議会での質問・討論(詳細)
2018年10月15日

■資源循環局(かわじ民夫)

◆河治委員 河治民夫です。では、質問してまいります。
 まず、3R夢プランの基本的な考え方についてです。
 3R夢プランの基本目標では、2025年のごみと資源の総量を2009年度比10%削減し、114.7万トンにすること、ごみ焼却処理に伴い排出される温室効果ガス、CO2は、2009年度比50%以上削減し14.1万トンにするとしています。その基本的な考え方について伺います。
◎福山資源循環局長 3R夢プランでは、環境負荷の低減と資源の有効利用を図るため、3Rの中でも最も環境に優しい発生抑制の取り組みを推進することとしています。市民の皆様のライフスタイルや事業者の皆様のビジネススタイルに環境に優しい行動が定着していくことが必要だと考えております。
◆河治委員 基本理念にはそうしたこと、発生抑制の取り組みを進めると書いてあるのですけれども、私は、この3期推進計画(2018年~2021年)には発生抑制についての項目もなく、見える化もわからず、市民に対して本当に発生抑制ということを進めていくということが非常に弱いように感じるのですが、いかがでしょうか。
◎福山資源循環局長 これまで市民の皆様には詰めかえ容器の積極的な利用ですとか、マイバックやマイボトル、マイはしの持参、あるいは手つかず食品の削減、生ごみの水切り、剪定枝の乾燥など、発生抑制の取り組みを幅広く実践していただくよう啓発活動を行ってきまして、それがごみと資源の総量の削減に結びついていると思っています。また、事業者の皆様には食べきり協力店への参加などを呼びかけてきたところでございます。
◆河治委員 その発生抑制という表現、本当に減らしていくのだというところをもっとわかりやすく、このことが大事なことなのだと。結局、分別という形で資源化しても、燃やすごみは減るということなのだけれども、総量として減らすということになると、本当に発生抑制ということが大事だと思うのです。その発生抑制の見える化をさらに強めることが必要だと思うのですが、どうでしょうか。
◎福山資源循環局長 今回策定しました次期4年間の推進計画では、食品ロスの削減につきまして積極的に推進をしていくということにいたしまして、戦略目標として数値も設定をいたしまして、重点的に取り組んで、発生抑制を進めていくということにしております。
◆河治委員 今食品ロスの話があったのですけれども、これまでの過去の推進計画、2期間、2010年から2017年までの発生抑制の取り組みそのものは、見える化との関係ではどうだったのでしょうか。
◎福山資源循環局長 先ほど御答弁申し上げましたけれども、日々の生活の中でかなり定着をしてきていただいていますけれども、詰めかえ容器を積極的に選ぶですとか、マイバックを持つですとか、水切りをしていただくですとか、剪定枝は乾燥して出していただくということを実践いただいておりますので、それが数値的に把握するということは出てこないものですからわからないのですけれども、取り組みとしては定着をして御協力をいただいてきていると考えております。
◆河治委員 3期推進計画では、ごみと資源の総量を117.3万トンにするために戦略目標に掲げているのが食品ロスの削減、これこそ私は発生抑制の重要なものだ、見える化になるものだと思うのです。2021年までに食品ロスの削減目標は2015年度比20%で2.22万トンです。これは2015年度比のごみの削減目標6.2万トンの35%に当たります。なぜこれまでこうした重要な部分が発生抑制という形に位置づけられなかったのか、見える化にならなかったのか、伺います。
◎福山資源循環局長 今、全国的にも世界的にも食品ロスが無駄になっているということがこの2期の途中から出てまいりました。それまで食品そのものを減らすというよりも、家の中でどうしても出てきてしまうのを燃やすごみに出さないということで、土壌混合法ですとかをやっていただきましたけれども、そもそもの食品ロスというものに着目をして取り組んでいくということでございます。
◆河治委員 それで、3期推進目標の食品ロスの削減には家庭系の部分が書いてあるだけで、戦略目標の中に事業系の部分は位置づけられて書かれていないのですけれども、これはどうしてでしょうか。
◎福山資源循環局長 事業系の食品ロス削減につきましても、食べきり協力店の普及を初めとしまして模範となる事業者等への表彰や、小売事業者と連携した啓発活動などをこれまで進めてきておりますので、今後もこうした活動等を通じて事業者の皆様への働きかけを進めていきます。
◆河治委員 大事なことだと思うので、やはり戦略目標そのものにしっかり位置づけて、市民にも持ち帰りとか、そういうのは業者も進めているからできるのだというふうな形をもっともっと周知することが大事ではないでしょうか、伺います。
◎福山資源循環局長 御指摘の事業者の食品廃棄物につきましては業種ごとで異なりますけれども、国のほうの定めた食品リサイクル法に目標値が設定をされておりまして、それに基づいて進捗が行われていますので、今回の戦略目標は家庭系ということで、先ほど申し上げたような取り組みを進めていくと設定をしたものでございます。
