議会での質問・討論(詳細)
2021年3月8日

■こども青年局(白井まさ子)3/8

白井委員:日本共産党を代表して質問します。よろしくお願いします。

まず、保育所等のPCR検査についてです。

 保育所等でのコロナ感染症陽性者のこの状況を、2020年4月から2021年2月末までの期間、園児、職員の感染確認により休園をした施設と休園はしなかった施設、それぞれの施設数、また、クラスターになった施設数、園児と職員それぞれの感染者数、併せて伺います。

吉川子育て支援部長:昨年4月から今年2月末までに、保育所等で感染者が確認されたために休園した施設は108園、感染者が確認されたものの休園しなかった施設は135園、また厚生労働省の定義するいわゆるクラスターが発生した施設は6園、感染者数は合わせて園児136人、職員204人です。

白井委員:特にこの感染爆発の時期は、もう園でも本当に大変だと聞いております。ある保育園では、2021年2月当初、最初の職員の感染者が判明して休園になり、複数の職員の感染が分かりましたが、保健所の調査によればPCR検査の対象者はいないとされました。その後の経過の中で、職員十数名が保健所のPCR検査を受けて陰性でした。その後に、園が独自に他の職員全員にPCR検査したところ複数の陽性が分かりました。さらに、症状が出て陽性が判明した職員と園児も分かって、陽性者は職員9人、園児2人となり施設でのクラスターとされました。保健所以外の独自の検査で、これほどまでに感染が広がっていたということが分かったということです。

 副市長に伺います。もう、これは本当に大変なことだと思います。これまで従来から、状況により濃厚接触者に限らず対象を広げてPCR検査を行っていると言われてきましたが、この施設の状況を見れば保健所の検査では陽性者を見逃していたということです。この現在の対応では不十分だと感じませんでしょうか。

城副市長:まず、それぞれの保育園で感染予防に御尽力いただいていることに感謝を申し上げたいと思います。御指摘の保育園の経過ですけれども、まず最初に、保育士の陽性が判明して感染者が出て、その後、保健所はそれを受けて、2歳児クラスだったと思いますが、2歳児クラスの濃厚接触者ではなかったのですけれども、感染源を特定するために園児のPCRを回していますし、それから、濃厚接触者として2歳児クラスの担任等のPCRを回しています。御指摘のように、それは全部陰性だったのですけれども、それ以外のところからその後出てきたということ。それを受けて、またPCR検査を回しているということをやっておりますので、保育園等で出た場合に濃厚接触者以外のPCRも回すというスタンスについては変わりなく、この場合も対応したと承知をしています。

白井委員:それを聞いているのではなくて、市がやった検査ではなく、園が独自にやった検査の中で陽性者が見つかったという、市の検査ではないところから出たということについてどうなのかを聞いております。

城副市長:最初の陽性者との関係性の中で濃厚接触者、それから、感染源を特定するための検査の範囲というのを保健所が判断して実施したと。そこから違うところから出てきたということは、これはしようがないことだというふうに私は思っています。出てきた場合に、そこをまた1つの円の中心として、同心円で検査を広げていったという経過をたどっておりますので、このことについては濃厚接触者以外のPCRの検査も回したということで、適切な対応だったと考えています。

白井委員:しようがないではなくて、その検査のやり方を変えていく必要があると判断をされないのでしょうか。

城副市長:PCRはむやみに回せばいいというものではなくて、症状が出たときにコロナであるということを特定するための検査としては有効ですけれども、感染して発症するまでは非常にPCRの感度は悪いです。ですので、PCRを回したから、その御指摘の陽性者が捉えられていたかどうかは分からないです。ですので、この場合は、陽性者が出て、それでその後、同心円にして検査を回していった、そういう保健所の判断は適切だったというふうに考えています。

白井委員:それでは、施設は最初に陽性が判明してから、園を再開するまでの期間に独自にPCR検査を行っている。市としての費用負担の考え方はどうなっているのか、また、検査費用に対する補助金の申請実数はどうなのか、伺います。

吉川子育て支援部長:今、白井委員から御指摘があったのは保育施設再開等支援事業ということかと思いますけれども、この事業については、休園となった施設が安心して保育を再開していただくために園が行う保護者の方や職員の不安解消の取組等を支援しているものです。取組の一つとして、保健所によるPCR検査の対象とならなかった職員等に対して施設が独自にPCR検査を行った場合についても、かかった経費に対して補助率で4分の3、上限で1施設当たり75万円まで補助するものでございます。また、この事業を利用してのPCR検査費用に対する申請でございますが、6園から申請をいただいているところです。

