申し入れ等
2021年1月14日

緊急申入れ 一刻も早く高齢者施設等にPCR検査を実施し、命を救う対策を

2021年1月14日

横浜市長 林文子様  

日本共産党横浜市会議員団 団長 荒木由美子

 

新型コロナウイルス感染症の拡大が止まりません。市民の命を救うため、高齢者施設等へPCR検査を一刻も早く実施することを緊急に要請します。

緊急事態宣言が首都圏1都3県に続き、7府県にも発出され、11都府県に拡大されました。本市では1月9日461人が確認数最大で、1月12日456人が次位、市内の感染状況は1月12日時点で累計13020人、死亡156人と発表されています。こうした感染拡大のなかで、医療崩壊の危機は始まっており、県内では、重症患者向けのベッドは満床寸前と報じられています。本市では、1月7日の市長コメントで「市内で準備している重症・中等症用の病床500床は、179床が使用されており稼働率は35.8%」としていますが、これ以上の受け入れは容易でないと聞いています。市内の救急出動件数(11月、12月)を見ると、同月前年比約88%ですが、搬送先が決まらず、現場待機を余儀なくされた(現場滞在時間30分以上で受け入れ医療機関を3回以上断られ4回目以降で決まった)件数は922件と前年の約2.5倍と受け入れ態勢が危機的状況です。さらに、保健所は、従来行っていた濃厚接触者や感染経路を調べる積極的疫学調査の大幅な縮小を強いられています。

政府の分科会でクラスター発生の45%は、医療機関や介護施設と報告されています。横浜市内では10月、11月の2か月間で医療機関や介護施設の発生件数は15件で、全体の7割を占めています。神奈川新聞によると、新年の1月7日から12日までに5カ所でクラスターが発生しています。重症者を減らし、医療への負担を軽減するうえで、医療・福祉施設でのクラスター発生を防止する検査が不可欠であることが、これらの事実からも明らかです。

東京都世田谷区では、全国に先駆けて、「社会的インフラを継続的に維持するためのPCR検査」いわゆる「社会的検査」を実施し、高齢者施設等のべ309施設、5421人を検査し55人の無症状陽性者を把握しています。財源は全額国費とし、検査受付・実施・結果返送・陽性者の行動追跡を担う新たな体制をつくり実施しているとのことです。保坂区長は「もし社会的検査に取り組んでいなかったら、無症状の感染者から感染が蔓延し、手に負えない状況になっていたかもしれない」と語っています。神戸市、北九州市、福岡市など、社会的検査を実施する自治体が増えています。国も新型コロナウイルス対策の基本的対処方針(令和3年1月7日変更)で、「感染者が多数発生している地域における医療機関、高齢者施設等への積極的な検査が行われるようにする」としています。

ところが、本市は喫緊で重要な社会的検査については第4次補正予算で高齢者施設の新規入所の希望者に対してPCR検査を実施することが新たに出されたのみです。1月7日開催された横浜市新型コロナウイルス対策本部会議においても、PCRの社会的検査の拡充方針は示されておらず、市中に放置されている、無症状者という「感染源」に対して、無為無策であると言っても過言ではありません。1月6日の本会議で、市長はコロナ対策は喫緊の課題と言われました。だとしたら、最低でも国の方針に従うべきではないでしょうか。救える命が救えないという事態は絶対に招いてはなりません。早急に下記の手立てを講じられることを求めます。

1. 医療機関・高齢者施設・障害者施設等、死亡のリスクが高く、クラスターが発生すれば多大な影響が出る施設等の職員及び入院患者、入所者等に対する一斉・定期的なPCR検査を、緊急事態宣言を受けて一刻も早く実施すること

2. 社会的検査の実施にあたっては、保健所、各区福祉保健センターが本来の機能・役割を果たせるよう、民間検査機関等の協力も含め、体制構築を図ること

以上


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