議会での質問・討論(詳細)
2018年10月15日

■消防局(みわ智恵美)

◆みわ委員 日本共産党のみわ智恵美です。党を代表し、消防局に対する質問を行います。
 委員長、スライドの許可をお願いします。
○小粥委員長 許可いたします。
◆みわ委員 まず最初に、横浜市の消防官採用試験の倍率を教えてください。
◎松原副局長兼総務部長 平成29年度の採用となった職員について御説明いたします。平成28年度試験の倍率は、消防一般区分がございまして、こちらで大卒程度で約10.3倍、また高卒程度では約8.0倍となっております。
◆みわ委員 大変高倍率の難関の職種です。(資料を表示)こちらのスライドをごらんください。救急救命士のバッチをつけることができるのは国家試験に合格した方ですが、この資格試験を受験できる消防官に求められる経験を示してください。
◎高坂消防局長 まず、救急救命士の国家試験の受験資格者は、救急救命士法で規定されております、救急業務に関する250時間以上の講習の課程を修了する、5年または2000時間以上の救急業務に従事した者、救急救命士養成所において6カ月以上の課程を修了した者と定められております。
◆みわ委員 現場で24時間勤務で市民の安全安心に全力で取り組む消防救急隊員が経験を積んで、さらに国家試験を受けて合格し、救急救命士の任務についております。本当に頭が下がります。さて、最前線で頑張る職員の執務環境の現状を見ると、本当にこれでいいのか疑問符だらけです。これまでにも日本共産党市議団といたしまして、消防署所の環境改善を求めてまいりました。改善されている点もありますが、先日、港南区の出張所に伺って現状を見て、一刻も早く改善に取り組んでいくべき課題の一つと実感いたしました。
 こちらのスライドをごらんください。狭い居室内に二段ベッドです。こちらとこちらは畳の寝台がカーテンで仕切られています。これはパーテーションで仕切られています。何とか個室感覚になっておりますが、老朽化で雨漏りがあり、天井裏でバケツで雨水を受けて、500ミリくらいたまったら捨てると伺いました。こちらは先ほどの二段ベッドの部屋の床で、こちらはその出張所の2階の明かり取りの天窓です。ガムテープで修繕してあります。築42年そのままというのは問題です。こちらはその出張所の二口蛇口、左の蛇口からは44度の湯が出ます。こちらは築41年の出張所。蛇口が昨年やっと1本になりました。冬場も安心して顔が洗えるようになりました。2階に寝室が配置されていますが、トイレがないところもあります。
 まず、消防署所の居室環境の改善について見解を伺います。
◎高坂消防局長 特に24時間勤務する職員にとりましても、執務環境の改善というのは非常に重要なことと考えております。さまざま職員の意見を聞きながら、改善に取り組んでいきたいと考えています。
◆みわ委員 よろしくお願いします。皆さんの声をよく聞いて、蛇口の1本化など、すぐできるものは具体的に改善を求めます。
 次に、消防救急の隊員にとって体力づくり。これは任務の一つと伺っております。どのような取り組みがされているのでしょうか。
◎佐藤消防訓練センター所長 横浜市消防職員の体力管理に関する規定では、当直勤務を行う職員は毎当直日におおむね30分、毎日勤務職員は1週間を通じておおむね60分を目安にトレーニングを行うこととしています。また、内容につきましては、マニュアルを定めまして、職員が個々の体力状況に応じて、持久力や筋力などの維持向上を図るトレーニングを行っているところでございます。
◆みわ委員 スライドをごらんください。これはベンチプレス。訓練室の中に工夫して置かれております。こちらは築41年の厨房。24時間勤務ですから、ここで朝昼晩と3食を隊員が交代で調理しています。こちらもベンチプレス。査察台帳のファイルが置かれている棚の前に置かれています。
 任務の一つである、プログラムもつくられている体力づくりに、余りに環境がお粗末ではないでしょうか、見解を伺います。
◎高坂消防局長 スペースの問題がありまして、改善に取り組みたいという考えはあるのですけれども、各署所に応じて職員が工夫をしながらやっている状況というのは認識しております。
◆みわ委員 消防隊員は24時間、署内で待機し、外をランニングするなどはできません。ランニングマシンなどの機器を備えてはいかがでしょうか。