白井委員:補助率4分の3ではなくて全額として、そして、園の再開に向けて行う検査と聞いておりますけれども、そこには限定せず、すぐに行う独自検査も対象にするべきです。そうすれば限定的な保健所検査、限定的な幅広検査、やっているといっても限定的です。それに加えて園独自検査がやりやすくなります。局長、いかがですか。

齋藤こども青少年局長:先ほど副市長のほうからも御答弁をさせていただきましたとおり、私どもとしては、陽性者が出たというところを出発点に、そこから濃厚接触者だろうという範囲を特定していただいて、その中でPCR検査を回させていただいているということでございますので、先ほど副市長の御答弁にありましたとおり、その体制で私どもも臨んでいきたいと考えております。

白井委員:今その補助の制度がありますので、それをもう少し使いやすいものにしていただく必要があります。感染者が出たら周りを検査するという今の検査のやり方、これでは押さえ込み切れないということがもう分かったこの事例があるわけですから、感染者数が減少傾向にある今こそ、潜在的な陽性者を見つけ出す取組が必要だと思います。国と県は再拡大を防ぐ方針ということで、県は高齢者施設等の職員へ定期的なPCR検査を開始しています。エッセンシャルワークとして本当に欠かせない施設の職員ですから、本市もそのPCR拡大の方針に転換をして、この保育所等の職員全員に定期的に市独自でPCR検査の実施が必要です。局長、いかがでしょうか。

齋藤こども青少年局長:高齢者施設のお話がありましたけれども、国の通知によりますと、高齢者は症状が重症化しやすいということになります。医療提供体制への負荷の増大を防ぐという観点からも、感染防止や早期対応がこの部分については一層重要だとされておりまして、高齢者施設等に対する検査は国の通知でも要請をされているところでございます。御指摘の保育所の全ての職員ということでございますが、繰り返しになりますが、副市長からも御答弁申し上げておりますとおり、症状がなくて患者との接触歴もなく、そのような全ての保育所職員ということでございますので、こちらに公費でPCR検査を実施するということについては、現時点では考えておりません。現在、具体的に感染患者との接触歴等がない方につきましても、医師が診察の結果必要だと考えている場合にはPCR検査を受けていただくことが可能となってございます。ぜひ、気になる症状がある場合は、コールセンターとか、かかりつけ医のほうに御相談をいただければと考えております。

白井委員:見つけ出す検査に方針を変えていただきたいと思います。

それでは次です。区と児童相談所における児童虐待対応体制の拡充についてです。

 これまで、区の児童虐待対応チームが専任で動けるように、体制を厚くするよう求めてきました。2021年度から2年かけて区のこども家庭支援課に国で定められた子ども家庭総合支援拠点が整備されると聞いていますが、拠点の整備により、区における児童虐待対応の体制はどのように変わりますか、厚くなって専任で動けるようになりますか。

武居こども福祉保健部長兼児童虐待・DV対策担当部長:令和3年度に子ども家庭総合支援拠点の整備を10区で進めますが、今専任体制としては、10区の合計で23名おるところを社会福祉職の増員ですとか教育相談員、それから、新たに採用するこども家庭支援員、合わせまして合計で89名の専任体制とする予定でございます。

白井委員:事務の中で正規の方は何人増やすのでしょうか。

武居こども福祉保健部長兼児童虐待・DV対策担当部長:89名と申し上げましたけれども、そのうち、係長、それから社会福祉職、保健師1人ずつ、合計30名が正規の職員ということになります。

白井委員:今年度と比べて新年度、新たに増える正規の方というのは何人でしょうか。

武居こども福祉保健部長兼児童虐待・DV対策担当部長:係長と保健師は既に配置されております。それから、社会福祉職は10区中7区に配置されておりますので、足りない3区に--ごめんなさい、今社会福祉職が配置されているのが3区ですので、社会福祉職が配置されていない7区に1人ずつ、合計7人が新規ということになります。