◆河治委員 ぜひ食品ロス事業系の部分についても、そのように扱っていただきたいと思います。
 次は、徹底した分別資源化についてです。
 3期推進計画では今後の見通しとして、2025年までに達成すべき目標114.7万トンに対して将来予測では117.2万トン、目標達成には約2.5万トンの不足が見られるとあります。一層減量化が求められていると思います。2015年度の組成分析では、燃やすごみの34%が生ごみで、そのうちの6割、11.1万トンが食品ロスで、3期推進計画ではその20%を削減するとしています。それだけでは不十分に思います。そのほかの生ごみを減らすように土壌混合法などに取り組まれていますが、それはやはり限られていると思うのです。私たち日本共産党横浜市会議員団は、昨年、ゼロ・ウェイストを宣言した奈良県の斑鳩町を視察しました。同町では2010年から枝や葉、それから草類の分別収集、生ごみの分別収集をして、2009年度156世帯でスタートし、2017年の10月には6600世帯、全体の57%に到達したわけです。可燃ごみが前者では24%、後者では14%が焼却から資源化に移行しました。こうした生ごみの堆肥化の有効性を学んできたわけですけれども、本市もこうしたことを取り入れるべきではないかと思うのですが、伺います。
◎福山資源循環局長 生ごみの削減に向けましては、これまで堆肥化ですとか、飼料化ですとか、バイオガス化などの資源化手法がございますので、モデル地区を設定いたしまして、その手法を含めて幾つか検討を行ってまいりました。しかしながら、生ごみの分別収集につきましてはコスト面で通常の4倍ぐらいかかるというような課題もございまして、また、堆肥化は環境の負荷や堆肥の品質管理、利用先などの課題もございます。このため、現在は戸建て、集合住宅いずれにおいても手軽に取り組んでいただくことのできる土壌混合法の普及拡大に取り組んでいるところでございます。
◆河治委員 土壌混合法そのものが限られていると私は思うのです。これまでいろいろ実証実験もされたということなのですけれども、いろいろな形で技術開発も進んでいるわけです。そういう意味では、斑鳩町の教訓を本市も学ぶべきだと思うのです。特に製品となった堆肥というのは消費がまた問題だと思うのですが、近隣の自治体とも連携したり、農協団体と協力したり、販路の拡大などをすれば十分できると思うのですが、どうでしょうか。
◎福山資源循環局長 申し上げましたけれども、現状ではこれまで実験をやってコストが4倍ぐらいかかるということ、また、堆肥化についてはかなり施設的にも臭気の問題だとかが都市化の進んだまちなかでは課題があるということもございますので、現状では土壌混合の普及をさらに進めていくというふうに考えております。
◆河治委員 財政的なコストの面というのはやはりあると思うのですけれども、本当に減らしていくというようなことは事業的にも大事なことだと思うのです。ぜひまた引き続き研究していただきたいと思います。
 紙おむつの資源化はどうでしょうか。斑鳩町では紙類の組成分析をやったのですが、8割が生理用品で、紙おむつなどが占めています。ゼロ・ウェイストにして、紙おむつの資源化が大事だというふうに今も調査研究しているということなのですけれども、本市もそういったことを学んでいくべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
◎福山資源循環局長 紙おむつのリサイクルにつきましては、一部の自治体で実施をされているのは承知しております。ただ、本市の近隣にはおむつをリサイクルするようなプラントがございませんで、処理コストも大変大きくなると予想されますので、現状では困難かと考えています。一方、超高齢化社会では紙おむつの排出量が増加すると想定をされますので、技術開発の状況等を注視して研究課題として受けとめてまいります。
◆河治委員 ぜひ追究していただきたいと思います。
 次は、南本牧第5ブロックの最終処分場についてです。
 推進計画では、残余年数を指標として2017年度時点で50年以上残としています。なぜ指標となったのですか、目標にならなかったのか、伺います。
◎福山資源循環局長 最終処分場は廃棄物処理の根幹をなす重要な施設でございまして、また新たに確保することも容易ではございません。このため市民、事業者の皆様に最終処分場の大切さを理解していただき、さらなる環境行動につなげていただくことが重要であると考えております。これまでの第2期推進計画では、南本牧第2ブロック最終処分場を平成29年度まで延命化することを記載して取り組んでまいりました。今回の新たな推進計画では、昨年度開設した南本牧第5ブロック最終処分場をできるだけ長く使っていけるよう、新たに開設をした今だからこそ最終処分場に埋め立てできる期間を市民、事業者の皆様と共有するため、この推進計画に残余年数を指標として設定をしたものでございます。