◎高坂消防局長 先ほどもちょっとお話ししましたけれども、スペースが限られております。体育館の中で我々がよくやるのが縄跳びとか、あといろいろな種目をあわせてサーキットのトレーニングは持久力を養うためにもやっています。それから、筋力を行うものについても、さまざま工夫しながら対応しております。ですから、スペースが今非常に問題ということも認識しておりますので、そのランニングマシンの設置については現在のところは考えておりません。
◆みわ委員 ぜひ設置していただきたいと思います。また、厨房の環境も改善すべきと考えます。栄養のバランスや献立など栄養士の指導が必要だと思いますが、現在配置されていないのはなぜでしょうか。
◎高坂消防局長 現在、消防局では保健師を2人、人事課に配置しております。その健康指導の中で栄養指導とかも含めてやっておりまして、相談に応じること、それからあと健康情報ということで、機会を捉えて、消防署の中でインターネットの環境の中で見られるようなことで現在対応している状況です。
◆みわ委員 タニタ食堂とまでは言いませんが、ぜひとも栄養士の配置を考えるべきだと思います。
 次に、救急資器材の保管についてですが、本来どのように保管されるべきでしょうか。
◎高坂消防局長 まず、平成3年に救急救命士法が制定されまして救急業務の高度化に取り組んでまいりました。その中で資器材がかなりふえてきたという状況もございます。その前にできた庁舎についても、資器材は救急隊があるところは保管しなければいけないという現状がございます。そういう限られたスペースの中で工夫しながら対応しているというのが現状でございます。
◆みわ委員 衛生環境はどのように保管したらいいのでしょうか。
◎高坂消防局長 ほこりをかぶってはいけない資器材については、段ボールに入れて保管するとか、それから、必要なものは保管庫に鍵をかけて保管するとか、そういうような保管でやっております。
◆みわ委員 こちらのスライドとこちらのスライド。救急資器材が訓練室の片隅に置かれております。こちらは防災訓練などを行うときの器材が、バケツやシャベル、竹ぼうきと一緒になっております。これらの救急資器材の保管状況となっていることに対しての見解を伺います。
◎高坂消防局長 救急資器材については、消防署の状況がいろいろございまして、今スライドにもあるとおり訓練室に器材を保管している場合もございます。あと専用の倉庫があるところにも保管しています。そういうところで適正に保管していかなければならないと思っています。先ほどもお話ししましたけれども、ほこりがかぶらないような措置とか、あとは整理整頓をしながら保管していくということにしております。
◆みわ委員 これらは現場の責任ではないと思います。住民の安全安心を確保するためにも、保管庫の設置などを局が責任を持って行うべきだと考えます。財政的な支援を署所に行い、改善できるようにするべきです。消防署所は一般の事業所や危険物の取り扱い事業所などへの査察の任務があります。こちらや、先ほどのこちらに、査察台帳の管理環境です。事務室に置く場所がなく、訓練室に書庫が設置されています。
 相当な数の事業所に対応している現状から見て、この状況に改善についての見解を伺いします。
◎高坂消防局長 防火対象物につきましては、新築に伴いまして、その都度査察台帳を作成しております。そういうような状況もありまして、限られたスペースの中で書棚を置いて、今工夫をしながら保管している状況です。さらに、機能的にうまく保管できるように、例えば町丁別に分けるとか、そういう工夫はさらに重ねていきたいと思っています。
◆みわ委員 事業所などがふえてきておりますので、そういう時代の要請に応えた374万市民の安全安心のかなめとして働く消防署の機能的な執務環境を実現するべきことを申し上げます。
 次に、昨年は火薬類取締法、ことしは高圧ガス保安法の事務権限が県から移譲されておりますが、これまでの取り組みについて伺います。
◎高坂消防局長 まず、円滑な事務開始に向けまして、高圧ガス保安法に係る要綱、それから審査基準の制定等を行いました。また、高圧ガスを取り扱う事業者に対しまして、神奈川県から本市に権限が移譲されることについて、周知、案内をしてまいりました。
◆みわ委員 職員の人材育成や、許認可の事務量への対応は具体的にどう対応されたのでしょうか。
