議会での質問・討論(詳細)

2019年12月19日

■反対討論(みわ智恵美)

貧困ビジネスを公認する条例制定は認められない

みわ議員:みわ智恵美です。日本共産党を代表し、4件の議案と、5件の請願の不採択に反対する立場から討論を行います。

最初に、市第79号議案 「横浜市無料低額宿泊所の設備及び運営の基準に関する条例の制定」についてです。今回の条例化は、生活保護利用者を入居させ、不当に高い料金を保護費から徴収する、いわゆる貧困ビジネスになっている現状の無料低額宿泊所を公認するものです。利用者の処遇に対する認識について、市長は、狭く窓もない、天井まで届いていない間仕切りでプライバシーもない、ふろなし、食堂なしで暮らす劣悪な環境に押し込められている市民に寄り添う姿勢は一切感じられませんでした。

そして、市は独自のガイドラインで事業者を指導してきたなどとし、一時的な居所ということで、生活保護ワーカーが支援しているとしました。しかし、現実的に何年もこの場所で生活保護利用者が暮らし続けており、当該の宿所を出た後の住居の確保と一緒に推進しなければ、自立に向けた具体的な支援とはなりえません。国の法改正でも生活保護の住宅扶助基準面積が15平方メートル以上であるのに対し、無料低額宿泊所は7・43平方メートルで良いとしています。法改正は劣悪な環境にある現状を肯定するものであり、条例制定はその状況を追認するものでしかなく認められません。

卸売市場の解体につながる条例改正は認められない

みわ議員:次は、市第80号議案横浜市中央卸売市場業務条例の全部改正についてです。

国の卸売市場法改定にあたって、卸売市場の公的役割を後退させるものとの批判を行い、日本共産党、国民民主党、立憲民主党、希望の会(自由・社民)などは反対しました。中央卸売市場は、その市場の仲卸売り業者が、売買参加者以外の第三者への販売を行うことは、適正な価格形成機能が失われるなどの理由で禁止されています。法改正は、その規制を取り払うことを可能にしました。

しかし、法はいわゆる「出来る」規定であり、各自治体が決めた「卸売市場条例」を変えなければならないという義務はありません。京都市では、公的市場を守る視点から、第三者取引と仲卸業者が卸売り業者以外から買い入れ販売する直荷引き(じかにびき)の原則禁止を維持しました。

横浜市の条例案では、第三者販売の原則禁止の解除は、届け出さえすればよいことになっています。小売り業者からは「第三者販売が認められれば、大手が良いものを買占め、入手できるものは残りもの」との指摘がされています。

さらに、この規制緩和によって、セリ取引が例外取引になり、適正な価格形成に役割を果たしている仲卸が取引から排除され、価格形成機能が失われます。それによって、大手流通資本が物を買占め、優越的な地位を利用して、生産者には仕入れ価格の値下げを要求し、価格決定権を握ることも可能になります。この規制緩和は、生産者や消費者、商店や飲食店などの小規模事業者にとっていいことは何もありません。

さらに条例では、商物一致原則の禁止の緩和で、市場に物がなくても、取引を行うことができるものとしており、帳面だけの売買です。品質を判断し値段をつけるためには商物一致なしには考えられません。

公正な取引によって生産、加工、販売、消費までをつなぎ、適正な価格形成の拠点としての機能を有し、地域経済に貢献する本市卸売市場を発展させるという地方自治の立場に立ち、市は、第三者販売の禁止、商物一致などを含む現行の業務条例をまもり、社会的な価格の仕組みを担保すべきです。条例全部改正は認められません。

必要のない市営住宅の保証金値上げはするな

みわ議員:市第86号議案 横浜市営住宅条例の一部改正については、入居時の連帯保証人に関する規定の削除は当然ですが、そのことをもって、保証金を家賃2か月分から3か月分に引き上げることは、低所得の方への住宅供給を目的としている横浜市営住宅として、あってはならないことです。

