議会での質問・討論(詳細)
2021年10月18日

■文化観光局(かわじ民夫)10月18日(月曜日)

◆河治委員 日本共産党の河治民夫です。よろしくお願いします。
 委員長、スライドの使用許可をお願いします。
○藤代副委員長 どうぞ、お使いください。
◆河治委員 それでは、質問してまいります。最初は、コロナ禍の中での文化観光事業についてです。
 コロナ禍の中で、本市の文化観光事業も大きな影響を受けました。この間、新規感染者も大きく減り、緊急事態宣言が9月30日に解除になりました。このまま収まってほしいと思う反面、第6波の到来も予測した備えが必要ではないかと思います。そのためにも、これまでの事業の検証が必要と思います。
 それでは、スライドを御覧いただきたいと思います。(資料を表示)これは本市の文化観光施設、文化施設が22施設ありますが、施設の利用率の平均を示したものです。令和元年度は、上のオレンジ色の横線で80%、令和2年度は下のピンクの線で48%、令和3年度は緑の線で68%です。次のスライドは、横浜市内の主要ホテル平均稼働率を示したものです。グラフでは2017年から2019年までのコロナ以前の推移に対し、青色は2020年、緑色は2021年の推移です。
 そこで、コロナ禍、コロナ問題が市内の文化観光事業に大きく影響したことは一目瞭然です。市内の文化観光業界への影響に対する局長の見解を伺います。
◎神部文化観光局長 市内のアーティストや舞台技術者などからは、多くの文化活動が中止や規模縮小となりまして収入が大きく減少したなどの声を伺っております。観光におきましては、旅行者が減ったことに加えまして、時短営業等によって消費単価も減少しておりまして、観光消費に大きく影響が出ております。市民や事業者の皆様に寄り添い、文化芸術の基盤を守るとともに、観光復興に向けた取組が強く求められているものと考えております。
◆河治委員 文化観光業界は、繰り返し発出された緊急事態宣言などでイベントが中止になりました。併せて、当文化関係者に対して文化観光局はどのような支援をしてこられたのか、アーティスト等文化関係者に対し文化観光局はどのような支援をしたのか、また、支援事業に対してどのような効果があったのか、伺います。
◎野田文化芸術創造都市推進部長 収入が減少したアーティストや文化団体等への支援として、文化芸術活動応援プログラムにより活動再開に向けた準備経費等への支援を行い、また、映像配信支援プログラムにより映像配信への支援を行いました。さらに、今年に入ってからは、文化芸術公演等支援事業によりリアルな文化芸術活動を支援しました。これらの支援に対して、想定件数を上回る応募がありました。文化芸術関係者から感謝の声が寄せられており、文化芸術活動の継続をしっかりとお支えできたと考えております。
◆河治委員 イベント会場など、施設側も大変だったと思います。施設の休館や入場者制限、消毒など、感染対策も大変だったと思います。
 そこで、市内観光関連事業者への支援内容とその効果はどうだったのか、伺います。
◎栗原観光MICE振興部長 昨年度は、初期の自粛期間中に衛生用品の購入や事業形態の変更など、事業継続のための支援を行いました。また、人の移動が再開した時期には、市内宿泊へのクーポン付与や日帰り旅行商品への助成により観光需要を喚起する観光復興キャンペーンを実施しました。いずれも事業者の皆様からは、厳しい状況だったので助かった、売上げ増やビジネス拡大につながったといった声をいただきました。
◆河治委員 主な支援は、国の方針などに基づき、国費を活用し進められたものだと思います。そこで、本市が実施した支援内容で本市が独自に実施したものについて説明してください。
◎野田文化芸術創造都市推進部長 コロナ禍における文化関係者及び観光事業者に対する支援制度は、いずれも国の臨時交付金を財源としておりますが、支援制度そのものは本市が独自で立案して実施したものでございます。市民や事業者の皆様からヒアリングを行い、ニーズに沿った支援を実施いたしました。
◆河治委員 緊急事態宣言が9月30日に解除になりましたが、市内の文化観光業の回復には継続的な支援や新規の支援が必要と思いますが、局長の見解を伺います。
◎神部文化観光局長 市内のにぎわいの創出、経済活性化を図るために、文化芸術活動への支援や市内観光の復興支援は大変重要な取組だと考えております。新型コロナウイルスによる影響はまだまだ先が見通せない状況ではございますが、感染症対策をしっかりと行いながら社会経済活動を一歩でも前に進めていくことが求められていると考えております。そのため、感染状況など社会情勢の変化や、市民、事業者の皆様のニーズをしっかりと把握して、引き続き必要な支援を届けてまいりたいと考えております。
◆河治委員 どうなるか、早く収まってほしいとは思うのですけれども、次は、区民文化センターについてです。
 区民文化センターも休館や利用規制されました。次のスライドを御覧ください。(資料を表示)本市22文化施設の利用者数の推移と、年度ごとの比較を示したものです。青色が平成31年1月から、黄色が令和2年1月から、緑色が令和3年1月から示したものです。
