議会での質問・討論(詳細)
2018年10月18日

■港湾局(大貫憲夫)

◆大貫委員 共産党の大貫です。どうぞよろしくお願いします。
 委員長、後でスライドを使わせていただきます。よろしくお願いします。
○有村副委員長 はい。
◆大貫委員 南本牧のコンテナターミナルの整備事業なのですけれども、そもそも論になるけれども、南本牧ふ頭のコンテナターミナル整備事業について、その目的と進捗状況、それから国際コンテナ戦略港湾施策、これは今後の戦略港湾施策と言いますけれども、その位置づけについて説明してください。
◎伊東港湾局長 まず、南本牧の整備理由ということだと思いますけれども、これはコンテナ船の大型化による寄港地の絞り込みなど、海運動向に対応して基幹航路の維持拡大を図るために整備したものです。具体的には、平成13年のMC1、2の供用時に、その時期に想定されておりました最大級のコンテナ船に対応できる16メートル水深のための整備しております。さらなる船舶の大型化に対応するため、MC3、4の岸壁水深につきましては、港湾計画を平成18年には水深を16メートル以上といたしまして、平成24年にさらに18メートル以上に変更し整備を進めてまいりました。今現状では、もうMC1、2、3が既に供用しておりまして、MC4の岸壁がそろそろ完成する、平成31年に供用するという予定でございます。
 それと、戦略港湾の施策の概要でございますが、これは平成21年の国の成長戦略会議の取り組みとして、大型化が進むコンテナ船に対応し基幹航路の維持拡大により我が国経済の国際競争力強化を目的に港湾を選定いたしまして、重点的な施策の展開、集中的な予算配分を行うこととしたものです。横浜港は、京浜港として平成22年8月に選定されております。
◆大貫委員 水深16メートル以上のためとおっしゃったけれども、船で言うと、大型船はどれぐらいのトン数で考えられますか。
◎伊東港湾局長 通常、水深が16メートル以上が必要だという船が、トン数で言うと、10万トンぐらいです。それから、さらに18メートル以上必要だというのが、よく数でも言うのですけれども、1万3000個積みで、それが大体14万トンぐらいということでございます。
◆大貫委員 南本牧のMC1からMC3、それから今途中までだけれどもMC4の総事業費、2017年ではどのくらいになっていますか。
◎伊東港湾局長 MC1から4の事業費、これは平成29年度までの決算額ベースで約1028億円でございます。財源内訳として、国が461億円、市が567億円でございます。
◆大貫委員 MC4は今後どれぐらいの見込みになりますか。
◎伊東港湾局長 もう大分進んできておりますので、まだ金額は精査しておりませんが、平成31年度完成ですので、大体インフラ整備はほぼ終えつつあると思います。金額はまだ精査中です。
◆大貫委員 スライドを使わせていただきます。(資料を表示)これは、大黒ふ頭、本牧ふ頭、南本牧ふ頭の6万トン以上の実績を示したものなのです。それで、これを見て気がつくのは、大黒ふ頭が全減となっています。これ非常にショッキングな言葉なのだけれども、これはどういう意味でしょうか。
◎伊東港湾局長 大黒ふ頭、今回、南米航路の改編がございまして、例のアライアンスの関係なのですが、それで利用している埠頭が大黒から南本牧に移転をした結果でございます。
◆大貫委員 ということは、南本牧はまだキャパはあるということです。移すだけのものがあるということでいいですか。
 それで、これは南本牧の10万総トン以上、これを見てみると、一番多いところは、2016年の85隻です。85隻というのは、つまり南本牧はバースが3つありますから、それを3で割ると28となると思うのです。いいですか。1バース当たり1年間に28隻しかないということは、この評価はどう思いますか。
◎伊東港湾局長 順次大型化が進んでおりまして、なおかつ、アライアンスの再編もありますから、年によって数字のでっこみ引っ込みがあるのですけれども、例えば2014年から比べるとほとんどなかったものが今来ているということで、これからさらにふえていくと思っております。
◆大貫委員 これはもっと細かく言うと、1年が52週間だから、1週間に現在0.54隻しか入ってないのです。これは実績です。そうすると、これはまさに2週間に一度しかターゲットとした10万総トンの船が入ってこないということなので、この実績について今後ふえるかふえないかというよりも、もう既に動き始めているわけですから、来てくださいと待っているわけなのだけれども、来てないという事実についてどう考えますか。
◎伊東港湾局長 2週に一遍というか、69隻の実績が2017年はありますから、1航路以上あると考えております。船は必ずしも同じ航路で、全部同じサイズの船が来るということではございませんので、それはサービス全体で、多少の中型船から10万トンを超えるものまでが入ってきているということですから、別にバースが遊んでいるとかそういうことではございません。
◆大貫委員 遊んでいるのです、結局は。10万トン以上についてはそうではないですか、これだけしか入っていないのだから。
 それで、荷役時間というのは1隻当たり12時間から15時間と前におっしゃっていました。そうすると、これはどうでしょうか。2週間に半日程度しか使っていないという事実です。ということは、変な話、10万トン以上はほとんど使われてないという実績になりませんか。
