議会での質問・討論(詳細)
2020年3月3日

■温暖化対策統括本部環境創造局【大貫憲夫】

◆大貫委員 日本共産党の大貫です。よろしくお願いします。
 先日、NHKのBSで気候クライシスというものを見たのです。これはいわゆる後戻りができない状況になってしまうといった内容だったのです。そういった意味では、地球温暖化対策統括本部の皆さんの役割は本当に重要だと思っています。そういう意味では、応援団の立場で質問したいと思います。
 まず、実行計画推進の考え方をちょっとお聞きしたいのです。その後に目標との関係で質問したいと思いますので、よろしくお願いします。
◎沼田企画調整部担当部長 よろしくお願いいたします。
 まず、実行計画の目標に向けての考え方でございますが、実行計画ではゼロカーボンヨコハマという長期的なゴールを設定しております。この実現に向けましては、まずは徹底した省エネルギーによるエネルギー消費量の削減を推進し、その上で必要なエネルギーを全て再生可能エネルギーに転換することが必要です。現在策定中の再生可能エネルギー活用戦略におきましても、2050年のエネルギー状況の姿としまして、エネルギー消費量の半減と再生可能エネルギーへの転換をお示しすることとしております。これに基づき、さらなる省エネ、そして再エネ転換の取り組みをしっかりと進めてまいります。
◆大貫委員 それで、来年度、2020年度は短中期の目標のときですよね。それに際して、まず温室効果ガス排出削減の目標をクリアできるのか、お聞きしたいのです。
◎沼田企画調整部担当部長 御質問の2020年度の温室効果ガス削減目標、これは2013年度を基準としまして22%という削減目標を設定しておりますが、その達成状況でございますが、2017年度速報値で20.9%削減されており、着実に減少しております。
◆大貫委員 減少しているのはわかるけれども、残り1.1%というものは非常に大変だと思うのです。この1.1%というのはクリアできそうですか。
◎沼田企画調整部担当部長 目標に対して順調に推移していると認識しておりまして、これは目標の達成に向けて引き続き市としても当然最大限の努力をしてまいります。
◆大貫委員 ということは、今の段階ではなかなかできないということなのか。私、これはすごく大切だと思うのです。1.1%、それができるかできないかというのを今の状態で明確にして、だから、市民の皆さんに省エネをもっと徹底してくださいというメッセージを出さないと、目標を達成しないと思うのです。そういう覚悟といったことが必要ではないかと思うのですけれども、いかがですか。
◎沼田企画調整部担当部長 委員御指摘のとおり、まず2020年度の短期目標の達成は、残りの1.1%をしっかり積み上げていく必要が当然ございます。これに加えまして、これは先ほど申し上げましたとおり、2050年というものを見据えていきますと、2020年目標にはとどまらず、エネルギー消費量を現在の約半分まで減らしていくという非常に大胆な省エネが必要となります。こういった長期的なゴールも当然念頭に置きながら、市民の皆様にもさらなる省エネの対策の推進といったものをしっかり呼びかけてまいりたいと考えております。
◆大貫委員 目標というのは、やはりその年それを必ずクリアしていくということが大事だと思うのです。そのために、今おっしゃった長期的とは確かにそうなのだけれども、この後質問するけれども、分散型電源について、ちょっとこれを見てみると、なかなか苦戦していると思うのです。そういう意味では、今おっしゃっていたようなことではやはり、温暖化対策統括本部の、私、応援団ですからね。(笑声)温対本部の姿勢というものがやはり市民に伝わらない。だから、はっきりと今の1.1%、これは全体の排出削減量だから大変な数字なのです。そういった意味では、省エネを徹底してやります--先ほど繰り返すようだけれども、そういうような意味で何らかの現状を発表して、達成目標のために、再度聞きますけれども、キャンペーンでも何かやる必要があるのではないかという質問ですが、本部長、どうですか。
◎薬師寺温暖化対策統括本部長 残り1.1%という数字は決して軽いものではないと考えておりますし、世界の潮流としてはさらに上乗せをしないと、とても1.5度C目標、あるいはパリ拠点の2度さえも達成できないというのがもう常識になっておりますので、本部としては、これからさらに積極的に市民、事業者の皆様方に危機感、目標の共有、そして具体的な行動に移していただけるように普及啓発をやっていきたいと思っております。(私語する者あり)
◆大貫委員 具体的にどうだというのを聞きたいのですけれども、ぜひやってください。それで、先ほど言った分散型電源についていろいろと調べてみたら、なかなか短中期の目標に届かないような状況があると思うのですけれども、具体的に状況はいかがでしょうか。
