議会での質問・討論(詳細)
2022年3月3日

総務・デジタル総括本部局 【古谷やすひこ】3月3日(木)

◆古谷委員 日本共産党、古谷靖彦です。党を代表して質問させていただきます。
 まず、すみません、通告のその他から質問させていただきたいと思います。危機管理を所管する総務局において、今のロシアの侵略戦争について伺いたいと思います。
 本市としてロシアによるウクライナの侵攻についての対応や情報収集は今どのように行っているのか、まず伺います。
◎高鳥危機管理室長 現在、情報収集につきましては、特に報道ベースで情報収集をしているところでございます。実際にいろいろな日本への攻撃等がある場合には、国民保護計画に基づいて国から都道府県、それから市町村というふうに情報が参りますので、それに合わせて本部体制をしくなどの対応をしていく、そのような対応を取ることになっております。
◆古谷委員 そうすると、まだ本部体制はなってないということでしょうか。
◎高鳥危機管理室長 現在は本部体制をしいている状態ではございません。
◆古谷委員 すみません、ありがとうございます。ウクライナへの侵攻については、毎日報道ベースで流れている中では、横浜市民の皆さんも私も含めてですけれども、皆さん本当に心を痛めている状況だと思います。この目で他国へ侵攻する姿をまた見てしまうのかということを本当に私も憤りを持って見ています。私たちは一刻も早くロシアによる侵略戦争をやめるように強いロシアへの抗議の意思を込めて表明して、次に移りたいと思います。
 続いて、災害時の情報伝達手段の強化について伺います。
 横浜市内で設置されている防災スピーカーの設置箇所数と設置の基準について、まず伺います。
◎加賀谷危機管理部長 防災スピーカーの設置につきましては、行政区を単位に、区役所または消防署に半径約1キロメートルの範囲で音が届く機器を設置しています。そのほか、半径約300メートルの範囲で音が届く機器を周辺人口の多い地域防災拠点等に設置しております。なお、地域防災拠点等に設置している防災スピーカーの数につきましては、令和元年から3か年で190か所設置しているところでございます。
◆古谷委員 今設置されている防災スピーカーの設置箇所数で人口カバー率はどのぐらいになるのでしょうか。
◎高鳥危機管理室長 防災スピーカーを全190か所設置したことによりまして、これまでの津波警報伝達システムを含めまして、人口カバー率としては約46%になると試算しているところでございます。
◆古谷委員 ぜひこれはぐっと進めていただきたいなと思いますし、これについては、今小学校、中学校はつけられるところがまだたくさんあるのではないかなと思っております。今後どこまで設置箇所数を増やしていくのか、伺います。
◎高鳥危機管理室長 防災スピーカーにつきましては、横浜市中期4か年計画に基づきまして190か所整備してまいりました。現在のところ増設する計画はございません。
◆古谷委員 ぜひその計画についても足を踏み出していただきたい、検討いただきたいと思っています。災害時に市民や来街者の方に情報を伝達する手段というのは、もちろん私も何も防災スピーカーだけではないと思っております。
 また、その方法については様々な情報伝達手段と組合せをして災害情報が全ての市民や来街者の方に届くようにするべきだと思いますが、見解を伺います。
◎高鳥危機管理室長 防災スピーカーをはじめ、テレビ、ラジオ放送、緊急速報メール、ヤフー防災速報、ツイッター、防災情報Eメール、市ホームページ、場合によっては広報車や電話、ファクスなど多様な手段で情報を伝達しているところでございます。今後も、複数の伝達手段を組み合わせまして、市民の皆様に確実に情報をお届けできるよう努めてまいりたいと思っております。
◆古谷委員 スマホのサービスや、テレビ、ラジオなどを組み合わせるにしても、私は防災スピーカーの設置自身は必須の条件だと思っています。少なくとも先ほど申し述べたように市内の小中学校には全て設置するようなことも、これは費用的にもそう大してかからないと思いますので、ぜひお願いしたいと思います。防災スピーカーでの人口カバー率をぜひ伸ばしていただきたいと要望して、次の質問に移ります。
 次は、事業見直しについて伺ってまいります。
 毎年事業見直しが行われております。この事業見直しは毎年各局にどんなルールを課しているのか、まず伺います。
◎武島行政改革推進部長 毎年度、予算編成の中で、見直しに取り組むに当たって検討すべき視点をまとめた事業見直しの視点を各区局に示しております。その視点を踏まえまして、各区局自ら全事業の点検を行い、見直しにつなげています。
◆古谷委員 これはいつも不思議に思っていたのですが、素朴な疑問で恐縮なのですが、内部経費の見直しであるとかが毎年同じような金額が削減額として出されています。内部経費の見直しがなぜ毎年出てくるのか。これは徹底してやっていないということなのでしょうか。