◎伊東港湾局長 先ほど申し上げたとおり、入ってくる船は10万トン以上ばかりではございませんので、16メートル以上の水深が必要な7000個積み以上の船、これは本当に毎週のように、日々入ってきておりますので、10万トン以上の船とセットで我々は物事を考えているということでございます。
◆大貫委員 先ほど言ったように、南本牧は10万トン以上をターゲットにしてつくりますということでやっているわけだから、それがいろいろなさまざまなところが使いますなんていうのはちょっとこれは違うのです。あくまでも、今後、世界の海運動向が大型化してくるから、10万トン以上のためにつくったというから、10万トン以上の船がこういう実績ということは、MC3ができてまだ3年目ですか、それからMC1、2と言えばもう相当長い期間があってもこの実績というのは、既に余り入ってこない見込みだということで、けりがついたのではないですか。
◎伊東港湾局長 それは違うと思っておりまして、今世界的に大型化の傾向というのは非常に高まっておりますので、岸壁の整備は、あした船が来ると言ってすぐに整備できるものではございません。これは長期的な視点で、しっかり整備していくということです。
 あと、船会社というのは、委員も御存じのとおり、大型船だけをやっている船会社というのはないのです。いろいろな航路によってさまざまなサイズの船を運航しておりますから、MC1、2であればマースクラインとか、MC3で言えばワンという新しい会社ですけれども、そういったところが、1つのターミナルにさまざまな航路を寄せていくと、そうしないと効率的な運営はできないということです。
◆大貫委員 それが、バースのオペレーションのことを考えればそういうふうに言うかもしれないけれども、このつくった目的そのものは、何回も言うようだけれども、10万総トン以上の大型船の受け皿としてつくっているわけだから、それがあいているからいろいろな形で使えますというのはその後の話で、あいていれば使うのは当たり前なんだから。
 そうすると、今この実績というのは、10万トン以上の船はこれまで実績から言えばほとんどないと言わざるを得ないと思うのですけれども、いかがですか。
◎伊東港湾局長 何度も申し上げておりますけれども、10万トン以上の船、これはこれからますますふえていきますので、その辺は余り御心配いただかなくてもよろしいかと思います。
◆大貫委員 心配しているから言っているのです、何を言っているのですか。
 それで、その後またに新本牧もつくると言っています。まさに今あいているのに、使われていないのに、また新本牧をつくってしまったら大変な金額がそこで使われるわけです。先ほどは、今までに1027億円と言いました。その上にまた新本牧をつくったら大変なお金がかかるわけで、これは税金です。しかも、皆さん考えてください。企業の場合には見通しのつかないところに多額な投資をすれば、資金ショートして潰れてしまうのです。行政だから、国の関係だから、税金があるからということで、それは非常に大きな問題だと思うのです。
 それで、次のスライドに行きます。これは過去に来た最大のMSCベニスという船ですけれども、この中身についてちょっと説明してくれますか。
◎伊東港湾局長 その船につきましては、ヨーロッパ航路に就航していた船でございまして、MSCとマースクラインのいわゆるアライアンスで就航していた船で、これが実際に定期航路として入った最大の船でございましたけれども、ヨーロッパ航路がなくなったということで入港となったということです。(「大きさ」と呼ぶ者あり)大きさは17万6490トン。
◆大貫委員 書いてあります。大きなのが入ったと。だけれども、これ以上のものは今まで入ってきていません。これからはどうですか、入りますか。
◎伊東港湾局長 それは可能性としてはないとは言えないと思います。
◆大貫委員 次です。そのときの入ってきたときの写真です。さっきは報道の写真だったけれども、コンテナの高さを見てみたのです。結局、欧州ラインで、欧州から来た最終港としての横浜港でどれだけ荷が乗っているかというと、ほとんど乗ってないのです。つまり、最終ポートとしてはこういう事態なのですけれども、そういうふうに思いませんか、そうでしょう。
◎伊東港湾局長 ヨーロッパ航路は非常に日本までの航海日数が長いのです。今主流になっているのが、やはりシンガポールとか東南アジアで折り返す。あるいは日本基点にしてアメリカとヨーロッパを結ぶ振り子のサービス、そういうふうに変わってきておりまして、実際今、日本に寄港しているヨーロッパ航路というのは、日本の船会社、例の3社がくっつきましたオーシャンネットワークエクスプレス、その1航路だけでございます。
◆大貫委員 私が言ったのは、これはマースクの定期航路がなくなる前の写真なのです。要するに、欧州航路が最終として来ているのです。今お話があったのは、その後も含めて、だから最終的に横浜港に入ってくる欧州航路はこういう事態で、深くなくても入るということではないですか。
◎伊東港湾局長 超大型船というのは欧州航路だけではございませんで、北米航路で既に14万トン、1万3000個積みの船が実際に南本牧入っておりますので、我々が今ターゲットにしていくのは、ヨーロッパ航路に限らず、北米航路ということでございますので、今後も大型船が入ってくると思っています。
