議会での質問・討論(詳細)

2018年12月19日

■反対討論(宇佐美 さやか)

教員の長時間労働の解消に背を向ける教育計画は認められない

宇佐美議員:日本共産党の宇佐美さやかです。党を代表し討論を行います。
まず、市第59号議案 第3期横浜市教育振興基本計画の策定についてです。

「学校がブラック職場になっている」今、教職員の長時間労働は社会問題となっています。その是正は、労働条件の改善として緊急であり、子どもの教育条件としても放置できない国民的課題です。この点について教育振興基本計画は、今年3月に策定された「横浜市立学校教職員の働き方改革プラン」に基づき、スピード感をもって、改革を推進していくことが重要と記しています。

そして、基本計画は、教職員一人当たりの担う業務量削減を進めるとして①小学校高学年における一部教科分担制の導入②職員室業務アシスタントの配置の拡充③部活動指導員の配置④スクールソーシャルワーカー(SSW)の配置拡充に取り組むとしています。多忙化解消の決め手となる教員定数の拡大については言及がありません。「横浜市立学校教職員の働き方改革プラン」では、この4点以外に「市費移管後の教職員配置の工夫」と「特別支援教育支援員の配置の拡充」が記載されています。あろうことか、教職員増に関わる記載が教育振興基本計画では削除されています。このような計画には賛同できません。

6日に行われた議案関連質疑で鯉渕教育長は、教職員の長時間労働の実態について「教職員の勤務実態は看過できない状況であり、早急に解決しなければならない喫緊の課題」との認識を示され、さらに、現状の受け持ち授業数では所定時間では必要な業務が終了しないことも認められました。にもかかわらず、教職員の定数は授業時間数ではなく、学級数をもとに法律で標準が定められており、標準を超える配置を行うことは人件費の財源確保などに課題がある、教職員を増員するための財源確保は、原則として国の責務だと答弁され、市独自の増員要求については門前払いです。

教育長が云う法律は、義務教育標準法のことです。同法の制定にかかわった文科省財務課長補佐は、教員数を定める基準として授業数を一週24時限とした、1日平均4時限を正規の教科指数にあて、残り4時間をその準備等にあてるという考え方であったと『学校経営』という冊子で語っています。法成立時は「一教員は1日4コマ」の授業が基準だったのです。5コマ、6コマに増やしたのが文科省です。この教育長の態度は、国の責任を不問に付すだけでなく、国任せであり横浜市として教職員の長時間労働の解決は遠のくばかりで納得がいきません。

消費増税反対の世論が高まる中、市が率先して増税の準備を行うべきではない

次は、市第62号はじめ消費税率引き上げに伴う料金改定関連議案14件についてです。2019年10月からの消費税率の引き上げによって、発生する事務手数料等の改正について、6日の議案関連質疑の際、林市長は「今後ますます少子高齢化が進む中で福祉保健医療サービスに対するニーズが増大するとともに、子育て世帯や教育にかかる費用への支援が求められている」として「消費税率の引上げは必要」と答弁されました。

しかし、5%から8%への引上げ時、安倍首相は「3%分は社会保障のため」と言いましたが、社会保障に使われたのは僅か1%です。1989年の消費税導入時から2018年度までの消費税収は累計372兆円です。89年度以降の法人3税の税率引き下げによる減収額は累計291兆円となっており、ほとんどが法人減税の穴埋めに使われたのが実態です。

市民生活から云えば、家計消費は低迷し、深刻な消費不況が続いています。実質賃金は下がり続け、年金受給額は減らされ、金融資産を持たない世帯が全世帯の3割を超えるなどの格差と貧困は拡大しています。

 消費税率の引き上げに対して、映画監督の山田洋次さんや作家の室井佑月さん、大学院教授の浜矩子さんなど、著名人、有名人が呼びかけ人となり『10月消費税10%ストップ!ネットワーク』が結成され、全国各地で「増税反対」の声が沸き起こっています。

来年の参議院議員選挙での結果次第で、税率引き上げを断念させることができる可能性もあります。このように増税に対する市民のみなさんの強い抵抗がある中、あたかも消費税増税が既定路線であるかのように市が率先して今回の条例提案を行うのは、まるで国の下請け機関・広報機関のようです。住民自治と団体自治という地方自治の本旨からの逸脱であり、問題があると思います。

異常な子安小の移転に伴う土地取得は認められない

次に、補正予算の子安小学校の土地取得費についてです。神奈川区の子安小学校は、近隣の大型マンションの建設ラッシュによって児童数が増え続け、学校のグラウンドにプレハブの校舎を建てて対応していましたが、今後も増え続けることが予測されるため、現在の場所に移転して、新築工事をすることになり今年4月から新校舎で子どもたちは学んでいます。