◎池戸総務局長 内部経費につきましては、物品調達におけるリース化とか再リース、それぞれの年でいろいろ新しいものが出てきます。また、システムの集約化とか、実績に基づく例えば印刷製本などの見直しとか、そういった大小様々なものが毎年出てきますし、また、仕事のやり方がDXなのでやはり変わってくるという中で、毎年少しずつそういうところは努力を現場でしている。それで毎年出てくるというふうにお考えいただければと思います。
◆古谷委員 努力されているということですね。財政ビジョンの議論をこれからしていく中で、これから議論が行われるわけですが、今までやってきた事業見直しというものと歳出改革、これは何が変わるのか、伺います。
◎池戸総務局長 今御説明をしましたように、これまでも各区局が自ら内部経費の削減や事務事業の効率化、適正化等の事業見直しを重ねてきましたけれども、厳しい財政状況の中、人口減少や超高齢化などのこれからの変化、今も起こっていますけれどもそれに対応して持続可能な市政を確立していくために、事業の廃止や休止、大幅な削減も含むより踏み込んだ見直しが必要です。そういう中で、そのためには、事業所管局だけではなくて、新設する行政イノベーション推進室が指令塔となって、政策局や財政局とも連携しながら、事業の優先度を見極め、全庁一体となって見直しに取り組む、これが歳出改革だと考えております。
◆古谷委員 歳出改革と言うと、私は市民サービスが後退するのではないかとか非常に不安を持つ言葉です。見直しの対象事業は優先順位がやはり様々あると思うのですが、優先順位のつけ方はどう定めていくのか、伺います。
◎池戸総務局長 引き続き、行政内部経費の削減や事務の効率化に徹底して取り組んでいく。これは今まで同様進めていきますが、その上で、全事業について、変化の激しい現在の社会ニーズに対応できているのか、それから政策目標に対する効果が的確に得られているかなど、やはりデータを用いながら検証を行い、事業の優先順位を見極める中で具体的に見直しの対象事業を検討していきたいと考えております。
◆古谷委員 ちょっとすみません、確認ですが、市民サービスの後退につながることではないということでよろしいのでしょうか。
◎池戸総務局長 何をもって市民サービスの後退と言うのかというのはここで私がなかなか御答弁できないのですけれども、ただ、市民サービスに影響を与えるのかどうかという部分については、時代がこれだけ変わっておりますので、行政サービスのやり方もやはり変わっていくのだと思っています。それから、財政のことを考えれば、今の子供たちや将来の市民に負担を負わさないように臨時財源に依存した予算編成から脱却していくということは今までも市会で市長も御答弁されている中身です。これまでと同水準の行政サービスを維持しつつ、新しい行政サービス、行政ニーズにも対応していくことはなかなか容易ではないので、生活スタイルの変化や民間サービスの充実など、今まで我々行政がやっていましたけれども、民間ができるようになったものもありますので、そういう変化を見極めながら考えていこうと思っております。既存サービス、既存事業についても、その効果や手法を十分に検証して、市民や事業者の皆様への影響も当然考慮しながら、この見直しを検討していく必要があると考えております。
◆古谷委員 その点について、市民から見て後退したのではないかと言われるようなことはぜひ避けていただきたいと思いますし、これは重ねてなのですが、来年度行政運営の基本方針を策定されると聞いていますけれども、これはいわゆる行革的な方針に当たるものなのでしょうか、確認のために伺います。
◎池戸総務局長 これまでも市会の本会議でも市長が御答弁をされていますけれども、先ほど申し上げたように人口が減っていく。それから高齢化が進んでいく。その中で、人口が減りますので、私たち職員のこれからの採用も難しくなっていく。そういう中で、我々の組織、人の生かし方、それから財政との両立で言えば持続可能な財政運営、そういったものをやはり含めた中で、私たち横浜市のあり方、人、組織、そういったものを網羅して方針を描いていこうと。10年ということで今御答弁をさせていただいていますけれども、そういう計画になると思います。委員がおっしゃったように必ずしも行革のための計画というふうな意識ではございません。
◆古谷委員 私は、歳出改革の名の下に行政サービスが後退してしまうようなことになってしまえば、ますます人口減少に歯止めがかからない状況になるということにつながりますし、自ら首を絞めるような事態になってしまうのではないかと懸念しております。
 次の話題に移って、行政のデジタル化について伺います。
 今行政分野のデジタル化が、今日も議論の中でどんどん進められようとしていると。私はDX戦略などを見ても、ちょっと私の理解が足りないのか、実際に何がどう変わるのかということが非常に見えづらいと思っています。全体像が見えないなと思っています。そこで、行政のデジタル化に当たって幾つかの懸念を伺っていきたいと思います。
 行政のデジタル化はデジタル化自体が目的ではないというのは、DX戦略の最初のほうのページで書かれているのは承知しています。デジタル化はあくまでも手段でしかないということなのですが、今後行政のデジタル化を進めるに当たってどれだけのコストが必要になっていくのかの見通しは持たれているのか、伺います。