 コロナ禍の影響が広がった中で、区民文化センターの利用状況について伺います。
◎野田文化芸術創造都市推進部長 令和2年の区民文化センター10館の利用者総数は前年比で約7割減の38万人となりました。令和2年は3月ごろから文化活動の自粛が始まり、4月、5月の緊急事態宣言による全施設一斉の休館や利用人数の制限などの影響により利用が激減いたしました。徐々に回復はしていますが、利用人数の制限等が継続しているため、令和3年8月時点の利用者数はコロナ前の約5割にとどまっています。
◆河治委員 区民文化センターでは、入場者制限や休止で利用料収入が減る一方、感染防止対策などの出費等で管理運営が大変だったと思います。各区民文化センターを運営管理する指定管理者への補填はどうだったのか、伺います。
◎野田文化芸術創造都市推進部長 指定管理料とは別に、休館などによって生じた影響額について補填しており、区民文化センター10施設で合計約7500万円の補填を行いました。
◆河治委員 いまだ終息が見通せず、第6波も危惧されます。また、施設利用や入場者は徐々に回復傾向にありますが、コロナ以前の水準に回復するには困難性も推察されます。
 国の方針とも関わると思いますが、今後の支援をどのように考えておられるのか、伺います。
◎神部文化観光局長 令和3年度も引き続き、各施設の運営状況を把握して、指定管理者の皆様に過度な負担を強いることがないように、関係局と協議しながら適切に対応してまいりたいと考えております。
◆河治委員 現在整備されている区民文化センターは10館です。今年度末、瀬谷区民文化センターが、そして令和5年度には港北で、令和6年度では都筑区で開館予定とされて、金沢区も準備が進められていると聞きます。
 そこで、残り4区の整備はいつ頃になるのか、整備方針について伺います。
◎神部文化観光局長 未整備区でございますが、未整備区につきましては、今後各地域の再開発などのまちづくりの機会を捉えまして、また、各区内の文化施設や公会堂などの公共施設の機能を踏まえて、区としっかりと協議しながら、区の特性に合わせて必要な機能を整備していきたいと考えております。
◆河治委員 再開発との関係も含めてなのだけれども、おおよそ、本市は全体としての整備はいつぐらいまでを計画されているのか、伺います。
◎神部文化観光局長 区民文化センターにつきましては、1つは交通至便な、区民の皆様に利用しやすい場所にあることが必要だと考えております。また、周辺のまちづくりと一体となって進めていく、これも大変重要なことだと思っております。今いつ頃までという御質問がございましたが、そうした各区の再開発の状況をしっかり見極めながら、文化観光局としては一日も早く整備をしていきたいと考えています。
◆河治委員 本当に整備を進めて、残りの4館も早く整備されればいいと思いますが、同時に、整備されている施設の補修とか修繕とか、こういった課題もあると思います。区民文化センター1号館の旭区民文化センターサンハートは、平成2年、1990年に開館され、31年がたちました。先日、旭区民文化センターサンハートへ行き、館長さん、副館長さん、照明担当のスタッフに話を伺ってきました。
 スライドを御覧ください。旭区民文化センターサンハートのホールの正面です。舞台の床は上下に移動するタイプです。不具合があるわけではないが、とにかく古いので、動かすのに時間がかかる。また、高齢者団体も多く、利用の際の椅子などを移動するときは大変だとのことでした。次のスライドを御覧ください。ホールの後方です。照明や音響映像機器のある操作室です。機器も古く、利用者の持ち込む機具とマッチしないものもあると言っておられました。次のスライドを御覧ください。これは館長からいただいた資料です。この間、区役所、それから地域振興課や文化観光局の区民センターの担当者と何回も現場を見てもらい、状況も確認しているものだと言っておられました。ホールの舞台床機構、照明を調整する調光ユニット、つり下げ設備、舞台映像ITV、パッケージエアコン、防火シャッターなど、全て経年劣化により改修が必要とあります。そして、パーツが古いことから、部品調達が困難になる予想もあるとしています。
 そこで、伺いますが、区民文化センターの施設、設備の老朽化対応、機器更新の考え方について伺います。
◎神部文化観光局長 区民文化センターにつきましては、公共建築物の長寿命化を図るため、有資格者など専門家による劣化調査や法定点検、施設管理者による日常点検などの様々な点検結果を基に修繕の実施時期を決定する状態監視保全を行っております。この結果、修繕が必要と判断された場合には適切な修繕を行っております。文化施設特有の機器等については、指定管理者や区からの情報を基に、優先度の高いものから更新をしております。
◆河治委員 先ほども述べましたが、旭区文化センターサンハートは開館から31年がたっています。老朽化も進んでいます。改修計画そのものはどのように考えておられるのか、伺います。