◎沼田企画調整部担当部長 市域内における分散型電源の導入量でございますが、まず2020年度の導入量の目安、98万キロワットに対しまして、2017年度の実績は48.3万キロワットです。実行計画では、短中期における温室効果ガス削減目標の達成に向けた目安としてこの数字をお示ししております。分散型電源を含めたさまざまな施策を総合的に実施することでCO2削減目標の達成を目指すものでございまして、この導入量が必達という位置づけではございません。いずれにしましても、先ほども申し上げましたとおり、2020年度中短期目標につきましては、温室効果ガスの削減目標22%に対し2017年度速報値で20.9%の削減という数字となっております。
◆大貫委員 計画を見てみると、今おっしゃっていたように2016年度では47万キロワット、それが短中期では98万キロワット、半分ぐらいなのです。(資料を提示)今の状況から考えると、数字を見ただけでも困難な状況だけれども、今おっしゃっていたようなだけでは、先ほど言ったように短中期を具体的に達成するという立場に立ったときに何か必要ではないですか。
◎沼田企画調整部担当部長 分散型電源の導入量、御指摘のとおり、目安の量と比べて現在十分な水準ではございませんが、例えば再生可能エネルギー設備の導入に関しましては、従来から行っている住まいエコリノベーションやZEHへの補助、あるいは太陽光パネルにつきまして、屋根貸しといったスキームなどもございますので、こういったスキームの活用によりまして、市内の再生可能エネルギー設備の導入量増加を目指してまいります。
◆大貫委員 それもさっき、また同じことを繰り返すから繰り返さないけれどもね。
 次に、再生可能エネルギー、今言った分散型電源とはそもそも何なのかという分類をお聞きしたいのだけれども、その中で再生可能エネルギーという分類が入っていますよね。その到達状況はどうですか。
◎沼田企画調整部担当部長 実行計画の中では、分散型電源としまして、再生可能エネルギー設備のほかに、コージェネレーションあるいは燃料電池といったものを設定しておりまして、これらの合計として2020年度までに98万キロワットという目安を設定しております。この中で再生可能エネルギー、太陽光ですとかそういったエネルギー設備の導入につきましては、2020年度の導入量目安値43万キロワットに対しまして、2017年度は実績が23.9万キロワットとなっております。
◆大貫委員 2017年が23万キロワットちょっとだった。前の年が、2016年度が23万キロワットですね。ほんの少ししかふえていないのです。あと1年でこの残り、これをまたやれますか。これが心配なのだけれども、できないでしょう。どうしたらいいですか。
◎薬師寺温暖化対策統括本部長 太陽光発電につきまして、委員御指摘のとおり、1年で、あるいは再生可能エネルギー全体について、2020年までに目標数値を達成するのは困難だということは私どもも認識しております。ただ、究極のアウトカム指標でございますCO2削減は、いろいろな施策を総合的に進めて達成するものというふうに考えておりますので、私どもとしてはこの再エネの導入促進についても引き続きしっかりと取り組みを進めてまいります。
◆大貫委員 もちろん総合的ですよね。それはわかっています。だけれども、目標を掲げたものをそれぞれ一つ一つ積み上げていかなかったら、それは言いわけになってしまうのです。それで、私が心配しているのは太陽光発電の問題なのです。太陽光発電の様子を見てみると、2016年度は13万キロワット、目安は33万キロワットです。これも非常に低いのです。先ほどからおっしゃっているように、太陽光発電の位置づけというのは非常に弱いのではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。
◎沼田企画調整部担当部長 2020年度の太陽光の発電設備、導入量目安は御指摘のとおり33万キロワットとしてございまして、それに対しまして2017年度の実績は14万キロワットとなっております。この中で太陽光発電導入についても当然加速をするべく現在策定を進めております再生可能エネルギー活用戦略におきましても、こういった太陽光発電の普及促進策、先ほども御説明しました屋根貸しといったビジネススキームも出てございますので、こういったものも活用しながら、その普及促進について戦略の中でも位置づけをしていく予定でございます。
◆大貫委員 その件で、私、たまたま溝口からJRに乗って川崎に行ったのです。そうしたら、見ていたら、かなり太陽光発電のシステムが乗っている。翻って、市営地下鉄に乗ってみると、これは港北ニュータウンの範囲だけれども、やはり余り乗っていない。どうしてこう違うのかと思って調べたのです。そうしたら、先ほど本市の場合には公民連携だとかいろいろなスキーム、ビジネスモデルというふうに言っていますけれども、川崎では具体的に資金補助をしているのです。その中身をもしわかったら教えていただきたいのですけれども。
◎薬師寺温暖化対策統括本部長 川崎市の補助金でございますけれども、上限10万円、1キロワットアワー当たり1万円ということで、太陽光導入者に対して補助金を導入しております。(私語する者あり)
