議会での質問・討論(詳細)
2021年3月3日

■市民局【古谷やすひこ】3/3

古谷委員:日本共産党、古谷靖彦です。どうぞよろしくお願いいたします。日本共産党横浜市会議員団を代表して質問させていただきます。

まず初めに、マイナンバーカードについて伺ってまいります。

今、国によるデジタル化の推進が進められているというところです。私は、そういった流れは真に市民サービスの向上のために進められているのであれば賛成の立場です。しかし、今、国の議論を見れば、そうではないという懸念を感じております。その懸念について具体的にマイナンバーカードについて伺っていきたいと思います。

これから2年間で100%の市民にマイナンバーカードを持ってもらうということですが、率直に言って市民にとって何のメリットがあるのか、まず伺います。

小出区政支援部担当部長:マイナンバーカードを取得するメリットとして、運転免許証やパスポートなどと同じように公的な本人確認書類として単独で通用すること、住民票の写しなどの各種証明書をコンビニで取得できることが挙げられます。また、オンラインでの行政手続が可能となるほか、健康保険証としての利用も予定されるなど、今後ますます利便性が高まっていくものと考えております。

古谷委員:今おっしゃられたのですが、運転免許証とか健康保険証、そういうデータとひもづけられるという話なのですが、実際そういうことをした場合に紛失した際のリスクも高まるのではないか思いますが、見解を伺います。

小出区政支援部担当部長:マイナンバーカードは、顔写真つきの本人確認書類であること、各種サービスが利用する際には例えばコンビニ交付の際には4桁の暗証番号、それから確定申告をする際のe-TAXでは6桁以上の暗証番号が必要であることなどから、紛失した場合も健康保険証などに比べてリスクが低いものと考えております。

古谷委員:今、マイナンバーカードの特徴も述べられたのですが、顔写真がつけられるということなのですが、更新に当たっては5年の更新だというふうに聞いているのですけれども、顔写真等が変わってしまう可能性はないのでしょうか。

小出区政支援部担当部長:更新の際には直近6か月以内に撮影していただいた写真を添付していただくこととなっております。

古谷委員:低年齢児も含めてマイナンバーを持ってもらうという方針だと思います。ですから、顔写真がつくことについて、やはり5年で変わってしまうというリスクも当然あるのだろうというふうに思います。

あと、マイナンバーカードをなかなか御自分では管理ができないとおっしゃる方もいらっしゃいます。そういった方にまで持ってもらうという方針なのか、あるいはその際に紛失や盗難のリスク、本人がその責任を負うというのは難しいと思うのですが、その際のフォローはどうやってするのかを伺います。

小出区政支援部担当部長:マイナンバーカードの取得については、顔写真つきの本人確認として使用できるメリットがあります。引き続き、希望される全ての市民の皆様に円滑にカードを交付できるように取り組んでまいります。

それから、紛失した際の責任でございますが、紛失し再交付する際には有料の手続になるほか、紛失により万が一損害が発生した場合は本人の責任で対処していただくということになると考えております。なお、国のマイナンバーカード総合フリーダイヤルに御連絡いただくと、カードの機能を一時的に停止するということができるようになっております。

古谷委員:これからの高齢化社会の中で認知症の方も含めて増えてくるということが想定されているというふうに思うのですが、そういう対応はされているのでしょうか。

小出区政支援部担当部長:認知症等で成年被後見人となっている方がカード交付を希望する場合は、法定代理人である成年後見人にカードを交付するいうことになりますので、どなたでもカードを取得できるということになってございます。

古谷委員:それは従前の対応だというふうに思いますが、結局、希望される方と先ほども言い換えられたのですけれども、100%と言いながら、希望される方と希望しない方といらっしゃると。そうすると、行政の手続としては二重の作業がずっと残ったままということになるのですが、そうなるとやはり実務上大変な、作業としては2倍残ってしまうと思うのですけれども、その点はいかがですか。

石内市民局長:マイナンバーカードの交付については、申し上げたように強制ではなくて希望される方ということで、国の方針に基づいて100%交付を目指していくというのはそれはそれでやる話ですので、作業の多い少ないというよりも、それぞれ別の考え方といいますか、100%についてはそれを目指して計画を立ててやっていくということですので、あまりそこがリンクする話ではないのかというふうには認識しています。

古谷委員:マイナンバーカードを取得しても5年ごとで更新作業があります。ですから、その際には区役所に殺到するということになります。そういうことが昨年から始まっているわけですが、区役所の実務作業が増えることになっているのではないかと思うのですが、いかがですか。