◎高坂消防局長 まず、移譲に伴う事務量の増加への対応、それから適正な事務執行を行うために、専門的な知識、それから技術基準、検査手法などの習得が必要であると考えておりまして、このために、担当職員を経済産業省や関係団体等が主催する研修に参加させております。またさらに、これまで高圧ガス保安法の事務を行ってまいりました神奈川県に職員を派遣して、専門的な知識、技術の習得に努めております。
◆みわ委員 消防局の査察対象でもあります危険物の施設などもある、高圧ガスが多く取り扱われております市内の石油コンビナートの概要を御説明ください。
◎高坂消防局長 概要でございますけれども、面積的には市内の17.32平方キロメートルに及んでおります。特定事業所の数は31事業所ございまして、うち23事業者が京浜臨海地区、それから8事業所が根岸臨海地区にございます。本市にはその2つの地区がございます。貯蔵されている危険物の種類、あるいはガス、毒劇物、いろいろありますけれども、石油類としては合計で568万6522キロリットル、高圧ガスの処理量につきましては6億2778万6211ノルマル立方メートルとなっております。毒劇物につきましては、四アルキル鉛ですとか、塩素、臭素等が備蓄されております。屋外タンクにつきましては、合計で500キロリットル未満、あるいはそれ以上のタンクを含めまして、両地区合計で681基のタンクがあるという状況でございます。
◆みわ委員 非常に危険な地域であることがわかります。米軍施設もあります。こちらのスライドをごらんください。コンビナート地域における事務権限の分担を表にいたしました。高圧ガス保安法での事務権限が県から市へ移譲されたにもかかわらず、石油コンビナート内には消防局が対応する高圧ガスはありませんのでこのようになっておりますが、分担について説明を教えてください。
◎高坂消防局長 通常ですと、権限の分担については、ここに記載されているそれぞれ横浜市の部分、それから神奈川県の部分というようなことで区分けをされて、それぞれ現在事務を行っている状況です。
◆みわ委員 では、石油コンビナート地域での災害について、市と県はどのように役割を果たすようになっているのでしょうか。
◎高坂消防局長 県は神奈川県石油コンビナート等防災本部を運営し、現地本部を設置します。あわせて、本部員の招集と派遣を行うという役割がございます。本市につきましては、設置された現地本部において災害対応を主体的に行うという役割がございます。(「早く消防隊をつくろう」と呼ぶ者あり)
◆みわ委員 横浜市が現地での運営に当たるということで大変な責任があると思うのですが、災害時の防災体制の整備強化で重要なことは何でしょうか。
◎高坂消防局長 まずは、災害による被害を最小限にとどめるということが災害対応で非常に重要なもので、我々はそれを主眼として捉えております。このために、まず現場に到着した消防隊が事業所関係者からまずそこで起こっている状況を把握する。そこで危険物の種別、あるいは数量などの情報を収集して活動方針を決定することになります。あと状況に応じまして、区役所あるいは警察等関係機関と連携して、広域的な広報活動ですとか避難誘導を実施するという形になります。
◆みわ委員 その条件は整っているのかということが大変問題だと思うのですけれども、今お話しされた石油コンビナート地域、鶴見区や神奈川区、それから磯子区にこのように真っ赤になっているのは、これは危機管理室がつくった液状化マップ。真っ赤になっているということはどういうことなのでしょうか。
◎高坂消防局長 液状化が起こりやすい地域にあるというふうには認識しております。
◆みわ委員 液状化でどういう危険が発生するのでしょうか。
◎高坂消防局長 災害の状況にはよりますけれども、タンクがございます。国のほうも地震対策として昭和52年及び平成7年に消防法が改正されました。大量の危険物を貯蔵する屋外貯蔵タンクの液状化を含む安全対策について新たな規制がされまして、本市にある屋外タンク貯蔵所288基の全てにつきまして、法令改正された新たな基準に適合しております。
◆みわ委員 常時大量の危険物があって、それで、こういう地域の社会的条件はどんなふうに捉えていらっしゃるのでしょうか。
◎高坂消防局長 社会的条件は、横浜市の石油コンビナートの防災計画の中にもございます、周辺の都市化の状況ですとか、あとは人口の集積状況とか、いろいろさまざまな状況があると認識しております。