◆大貫委員 ネットですぐ出るから調べてみたのです。川崎市スマートハウス補助金、住宅用としていろいろ出ていて、エネルギーをつくるということで太陽光発電8万円、それからエネルギーを節約するということでエネファームだけれども、3万円。それから蓄電池に10万円、その他さまざま、ZEHの問題だとかほかの問題を含めて、大変な予算をかけて具体的に川崎市が財源を出しているのです。本市の場合はどうですか、太陽光発電設置のためにお金を市民のために補助しますか。
◎奥野温暖化対策統括本部副本部長 太陽光発電に関する補助事業でございます。平成24年度からFIT制度が開始されたことや、これまでの補助制度によりまして設置価格が順調に低下したということから、一旦は補助制度を設けたのですが、平成26年度に制度を見直しまして、太陽光発電システム単体の補助制度は廃止いたしました。なお、現在は、平成28年度に創設いたしましたZEH補助及びエコリノベーション補助の制度にて補助対象の一つに太陽光発電設備を位置づけまして、助成が得られるようにしているところでございます。
◆大貫委員 私、それがもうちょっと問題だと思うのです。温対本部もしくは環境創造を含めて、きちんと局の責任で補助金を出しているわけではないですよね。先ほど言ったのは、省エネ住宅をつくるためにさまざま、ZEHだとか、その一部として出している。川崎は、太陽光発電に対する意識が全然違うではないですか。いかがでしょうか。
◎奥野温暖化対策統括本部副本部長 川崎市の補助の状況も我々も存じ上げてございます。ただ、太陽光発電につきましては、さまざまな国の制度等が今ありまして、単価が下がったりとかいろいろな動向が急激に変化しているところから、平成26年度にこの制度を見直して、ZEH補助及びエコリノベーションとを合わせたと。このほうが推進するだろうという判断で変更させていただきました。(私語する者あり)
◆大貫委員 川崎市で、もうZEHはやっている。その上にオンしているのです。おっしゃっているように、太陽光発電のパネル等のイニシャルコストが下がった。それはすごくいいことなのです。その上に、この太陽光発電の設備をもっとふやすためには、それにオンして、やはりきちんと補助してふやしていくということが太陽光発電の点で必要ではないか。だからこそ、今回出たこの数字です。半分しか行かない。平成26年からやっているわけですから、それが現在半分まで行かないというのは、そこに欠陥があるのではないかと思うのですけれども、いかがですか。
◎奥野温暖化対策統括本部副本部長 これまで私どもも太陽光発電施設の補助とあわせて進めてまいりまして、制度を見直した後もこのエコリノベーション、それからZEH補助にあわせて太陽光パネルをつけるケースがふえているところでございまして、そのあたりをもう一度検証しまして検討したいと思います。
◆大貫委員 それは新築の場合です。今いっぱいあるのは既存の家があるのです。既存の家に対しての補助はありますか。(「屋根がもたないよ」と呼ぶ者あり、その他私語する者あり)
◎奥野温暖化対策統括本部副本部長 既存の家屋に対しての補助はエコリノベーション補助が適用されます。
◆大貫委員 川崎市の場合には、既存の場合、既築の場合にもかかって、今、エコリノベーションとおっしゃいましたけれども、川崎市と同じような、要するに既築の場合、もう既にできている場合に対してきちんと補助するということは、先ほど言ったように平成26年から中止したのではないですか。いかがでしょう。
◎奥野温暖化対策統括本部副本部長 単体の補助は中止しております。現在は、エコリノベーションとあわせて太陽光パネルを設置する場合に補助が適用できるということでございます。
◆大貫委員 何回も繰り返すようだけれども、単体でやらなければいけないです。一緒にやるということは、温対本部の仕事ではないというか、やはりきちんと温対本部でやらなければいけない仕事なのに、ほかのものをやらなければつかないということではだめだと思うのです。川崎市の場合には単体でもやるのです。これは非常に重要だと思うのです。だから、単体で、既存の、既築の場合でもやるということが、例えば、確かに家の角度だとか方向だとか、さまざまな問題があるけれども、乗せようと思ったときにまだまだいっぱいあるのです。その意思がある人たちが今度太陽光発電パネルを載せようという気になるという意味では、やはりイニシャルコストの補助が大事だと思うのですけれども、いかがですか。
◎薬師寺温暖化対策統括本部長 委員御指摘のとおり、確かに市民や事業者の方に直接補助金を打つのは有効な手法ではあると思います。ただ、私ども、限られた予算の中で多様な施策を進めておりますので、例えば民間がどういった工夫をしているか、あるいは市場の価格がどうなっているか、そういったものを総合的に勘案して、今後とも、補助金の必要性を検討してまいりたいと思います。