白井委員:体制が改善されつつあることは確認をいたしました。昨年末に出された調査季報の特集で、横浜の地域における子育て支援と題した各区のこども家庭支援課の係長の方と局の方の座談会の様子を読ませていただきました。日々の業務の中で感じている課題を出しておられます。ある区では、現場のスタッフが疲弊していることが一番気になっています、児童虐待通報件数の増加により次々に発生する事案に追われて緊急度が高いものが優先され、重要であるが緊急度の低い予防に関する取組などが十分にできていないのが現状と。そして、また別の区では、いろいろなことが気になりつつも、目の前の虐待ケースに追われていますと。また、今こども家庭支援課はやることが多過ぎるように感じています、また、本当にこども家庭支援課は忙しいので目の前にある仕事をこなすというふうになりがちです、忙しいですが楽しいし尊い仕事だと思っていますと、このように全員が職場の多忙化を何とかしなければと言われています。

兼務が解消されて専任で対応できるように、引き続き現場の声をやるべきですから、この現場の声、局長、どう捉えておられますか。

齋藤こども青少年局長:実際、区役所のこども家庭支援課については、虐待を中心にということではありますけれども、非常に業務も増えてきておりますし、それなりに対応するようなお仕事も、随分昔ですけれども、当初福祉保健センターを立ち上げた頃に比べると、かなり対応するような業務が増えてきているのも事実でございます。今回、こちらの子ども家庭総合支援拠点ということで整備というか、てこ入れをさせていただくものは基本的には虐待対応というような形での専任の整備、先ほど部長が申し上げたとおり、会計年度任用職員の配置みたいなことにはなりますが、これをきっかけに、そのほかの業務も含めまして、こども家庭支援課の皆さんにもうちょっと業務をちゃんとやっていただけるような体制を取りたいということで今回の案になってございますので、今後そのような方向で取り組みたいと思っています。

白井委員:人員増と併せて、各区こども家庭支援課の相談室を整備するよう求めてきたところですが、こども家庭支援課のレイアウトはこの拠点の機能に対応した環境に改善されるのかどうか、伺います。

武居こども福祉保健部長兼児童虐待・DV対策担当部長:厚生労働省からも、この子ども家庭総合支援拠点機能の整備に伴いまして、執務室や相談室などの必要な設備を整えるように求められているところでございます。本市といたしましても、まずは令和3年度の10区ということになりますが、それぞれの庁舎の状況などを踏まえながら、必要な機能が果たせるように準備を進めております。

白井委員:座談会では、区ごとの特徴として、転入者が多く生まれ育った市町村でないところで子育てをしていて実家や知り合いが近所にいなくて孤立しがち、育児不安を抱えている方が多い。4か月健診の場では、夫婦間のコミュニケーションに悩みストレスを感じている方の訴えも増えたように思う。また別の区でも、慣れない土地で初めての子育て、働きながら妊娠、子育て。また別の区では、高齢出産が増えていたり、複雑な家族背景や御家族の病気や障害、近くに実家があってもサポートが受けられないという方も非常に多いように感じていると話されています。区では虐待に至らないよう予防的な支援の充実が必要ですから、個別的に対応するには、この人員配置はまだまだ足りないと思います。さらなる増員をよろしくお願いいたします。

 続いて、2020年4月に福岡県で発生した5歳の男の子が餓死した事件、児童相談所が関わり、親族から複数回相談のあった中で起きたと報道がされております。本市の児童相談所では児童福祉司の増員が続いており、新人職員とベテラン職員とで組織的対応をすると聞いていました。2021年度は16人の児童福祉司の増員です。今後の児童相談所の在り方について検討するとしていますが、この体制の不備はあってはなりません。体制の拡充に向けて、児童相談所の在り方検討をどのように進めていくのかを伺います。

武居こども福祉保健部長兼児童虐待・DV対策担当部長:委員御指摘のように、児童相談所についても増員を進めてきたところですが、この人材育成の課題が今クローズアップされているところでございます。児童相談所の在り方検討の際には、今後の児童相談所のあるべき方向性について、こういった人材育成をはじめ様々な件について幅広く検討を進めていきたいと思っております。