◎下田デジタル統括本部長 戦略のほうで全体像をお示ししましたけれども、まさにデジタルの技術の変化も非常に激しいという状況にありますので、これから取組を進めていく中で、一つずつどのぐらいのコストがかかるかというのは時期に応じて出していきたいと思います。あとデジタル化の中で、一気にデジタルにシフトしていくというのは非常に難しい状況にありますので、例えばスマートフォンを導入していく際に、対面のサービス、あるいは郵送のサービス、こういうものも並行してやることになります。そういう変化も含めたトータルのコストの部分は、これから戦略を素案にまとめていく中でできるだけ委員の御趣旨のような形で分かりやすく表現できるように努力をしてまいります。
◆古谷委員 そうすると、今の時点だとなかなか見えない。私もDX戦略は何回か見させてもらったのですけれども、何だかふわふわしていて、何を目指すものなのかというのがちょっと分かりづらいなというのが率直な感想です。本当にコスト削減につながっていくのか、根拠を示すことができるのでしょうか。
◎下田デジタル統括本部長 今ちょっと例示を申し上げましたけれども、例えば今回大切にしているスマートフォンの導入。先ほどもちょっと申し上げましたけれども、スマートフォンをある手続で入れる。その場合にどうしてもやはり--委員もよくおっしゃっている、誰も取り残さないためには、対面の手続というものも並行してやりますので、そういう意味ではその時期はやはり2つのコストがかかってくるということになります。デジタルを入れたときの投資の効果が表れるのには少し時間がかかります。もちろん導入に際して費用対効果をしっかり見極めて、導入後で出てきた効果を分かりやすく市民の皆様に伝える、この努力はしっかりしていきたいと思います。
◆古谷委員 まさにそうだと思うのです。それで、まさに今ワクチン接種の現場でそういうことが起こっているのではないかなと思っていて、スマホの普及率は高いのだとおっしゃるのだけれども、一方では、やはり昨年のワクチン接種のときの大混乱のように、私たちであれば何とかシステムに乗っかって予約等々はできるのかなと思うのですが、この程度でもなかなか大混乱を起こしてしまうという今の事態ですから、これが行政のデジタル化でこんなによくなるのですよと言われても、携帯の普及率だけを言われてもなかなかにわかに信じがたいなというふうにちょっと思っています。
 あと対面のコスト、これは絶対残ってくるというのはおっしゃるとおりだと思うのですけれども、国は今デジタル戦略の下でデジタル化をするために国費ががんがん入っていますから、対面で残す部分については恐らく国費はついてないと思うのですが、いかがですか。
◎下田デジタル統括本部長 国もデジタル社会の実現に向けた重点計画を出しています。この中で、誰一人取り残さない社会の実現に向けてということで、デジタルに不慣れな方々の窓口での行政手続、これを負担軽減するというのももう明確に出しております。実際やはりデジタル化するところについてのお金の支援というのが大きくなるのですけれども、例えば窓口で手続をするときに間接的にデジタル技術を使って効率化してあげるということのお金、こういうものは国としても考えているところなので、我々としてもしっかり要望して、そういう意味では、直接的なデジタル化だけではなくそういう視点にも立った支援を国も掲げていますので、我々もしっかり要望してまいります。
◆古谷委員 本当に誰一人取り残さないというのが、文字どおり、そのとおりしていただきたいというふうに思っていて、そのためにコストがかかるものについては、ぜひ現場から強い声を国に対しても上げていただきたいと思っています。私は、行政のデジタル化を繰り返すのですが、DX戦略を見てもなかなかちょっとよく見えないというところで、どんな未来をもたらすのかということを過大に描き過ぎているのではないかとちょっと思っているのですが、いかがですか。
◎下田デジタル統括本部長 私も実は直近区長をやっていましたので、そのときコロナの全盛の中でも対応いたしました。今回、DX戦略の方向性をつくる上でも、基本的には区役所の前線、あるいは地域、それから市民の人が実感をしていただけるもの、ここに力点を置きました。例えば手続のスマートフォンの対応、あるいは地域の担い手の負担支援ということをかなり強くうちの計画では出していると思います。さらに、サービスの最前線、まさに区役所のところのデジタル化については、応援が入っていくとき、本当にデジタル環境がないため苦労していましたので、市役所に比べて遅れていた環境を整える。国費も使いながら今回そういうところに力を入れていますので、むしろばら色というよりは、我々としてはかなり現場重視で地道な部分を最初の4年間は大切にして出した。表現が足りなかった部分とすれば、それがもうちょっと伝わるように努力をしてまいります。