◆大貫委員 副市長、小林さん。今、お金がないから、いろいろなことで大変だから、今言った、やらないよと。単体の既築の補助をしないよと。しかし、今本当に求められているこの地球温暖化の問題から見れば、しかも、太陽光発電が大都市における大切な資源という立場から考えれば、やはりきちんと温対にお金を出してこの部分をやらなければいけないのではないかと私は今思っているのですが、いかがですか。
◎小林副市長 太陽光エネルギーの促進というのは、委員おっしゃるとおり重要なことなので、私どももその方針で対応しています。ただ、その方法論として、太陽光パネルを屋根にかけるといったときに、中古住宅に全てかけられるか。それは確かにかけたい人がかけられるかもしれませんけれども、そのかけるところにおいては、屋根の塗装もしなければいけない、あるいは架台もつくらなければ。やはりさまざまなお金がかかって、では、やるかやらないかということが決まります。そういうところに、では、川崎市のように補助金を出すと言ったら、迷っている方が前に進めるのかというところをやはり検証しなければいけないと思っています。(「そうだ」と呼ぶ者あり)
 もう1つは、全体の再生可能エネルギー、あるいは分散型電源をどうしていくか、もっと言うとCO2をどうやって下げていくかという全体のメニューもやはりあります。そういうメニューの中で、今、私どもとしては先ほど申し上げたような太陽光の促進施策になっております。ですから、そこは御理解いただきたい。つまり、予算がないからそれを減らしたということではなくて、今答弁申し上げたように、さまざまなメリット、デメリット、あるいは効果を勘案して、現段階の施策はそういうことにしているということは御理解いただきたいと。
 ですから、今後、当然2020年までに太陽光も含めて98万キロワットの対応をしなければいけない。そのことについては非常に今危機感を持った状態ではあります。あるいは、その先に対してどうしていくかということも引き続き考えていきたいと思っています。(私語する者あり)
◆大貫委員 全体の話というのは、先ほど言ったように、これは大事だから、私はもう太陽光発電のことに限って言っているわけです。一つ一つ、とにかく前からおっしゃっているように、大都市での有効な資源だと言っているわけだから、そこについてきちんと対応しなければいけないと思っているのです。
 それで、先ほど中古住宅に全部つけろなんて私は言っていませんよ。横浜市温対本部として、大体どれくらいの、どういうところに建てられるかとはっきりさせるようなことも含めて、今度施策に載っているではありませんか。それをきちんとやりながら、市民の皆さんに、あなたのところだってできますよというようなことを含めてきちんと宣伝する。
 それから、そのことでさまざまなお金がかかると言いましたね。それは大事なのです。その仕事は中小企業の仕事になりますからね。そういう意味では、太陽光発電の問題というのはさまざまな社会的な影響もあるのです。しかも、今おっしゃったように、全体を見ればといいますけれども、具体的に今の温対本部のやり方で実際数字が出ていないではないですか。(「そうだ」と呼ぶ者あり)だから、これをきちんとやらなければいけないと思うのですけれども、そのためにはお金を出していく。どうですか。もう一回。
◎小林副市長 数字は確かに、先ほど申し上げたとおりの数字でございますから、太陽光について、もっと言えば、その分散型電源のことも含めて、この進捗については非常に危機感を持った現状があるという認識でございます。そこはまず、委員のおっしゃるとおりでございます。では、その対策をどうするかということについて言えば、先ほど申し上げたことの繰り返しになりますけれども、太陽光パネルを設置していく、促進に当たっては、FIT制度だとか、あるいは価格が下がったとか、先ほど来、本部長、副本部長が申し上げたとおりのことを勘案して、今、現段階のこういう仕組みにしています。ですから、今後、その2020年、あるいは2050年を見据えて、しっかりこの1年、2年、何をやらなければいけないかというのは引き続き検討していきます。
◆大貫委員 今、私、思うのだけれども、そういうふうにおっしゃるけれども、そのように言葉では言うけれども、やはり具体的な施策をきちんと出さなければこれは進まないから、ぜひ既築の建物にもつけなさいと、お金を出しなさいということ。これは言っておきます。(笑声)時間がないから、困ったな。(私語する者あり、「大貫先生、答弁が」と呼ぶ者あり)
○坂本委員長 大貫委員、答弁修正がございますので。
◎薬師寺温暖化対策統括本部長 先ほど川崎市の補助制度に対する御質問がございまして、私の答弁した数字に間違いがございました。太陽光1キロワットアワーに対して2.3万円の補助で、上限が8万円となっております。
 以上です。(私語する者あり


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