議会での質問・討論(詳細)
2021年10月12日

■消防局(かわじ民夫)10月12日(火曜日)

◆河治委員 日本共産党の河治民夫です。よろしくお願いします。
 委員長、スライドの使用許可をお願いします。
○藤代副委員長 はい、どうぞお使いください。
◆河治委員 それでは、通告に従って質問いたします。
 まず、消防司令センターについてです。
 消防本部庁舎は、一体に設置されていた保土ケ谷消防署が移転となり、建て替え、再整備が進められています。私は先日、司令センターに伺い現場を案内していただきました。市民の生命と財産を守るために24時間休むこともなく市民からの通報に適切な判断をし、消防隊や救急隊の出場指令の発出する現場を拝見させていただきました。
 スライドを御覧ください。(資料を表示)司令センター室です。司令センターのイメージがつかめると思います。司令センターの指令係は総勢何人で編成されどのような勤務体制なのか、また、勤務時間はどうなっているのか、説明してください。
◎佐々木警防部長 指令管制員は8時30分から翌8時30分までの24時間勤務となっており、78名の職員が3つの係に分かれ、当直、非番、週休のサイクルで勤務しております。通常は119番通報を受信する者が5名、そのダブルチェックを行う副台長が3名、救急隊の管制が1名、全体の統括を行う指令台長が1名の計10名が指令台で勤務しています。
◆河治委員 司令センターの配列、それぞれ並んでいるイメージなどを含めて分かりやすくもう一回教えてもらえますか。5人体制、5人、3人、1人というそれを。
◎佐々木警防部長 この絵を見ていただきたいのですけれども、パネルが正面にございますけれども、パネルの一番正面の最前列に座っているのが119番を受信する職員になっております。次に2列目になっているのがダブルチェックを行う副台長ということになります。あとここには映っておりませんけれども、位置的にはこの写真の左端になりますけれども、そこに指令台長というのが座っております。そして一番前で119番を通信受信し、2列目でダブルチェックを行い、そして3列目で統括と全体を見回しているというような状況になっております。
◆河治委員 いずれにしても、勤務時間が8時から翌朝の8時半まで、通報を受けチェックし指示を出すこの流れ、もう一回すみません、再度この緊張した感じが私はすごく印象的だったのです。
◎佐々木警防部長 指令台で市民等からの119番通報を受信し、消防隊や救急隊等に出場指令等を行う管制業務と、それから事務室で事務処理や関係部署との調整等を行う業務を交代で実施しています。
◆河治委員 本市は平成20年、2008年から、119番通報を受けたとき、傷病者の緊急度、重症度の識別、つまりコールトリアージに基づく救急隊の出場システムになりました。119番通報を受け部隊の出動指令までの流れを説明してください。
◎松原消防局長 119番を受信した場合につきましては、その通報は火災なのか救急なのかということをまず確認をいたします。その上で要請場所の聴取を行います。救急要請の場合については、傷病者の容態等をやり取りの中で聞き取りながらコンピュータープログラムに入力をして、緊急度、重症度を判定してまいります。その判定の結果に基づきまして、救急隊は当然出しますけれども、緊急度が高いような場合は消防隊等も出すというような弾力的な出場の運用を行っています。
◆河治委員 スライドを御覧ください。コールトリアージによるアンダートリアージの件数を示したものです。
 そこで、アンダートリアージとはどのようなことを指すのか、また、なぜそのようなことが起きるのか、伺います。
◎松原消防局長 アンダートリアージとは先ほど申し上げましたまず119番の聞き取りの中のコールトリアージにおける緊急度、重症度の判定が最終的に傷病者を搬送した搬送先の医師により初診時判定よりも低かった、これをアンダートリアージと言っております。この発生要因につきましては、通報後に傷病者様が容態の変化があったこと、あるいは指令管制員による必要な聴取がこれは相手方がいろいろな状況、苦しい状況ですとかいろいろありますので、そこで十分に聞き取れなかったような場合、また、プログラムの中でやはり改善が必要な要因が考えられております。
◆河治委員 搬送人員に対するアンダートリアージ、つまり医療機関収容時に重症以上になっている件数は年々下がっているものの、令和2年度は件数で重篤が8件、重症が173件です。アンダートリアージは人命に関することです。極力減らすべきです。
 そこで、アンダートリアージをさせないための取組をどのように進めているのか、伺います。
◎松原消防局長 先ほど来申し上げているコールトリアージの識別の精度を向上することが重要だということで、これを目指しまして、医師等で構成をされます横浜市メディカルコントロール協議会におきまして定期的に識別の内容や妥当性についての評価、検証を行いまして改善策を検討しています。その結果を受け、プログラムの改修や指令管制員の聞き取り手法、さらには医学的知見に関する教育を実施するなどを行いながらアンダートリアージの対策に取り組んでおります。
◆河治委員 火災や救急の通報を受け的確な出動指令の発出は緊張の連続だと思います。通報情報を正しく判断できるよう教育や研修、経験の蓄積も重要だと思います。