◆河治委員 第5ブロックの埋立量というのは400万立米です。2017年度の最終処分場の埋立量は13万トン、これに比率1.16を掛けるとかさが出てくるのですけれども、指標とした残余年数50年とした根拠は何か、伺います。
◎福山資源循環局長 今の計算上ですと、委員もおっしゃられたように三十数年になりますので、それより長く使うということが肝要ですので、50年使おうということで指標にして、それがだんだん短くなっていくのが危機感として市民の方、事業者の方にも理解をしていただく、このことが必要だろうということで掲げております。
◆河治委員 50年もたせるというさまざまな努力もあると思うのですが、どんな手法があるのでしょうか。
◎福山資源循環局長 現状では、今後4年間の推進計画に掲げました生ごみの食品ロスの削減ですとか、これまでのさまざまな取り組みをさらに上乗せをして取り組んでいくということになります。まだ50年と先が長いですので、今現状では、昨年開設した最終処分場をあと50年もたせましょうという指標をつくっておりますので、それに向けて、それが急速に少なくなっていくことがないように、市民の皆様、事業者の皆様に取り組んでいただくということをお願いしていくことでございます。
◆河治委員 今のペースで言うと本当に三十数年になるのだけれども、土地になったときの高密度化だとか、それから、焼却灰の資源化とか、いろいろあると思うのですが、そうしたことも含めて考えていかなければいけないのではないでしょうか。
◎福山資源循環局長 御指摘のとおりですので、市民の皆様、事業者の皆様にまずは減らしていただく、発生抑制をしていただくことに加えまして、また、まだ全て海面ですけれども、陸地が出てきたときには、リフューズプレスといいますけれども、高密度化等を実施して延命化していくというような手法も考えていかなければならないと思っております。
◆河治委員 次は、CO2の削減についてです。
 2017年度の目標は2009年度比25%削減でしたが、これは先ほども話がありましたが、未達成で逆にふえました。温室効果ガスの温暖化対策の市役所編では、資源循環局で排出されるCO2は9割が焼却に伴うもので、そのうち8割がプラスチックと分析しているわけですが、3期推進計画ではプラスチックの削減の具体化がありません。CO2削減とプラスチックにかかわって局長はどのように受けとめておられるのか、改めて伺います。
◎福山資源循環局長 ごみ処理に伴って排出される温室効果ガスは、委員お話しのとおり、その約8割がプラスチック類の焼却によるものでございます。ごみの組成調査結果を見ますと、その燃やすごみの中に含まれているプラスチック類の削減が進まなかったということが主な要因でございます。また、その削減に向けましては、家庭系につきましてはプラスチック製容器包装の分別の啓発を強化いたしまして、さらに分別率を向上させるとともに、燃やすごみに含まれるプラスチックの削減につなげていくということになります。また、事業者から排出されるプラスチックについても適正処理を進めていくということになります。さらに、それに加えまして焼却工場での創エネ、省エネの取り組みによりまして総電力量の増加などを着実に推進していくということでございます。
◆河治委員 電力量についてはちょっと私も疑問があるのですけれども、後で述べます。2009年度比で25%CO2を減らすということだったのですが、過去1期、2期は逆にふえたわけですけれども、これは戦略目標に掲げていないのです。これこそ戦略目標に掲げるべきだと思うのですが、どうでしょうか。
◎福山資源循環局長 3R夢プランの本当の大もとのごみと資源の総量と、また、ごみ処理に伴って排出される二酸化炭素を削減するというのは、双璧の大もとの基本計画ですので、戦略目標ということではなくて、そのもっと上位にあるものとしてしっかり取り組んでいく位置づけになっております。
◆河治委員 いずれにしろ、本当にやっていかないといけないことだと思うので、ぜひお願いします。先ほど電力量発生でプラスチック、CO2を減らすというふうになったのですけれども、プラスチックそのものを燃やしたら、熱効率との関係で電力量はふえるかもしれないのだけれども、考え方がおかしいのではないか、伺います。
◎福山資源循環局長 プラスチックの焼却は、分別できないで入ってくるものを除けば、分別することによってごみ焼却に伴って排出するCO2の削減に、これは確実といいますか、つながりますので、それはきちんとやっていく。逆にプラスチックを燃やして発電しようという考えは持ってございませんので、やはりきちんと分別をしていただくということだと思います。
◆河治委員 確認しました。
 CO2の排出削減にはプラスチックの除去が決定的だと思うのですが、この間、環境省がプラスチックの容器包装及び、本市が一括収集実証実験を行ったと聞きましたが、どのようなものだったのか教えてください。
◎福山資源循環局長 プラスチック製容器包装と、今分別対象となっていない製品プラスチックを一括して回収した場合の収集ですとか選別ですとか、資源化の課題を把握するために、平成29年度に環境省が実証実験を実施いたしまして、それに本市も協力をいたしました。平成29年11月の1カ月限定でございましたけれども、都筑区の一部地域約2700世帯に御協力をいただきまして、その2つの一括回収を行いました。
