申し入れ等

2019年11月7日

敬老パス、事業費の増額分は市費負担として制度維持を求める申し入れ

2019年11月7日

横浜市長 林 文子 様

横浜市敬老特別乗車証制度のあり方に関する

検討専門分科会会長  山﨑 泰彦 様

日本共産党市会議員団

団長 荒木 由美子

敬老特別乗車証制度(以下敬老パス)のあり方に関する検討専門分科会(以下検討会)は、これまで3回開かれました。党市議団は、検討会の設置にあたり、6月に6項目の申し入れを行いました。この間、市民アンケートの実施はあったものの、対象交通機関の拡大を検討テーマとすること、交付効果の定量的分析を行うこと、中間取りまとめを公表し市民意見を募集すること、インターネット中継を行うことなど、健康福祉局から検討会に対してどうするかの報告もされず、申し入れを全く意に介さない進め方となっていることは問題です。速やかに改善されるよう求めるものです。

敬老パスは、利用者・各交通事業者・横浜市の三者が負担を分かち合い支えている制度です。現行の三者負担は予算上ではバスで見ると運賃220円のところ、事業者への支払い単価は135円(うち利用者負担23円)です。そして月利用回数を15回と見込み事業費を算出、地下鉄、シーサイドラインを含めると、年間、利用者が20億円、市が100億円、合計120億円の事業費(2019年度予算)となっています。交通事業者も応分の負担をするとした協力があってこそ成り立ち、維持存続されてきた制度です。交通事業者の公共交通を担うあるべき姿として大いに評価されています。制度のあり方検討と見直しにあたっては、この基本的枠組みに手をつける理由は見当たりません。

3回目の検討会で、三者負担の考え方として12パターンの具体的な試算案が示されました。6パターンは、利用者負担は現行のままです。残り6パターンは、事業費の増額分を市と利用者負担で折半し、その結果利用者負担(現行の平均利用者負担4886円)は、倍加から5倍化(9215円~24446円)となっています。2018年度の利用者の内、世帯全員非課税と本人非課税世帯という厳しい家計状況の方が半数以上を占め、今後減るばかりの年金収入で、その上に新たに消費税の増税、社会保障の全面的改悪の企て、敬老パスにこれ以上の値上げを強いれば、交付率が下がることが確実です。利用者へ負担増は制度の根幹を脅かすことが憂慮され、回避しなければなりません。

健康福祉局は制度の役割と期待される効果として、社会参加支援によりまちの活性化、買い物など消費経済効果、通院等による介護予防効果と健康増進、介護費用の節減、医療費の節減、移動にかかる経済支援、趣味・娯楽などの生きがい支援、引きこもりの抑止、仲間づくり、公共交通機関の利用促進、高齢者の交通安全、道路渋滞回避、環境保全(エコ効果)などを上げています。これだけの効果が現実に上がっているのは、ひとえに、横浜市の事業に交通事業者が協力しているからです。今後も、引き続き公共交通を担う事業者の協力を得て、実態に見合った三者の協力でやっていくべきと考えます。

現行の事業費120億円の内、市が負担する100億円は、本市の一般財源の1%にあたります。名古屋市は、一般財源の約2%にあたる133億円を市費で負担しています。横浜市と名古屋市とでは敬老パスの導入経緯に違いがあっても、市費負担率からみれば名古屋市は横浜市の2倍です。横浜市も名古屋市並に一般財源の2%とすれば、200億円となります。ここまでは財政上許容できるものです。

12パターンのうち⑥は、利用者負担は増やさず、バス単価135円、利用回数20回で市費負担は2021年の150億円、2031年は160億円。③は、利用者負担は増やさず、バス単価135円、利用回数25回で市費負担は2021年186億円、2031年197億円です。利用回数20回でも25回でも市費負担は200億円を超えることはありません。見直しの選択肢として十分検討に値するパターンです。

見直しにあたっては、基準とする利用回数は、事業者の協力を引き続き得るために、今秋更新時に行った利用者アンケートの結果を踏まえ、実態に近づけることが必要です。単価についてはこれまでの135円を据え置く方向で事業者との納得を得る努力を求めるものです。

実態に見合う利用回数に見直した結果として増える額へ市費を充てるにあたっては、市民合意が必要となります。高齢者だけが感じる効果でなく、経済効果など全市的に表れる効果が数値化されれば、市費負担の合理性、妥当性が示され、市民合意につながります。

次回、11月14日の第4回で、市民アンケート結果、利用者アンケート結果が示され、11月下旬の第5回には答申案が出され、12月の第6回で答申とする予定としていますが、交付効果の定量化調査も答申案の市民意見募集もないままの答申では、検討会の議論に関心を寄せている多くの高齢者や市民の理解は得られません。

以上の点を踏まえ、次の対応策を申し入れます。

1 交通事業者に引き続き協力を求めつつ、利用回数を実態に近づけるために必要となる事業費の増額分は市費負担とすること。

2 答申をまとめる時期を少なくとも数か月は延ばし、その間に、交付効果の定量化調査を実施し、調査結果を踏まえた答申案とすること。

3 最終答申は、答申案についての市民意見を募集したうえで、まとめること。

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