先日、市営住宅に申し込まれたという67歳の男性は、92歳で介護度4のお母さんと一緒の入居希望だということでした。二人の年金とアルバイトで何とか暮らしてきたが、母親の介護や入院の費用で貯金を使い果たし、市営住宅に申しこんだが、3か月の保証金になったらお金を準備できるか心配。何としても4月までに入居できるよう今回当選したいと話されました。所得の低い家庭で、家賃1か月分が増えても大した負担ではないと市長はお考えでしょうか。政令市では、新潟市や岡山市では、保証金制度がありません。

今回の保証金の値上げは、住宅困窮者に市営住宅への入居申し込みさえ躊躇させてしまいます。保証金の値上げを含む今回の条例改正は、到底認めることはができません。

市民の財産をやすやすと売りわたすな

みわ議員:市第89号議案は、緑区十日市場町所在市有土地の処分で、市営住宅の建て替えは駅から遠い位置に集積して行ったことで生まれた余剰地である十日市場駅から徒歩4分の好立地を、マンション建設を行う民間デベロッパーに売却するものです。「子育て世帯が暮らし続けられる住環境の提供」など3つのテーマと6つのコンセプトの反映と、建築物のエネルギー性能の向上など条件付き売却ですが、そのための子育て支援施設と地域交流施設の整備は、全体延べ床面積のわずか3.4%でしかありません。これをもって減価率15%の値引きは、行き過ぎた開発事業者優遇による不当な安値である平米単価15万円での売却で、市民の財産の喪失にあたるものです。この度横浜市が行った神奈川県への要望に、「特別養護老人ホームの新規整備を推進しているが、特養ホームの整備には広い土地が必要で、広い土地の確保が困難な本市において」と述べています。十日市場の市有地があるではありませんか。

今後、野庭団地、洋光台団地など他の市営住宅も大規模再生が予定されています。住宅の高層化で生じた余剰地は市民の財産です。市民のために使うべきです。今後このような市有土地余剰が出た時に、民間デベロッパーにやすやすと市民の財産を売り渡すことの無いよう、二元代表制の下、わたくしたち議会は市民の立場からのチェック機関の役割を果たすべきです。

中学校給食の実現を 市長はまともな答弁を

みわ議員:請願第23号「横浜市立中学校における給食の実施について」です。この請願は、学校給食法に基づいた中学校給食の実施を横浜市に求めるものです。

私たち日本共産党市会議員団は、全国各地の中学校給食を視察に行き、どこでも安全安心の美味しい給食をと努力をされていることを実感してきました。そして、市長や教育長が横浜で中学校給食を実施できない理由として挙げている『スペース・財源・不公平論』の3つは、理由にはならないことが、明らかとなりました。

私たちは、今議会の一般質問でもその調査で明らかとなったことも示しながら質問しましたが、市長と教育長の答弁は、「本市では、自校方式、親子方式、センター方式での実施は、コストやスペースの問題で困難と考え、ハマ弁を提供しています」とまるでハンコで押したように同じ言葉での答弁でした。市民・子どもたちへの誠意が全く感じられませんでした。市長は「子どもたちに給食を与えたくないということではありません」とも答えられています。そうであるならば、全国の自治体が給食として「最もふさわしいのは自校調理方式」としている立場から、一つでも前に向かって取り組むべきではないでしょうか。

ある自治体の教育委員会の方が「中学校給食を実施しての第一番は、昼食を食べられない子がいなくなったことです」との言葉に、横浜の中学校で昼食を食べてない生徒の姿が浮かび、胸が痛くなりました。国は、「子どもの貧困対策の推進に関する法律」の改正に伴い子どもの貧困対策大綱を見直し、教育支援の分野で、「学校給食を通じた子どもの食事・栄養状態の確保」を重点施策に掲げています。今こそ、「誰一人取り残すことがない社会に向けて」横浜でも学校給食法に則った給食を決断する時です。寄って、請願は採択するべきです。

小学給食の直営継続、少人数学級の拡大、子育て施策拡充の請願は採択すべき

みわ議員:請願第24号「横浜市立小学校給食の直営存続等について」は、安全で安心な給食をつくるために必要な数の栄養士や調理員を配置することなどを求めています。正規の調理員は給食内容の向上を目指す努力を重ねる教育労働者であり、子どもたちの健全な心身の発達を促せるよう、学校給食のさらなる充実と発展をためとしている請願は採択するべきです。

