議会での質問・討論(詳細)
2023年2月15日

■現年度議案討論 岩崎ひろし 2023年2月15日

【反対討論】

市教育振興計画の策定①「教員未配置問題の言及なし」

岩崎議員:日本共産党を代表して、本定例会に提出されている3つの議案に反対し、1つの議案に賛成の立場で討論します。
市第123号議案 第4期横浜市教育振興基本計画の策定についてです。本議案は、「教育基本法第17条第2項に基づき」、また、「横浜市中期計画2022~2025」等に
ついて「整合を図ります」としています。
「4期計画」には、「教員の未配置問題」への言及がありません。本市では、教育条件整備の前提となる「教員配置」で、21年度143件、22年度は11月までで85件もの未配置が発生しています。
わが党は、「教員の未配置問題を解決するには教員採用数を増やし、定数に見合う教員を採用して、年度当初において欠員を出さないようにすべき」と提案しました。
未配置問題の解決に向けたわが党の提案に対し、市長は、「教員の人材不足は全国的に深刻な問題であり、本市の教員採用試験の状況は、平成26年時点で受験者が4738人5.2倍だったのが今年度は2632人2.7倍と半減している事実に触れながら、「教育委員会には、様々な手段を用いて未配置の解消に努めていただきたい」と答弁されました。
鯉渕教育長は、「採用試験の倍率が下がり続ける中で、35人学級・個別支援学級の増員に加え、児童支援専任の市独自の配置を進め、令和5年度は223人増やすなど、毎年定数を増やし続けており、すでに可能な限りの採用をしている」として、わが党の提案に対してノー(ゼロ)回答でした。未配置が続くことは異常です。とりうる手立てをとりきって、未配置の解消に取り組むことを求めます。

市教育振興計画の策定② 「見直しされない地域壊す学校統廃合方針」

岩崎議員:つぎは、学校統廃合問題です。
4期計画では、11学級以下の小学校や8学級以下の中学校を小規模校と規定し、学校規模適正化の名のもとに統廃合をさらに進めようとしています。そして、「適正化に当たっては、保護者や地域住民の理解や協力を得ながら進める」としています。
現在、神奈川区の斎藤分小学校と二谷小学校の統廃合が強行されようとしています。廃校予定の斎藤分小学校側の検討部会委員は猛反対しています。
日本共産党が、「保護者や地域住民の理解・協力が得られてないなかで、統廃合の強行はすべきではない」と求めたことに、鯉渕教育長は、「教育委員会としては、今回の学校統合の検討を拙速に進めようとは考えておりません。検討部会において、保護者や地域住民の皆様の理解と協力を得ながら学校規模の適正化を進めていきたいと考えております。」と答弁しています。
文科省は、2015年1月27日に改定した、いわゆる「学校統廃合に関する手引き」において小規模校を廃校でなく存続を選択することも条件付きで認めています。地域があげて「学校を地域コミュニティの存続や発展の中核的な施設と位置づけ、充実を図ることを希望する場合は存続が必要」と明記しています。斉藤分小に対する保護者・地域住民の思いは、この条件を満たしていると言えます。
教育長の答弁のとおり、拙速に進めるのではなく、保護者や地域住民の意見を受け止め、統廃合の方針を見直すことも含め、丁寧に対応することを強く求めます。
4期計画全体に共通する問題点は、「教育費をできる限り切り詰めよう」との姿勢です。教育費をコスト削減の対象にする考え方は、国の教育政策です。日本はOECD諸国の中で、予算に占める教育費の割合が最低クラスにあることで明確です。憲法第26条の「義務教育は、これを無償とする」を、「真に実現せよ」と国に強く求める時ではないでしょうか。
中期計画の基本戦略=「子育てしたいまち 次世代を共に育むまち ヨコハマ」をめざす場合、教育分野がその中心に位置づくのは明らかです。4期計画は、中期計画との「整合」が極めて不十分であり同意できません。