石内市民局長:マイナンバーカードにつきましては、今、全国でも4人に1人、横浜市でも若干ポイントは上がっていますけれども、それぐらいの交付数があります。国の計画に基づいて令和4年度末までに100%ということになりますと、到底今、各18区役所も窓口を増設したりとか、あるいは会議室をつぶしたりしてマイナンバー交付の関係の作業スペースをやっていますけれども、それだけでは間に合わないので、市民局としては、区役所以外の発行拠点を令和3年度に新たに3か所、令和4年度に新たに1か所つくって、区役所のある意味事務負担をかけないような形で計画の実現を目指していくということで進めております。

古谷委員:今の話だと、今後のところでずっと作業が残っていくことについては答えられておりません。あと、マイナンバーカードがひもづけられるあらゆるデータ、これが収集されることで履歴が残っていくということになろうと思います。そのデータを活用してプロファイリングされるということも可能となるというふうに思いますが、全ての履歴が残るものと考えていいのでしょうか、伺います。

小出区政支援部担当部長:マイナンバーカードはカードそのものには、いわゆる氏名、住所、年齢、性別の4情報しか入ってございません。要するに法律で決まった例えば税金とか、年金といった業務を所管する部署、税務署であったり、社会保険事務所にマイナンバーとひもづけたデータということで残っておりますので、カードそのものにはそういった情報は入ってございません。

古谷委員:今後そのことが全てひもづけられてデータとして残っていくということになろうと思います。プロファイリングの話なのですが、本人の同意を得ずにプロファイリングが勝手に行われた事例として、2019年にリクナビの事件がありました。大学生が就職活動のためにリクルートキャリア社による転職サイト、リクナビを利用しようとして個人情報を登録すると、リクナビは登録した学生が行ったウェブサイトの履歴を本人の同意を得ることなく取得して、AIを活用してプロファイリングをして、学生一人一人に内定辞退の可能性を内定辞退率として数値化をして、そして得られた内定辞退率を本人の同意なく三十数社に販売したという犯罪です。買った企業はこれを採否の判定にも利用していたということですが、こういう形で様々な市民のデータがスコア化されてプロファイリングされると。個人に応じた情報を渡すと言いながらそのデータを全て持っているというのはそういう社会を目指しているのかどうか、伺います。

石内市民局長:今の古谷委員がおっしゃる事例は民間企業の事例だと思うのですけれども、横浜市においては、市民の個人情報、法令とか御本人の同意に基づいて本市が取得しています。それは行政目的で本市が保有しているものですので、条例とか要綱で取り扱う際の仕組みとかルールを定めて個人情報を保護しております。本市が個人情報を不適法に取得した場合とか利用制限に違反した場合は、利用の停止または消去を求める権利なども条例に規定しているということで取り組んでおりますので、そこのあたりの民間企業での不適切利用とは違って、本市ではきちんとやっていますということの御答弁なのですけれども、それ以上は差し控えさせていただきます。

古谷委員:私自身は、そういうことについて勝手にプロファイリングされたくないと。これは誰でも思うことだと思うのですが、膨大な個人情報の塊である情報は一体誰のものなのか、伺います。

石内市民局長:先ほども申し上げましたが、横浜市で法令ですとか御本人の同意に基づいて本市が取得した個人情報は、行政目的で本市が保有しているものでございます。

古谷委員:そうすると、私たちが今後様々なデータがひもづけられても、それが民間企業に活用されることはないということでよろしいですか。

石内市民局長:今、国においてデジタル庁を設置した中で個人情報保護制度見直しという作業を進めているところは御存じのとおりだと思います。民間企業等の個人情報保護を統括する個人情報保護法、国の機関の個人情報の保護をやっている行政機関個人情報保護法、それから、独立行政法人等の個人情報保護法、この3本の法律を1本の法律に統合する。加えて地方自治体ごとにばらばらになっている個人情報保護条例も全国的に共通のルールを規定して一本化していくと。全体の所管を国の個人情報保護委員会に一元化していくという議論をしていますので、その中での議論の結果を踏まえて、どのような形で立法化されるかというところになってくると思いますので、現時点で私としてはそのあたりの動向を踏まえて横浜市の個人情報保護条例をどのようにしていくのかというのを今後検討していくというふうに考えています。

古谷委員:基本的には、今国で議論されている個人情報保護法の改正の議論については緩められる議論がなされています。つまり、そのことが全て国民、全国押しなべて様々な市で条例化されている個人情報の条例についても、その法律に全て規定されてしまうということになりますから、そこの部分が非常に危惧される点で指摘をしておきたいというふうに思いますし、改めて民間企業に対してそういう活用がなされないということは言明していただきたいと思います。