白井委員:ぜひよろしくお願いします。

次です。地域療育センターにおける発達障害児支援についてです。

 市が諮問をして、横浜市障害者施策推進協議会が2020年6月に出したその答申、「軽度の知的な遅れを伴う、あるいは知的な遅れを伴わない発達障害児・者への具体的施策の展開について」とありまして、そこには、「発達障害児の増加に伴い、地域療育センターの利用希望者は10年前の1.9倍となっており、発達障害を専門的に診断できる医師も不足していることから、『医師の診断を経て利用が開始される』従来の仕組みでは、十分な支援が困難となっています。」とされています。この就学前の発達障害児の増加に対して地域療育センターではどのように取り組んでいるのか、伺います。

武居こども福祉保健部長兼児童虐待・DV対策担当部長:地域療育センターでは、保護者の方からの利用申込み後に医師の診察を受けていただきますが、診察までの間に、速やかにソーシャルワーカーが保護者の方と面談を行いまして、保護者の不安を受け止め、ニーズを伺うなどしております。また、親子で参加していただく初期療育の場も提供しております。

白井委員:あわせて、発達障害を専門的に診断できる医師が不足している状況があるのであれば、本市として、政策的に必要な医師育成に乗り出していただきたいと思います。ある地域療育センターでは来年度横浜市立大学から3名研修に来る予定と聞いています。地域療育センターの指定管理者の法人と横浜市立大学とでこの育成に取り組まれているわけですから、そこに市が支援などすれば、医師不足の解消に一歩でも近づくのではないでしょうか。

副市長に伺います。政策的に支援をして医師育成が必要と思います。どうでしょうか。

城副市長:今回4月から横浜市立大学と地域療育センターと連携をして、横浜市立大学の精神医学教室の若手の医師の育成プログラムに地域療育センターが協力をするという形を取ります。これは精神科医の中でも児童を診察できる医師を増やして裾野を広げていこうという取組ですので、非常にメリットがある取組だと考えておりますので、こうした取組については、しっかり支援をしていきたいと考えています。

白井委員:その発達障害児の増加に伴って保育園や幼稚園に通いながらの並行通園児の増加がありますけれども、その増加の現状と課題をどう捉えているのか、伺います。

武居こども福祉保健部長兼児童虐待・DV対策担当部長:先ほど委員の御指摘にもありましたように発達障害者は約1.9倍ということですが、最新の平成22年度と令和元年度を比較いたしますと、地域療育センターを利用する発達障害児1551人が3163人ということで、この10年で約2倍となっています。そのうちの並行通園児、正確な数はすみません把握しておりませんけれども、ほとんど多くが並行通園児と考えております。並行通園先である保育所、それから、幼稚園での療育をどのように行っていくかが課題となっております。

白井委員:私も聞いております。保育所や幼稚園から、地域療育センターからの巡回訪問、この回数をもっと増やしてほしいということなのですけれども、巡回訪問の実績とどんな課題があるのかを伺います。

武居こども福祉保健部長兼児童虐待・DV対策担当部長:実績として、平成22年度に巡回訪問1046回だったものが令和元年度は1318回と、コロナの影響で少々伸びなかったところはありますが、10年前と比べて約2割の増となっております。支援を希望する保育園、幼稚園の数が増加しておりますので、これからも巡回訪問を強化していきたいと思っております。

白井委員:ぜひその点はよろしくお願いいたします。そして、民間の児童発達支援の事業所も本当に増えております。そして、今の保育園、幼稚園での並行通園というのもありまして、こういったところでの対応など、子供に関わる機関での発達障害の理解を進めることが必要だと思います。この地域療育センターの役割がますます大きくなると思いますけれども、市としてその理解促進へどう取り組んでいくのか、伺います。

齋藤こども青少年局長:委員の御指摘のとおり、発達障害の方々はその障害の特性が一見して分かりにくいというところでございますので、家族自身もそのお子さんの障害に気づくのが遅れてしまったり、また、逆に周囲の方からは誤解を受けたりということがあるのも事実だと思っています。このため、私どもとしては、保育所とか学校をはじめとしまして、発達障害児に関わる社会全体について、このような特性があるということを踏まえて理解をしていただくということが重要だと思いますので、あらゆる機会を通じて発達障害の理解に努めていきたいと思っています。

白井委員:教育委員会が行っている、学校に上がるに当たっての就学相談、学校での相談、ここでも知的の遅れを伴わないお子さんが増えているという現状であって、それが7割を占めているという状況も聞いております。新たなニーズ、発達障害のお子さんへの対応が求められる、これに対応していくにはその体制整備を基本として進めていただくよう、よろしくお願いいたします。

 以上です。


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