議会での質問・討論(詳細)
2023年9月7日

■議案関連質問 大和田あきお議員

本会議.発言と答弁お全文

保育所などへの物価高騰支援は現場の声を反映したものに

大和田議員:大和田あきおです。日本共産党を代表し、今定例会に上程された議案に関連し質問いたします。
はじめに、市第42号議案 令和5年度横浜市一般会計補正予算案の「電力・ガス・食料品等価格高騰対策」に関連して、質問いたします。
一つ目は、今回示されている「児童福祉施設等と社会福祉施設等の物価高騰対策支援事業」についてです。これは、物価高騰等に直面している市内の児童福祉施設等が各種サービスを安定して行うために、令和5年度5月補正に続き、10月から3月までの今年度後半の光熱費等及び食材費の高騰に対する支援を行うもので、必要な支援と考えます。問題は、支援内容が現場の厳しい運営実態を十分にカバーするものになっているのかという点です。
補助額でみると、週5日給食がある保育園では、光熱費と給食費の合計補助額が、5月補正の支援では一人当たり1260円だったのが、今回の補正では1130円と下がることになります。今回、給食費の補助が増額されているにもかかわらず、全体で11%の減額です。
今回の補助額は6月時点の物価指数をもとに算定したために、直近の物価の上昇分が反映されたものとはなっていません。
例えば、戸塚区にある保育園では、電気料金とガス料金の月別合計料金は、8月が6月の1.6倍で増加となっています。
現場のリアルな実態をカバーするために、支援の補助額を直近の物価上昇に対応したものにする必要があると考えますが、見解を伺います。
山中市長:市第42号議案についてご質問をいただきました。児童福祉施設等への支援額算定方法についてですが、県や他都市などの支援の考え方も参考に、現時点において最新である令和5年6月の本市物価指数などを用いまして、物価上昇のトレンドをしっかりと反映しております。

大和田議員:二つ目に、各施設は消毒清掃などの基本的なコロナ感染拡大予防の対策を続けていて、物品購入費用などがかかっています。しかし、今年度の補助金は職員と児童に陽性者が出た期間に購入した分しか請求できないため、日常的な予防対策については自腹を切る負担増が発生しています。光熱費等及び食材費以外にも支援が必要だと考えますが、見解を伺います。
山中市長:物価高騰対策の支援項目についてですが、物価上昇のトレンドが光熱費等及び食材費において顕著であることや、国の支援の考え方におきましても、エネルギー価格や食料品価格の高騰分などの支援等を示されております。また現場の施設等からも支援を必要とする声もいただいていることから、本市では光熱費等や食材費の上昇に対する支援を行っております。

他都市に学び全市民を対象にした物価高騰支援を

大和田議員:三つ目に、物価高騰で苦しいのは、一部の分野だけではありません。全市民が苦しい状況に置かれています。他の都市では、給食費の軽減など子育て世帯の支援を行っている自治体もあります。また、千葉県の柏市では水道料金の減免を行っています。本市でも、全市民対象の物価高騰対策が必要だと考えますが、見解を伺います。
山中市長:全市民対象の物価高騰対策をすべきとのことですが、今回の補正におきましては国からの臨時交付金などの新たな追加はなく過去に実施した定額給付金などに相当する財源はございません。しかし、物価高騰が続く状況を踏まえまして限られた財源を活用し、利用者負担を求めることが困難である社会福祉施設等への事業者の支援を実施いたします。

市民に身近な診療所などにも物価高騰対策支援を

大和田議員:次に、同じく市第42号議案の「医療機関物価高騰対策支援事業」についてです。
この事業は、物価高騰等に直面している市内の病院が、医療の提供を安定して行うことができるよう、令和5年度5月補正に続いて支援を行うものです。
5月補正では、支援対象を59の救急病院としていましたが、今回は132の病床のある病院へと拡大されました。良かったと思っています。しかし、支援の対象に病床施設のない「診療所や薬局」などが外れています。これは何とかならないでしょうか。診療所や薬局も、病床施設のある医療機関と同様、公定価格で事業を行っています。当然ながら物価高騰の影響を患者負担に転嫁できません。市民にとって身近な医療機関である診療所などへも同様な支援が必要であると考えますが、市としてどのように考えるか見解を伺います。
山中市長:病院以外の医療機関も支援するべきとのことですが、県内の医療機関等への支援の継続については、県におきまして現在、検討中であると聞いております。本市としては、安定した医療提供体制を維持するために、相対的に物価高騰の影響が大きい入院診療を行う病院に対して、独自の支援が必要であると判断いたしました。

コロナ第9派をこれ以上広げないよう市として思い切った感染予防啓発を

大和田議員:二つ目に、現在、神奈川県の新型コロナ・モニタリング調査において、定点当たりの新規感染者数は第8波に匹敵するほど急増しています。医療機関は4年間ずっとコロナと闘い続けてきました。多くの医療従事者は、もともと少ない人員体制のなかで、休むことができず、大人数の会食はしない、旅行に行かない、県外には出ないなどの制限の中で今も働いており、現場は疲弊しています。この現場の状況に思いをはせてほしいと思います。せめて横浜市として、コロナ第9波をこれ以上広げないよう、市民への感染拡大予防の思い切った啓発を行うことが求められています。市としてどのように考えるのか、見解を伺います。
山中市長:新型コロナ感染拡大予防の啓発についてですが、現在も基本的な感染対策や抗原検査キット及び解熱鎮痛薬の備蓄、医療機関受診時の注意点等につきまして感染状況も踏まえながらSNS、ホームページ、広報よこはま等様々な媒体で広く周知を行っております。引き続き、分かりやすい情報提供に努めてまいります。