 そこで、119番の通報が今後多くなるのではないかと聞きますが、なぜでしょうか。
◎松原消防局長 119番通報の中で救急要請が全体の約8割と高い割合を占めております。平成29年に行った救急需要の将来予測では、昨年が約19万4000件であった救急出場件数が高齢者の救急要請の割合の増加等によりまして2030年には24万件を超すだろうといった予測をしております。こうしたことから、全体の中で救急要請が高い、さらにこれが増えるということでございますので、119番通報の件数も同様に増加すると予測をしております。
◆河治委員 消防本部庁舎の建て替えは司令センターを機能強化する絶好の機会だと思いますが、再編整備方針ではどのように位置づけられているのでしょうか、伺います。
◎松原消防局長 新消防本部庁舎に整備する新たな司令センターでは、指令コンピューターの処理能力が現行の約2倍になります。また、委員が見ていただいた119番通報を受信する指令台も10台から13台に増大します。さらに、指令台に訓練機能を付加し指令管制員の教育環境を拡充するなど指令システムの機能強化を図ってまいります。
◆河治委員 指令係の精神的な負担を改善するためにも本当に引き続き強化のほうをよろしくお願いしたいと思います。
 次は、救急体制についてです。
 スライドを御覧ください。(資料を表示)令和2年1月から令和3年9月までの救急出場件数及び救急搬送困難事例件数です。赤字枠内は令和2年8月、2万1251件の救急出場件数があり、その中で救急搬送困難事例案件が1596件です。確認ですが、救急搬送困難事例とはどのようなことを言うのでしょうか、説明してください。そして、なぜそういったことが起きるのか、伺います。
◎安江救急部長 総務省消防庁では、救急隊による医療機関への受入れ照会回数4回以上かつ現場滞在時間30分以上の事案を救急搬送困難事案と定め、政令指定都市を管轄する消防本部など各地の消防本部に毎週報告を求めております。なお、救急搬送困難事案は、医療機関から処置困難やベッド満床などの理由で受け入れを断られることがその発生原因として挙げられます。
◆河治委員 救急搬送困難事例案件で、令和3年6月は230件、7月は478件、8月は1597件です。8月は激増していますが、激増の原因は何なのでしょうか。
◎松原消防局長 8月はコロナ陽性患者の急増とともに救急出場件数や救急搬送困難事案が大幅に増加をしました。救急搬送困難事案においては、約半数がコロナ陽性患者の事案で占めるというような状況にもなりました。こうしたことから、第5波となりました新型コロナウイルスの感染の急拡大が救急搬送困難事案の増加につながったものと考えております。
◆河治委員 現地で長時間待たされたにもかかわらず任務を遂行できなかった救急搬送困難事例案というのは救急隊の大きな負担になるのだと思うのですが、どうでしょうか。
◎松原消防局長 救急隊のコロナ陽性患者の方への対応といたしましては、感染防護服などを着装し、傷病者の観察、必要な処置をしながら、医療機関への受入れ照会を長時間にわたり繰り返すことになります。特に8月は連日の厳しい暑さの中での対応となりましたので、救急隊にとって心身ともに大変厳しい状況が続いたものと受け止めております。
◆河治委員 コロナ禍で感染者が急増する中で、政府は重症者以外は原則自宅療養の方針とし、保健所や医療機関も大変だったと思います。そして、救急隊は現場で病院の照会を試みても受入れ先を確保できず、救急搬送困難事案の増大につながったと推察されます。救急隊の負担増を解消し市民の救急要請を保障することは横浜市の責務と思います。コロナの第6波の備えのためにも救急隊や医療機関の在り方検討も必要と思いますが、これは副市長に見解を伺いたいと思います。
◎小林副市長 今回局長が申し上げたとおり、8月が非常に厳しい状況でありました。ある意味、医療側もそうですし、保健所側もそうですし、救急隊側も全体として最善を尽くしたと思いますけれども、やはり第6波、あるいは今後の感染症対策についてどのような対応をすべきかというのは、基本的にこうした事例を振り返って、感染症が蔓延したとき、あるいは急激に増えたときにどういった体制がふさわしいかということは国をはじめとしてやらなければいけないと思います。ただその上で、やはり私ども消防局としては、与えられた条件の中ですぐに体制を増やすことは難しい、あるいはすぐに病床を増やすことは難しい。そうしたときには、例えばY-CERТという機能を最大限に生かして救急隊としては最善を尽くすと。そうしたことが可能になるように、日頃から私どももその訓練をするということでありますけれども、いずれにしても、今委員がおっしゃった解決策は、国をはじめとして感染症対策にどう対応するかという根本的な問題だと思っています。
◆河治委員 コロナ問題は本当に多くのことを私たちに提起していると思いますし、様々な案件について検討が必要かと思いますし、私たちもそういった点では積極的に提案もしていきたいと思っております。
 次は、施設整備についてです。
 救急消毒室の整備状況について伺います。
