議会での質問・討論(詳細)
2018年10月22日

■経済局(大貫憲夫)

◆大貫委員 共産党の大貫です。よろしくお願いします。
 私は、企業立地促進条例について幾つか質問したいと思います。
 特に認定に当たって、その評価が条例の趣旨に合っているかどうかということは非常に大事だと思うのです。その点について、具体的には、8月に、みなとみらい21地区の20街区でリゾートトラストのホテルが認定されました。それを例に質問したいと思うのですが、そのホテルの事業計画をまずお聞きしたいと思います。
◎林経済局長 よろしくお願いいたします。
 応募のあったリゾートトラストの事業計画ですが、ホテルの新設でございまして、地上14階、地下1階、延べ床面積4万8000平米、ラグジュアリーホテル部分は対象面積3万平米ですが、平成32年7月の事業開始を目指して申請されたものでございます。
◆大貫委員 投資される事業費は幾らでしょうか。
◎林経済局長 対象投下資本額は278億8100万円でございます。
◆大貫委員 この事業を認定するに当たってどのような項目でこの評価をしたのか、伺いたいと思います。
◎林経済局長 企業立地促進条例では、事業者から提出された企業立地等事業計画について、具体的には雇用者数、経済波及効果、業務、生産、研究機能の強化または集客効果、税収効果といった項目の評価を行っております。
◆大貫委員 まず初めに、経済波及効果についてですが、先ほど投下資本が278億円とおっしゃっていましたが、その効果の額はどのように算定されたのか、伺います。
◎林経済局長 認定審査時において事業者から提出された企業立地等事業計画に基づいて、建設投資額や宿泊者見込み数といった項目を横浜市産業連関表を用いて経済波及効果を試算しております。
◆大貫委員 横浜市の産業連関表を用いて行ったと。そうすると、当然、直接効果と間接効果、間接効果も1と2があります。もし出ていたら、それぞれについて教えてください。
◎林経済局長 リゾートトラストの認定事業計画では10年間の試算となりますが、直接効果が1000億円、間接効果が500億円ということで、合わせて約1500億円の経済波及効果と試算しております。委員の御質問があった1と2という分類はしてございません。
◆大貫委員 いろいろ私も事前に勉強させてもらったけれども、産業連関表を見ますと、まず直接効果があって、その直接効果によってどれだけ横浜市のサービスや財貨がいろいろ動くかというものが第1、2だと聞いているのですが、では、その直接効果というものはどのようにつかんでいるかはわかりませんか、どなたかでも結構ですが、きちっと教えてください。
◎林経済局長 直接効果と言いますと、ホテルの建設費とか、お泊りになられるような来訪者の方々の消費、例えば宿泊費とか交通費とか飲食とか買い物等による効果をトータルして算定しております。間接効果は、そういった直接効果でいろいろ活動をされた結果、消費されて、誘発されていくというような効果を算定しております。
◆大貫委員 一番最初にこのホテルをつくります。そのときに、この市内の企業に対してどれだけ事業費を使ったのか、そこでの効果はどのようにつかんでいるのでしょうか。
◎林経済局長 これまでホテルのケースはこのリゾートトラストの例が初めてですので、これまでは基本的に雇用者数とか、雇用が計画どおりなされているかとか、市内企業に発注しているものを毎年実態調査をしております。その結果、平成17年から平成29年までの効果が税収だけでも94億円上回ったとか、雇用が3万4283人算出されたとか、全てそういった積算によって効果を確認しております。
◆大貫委員 私は、特にホテルを建てるときの建設にかかわって聞きたいのですが、建設にかかわって具体的に横浜市内の波及効果は幾らか、私はこのことを直接効果と思っているのですが、まず直接効果というのは、278億円が横浜市に建設事業費として使われる、それが具体的に横浜市に波及してどれくらいになるかという数字なのです。
◎林経済局長 ホテルの建物の建設で申し上げますと、直接効果が370億円、間接効果が164億円で534億円の波及効果があると試算しております。
◆大貫委員 直接効果というものは、当然市内で使われる、例えば建材だとか、セメントだとか、さまざまなものがかかわってくると思うのですが、それが370億円ということですか。それならば、それが横浜市内で全部調達されるという保証はどこにありますか。
◎林経済局長 もちろんこれは今計画の段階ですので、計画の段階で試算して提出してもらったものでございますので、それとあわせて、こちらからも認定時に私が直接、市内企業をなるべく活用していただけるようにという要請をいたしまして、また、認定後には先ほど申しましたように毎年確認をしていくということになります。