個人の情報がどうやって守られるのかという立場で、また、市民が自分の個人情報を使わせない権利、あるいは消去する権利はあるのでしょうか。

石内市民局長:本市の条例においては、本市が保有する個人情報につきまして、個人の権利として本人開示請求権、委員がおっしゃられた訂正請求権、それから、これも利用停止請求権を定めております。

古谷委員:今後のところもそれは堅持されるのでしょうか。

石内市民局長:先ほども申し上げましたが、国の法改正を踏まえての話になると思います。

古谷委員:その点、市としてもしっかり堅持していただきたいということを改めて言っておきます。

今、総務局を中心にデジタル化の議論がされています。データの利活用の議論をやはり進める前に、自らの情報をコントロールする権利あるいは情報の主体である個人の権利を確立すると、こういうルールを確立した上で進めるべきものだと思いますが、見解を伺います。

石内市民局長:繰り返しになりますけれども、現時点ではばらばらの個人情報の定義を、国、委員御指摘のような民間企業、それから地方自治体で統一するという作業もその見直しの中でやっておりますので、立法化の内容を含めて今後の検討になると思います。

古谷委員:今指摘をさせていただいた点は非常に危惧されるところだと思っていますので、特に実際に作業に当たる地方自治体のところでその点がしっかり守られる立場で、市民の権利が守られる立場でぜひやっていただきたいと思います。

次に、オリンピック・パラリンピックの開催について伺います。

本市は感染防止策としてどのようなことがまず求められているのか、また、そのことが十分安心して世界からの来街者を迎えられるということを思っているのかどうか、見解を伺います。

沼上オリンピック・パラリンピック推進部長:感染防止策につきましては、大会組織委員会等から現在本市の役割として示されている業務といたしましてはライブサイトや都市ボランティア、事前キャンプの運営があります。いずれの業務も大会組織委員会等から示されるガイドラインなどを基に具体的なマニュアルや計画を今後作成してまいります。基本的な考え方としましては、3密の回避や殺菌、消毒など基本的な対策の徹底や人と人との接触を最小限にすることが挙げられます。

また、来街者を安心してお迎えできるかということでございますけれども、オリンピック・パラリンピックは安全安心に開催することが一番であると考えてございます。感染防止策につきましては、選手や大会関係者、観客などの対象者ごとに、また、入国や移動、競技会場などの場面ごとに、国、東京都、大会組織委員会などと連携してきめ細かく的確に取り組んでいきたいと考えてございます。

古谷委員:仮に開催の前に第4波の大きな感染の波が来て医療機関が逼迫するというようになった場合、本市から開催困難だとする何らかの基準は持っているのかどうか、伺います。

沼上オリンピック・パラリンピック推進部長:現在そのような明確な基準はございませんが、大会組織委員会、あるいは東京都、関係自治体と緊密に連携しながら取り組んでいきたいと考えてございます。

古谷委員:NBAなどが先行実施をしているバブル方式、感染防止策を徹底するやり方、1月にはエジプトでハンドボールの世界大会が行われて32か国が参加をしております。参加をした選手によれば、検査だけでも3週間の滞在期間中18回の検査、徹底して実施する。また、同じ空間で15分しかいられないと決めるなど本当に徹底した感染対策を取られた結果、感染者を出さなかったと聞いています。本市では、オリンピック・パラリンピックの開催の中、また、市内で競技が開催される際には競技者の安全、市民の安全を守るためにどのような対策を取る準備をされているのか、また、それは今後の横浜市内でスポーツ競技が行われる際にどう活用していくのか、伺います。

沼上オリンピック・パラリンピック推進部長:競技者や観客、市民の安全を両立していくということが何よりも重要だというふうに考えてございます。まず競技者の安全については、大会組織委員会が中心となりまして、入国から出国までの場面ごとの検査など感染症対策、行動する範囲や手段などを定めた行動ルールの策定を徹底してまいります。観客の安全についても、大会組織委員会が中心となり観客向けのルールを作成し、観客数の上限や外国人観客の取り扱いについては今年の春に示すというふうな形になってございます。市民の安全につきましては、競技者や観客の対策を確実に実施するよう大会組織委員会等と調整し、しっかりと確保してまいります。