問題は、三菱地所レジデンスが、この現校舎の土地約15,286㎡と旧校舎の土地11,418㎡との等価交換を一方的にゆがめて、JR新子安駅前で、マンションを建てるには最高の立地である元の子安小の南側約7,424㎡のみと他の土地を合わせての交換としたことです。これにより旧校舎北側の3,994㎡は、残されることになりました。本来であれば、教育委員会は、交換する際に全ての土地と交換するべきでした。しかし、物件として駅近くの付加価値が高い方だけを三菱は交換対象にしたのです。

憲法第29条は「私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用いることができる」としています。土地価格について本市の財産評価審議会の答申額に近い評価額を算出した不動産鑑定士は、駅近くの旧校舎全体の土地を約51億円と評価しています。そして新築移転した現校舎の土地評価額は、約60億円です。旧校舎の土地丸ごとと交換すれば市の持ち出しは約9億円で済むのではありませんか。今回の補正額は約26億円。横浜市が交渉下手なだけに、業者に言われるがまま17億円も多く支出することになります。

さらに、この4年間、現校舎の建設期間中を含め、この契約が成立するまでに年間3億円、計12億円も三菱に支払っています。先の17億円と合わせれば、29億円も無駄に支出することになるではありませんか。

地方自治法第2条の14では「地方公共団体は、その事務を処理するに当たっては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最小の経費で最大の効果をあげるようにしなければならない」と定めています。今回のこの土地交換の仕方は、憲法29条が謳う「正当な補償」とは到底言えません、さらに最小の経費で最大の効果という地方自治法二条の規定に反するものであり、認めることはできません。

市民の切実な声を受け止める市議会へ 請願の採択を

次に、請願第13号です。2016年の国民生活基礎調査で、日本の「こどもの貧困率」は13.9%とOECD諸国平均の13.2%をうわまわっています。特にひとり親世帯の貧困率は50.8%で、先進国の中でも最も深刻です。貧困と格差の広がりで保護者の所得が低い世帯ほど、子どもの学習熟度や進学希望も低いことが明らかになっているいまこそ、経済格差が学力にも大きな影響を与えることがないよう、社会の責任として主権者となる子どもたち一人ひとりにゆきとどいた教育を行うことが求められています。

請願は、項目の中には、少人数学級の拡大のためにも教職員を増やすことを求めています。この請願を不採択とすることは、横浜での教職員の多忙化解消の道も子どもたちへの教育の充実への道も塞ぐことになります。よって、この請願の不採択に反対します。

次は、請願第14号、市立小学校給食の直営存続等についてです。この請願内容は「安心で安全な給食のために必要な数の栄養士や調理員を配置してほしい」「給食は直営で、市が責任をもつようにしてほしい」ということや「市立学校の給食費を無償化してほしい」などの4項目ですが、どれも子をもつ保護者の願いであり、切実な要求で採択するべきです。

次は、請願第15号、横浜市でも中学校給食の実施を求めるものです。

まず、ハマ弁が、生徒に選ばれていないのは、生徒のニーズもお腹も満たしていないからで、事業実施から3年経った現在も2%ほどの喫食率しかないことからも明らかです。

中学校給食については、中期4か年計画の素案でも今回の教育振興基本計画素案でもパブリックコメントを受け付ければ必ず寄せられる要望です。中期4か年計画では、830通寄せられた意見から「中学校給食を実施してほしい」が309件もありました。そして、今回の請願と同趣旨の市長への陳情は48,299人も賛同し、実施を切望しています。

日本共産党は、全員が食べる中学校給食をめざします。全ての生徒が出来たての温かい栄養バランスのとれた昼食をとることができ、笑顔で会話する時間が共有されます。みんなで同じ給食を食べることによって食教育がすすみます。そして、災害時には、調理室が食事提供に役立ちます。食材の地産地消や地元の雇用拡大にも貢献します。さらに、就学援助制度で給食費が無料となり、子どもの貧困解消に寄与します。生徒のみならず、保護者の負担軽減にも繋がります。

6日の本会議で「ハマ弁を給食に」と言われた会派のみなさん、給食実施への思いは一致しているのではありませんか?この請願には、「学校給食法に基づいた給食を」としかなく、実施方法の細かい記載はありません。本当に、中学校給食を望んでいるのでしたら、この趣旨に賛同するべきです。今からでも、お考え直して、採択していただきたいと思います。

最後に請願第16号です。保育・子育て支援策の拡充についての請願の内容は、1、児童福祉法第24条第1項の市町村の保育実施責任者を認可・無認可問わず全ての保育施設・事業の基本としてほしい。2、待機児童と保留児童を解消してほしい。3、兄弟児が同じ保育園に通えるようにしてほしい。4、保育所で働く職員が安心して働き続けられる賃金や労働環境にしてほしい。5、横浜市の保育士の配置基準を民間基準に引き上げてほしい。というものです。毎日、保育の現場で働くみなさんからの切実な要求です。このような当然の要求も不採択にされてしまうのは、とても残念でなりません。今からでも、採択していただければということを申し上げ、討論を終わります。

新着情報

過去記事一覧

PAGE TOP