◆みわ委員 本当に住宅街にも迫ってたくさん建設されております。石油コンビナートの地域で一人の命も失わない、災害を出さない地域社会の実現という点から、住民と労働者の生命、身体、財産を守るために、特段の意識と取り組みが必要と考えます。市として国や企業に液状化対策は設備の安全への最大限の対策として求めるべきと考えますが、取り組みはどうなっているでしょうか。
◎高坂消防局長 先ほども申し上げましたとおり、タンクについては、基準に合わせるようなこともやっております。あとは災害対応の話になるのですけれども、我々はいろいろな施設の中で、火災が起こったり、漏えい事故が起こったりと、いろいろな状況が起こるということは想定しておりまして、事前に計画を立てて、どのような消防隊を投入するかというようなこともやっております。あと区域内には自衛消防隊もございますので、そういう機関と連携して災害対応に当たるということで、いろいろな対策は考えております。
◆みわ委員 災害時は初期対応が大変重要だと思うのですけれども、改めて被害想定をして、事業所や住民とともにその被害想定をした訓練が必要ではないかと思うのですが、いかがですか。
◎高坂消防局長 まさしく訓練は必要なものとして考えています。まず今、敷地内で起こったときにどういう対処をしたらいいか。まずは発災初期には自衛消防隊が活動します。その後に我々消防隊が現場に到着して、一緒に連携した活動をするということで、コンビナートの地区ごとに毎年訓練を行っております。
◆みわ委員 一旦事故が起きれば、いろいろ危険物の連鎖的な災害が想定されますし、放射性物質もある危険な地域です。安全に対する公的責任を明らかにして、県、それから横浜市、川崎市と一体となった石油コンビナート地域の定期点検とか、それから特別訓練は行われているのでしょうか。
◎高坂消防局長 特定事業所の訓練でございます合同訓練につきましては、消防隊との合同訓練は31回実施をしています。消防技術者の説明会という制度がありますので、その説明会に係る訓練が24回と、あと消防艇の着岸訓練等を5回、それから共同防災組織とか、海上保安庁と連携をしながら訓練を2回行っています。
◆みわ委員 そういう訓練を繰り返されていると思うのですけれども、本当にそこに公的責任を明らかにするということで、住民に周知し、住民の方々にも自覚していただくことも必要だと考えますが、周知についてはどのような取り組みとなっているのでしょうか。
◎高坂消防局長 まず、現場の災害の状況に応じまして、火災の警戒区域とか、消防警戒区域を設定しまして、住民の安全確保と災害の早期鎮圧を図るということ、それから現場の指揮本部は住民等に対して適切な現場広報ということで、ここら辺は警察機関とか、消防だけではなくて場合によっては区役所というふうなところでそういう広報、避難誘導をやっていくという形になります。
◆みわ委員 改めて住民の皆さんにこの危険性についてもしっかりと周知して、自覚をしていただくということが本当に大事だと思うのです。安全安心ということで、消防局としても、必要な資機材などもいろいろ見えてこられているのではないかと思います。人命被害ゼロに取り組んでいらっしゃる消防局の皆さんの努力を後押しするためにも、しっかりとこれからも応援していきたいと思います。
 スライドをごらんください。これは救急車がとまっております。15万キロを超えた車両が修理に入っておりまして、これに対応するために、20万キロ超えて走った非常車両が対応しているということです。大変過酷な走行を救急車も行っておりますし、災害への対応も求められております。
 整備指針の見直しは今非常に求められているのではないかと思いますが、見解を伺います。
◎高坂消防局長 整備指針につきましては、まず現行のもの、昭和24年3月に作成したものでございます。その後、国の指針の一部改正を受けまして、平成27年3月にまた一部改正を行いました。昨年から5年が経過しまして、平成29年3月に人口等の基礎データを更新して一部改正を行って、現在に至っております。今後も、救急需要の推移を見ながら、指針については見直しをする必要があると考えております。
◆みわ委員 消防の皆さんの活動量、そういうものに合わせて、改めて整備指針の見直しをするべきことを申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。


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