◎神部文化観光局長 旭区民文化センターにつきましても、先ほど申し上げました状態監視保全に基づく管理を行っております。区民文化センターにつきましては、これまでも指定管理者や区役所と情報交換を行いながらしっかりと、先ほど委員に御指摘いただいた点も状況を把握しております。今後、我々としては区民文化センターが安定的に運営できるというのが第一だと考えておりますので、設備の老朽化の度合いなどを考慮しながら、適切な時期に修繕や改修などを行ってまいりたいと考えております。
◆河治委員 次は、芸術文化教育プログラムについてです。
 文化観光局では、子供たちの創造性を育み、豊かな情操を養う機会を拡大するために、アートNPOや芸術団体と地域の文化施設を中心に、学校、アーティスト、企業、地域住民、行政などが連携協働しアートの可能性を模索しています。そこで、この間取り組んできた芸術文化教育プログラム推進事業の実績について伺います。
◎野田文化芸術創造都市推進部長 令和2年度の実績についてお答えさせていただきますが、小中特別支援学校を合わせて170校から応募があり、126校で実施いたしました。
◆河治委員 この事業を取り組んだ学校や子供たちから様々な感想が寄せられていると思いますが、どのような内容が寄せられているのか、伺います。
◎神部文化観光局長 こちらの事業、大変学校現場から御好評いただいておりまして、参加した児童からは、やはりプロのアーティストから教わってとても楽しかったといったお声をいただいております。先生方からはふだんなかなか積極性を発揮しないような子供たちも目を輝かせてこの事業に取り組んで、表現力やコミュニケーション能力にすごい効果があったというようなお声をいただいておりまして、引き続き文化観光局としてはしっかり進めていきたいと考えております。
◆河治委員 本事業において、市内小学校、中学校、義務教育学校など500校あります。そのうち、平成30年度は142校が、令和元年は151校が、令和2年度はコロナ禍の影響だと思いますが、130校でイベントが取り組まれました。でも、全体の割合では30%前後であり、少ないように思います。
 なぜ希望する学校が少なかったのでしょうか、伺います。
◎神部文化観光局長 こちらの事業につきましては、全ての学校に募集を行いまして、手を挙げた学校に派遣するというような形になっております。各学校におきましては、校長先生を中心にしてそれぞれ教育課程の編成を行っておりまして、学校の方針で希望するということで手を挙げてこられると認識しております。
◆河治委員 学校プログラムは平成16年度からスタートし、令和2年度までに累計で応募校数は1691校だったのに対し、実施校数は1524校にとどまりました。希望する全ての学校でプログラムができるようにすべきと思いますが、どんな課題があるのか、伺います。
◎神部文化観光局長 プログラムの実施に当たりましては、各文化施設や芸術団体のスタッフがコーディネーターとして入りまして、担当するアーティストの選定あるいは実施内容などを学校ときめ細かく調整を行いながら事業を進めております。希望する全ての学校でこれまで同様、満足度の高い事業を実施するためには、そういったノウハウを持つコーディネーターの数をまず確保するということ、それからノウハウを継承することが課題だと考えております。
◆河治委員 いずれにしろ、子供たちが本当に地域とそういう立場からの文化芸術をやることが求められていると思います。
 最後は、障害者の文化芸術活動についてです。
 今、誰でも様々活動に参加し、またその感動が享受できるようにしていくことが重要だと思います。その立場から、障害者が文化芸術活動に参加できるよう環境を整備することが重要と思いますが、そのための支援を文化観光局はどのように進めているのでしょうか。コロナ禍もあり、また、今年3月20日には横浜能楽堂でのバリアフリー能の映像がユーチューブチャンネルで配信されたと聞きます。そうしたことも含めて、具体的な状況を伺います。
◎神部文化観光局長 文化観光局では、ハード、ソフト両面から障害のある方の文化活動への参加を進めております。ハード面におきましては、文化芸術活動に障害の有無にかかわらず御参加いただけるように、エレベーター設置などの段差解消、あるいは手すり設置などのバリアフリー対策など、アクセシビリティーの向上を進めております。また、ソフト事業にありましても、例えば昨年開催の横浜文化プログラム2020、あるいは今年開催のDance Dance Dance@YOKOHAMA2021において、障害のある方々がステージに出演する公演を実施するなど、様々な事業の機会をとらまえて活動の場を創出しております。
◆河治委員 多様性が尊重される社会です。障害者も含めて、様々な人が文化芸術に触れることができる環境、文化観光局が率先して進められるよう要望して、質問を終わります。


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