◆河治委員 その結果、そして、その評価を伺います。
◎福山資源循環局長 約7.7トンを回収いたしまして、そのうちプラスチック製の容器包装が約4.5トン、全体の約6割になりました。また、製品プラスチックが1.2トン、全体の16%ということになりました。回収したプラスチック製容器包装、また、製品プラスチックにつきましては、パレット等のプラスチック製品のほか、ガス化等のリサイクルが支障なく行われたと聞いております。
◆河治委員 市民は非常にわかりやすかったというふうなことも聞いています。これを本市が取り入れて具体化すべきではないでしょうか、伺います。
◎福山資源循環局長 現在、分別を行っていただいています容器包装リサイクルにつきましては、国の容器包装リサイクル法に定めて、その資源化にかかる経費ですとかを製造販売事業者が負担するという仕組みになっています。一方で、製品プラスチックについてはそういう仕組みがございませんので、その実施に当たっては全部本市の支出ということになりますので、国のほうには市民の皆様の声にありますように、容器包装だけではなく製品プラスチックのリサイクル制度もつくってくれということで、これまでも、また今後も要望していくところでございます。
◆河治委員 本市が環境未来都市として指定されているわけですから、こういったところも含めてやるべきだというようなことを私は意見として述べておきます。
 それでは、資源物の収集についてですが、現在、瓶、缶、ペットボトルの資源物が混合方式なのですが、分別してほしいということが市民からも声が出されておりますが、この間、中期計画等に新たに瓶を除くということも含めて書いてあるのですが、説明してください。
◎福山資源循環局長 現在、缶、瓶、ペットボトルを混合収集して高い協力率を頂戴しております。これは、当初は都市化が進んだ横浜において集積する場所がないですとか、分ける施設をたくさんつくるというようなこともありましたので、混合収集、都市部方式ということで進んで定着をしております。一方で、市内にありますそれを選別する施設のほうも老朽化が進んでおりますし、逆にそれぞれのものがきちんと御家庭で分別いただいているという実績もありますので、個別に収集することによって選別施設を含めた効率化等を今後考えていかなければいけないということから、缶、瓶、ペットボトルの品目別の収集について検討するということをこの推進計画に載せたものでございます。
◆河治委員 どのような形で分けるのですか。
◎福山資源循環局長 これから今年度、一部地域で実証実験を行いますけれども、現在混合収集している缶、瓶、ペットボトルについて、まずは瓶のみ別に回収する実験を一部の連合自治会の御協力のもとに実施をいたします。瓶の個別回収については、資源集団回収の取り組みとして行う予定でございます。
◆河治委員 期待される効果はどのように考えておられるのですか。
◎福山資源循環局長 現在、混合収集した後の缶、瓶、ペットボトルは中間処理施設に搬入をいたしまして、そこで品目別に選別をしております。選別工程から瓶がなくなることによりまして、作業の大半が金属類とペットだけになりますので、機械で行えるということから選別作業の負担が軽減し、効率化にもつながってまいります。また、瓶が割れることで発生するガラスの残渣は別途今リサイクルしておりますけれども、それが減少するとともに、ペットボトル等への割れた瓶が刺さってしまうということもありますので、そういったような混入が防げるといったことで資源物の品質向上にもつながると思っております。
◆河治委員 私はこうしたことを機会にもっと分別収集し、全体の減量化につなげていくべきだと思うのです。これが瓶、缶、ペットボトル、資源物だけではなくて、先ほど生ごみのことも話しましたが、そういった全体の新たな機運として資源化、分別、削減化につながるのだと、私はそう思うのですが、どうでしょうか。
◎福山資源循環局長 廃棄物行政、基本的には生活環境の保全を守っていくということに尽きますけれども、さまざまな技術開発がこれまでも行われてきて、現時点でさまざまな取り組みになっていますので、これからもそういったことを注視して、最適な方法は何かということをいつも考えながら次の手を打っていくことが肝要だと考えております。
◆河治委員 昨今、大雨とか台風とか異常気象、これは温暖化の影響ではないかということで言われているわけですけれども、市民も全体そのような思いで進んできているのだと思うのです。そういった意味では、本当に一つの好機として分別、徹底した資源化で燃やす量を減らして、それでやはり自分たちも温暖化そのものを削減しているのだという形に進めていくというのが全体の大きな横浜市の温暖化対策にもなるし、資源化、削減にもつながっていくのだと思うのです。
 そのことを訴えまして、終わりにしたいと思います。


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