◆大貫委員 私も、入ってきてくれれば一番いいと思っています。だけれども、これで言えば、今1万4000個含めて、まさに載っているコンテナの数が一番重要だと思うのですけれども、実際には深くなくても入っているという事実はあるのです。これも、マースクだからMC1、2です。MC1、2で最大の水深18メートルでなければいけないという船も入っている。だから、今の状況で使えるのです。しかも、先ほどから言っているように、これまでの実績を見れば、2週間に一度しか入ってないのだから、今後ともそんなこと言ってもいっぱいになる可能性なんてないと思うのですけれども、いかがですか。
◎伊東港湾局長 これも先ほど来申し上げていることで、北米航路は、やはりアジアの一番極東に横浜は位置いたしますから、太平洋を渡ってくると一番荷物を積んだ状態で入ってくるということになりますので、それを日本で受け入れない、入れないということになれば直接中国に行ってしまうということになりますから、18メートルは必要であるということです。
◆大貫委員 18メートルは、だから既にMC3であるのです。それで、しかも大体フルコンテナできても20%は空です、空バンです。だから、喫水線とか潮位のことを考えれば、やりようでは全然入ってくるわけです。これが一つ。
 次の画面は、諸外国の主な港のコンテナ岸壁、水深です。これを見てみると、アジアでは水深18メートルなんか一つもありません。だけれども、どんどん大型船が入っているではないですか。だから、港湾局長が言っているように、港湾局長、いいですか、受け皿がなければ大型船が入ってこないというのは、事実として違うのではないですか。
◎伊東港湾局長 済みません。その提供した資料の後にわかったことなのですけれども、シンガポール港、最も取り扱いのパシルパンジャンターミナルというのがあるのですけれども、これが16メートルです。今、水深18メートルに拡張整備をしておりまして、既に5バース分が暫定的に稼働していると。新たに別の地区ですけれども、最大水深24メートルというのを実は開発をしておりまして、そういうことでございます。
◆大貫委員 局長、資料をちゃんと出してくれなかったら話にならないではないですか。これは委員長、ちゃんと言ってください。これは指導してください、おかしいです。
 だけれども、実際に現実には、寧波だとか、上海だとか、具体的に一番横浜に近いアジアではないではないですか。その事実はどうですか。
◎伊東港湾局長 ちょっとよくわからないですけれども、上海、寧波は17.5メートルということですから、ほぼ約18メートルで同じことだと思います。
◆大貫委員 結局はこれで見てみると、現実にもう世界は動いていて、最高で17.5メートルだけれども、ほとんどのところが16メートルでみんな動いているのです。だから、横浜でも今のあるMC1、MC2、18メートルのMC3、これで私はもういいのだと思うのです。MC4は、今までの実績を見ているとほとんど入ってこないのだから、少し時間を見て、一回中断をして、世界の状況を、これまでの1、2、3でどれぐらいの状況になったら、これはもうつくらなければいけないとなったときにきちんとやっていくということが必要で、中断が必要ではないですか。
◎伊東港湾局長 先ほど来申し上げているとおり、現在は18メートルは週に1便ということですけれども、これがふえていくということでございます。
 それともう一つは、やはり連続バースが非常に重要でございまして、先ほど申し上げたアライアンス、これは世界の3つのアライアンスが今区分されておりまして、その3つのアライアンスとも横浜港に入港しておりますから、これをしっかり横浜で受け入れていくと。とにかく18メートルの大水深は、日本で横浜の南本牧しかございませんので、そのためには、3つのアライアンスを受け入れるためにはMC3だけでは到底足りない、さらにはMC4でも足りずに、新本牧の整備も必要だと考えております。
◆大貫委員 今足らない足らないとおっしゃっているけれども、受け皿をつくっても、はい来てくださいと言っても来てくれないわけです。実際に今までで言えば、MC3ができて、2年間で最大の船がどれぐらい入りましたか。
◎伊東港湾局長 1万3000個積みの船が入ってきております。
◆大貫委員 最大でこのベニスと同じぐらいの船は入ってきていないです。だから、2年間の実績を見ていても、来てくださいと言っても来てくれない、そういう事態だから、非常に大きな問題を、これからもこの事態は続くのだと思います。局長は入ってくるでしょうとは言っているけれども、世界の海運動向から見れば何の保証もないです。何も保証のないところに、またまたこの数百億円のお金をぶち込んで新本牧をつくるということは非常に大問題です。この問題については、やはり横浜港の国営化という問題がついて回ってくると思います。私の時間はもうないのでまた今度にしますけれども、この国営というのは非常に重要ですから、国営化の問題については横浜の地方自治そのものを否定するような内容になっていますので、このかかわりでの国営化問題をぜひ注目していきたいと思っていますから、ぜひその点ではそうならないように要望して、終わります。


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