◆大貫委員 産業連関表で言えば、直接効果のところに、市内にお金、財貨がどれだけ使われたのか、サービスが使われたかが大事で、それが370億円と言ったときに、それが横浜市内で使われなかったら、この産業連関表に入れる数字が違ってしまうと思うのです。横浜市内でどれぐらい使われるのか、そこの数字をきちっとして、産業連関表にインプットすることが必要ではないですか。それをやっていますか。
◎林経済局長 これは今計画段階ですので、計画として事業者が出している数値を、我々としては市内企業をきちんと直接効果につながるように要請しながら、今後検証をしていくということでございます。
◆大貫委員 計画段階と言ったけれども、その計画に基づいて認定したわけでしょう。だから、そこの段階でわかっていなかったら、全然その後が進まないではないですか。その後、市内に回ってやると言っているけれども、基本的にはこのホテルは誰が、どこの企業がつくるのですか。
◎林経済局長 施工会社は鹿島建設株式会社となっております。
◆大貫委員 鹿島建設がこの横浜市内でホテルをつくるときに、その原材料はどこから買ってきますか。
◎林経済局長 先ほどから申し上げていますように今は計画段階ですので、それを鹿島建設のほうと直接確認はしてございませんが、今後、事業計画を着実に遂行して、波及効果につながるように我々も指導調整をしてまいります。
◆大貫委員 それではだめではないのですか。あくまでも計画段階で370億円のうち幾らが横浜市で使われるのか、そういうことがはっきりしなかったら、産業連関表そのものにインプットする数字が違ってくるわけです。その産業連関表に基づいて評価したと言うのだったら、それをまた見直さなければいけなくなってしまうと思うのですが、いかがでしょうか。
◎林経済局長 企業のこういった、今回はホテルでございますが、いろいろな事業所へ条例上助成金を出しているということは、もちろん経済波及効果もございますが、市民雇用とか、さまざまな毎年行われる事業効果、それと、おっしゃっているような建設費もあるのですが、計画段階で全て、建設費にはいろいろな変更もありますしいろいろな社会情勢の変化等もございますので、全て市内企業かそうでないかを詳細に出すということは、現実的にはなかなか難しいことかと思っております。
◆大貫委員 産業連関表を見ると、直接効果の問題で一番大事なのは自給率なのです。この横浜でどれくらい自給するかということの数字が入らなかったら、産業連関表というものは、もう全部違ってしまうのです。そうすると、この当局としては、経済局としては、産業連関表については余り評価していないということですか。
◎林経済局長 評価のうちの一つであると考えております。
◆大貫委員 それで、経済波及効果というものは一番大事だと思うのです。なぜこの立地条例があるかというと、まず立地を促進すること、それから起業機会を広げること、雇用の問題でしょう。そして、その中心になるものが、やはり横浜の経済への波及効果はどうするかということではないかと思うので、この問題がはっきりしなかったら、基本的なところでこれはアウトとなってしまうと思うのですが、いかがでしょうか。(「お金持ちがいっぱい泊まってくれるよ」と呼ぶ者あり)
◎林経済局長 リゾートトラストの計画でも雇用者増ももちろん見込んでおりますし、たくさんの来訪者も見込んでおりまして、さまざまな横浜市の経済的メリットを評価して認定しておりますので、その経済波及効果の内訳の詳細について少し確定していない部分があるからそれで委員のおっしゃるようなそれは全く無効であるとは考えておりません。
◆大貫委員 いや、全く無効というよりも、一番大事なところが欠けていますという指摘です。
 それから、その効果が平時で、先ほど10年間で1000億円とおっしゃいました。この平時での問題ですが、では、ホテルが横浜市内で資材、財貨をどのようにどれぐらい買うのかということなのです。この問題について、もう皆さんも僕は何回も言っているから知っていると思うのだけれども、経済局と商工会議所が2017年の12月に調べた特別調査というものがあるのです。持ってきてくれたでしょう。その28ページを見ていただくと、仕入・納品・販売先および新商品・サービス開発についてという項目の中で、規模別では、大企業が1から15%が51%、5割を超えていて、ゼロ%が27.6%と多くなっている。要するに、横浜市内で仕入れているところが、大企業は1から15%が51%、5割を超えていて、ゼロ%というところは27.6%、もう30%近い大企業が横浜では仕入れをしていないというふうになっているけれども、これだと、この企業は横浜に対する平時の経済波及効果というものは非常に低いのではないですか。