◆古谷委員 ありがとうございます。政府は今、2025年末までに、介護保険とか生活保護であるとか、地方自治体の基幹の20業務、これを情報システムを全国一律に統合するということを進めようとしております。国で規格化されたシステムを統合するというのは、これは一方ではいいかなという面と、もう一方では、今の横浜市の業務というのは今までのシステムを基にして業務が運営されていますから、ある意味今までの業務から大幅に事務作業が増えてしまうのではないかと思いますが、どうでしょうか。
◎下田デジタル統括本部長 今委員御指摘のところ、例えば標準化が代表的なものになると思いますけれども、住民情報系システムの標準化は基本的には共通性のある事務を標準化しようということです。データ連携による事務の効率化、あるいは国が制度を変えると各自治体がみんなそれぞればらばらに改修をすると。そういう負担がかなり重くありました。さらに、標準化されてないものですからベンダーにやはり依存せざるを得ないということで、この問題意識の中で全国統一で行おうとしているものでございます。標準化対象外になっている独自事務もありますので、委員が御心配いただいたようにそういう部分の事務が取り残されないように、あるいは今申し上げた、標準化の目的がしっかりと達成できて、事務の効率化、軽減につながるよう、仕様を出している国に対して標準化の本来の目的が達成できるように我々としても指定都市と連携しながら要望しているところです。
◆古谷委員 恐らく標準化されてもベンダー依存というのは一定変わらないのではないかなと思うのですが、いかがですか。
◎下田デジタル統括本部長 基本的な目的としては、やはり国としてはそこを目指してやっておりますので、我々のような大都市においては受けてくれる人の関係の難しさは非常にあるのですけれども、基本的な標準が示されることによって、その標準に基づいてメンテナンスであるとか、提案をしてくる事業者の幅が広がってきますので、一つの事業者にカスタマイズされ続けた仕組みに依存するということがやはり改善される一つの道だと思っています。
◆古谷委員 特に、この基幹システムの全国一律の統合について費用対効果はどう評価されていますか。
◎下田デジタル統括本部長 まだ仕様が第一段階が示された段階で、第二段階も今年度の夏、また示されてきます。我々も市長要望でデジタル庁に対しても直接要望していますし、大都市間で連携をしていますけれども、まだはっきりとした仕様と手順が少し遅れておるものですから、そういう意味では本当の意味での我々のコストをチェックするというのがなかなか難しい部分がありますが、それが示される段階の中でより具体的にコストの見込みも把握しながら、委員の御心配の向きは我々としてもしっかり国とやり取りをして、関係の指定都市等とも連携しながら、いいものにする、効果的なものにするようにしていきます。
◆古谷委員 国がこれだけ旗を振っていますから、導入せざるを得ないしやっていくしかないというところなのですが、どうやって横浜市にとって還元できるのかということをしっかり考えていただきたいなと思います。横浜DX戦略の基本目的に掲げられている、デジタルの恩恵をすべての市民、地域にということについて、文字どおり誰一人取り残すことのないようにするために改めてどうするのか、伺います。
◎下田デジタル統括本部長 まさに一番最初に掲げた目標、これが一番大切にしていく方向性になりますけれども、今回戦略の中でも申し上げましたけれども、やはりどこの自治体も、国も含めて、デジタルの動きの中ではっきりとこれが正しいというのを描くのは難しいと思っています。ですから、今回、デジタル区役所であるとか、様々な取組を我々のほうが専門家も入れながら支援をして、小さなチャレンジ、あるいは実証実験を行いながら軌道修正を重ねて描いていくと。大きな流れをお示ししていますけれども、逆に言うと、こうなるということに向かって進むというよりはそういうことを大切にしていきたいと思います。
◆古谷委員 ぜひ具体的に示していかないと。お金が今かかっている状況にありますから、ぜひお願いしたいと思いますし、デジタルの恩恵というのが市民にとって具体的な恩恵、どういう恩恵なのか。財政負担が減るということなのでしょうか。
◎下田デジタル統括本部長 基本的にはやはり市民生活、そして地域の豊かさ、それから都市が最終的に魅力になるというところをまず最初に置いて考えていきたいと思います。コストの面だけを先に出していくとどれだけ減るのかという議論が先行してしまいますので、まずはどういう便益、利便性が高まっていくのか。そこから議論を始めて、そしてその結果、どのようなコスト削減効果が生み出せるのか。この点についても委員が再三御指摘いただいているように、それも併せて表現は見える化をしていく。それは必要だと思います。
◆古谷委員 私は、デジタル化の進展によって市民にとって何がメリットなのか、具体的に市民の皆さんに説明する責任があると思います。
 以上です。


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