市保育所条例の一部改正 「人件費削減を目的にした保育園民営化」

岩崎議員:市第128号議案 横浜市保育所条例の一部改正についてです。
本市は、127園あった横浜市立保育園を毎年3~4園廃止し54園にする保育園の民間移管方針に基づき進めてきました。今年度の民間移管により事実上、民営化事業は終了します。
民営化は、保育事業のコスト削減・人件費の削減が目的でした。多くの民間保育園では、低い賃金のもと、保育士の定着と安定した保育を続けることが大変困難になっています。
民間移管は、民間保育園の保育士不足の深刻な事態に拍車をかけることになりました。
保育士不足の事態を招いた背景に、国の配置基準が70年来変わっていない問題があります。現場の状況に見合った配置基準に引き上げることが喫緊の課題です。
保育士の配置に一定努力している大都市横浜が、国に対して基準の見直しを強く働きかければ全国に大きな影響を与えます。ぜひ、率先して行動されるよう要望します。
日本共産党は、人件費の削減を目的にした市立保育園の民営化に反対です。

マンション事業者に多額の補助金を入れる仕組みは見直しを

岩崎議員:市第146号議案 令和4年度横浜市市街地開発事業費会計補正予算についてです。
市街地開発事業費会計補正予算には、東高島駅北地区土地区画整理事業、及び、東高島駅北地区埋め立て事業の繰越明許費の補正が含まれます。
東高島駅北地区土地区画整理事業は、今後も多額の補助金を入れる仕組みになっており、わが党はかねてより、「マンション事業者が恩恵を受けることになる」事業の在り方に反対してきました。様々な事情で事業の進捗が遅れているのを機に、補助金投入の在り方を見直すべきと考えます。
補助金投入を見直し廃止して、子育て支援の推進などの新たな財源とすべきです。日本共産党は、本議案について反対です。

【賛成討論】

一般会計補正予算 「コロナ5類引き下げに伴う市民の不安払しょくと医療機関の支援を」

岩崎議員:次に、市第136号議案 令和4年度横浜市一般会計補正予算(第8号)」に、賛成の立場で討論します。
初めに、新型コロナの5類への引き下げとその対応についてです。

岸田首相は5月8日付けでコロナ対応を季節型インフルエンザと同程度の感染症5類に下げると決定しました。しかし、新型コロナの感染力は季節性インフルエンザよりはるかに高く、後遺症の重さや死者数の多さも際立っています。季節性インフルエンザの流行が冬の季節に現れやすいのに対し、新型コロナは季節に関係なく、2022年には3度も大波を記録しています。
政府の決定は、これまでのコロナ政策を大幅に縮小しようとするものです。科学的知見を軽視したものであり、地方自治体、医療機関、ひいては国民一人一人に責任を転嫁するものです。
市民はこの「5類引き下げ」方針に、「果たして大丈夫か」と心配を募らせています。

①医療機関向けの公的支援が縮小・廃止となれば、これまで以上の医療崩壊を招く危険があります。

②現在、医療費の患者負担は全額公費ですが、公費支援が廃止になると、新型コロナ治療薬のレムデシビルを5日間投与したときの治療費は約38万円に、70歳未満の低所得者で窓口負担が最大3万5,400円など、治療費の自己負担が激増します。

乱暴な「5類引き下げ」は、検査や受診の抑制を招き、国民の命や健康を脅(おびや)かし、感染拡大防止に逆行します。
新型コロナによる死者が8000人を超え、全国最多となっている大阪府が、無症状者への無料検査を実施する事業所への補助や医療機関・従事者への支援など12事業を3月末で廃止・縮小することを決めたと報道されました。5類移行の国方針を先取りするものです。維新政治に神奈川県・横浜市が追随することはあってはならないことです。

市長は、「新型コロナとのたたかいは、科学的なデータに基づく正しい知識が不可欠」、「行政は、専門家と率直なコミュニケーションを重ねて、客観的に明確な事実をもとに対策を進めていく」と公約されました。
コロナの専門家として、的確なイニシアチブを発揮して、必要な対策に万全を期すとともに、引き続き国に対し経済対策最優先ではなく、国民の命と健康を守ることを第一にするよう働きかけることを要望します。

日本共産党は、横浜市政が新しい市民本位の市政へと前進するよう、引き続き力を尽くす決意です。
山中市長が、基本戦略=「子育てしたいまち 次世代を共に育むまち ヨコハマ」を掲げ、市民のための市政へと前進するために、揺るがず、着実に取り組まれることを期待して討論を終わります。

本会議の発言全文


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