経営ひっ迫している医療機関への財政支援を

大和田議員:三つ目に、2類から5類に引き下げられたことで医療機関への様々な支援が打ち切られています。多くの医療機関で経営状況が著しく悪化しています。このままでは倒産してしまうところが出るのではないか危惧されます。やはり、物価高騰対策にとどまらない医療機関を支える抜本的な財政支援が必要と考えますが、見解を伺います。
山中市長:医療機関への抜本的な財政支援をするべきとのことですが、公的価格を適用する医療機関等への財政措置については、基本的に診療報酬制度等で対応すべきであると考えております。本市としても、診療報酬の改定にあたっては、物価高騰の影響などを反映するよう、国に要望を行っております。

旧上瀬谷通信跡地の公園整備費用は全額国に求めよ

大和田議員:次に、市第34号議案 都市公園を設置すべき区域の決定についてです。
旧米軍上瀬谷通信施設跡地において、面積65haの都市公園を設置する区域を決定するものです。当該区域の公園整備は、国の交付金の対象事業となり、この秋にも基盤整備の工事が始まる予定です。2027年3月から半年間、国際園芸博覧会の会場となり、開催後は、公園として整備され、2028年度に部分供用、そして今から20年後の2043年度に全面共用の予定とされています。当初45㌶だったものが20㌶増えたことは良かったと考えています。
問題は巨額な事業費についてです。公共事業評価の事前評価調書においては、用地費200億円、整備費355億円、総事業費555億円とされ、そのうち、市費負担は383億円にも上ります。市費負担のうちの用地費133億円については、国から買い取ることを想定した金額となっています。
しかし、当該区域は、返還された米軍基地跡地全体の国有地分を区画整理で集約したものです。国策として、70年以上も、市民と本市が利用を制限されてきたのですから、国が責任をもって市民が利用できるよう整備することが当然です。本市に費用負担が発生することは納得できません。
また、国際園芸博覧会は国家プロジェクトであり、国が全面的に責任をもって事業を進めるべきです。国に対して、公園整備費用全額を負担するよう求めることが必要だと考えますが、見解を伺います。
山中市長:市第34号議案についてご質問をいただきました。国が全面的に責任を持って進めるべき事業であり、国に対して、公園整備費全額を負担するよう求めていくべきとのことですが、本公園整備は、本市が策定した旧上瀬谷通信施設土地利用基本計画に基づきまして、都市公園事業として実施するものであります。この事業を活用し、市が整備する公園を基盤としてグリーンエキスポ2027を開催します。なお、公園整備に当たりましては、最大限国費の導入を進めてまいります。

財政負担になっているMICE 施設の増設はあり得ない

大和田議員:最後に、市第39号議案「MICE施設整備事業に伴うみなとみらいコンベンション施設整備事業契約の変更」は、2020年に開業したMICE施設パシフィコ横浜ノースへの本市が事業者に支払う維持管理について、物価上昇分を増額するものです。
本市はこれまで、開業30年を過ぎたパシフィコ横浜への財政支援として、建設当時から建設費等に市費ベースで約140億円の補助、また、土地貸付の減額、資金の貸し付け160億円など、巨額の市費を投入してきました。
横浜市は、パシフィコ横浜だけでは需要に応えきれていない、稼働率が限界だとして、MICE施設ノースを増設しました。
日本共産党市議団はパシフィコ横浜の国際会議の開催状況からみると、新たな増設は必要ないと主張してきました。
ノースの開業時期は、コロナ禍のさなかであり、想定していた国際会議等が完全に戻るのは3年程度かかるとして、本市から新たな財政支援が行われました。
具体的には、運営権対価の分割支払いを繰り延べする、本市貸付金の繰り上げ返済を取りやめる、土地貸付料を据え置く、金融機関からの運転資金の借り入れに本市が損失補償する、などです。これらが、本市財政を圧迫しました。今後も厳しさが続くことが予測されます。
MICE施設ノースの増設によって、さらなる財政負担となっていることから、これ以上の、MICE施設の増設はあり得ないと考えますが、見解を伺います。
山中市長:市第39号議案についてご質問をいただきました。MICE施設を増設するべきではないとのことですが、本市の代表的なMICE施設パシフィコ横浜は年間を通じて稼働率が高く、会議やイベント開催の機会を多数損失していたことから新たにパシフィコ横浜ノースを整備して、令和2年に開業をいたしました。開業時からコロナ禍の影響を受けてきたこともありますので、まずはノースを含めたパシフィコ横浜の利用状況を注視してまいります。以上、大和田議員のご質問にご答弁を申し上げました。


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