◎林経済局長 委員の御指摘されている第103回の景況・経営動向調査(特別調査)ということで、大企業の市内企業からの仕入れ金額の割合という部分がおっしゃっているところだと思いますが、本調査は誘致企業を対象としたということではなくて、市内のさまざまな業種規模の1000社を対象に平均値をとったということでございまして、必ずしも誘致企業の仕入れ先状況を調査したものではございません。
◆大貫委員 そんなことはわかっています。だけど、私は誘致企業の中の大企業の話をしているのだから、その誘致された大企業もこの中に当然数字として入るわけです。データはそういうものではないですか。誘致企業の中の大企業はこれに当たりませんということは、何をもってそのように言うのですか。
◎林経済局長 別の調査で、102回の景況・経営動向調査で、企業誘致がもたらす経済効果への期待ということでアンケートをさせていただいています。良い影響、どちらかというと良い影響と回答した企業を合わせますと、全体でほぼ5割となっておりまして、企業誘致への期待の高さも伺っておりますので、一方でどちらかというと悪い影響、それから悪い影響というお答えは1.2%と非常に低い割合で、市内企業からの期待も大きいと考えております。
◆大貫委員 私は、企業が誘致されたということはそれなりに、やはり横浜市の経済にとっては大変大きな問題だけれども、それがこの条例に基づいてきちっと評価された結果、横浜市の支援金が払われているかということが非常に心配なので、問題だと思っているのです。そして、今おっしゃっていたことは、では、この103回の特別調査というものはどういう評価をしたらよいのですか。これはこれだけで、大企業の仕入れのこの実態は誘致企業については当たらないと考えているのですか。私は同様だと思うけれども、いかがですか。
◎林経済局長 これからいろいろなデータをとっていく必要はあると思っております。委員のおっしゃる、そのまま反映できる調査が今のところはないという部分はございますが、ただ、現在我々がかなり丹念に、誘致企業については雇用者数とか、それから発注はもう伝票も含めて出してもらうぐらい厳密に検証をしておりまして、そういった部分では、先ほど申し上げたように、税収も、それから雇用者数も、大きな効果が上がっていると考えております。
◆大貫委員 それでは、雇用者数の話ですが、リゾートトラストの認定申請書を見ると、雇用の問題はどうなっていますか、どのように申請していますか。
◎林経済局長 雇用者数は、事業開始時で300人ふえるという申請になっております。
◆大貫委員 その300人のうち、市内はどれくらいなのか、その市内のうち非正規雇用と正規雇用はどれくらいなのか。
◎林経済局長 内訳は出ておりません。
◆大貫委員 では、相手の言っているとおりに信用するということですか。そうすると、あと、これは開店時とおっしゃいました。平時はどうですか、いかがですか、どのようになっていますか。
◎林経済局長 事業開始時に300人ということでございます。
◆大貫委員 いただいた資料だと、事業開始のときには300人、そのうち市内在住が150人と書いてあります。その後、毎年毎年事業は続くわけですから、そういったときに、毎年毎年の割合はどうなのですかということです。
◎林経済局長 先ほど申していますように、毎年毎年、雇用者数は全て毎回調査をかけて精査してまいります。
◆大貫委員 この間、私、ネットで調べてみたら、雇用はどこでどのように求人しているかというと、もう全国展開。それで、この中で言っている横浜市在住というのは横浜市民に限りません。いかがでしょうか。
◎林経済局長 横浜市在住は、市内の市民です。在勤の方は、市内とは限らないと考えております。
◆大貫委員 余りこのことも言う必要はないと思うのだけれども、ちゃんと市民税を払っているかどうかということは、横浜としては横浜の市民の雇用をどうやってふやすかということはやはり一番大きなテーマだから、そこら辺はきっちりとはっきりしなければいけないと思っているのですが、もう一つ、ホテルの中にはテナントが入ります。テナントについて調べていますか、横浜市の在住の従業員は。
◎林経済局長 調査してございません。
◆大貫委員 それが実態です。


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