 消毒室の整備方針は救急隊のあるところは全て設置することが基本と聞いていますが、現状はどうなっているのでしょうか、未整備施設での洗浄消毒業務はどのようになっているのか、伺います。
◎平中副局長兼総務部長 消毒室につきましては、現在市内29か所の消防署所等に整備をしています。消毒室未整備の救急隊配置署所への洗浄、消毒設備の整備に向け、本年度、給排水、電気、ガスの配管状況の調査や改修に必要な経費の算出などを行いました。消毒室が未整備の署所の救急隊の洗浄等は、必要に応じて近隣の消毒室に出向く、また、御協力をいただける医療機関の洗浄設備を借用して対応しております。
◆河治委員 調査が終わったということなのですけれども、先ほど原則は全ての救急隊のあるところに設置するということを目指しておられるわけですから、今後どのような計画で進めていくのか、検討もこれからされるということなのですが、やはりいつまでにどうするのかということも非常に大事だと思うのですが、そういった点での計画、今後どのようにされるのでしょうか、伺います。
◎松原消防局長 救急消毒室につきましては、これまでも何度か御質問をいただきながらお答えしているとおり、どうしても庁舎の敷地面積、建物の狭小化、狭さみたいなものはございますので、基本的には庁舎の建て替えの機会を捉えて整備をしていきたいと考えております。また、これに代替する洗浄あるいは消毒設備につきましては、やはり我々としても早急な整備をしたいということで、関係局とも調整をしながら、財政的な問題もありますので、こうしたことも踏まえながら計画的に進めていきたいと考えております。
◆河治委員 次は、防災センターについてです。
 防災センターは、自分の命を守る自助意識、お互いに助け合う共助意識の啓発とその行動を起こせるようにするための体験型施設です。先日、私は現地にお邪魔しました。当センターで初期消火の煙の中の避難訓練などをさせていただきました。今異常気象と言われる、とりわけ水害の避難訓練も重要だと思いますが、今後のセンターの整備方針、水害に対する体験など、どのようなことが検討されているのか、伺います。
◎山田予防部長 風水害向けの訓練施設、訓練装置といたしまして、浸水時のドアにかかる水圧の大きさや流水の中を歩行することの困難さを体験できる体験装置を導入する予定でおります。この体験を通じまして風水害時の早期避難の重要性を身をもって学んでいただき、いざというときの行動につなげていただきたいと考えております。
◆河治委員 体験することは非常にやはり大事なことだと思いますし、多くの市民がそこに積極的に体験ができるような、また、そういった広報などもしっかりやっていただければと思っております。
 最後は、消防団の器具置場についてです。
 自分の仕事を持ちながら火災発生時における消火活動や地震、風水害などの大規模災害発生時に救助救出活動、警戒監視、避難誘導などを行い、また日常的に訓練や応急手当の普及指導、巡回警戒、広報活動など、地域でも消防力、防災力の向上に奮闘されている消防団の皆さんに敬意を表したいと思います。本市には108の消防分団があると聞いています。令和3年度9月1日現在、本市の消防団定数は8305人で定員数が7801人、充足率93.9%と聞きました。皆さんの御尽力はすごいことだと思います。これは東京都及び政令市中2位とのことですが、ちなみに1位は堺市。消防団のうち女性消防団員数は1373人、団員全体の17.6%になります。こうした中、女性団員の立場に立った職場環境の整備も重要だと思います。更衣室やトイレの整備は急務だと思いますが、現状の整備状況はどうか、伺います。
◎平中副局長兼総務部長 器具置場は市内に433棟あり、男女別のトイレや更衣室を整備した器具置場は65か所で全体の約15%となります。
◆河治委員 私は整備そのもの、整備状況は非常に遅れているのではないのか、そしてまたこれから女性団員も増えると思うのですけれども、こういった整備状況をどのように評価、認識されておられるのか、再度伺います。
◎松原消防局長 委員がおっしゃったように、本市の消防団のうち女性消防団員は現在で約18%を占めまして、また分団や班で中心的な役割を果たしており、また活動されている方も多くいらっしゃいます。器具置場は消防団の活動拠点であり、活動しやすい環境を整えることは防災力を強化する上で大変重要であるということですので、引き続き女性団員の環境整備、まだまだこれからだと私も考えておりますけれども、計画的に整備をしてまいります。
◆河治委員 団員が気持ちよく活動できモチベーションを上げるためにもトイレや更衣室の整備は計画的に進めるべきだと思います。今後の整備計画はどのようになっているのか、伺います。
◎松原消防局長 器具置場につきましては、毎年12棟程度の建て替えを進めておりますので、今後こうした器具置場については男女別のトイレや更衣室を整備して、男女ともに働きやすい環境整備に努めてまいります。
◆河治委員 市民の命と財産を守り、地域の活動にも献身的に奮闘されている消防団の人たちのモチベーションそのものを本当に生かす、このことが非常に大事だと思いますし、そのための環境整備をしっかり図ってほしいと思います。
 終わります。(拍手)


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