発行物
2015年7月29日

「こんにちは横浜市議団です」7.29号

「市民が利用しやすい文化体育館に 横浜文化体育館再整備、PFI事業で検討中、問題多い事業手法

「こんにちは横浜市議団です」2015.7.29号横浜市は、横浜文化体育館再整備事業を進めています。老朽化した現横浜文化体育館(築53年)の敷地と、旧横浜総合高校跡地(2013年に南区に移転)を一体化して再整備するというものです。総事業費は約180億円程度を見込んでいます。
 計画ではまず、旧横浜総合高校跡地にサブアリーナを建設し、現文化体育館の市民スポーツ等利用の拠点的機能を移すとともに、武道館機能を確保。2020年供用開始予定です。次いで、現文化体育館を解体し建替え、国際的なスポーツ大会やコンサートなどの興行利用にも対応できる規模・機能を確保します。2023年供用開始予定です。
 入場料利益を得るための興行を行う施設には、国庫補助金・交付金を受けることができません。

市が関与できず、事業者まかせのPFI事業
 横浜市は、事業手法として民間事業、PFI事業、公共発注を比較検討し、「長期に渡る地域の活性化、事業者の参画が期待できる」としてPFI事業を基本に、検討を進めることを決めました。
 PFI事業者は、投下した資本を回収するために、使用料が多く徴収できる公演・イベントの開催に力を入れます。運営が営利に偏り、市民が参加するスポーツや文化行事が後景に追いやられることが危惧されます。
 また、市民利用施設にも拘わらず、管理運営に対して、横浜市が関与することはほとんどできず、事業者まかせとなります。

*民間事業:市が民間事業者に土地を賃貸し、民間事業者が設置・運営。
PFI事業:市がPFI事業を行う特別目的会社と契約を結び、特別目的会社が設置・運営。
公共発注:市が設置、指定管理者に管理委託。

市民意見はわずか5件
 市は今年2月、この事業についての市民意見を募集しましたが、寄せられたのはわずか5件のみでした。募集方法に問題はなかったのでしょうか。年間40万人前後が利用する文化体育館の再整備事業については、利用団体はじめ、もっと広く市民の意見を聞く努力をすべきです。

市民が利用できなくなることも?
 事業計画では、アリーナの観覧席は固定席が2,500~3,000席程度、可動席が2,000席程度です。これだけの席を有する施設の使用料金は、当然高くならざるを得ません。現在の利用条件は「100名以上の大会開催等の団体利用」ですが、条件が変わり、市民が気軽に利用できなくなることが懸念されます。  なお、サブアリーナの観覧席は固定席が500~1,000席程度、可動席が1,000~1,500席程度です。  一方、文化体育館に併設され、5つの会議室がある平沼記念レストハウスは、現在、年間5万人前後が利用しています。しかし、検討資料には会議室の設置については触れられていません。また、配置例(上記)にある2か所の民間施設についての具体的記述もありません。

◇週刊ニュース「こんにちは横浜市議団です」は、原則として毎週水曜日発行です。PDF版は下記からダウンロードして、ご自由にお使いいただけます。なお、ご使用の場合には市議団までご一報いただけると幸いです。
「こんにちは横浜市議団です」2015.7.29号(PDF版)


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