全市的な観点から財政的観点からではない土地活用についての検討が必要です。市民のくらし向上のために、市民の財産を活用するのが公の責任ではないでしょうか。

ところが、今回の市有地については、関係区局の政策局、財政局、文化観光局、都市整備局、都筑区が参加するプロジェクト会議で売却を基本とすることを決めたと聞いています。その理由は、サウンディング調査で民間事業者が購入する意向を示したからです。庁内で検討するだけでなく、広く市民の声を聞き、市民の意見を反映させるシステムがないため、十分に議論が尽くされずに、財源確保策を優先した財政局主導型で売却が決定されたと考えます。

そこで、今回のような塩漬けされている土地や学校跡地など土地活用については、庁内だけで検討するだけでなく、広く市民の声を聞く仕組みを創設することが必要だと考えますが、市長の見解をうかがいます。

林市長:市第33号議案についてお答えを申し上げたいと思います。

市民の皆様にご意見を聞く必要があるということですが、平成21年度に作成した資産活用基本方針に基づき、土地活用に関する資産活用推進会議を設置いたしました。この会には、土地の所在する区も含めて連携して検討する体制となっています。市民の皆様のご意見は、事業所管局だけでなくて、区を通じてお聞きしており、今後とも関係局の連携によりまして、保有資産の有効活用を続けてまいります。

保育園や老人施設などが求められているのに、なぜ土地を売却するのか

北谷議員:センター北駅の高架下には保育園があります。地下鉄の騒音と日の当たらない場所で一日を過ごす子どもたちの目の前に、広々とした市有地があるのです。高齢化社会のなかで、老人福祉施設の増設も待ったなしです。市民の貴重な財産を民間営利事業者の事業用地として売却はあまりにも安易すぎます。区民文化センターについても関内ホールなみの規模にすることも市北部地域にも検討してもいいのではないでしょうか。そして、中央図書館レベルの図書館を北部地域に立地させることも選択肢の一つです。工夫すれば使い道はいくらでもあります。売却ではなく、こうした市民が利用する公共施設整備を改めて検討するべきですが、見解をうかがいます。

林市長:全市的な公共施設を整備すべきとのことですが、この土地には、港北ニュータウン整備事業に関わる多くの先人の方々をはじめ、区民の皆様の文化施設を早く整備してほしいという強い思いが込められております。地域のニーズに応えるため、区民文化センターの早期整備にむけて、全庁的な検討とサウンディング意向把握を精力的に進めた結果、今回の手法を採用いたしました。

第二質問

北谷議員:広く市民の声を聞く仕組みについて、現在ないと思いますけれども、これについて市長はどのように考えておられるのか伺います。

また、市民が利用する公共施設、検討したのかどうか伺います。そして保有資産の有効活用と言いますけれども、市民のための土地ですので、市民のための施設をまずは考えるべきだと思いますが、その事についてお伺いして、終わります。

林市長:都筑区の市民文化センターの建設が決まっております。これ私が就任した直後から大変大きな課題になっていましたけど、そういう点については、時間はかかりましたけど、着実に進めているところでございます。

各公共施設ですけども、それは使えるところはですね、しっかり市民の皆様に提供できるように進めているところでございます。以上ご答弁申し上げました。


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