請願第25号「市予算による少人数学級の拡大等について」横浜の先生方の働き方は今でさえ、過労死寸前です。国が進めようとしている、変形労働時間制の導入など言語道断です。「過労死が増える」「教員を続けられなくなる」という現場からの声を踏みにじって、国は法律を強行しました。

様々な状況のこどもたちにしっかりと向き合える時間を教師に保障することが、横浜のこどもたちの成長や発達を保障するみちであり、意欲ある教師たちを過労死や精神疾患に追い込まない道です。横浜市の中学校における学級の55%が一クラスの人数36人以上、小学校では55%が31人以上です。そのために横浜市が行うべきは、多くの困難な中で頑張る先生方を励まし、命を守るためにも少人数学級を実現するために教員を増やすことですから、この請願は採択するべきです。

次は、請願第26号「保育子育て支援施策の拡充について」です。横浜の保育・子育て支援施策の充実のためには、どの子も等しく豊かな保育が受けられるよう、認可外施設の認可移行や、施設環境充実のための予算増額を求めるものです。もっともな要望であり、採択するべきです。

ギャンブルに依存する横浜市にしてはいけない

みわ議員:次は、請願第27号「カジノ誘致の反対について」です。

横浜へのカジノ誘致は人の不幸で市の財政の潤う道を選択しようとするもので、ギャンブル依存症を生み出し、多くの家庭を不幸に落とし込み、社会的経済的損失を拡大するものです。住民の福祉の向上に働く自治体として、決して選んではならない道です。市長は市民説明会で、「横浜は魅力がない」ので、何度も来ていただけるものとして、IR(統合型リゾート)が必要なのだと力説されました。そして、「IRはカジノだとおっしゃるが、カジノは3%」であると強調されました。横浜市が6月に明らかにした事業者からの情報提供の内容から計算してみると、カジノの広さは、横浜スタジアムの球場全体の面積が26,200平米ですから、横浜スタジアム全体もしくはその2倍の広大な賭博場となることが分かります。

現在横浜市は横浜市とIR区域の整備を実施する意思を有する民間事業者からの具体的な事業全体の基本的な考え方の提案を求めています。そこには、7社が手をあげていますが、一切名前は明らかにされていません。参加資格要件は、海外において、「MICE施設、ホテル、エンターテイメント施設、商業施設、カジノ施設」の全ての施設を含む統合型リゾートを開発及び運営した実績を有するものとなっています。そこで、最も利益を上げる、「カジノ施設」への入場者数、カジノでの売り上げを明示することは求めていません。

また、「有害な影響の排除を適切に行うため」どれだけの費用が必要であるのかも求めていません。さらに、自治体として重要な懸案事項であるはずの、有害な影響による、社会的損失・経済的損失についても全く求めていないのです。さらに、参加する事業所が「経営不振の状況」や暴力団などの係るものではないことなどは、自己申告であって、一切の調査は行わないというのです。市民の財産である、港のど真ん中にある山下ふ頭の開発を託していいのでしょうか。

先日、長年にわたってギャンブル依存症の患者さんと向き合ってきた精神科医のお話を伺いました。パチンコは国家公安委員会、競馬は農水省、競輪は経済産業省、スポーツくじは文科省と日本は国上げてのギャンブル依存国家になっていて、どこもかしこも省庁の天下り機関になっている。この上内閣府所管のギャンブルを持とうといいうとんでもない事態であると嘆いておられました。ギャンブル依存症を治すことはできない。一度沢庵状態となった脳みそは二度と大根には戻らないのですと。一生二度とギャンブルに近づかない努力を続けるしかないというのです。市長は、市民説明会で横浜市にカジノIRをつくるのは「リピートする決定的コンテンツが無い」ので、作るのだと言われました。繰り返し、リピーターとして賭博場に足を運んでほしいということで、まさにギャンブル依存症を作り出すことの宣言だと思いました。

横浜がギャンブル依存症を生み出しながら、カジノ依存の自治体になってはならないと、子どもたちの健全な育成を願う皆さんが願われるのはもっともです。 この請願は採択するべきです。以上述べまして、日本共産党市会議員団の討論とします。

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