古谷委員:次に、性的少数者について伺います。

パートナーシップ宣誓制度について、今までの実績とこの制度を利用された方からどのような声が届いているのか、伺います。

斉田人権担当理事:2月末現在の集計でございますけれども、152組の方が宣誓をされました。152組の戸籍上の性別による内訳でございますが、女性同士の方が61組で全体の40%、男性同士の方が40組で約26%、異性同士の方が51組で約34%という内訳になっております。宣誓された方からは、2人の関係を証明するものができてよかったというお声、あるいは宣誓を契機に初めて家族同士を会わせることができた、横浜で一緒に暮らすきっかけになったといったようなお声をいただいております。

古谷委員:宣誓制度について千葉市と連携を取ったということは喜ばしいことだとは思っておりますが、実際には近隣自治体とさらにもっと連携を取っていくべきだと思いますが、見解を伺います。

斉田人権担当理事:千葉市と連携をさせていただいたわけですけれども、パートナーシップ宣誓制度自体は現在の婚姻制度の下で市民に身近な自治体として、悩みとか生きづらさを抱えている方々に自治体としていかに寄り添えるかという趣旨でやっておりますので、全国一律に広げていくというような性格のものではないとは思いますけれども、しかし、古谷委員が今御指摘のようにある程度近接をしていて相互の人口移動も比較的多いような都市間で連携をして転出入に伴います手続の簡略化とかをやるということは御利用される市民の方の御負担を軽減して制度の利便性を高めていくということにもつながっていくというふうに思っています。

神奈川県内では現在、指定都市で言えば、川崎市と相模原市が制度を導入されていらっしゃいますけれども、両市はともに性的少数者のみに対象を限定しておりますので、その辺のすり合わせをどうするかというようなことが課題になっております。今、対象範囲の相違とか要件の相違といったようなものをどのようにすり合わせるかというようなことが課題になっておりまして、こうした課題を踏まえて継続して話合いを進めているところでございます。

古谷委員:できるところからぜひ進めていただきたいというふうに思います。

性的少数者の方への対応について庁内の改善を進めるべきだと思いますがどうか、伺います。

斉田人権担当理事:パートナーシップを導入してから、例えば昨年3月から市の職員の休暇制度を改正いたしまして、パートナーを組まれた方にも休暇を認めていくというような形でやっておりますし、従前からお答えをさせていただいていますが、市営住宅の入居とかもやっております。とりもなおさず、市職員がやはり性的少数者に対する正しい理解と認識の下に適切な対応を行って、働きやすい職場づくりに率先して取り組んでいくということが重要だと思っておりますので、これまでも平成27年から職員研修を毎回繰り返して市全体に浸透するように進めておりますし、多様な性のあり方に関する横浜市職員ハンドブックを作成して、窓口での対応も含めて、働きやすい職場づくりに向けて理解促進、それから職員が率先して取り組んでいくように働きかけておるところでございます。今後も様々な機会を捉えて一層の取組を進めていきたいと思っております。

古谷委員:ぜひさらに前に進めていただきたいというふうに思いますし、国に対しても法改正も含めた改善を求めるべきだというふうに思いますが、見解を伺います。

石内市民局長:啓発は引き続きやっていきますけれども、法改正を伴う古谷委員御指摘の制度の改善について、こちらは国において幅広い視点から議論をすべものと考えております。

古谷委員:ぜひ、実際対応している横浜市から声を上げるということを求めたいと思います。

最後に、ワクチンの集団接種会場の確保策と市民利用の代替策について伺います。

公会堂などの市民利用施設はワクチン接種会場のために使われるということは仕方がないことだと思いますが、一方で、随分前から借りていて準備されて、突然使えないという苦情も来ております。そういう代替措置を伺います。

石内市民局長:先ほど林副市長からも答弁させていただきましたが、委員御指摘のように既に御予約されている方でキャンセルせざるを得なかったそのような利用者の方への補償、それから、他の施設への御案内などを含めまして、健康福祉局、市民局をはじめ関係各局と18区が横断的に連携して取り組んでまいります。

古谷委員:それはぜひ徹底していただきたいのですが、私どものところに届いているのは、4月、6月に神奈川公会堂を使う予定をしていたが、新たな会場が探せないということで難渋していると。KAATをはじめみなとみらいなど立派なホールがあっても、使用料だけでも30万円近くかかるということで、公会堂の10倍以上だということで、私たちがとても借りられないと。こういうことについてしっかり対応していただいているということでよろしいのでしょうか。

石内市民局長:こういう施設が使えますという御案内であって、そこの先がすごい10倍ぐらいの値段だからその差額を出してくれというところのそこまでの対応はしておりません。申し訳ございません。

古谷委員:それでは、実際はなかなか使うことには、代替施設というふうにはならないと思いますので、その点については実際今予約をされていた方に対しては何らかの補填をするべきだということを要望して、質問を終えます。


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