議会での質問・討論(詳細)
2021年3月1日

■文化観光局【岩崎ひろし】3/1

岩崎委員:委員長、まず初めにスライドの使用許可をお願いいたします。

尾崎副委員長:どうぞ、お使いください。

岩崎委員:では、伺っていきます。歴史を踏まえた横浜らしさということで聞きますが、文化観光局は、文化の振興と観光の2つをつなぎ合わせることを目的に2011年度に設置されています。そこで、文化の振興に着目して伺っていきます。

私は、以前から文化の振興には横浜の歴史を踏まえることが不可欠だと主張してきました。2021年度予算概要を見る限り、残念ながらこの観点が見当たりません。まず伺いますが、歴史を踏まえた横浜らしさについて文化観光局の考えを伺います。

神部文化観光局長:横浜には、美しい港や歴史を感じさせる町並み、郊外部の自然など、市内全域に優れた資源があると考えております。また、市民の皆様のまちへの愛着の強さですとか、新しい文化を受け入れる気風も横浜の特性と言えると考えております。こうしたまちの資源や市民の皆様の力によって、歴史あるものを守り活用しながら、文化芸術の創造性を発揮して新たな価値を生み出し、国内外へ発信していく、こうした都市力が歴史を踏まえた横浜らしさだと考えております。

岩崎委員:横浜の歴史というのは、今お答えになったような内容はもちろんのことですが、長く、また深く、広いということで、そこはしっかり総合的に捉えてもらいたい。そして、歴史を踏まえた文化の振興に努力することを求めておきます。

この先ですが、ちょっと順番を変えるというか、飛ばさせてください。通告用紙のほうでいうと、2番、3番はちょっと時間の関係で飛ばします。

次に、歴史的文化資産の保存活用について伺っていきます。

横浜は、歴史の時代区分で見ると、原始時代の大塚歳勝土遺跡、古代の上郷深田製鉄遺跡、中世鎌倉時代の称名寺、近代では長濱検疫所など多数の近代建築などなど、たくさんあります。横浜には、全ての時代区分の歴史的資産があります。その意味で、歴史的観光都市の風格、条件を備えている都市だと思います。横浜の歴史を踏まえて文化観光局の事業がなされているかどうか、予算で見ていきたいと思います。

長濱検疫所から伺っていきますが、スライドを御覧ください。(資料を表示)長濱検疫所です。説明書きが書いてありますから御覧ください。これは長濱検疫所なのですけれども、金沢区長浜にある横浜検疫所は、神戸とともに国内第一号の検疫所です。コロナ感染症のこともあって、今この検疫というものが非常に注目されています。港横浜の歴史を語る上でかけがえのない施設だと思うのですが、この長濱検疫所に対する当局の認識を伺います。

神部文化観光局長:旧長濱検疫所につきましては、野口英世博士が検疫業務に従事した歴史を持っておりまして、開港の地横浜の名残をとどめる大変貴重な場所だと認識をしております。当局では、かつての事務所棟を復元するとともに、旧細菌検査室を保存しまして、市民の皆様の文化活動の場である長浜ホールとして運営を行っております。

岩崎委員:貴重な施設だという認識のようですが、現在、長濱検疫所一号停留所は厚生労働省の所管です。昨年12月に地元の共産党が横浜検疫所一号停留所の保存をお願いに厚生労働省の所管課に行きました。国は、売却して移転費用に充てる方針です。そして、国は、昨年11月に市に売却を打診しているが、回答がないとのことでした。このままでは売却されてしまいます。大事な検疫所が保存できなくなる事態です。

先日の本会議の質問にもありました。市長は答弁で、一号停留所は厚生労働省が保存活用するのが原則。今、国の考えを伺っているところですと答弁されました。しかし、答弁には、保存のために市がどう動こうとしているのかということは何も語られていません。考えを伺っているというのんびりした話では困るわけです。市として長濱検疫所一号停留所、さきに写真がありましたけれども、これです。これです。検疫所などを保存活用のために市として動く必要があると思います。保存のために市はどう行動するのか。これは文化観光局の所管事項ではなさそうなので、これは市としてこういう大事な文化財をどう扱うのかということをちゃんと姿勢をただして捉えないといけないと思うので、副市長に伺います。お願いします。

林副市長:国の登録有形文化財である長濱検疫所一号停留所でございますけれども、まず文化財保護法の定義からして、所有者である厚生労働省が保存活用することが原則であると認識しておりますし、そのことは国にも伝えております。決してのんびりやっているわけではなくて、国といろいろ交渉しながら、その上で、一号停留所の今後の取扱いについては、現在、売却しようとしている国の考えをしっかり伺いながら、調整を進めているというところでございます。

岩崎委員:さっき貴重な施設だと言われましたけれども、今の答弁ではよく分かりません。要するに、市として保存しなければいけないと思っているのか、どちらなのですか。もう売られたらしようがないというのか、どちらですか、はっきりさせてください。

林副市長:本市としても貴重な歴史的資源であるとは認識しておりますけれども、文化財保護法において、所有者が文化財が貴重な国民的財産であることを自覚してその保存に努めなければいけないというような趣旨の法律でございますので、それをまずしっかりと出発点として、国に伺っているというところでございます。

岩崎委員:それ、全然駄目ですよ。市として貴重なものだと思っているのだから、ちゃんと国に対してもし言うのだったら、国として保存せいと、言うことを言うべきではないですか。これはどうですか。

林副市長:今御答弁申し上げたように、所有者である厚生労働省が保存活用することが原則であるということをきちんと国にも伝えながら、協議をしているところでございます。

岩崎委員:市の姿勢はどうなのですかと聞いているのです。保存しないといけないものだと思っているのですか。これははっきり答えてください。

林副市長:歴史的に重要でありますから保存すべきと考えておりますが、きちんと文化財保護法にのっとって国と協議をしているということでございます。

岩崎委員:保護しなければいかぬと思っていると分かりました。

次に、称名寺です。称名寺については、これが光明院の表門です。市の教育委員会の指定です。有形文化財。写真のとおり、老朽化が進んでいます。この施設についての認識はどうですか、伺います。

神部文化観光局長:称名寺は、多くの国宝や重要文化財を有しておりまして、敷地内に金沢文庫がございます。鎌倉時代からの歴史を伝える市内でも貴重な歴史資産だと認識しております。一方、周辺の道が狭くてアクセスには課題がございまして、一度に多くの集客につなげるというのはなかなか難しい状況なのかと思っております。ただ、世界遺産の候補にもなりまして、また、地元でボランティアの皆様が長年にわたって伝統文化の薪能を開催するなど、歴史と文化を感じさせる大変貴重な施設だと認識しております。

岩崎委員:称名寺のボランティアガイドさんたちのほうから保存修理の要望が出ています。予算もしっかり確保して、これも文化観光局の仕事ではなさそうなのだけれども、これはやはり、副市長、もっと文化財を大事にしてください。これは予算措置を取るべきだと思うのだけれども、どうですか。

林副市長:私も金沢区長やっていましたので称名寺が貴重であるということはよく承知しておりますけれども、横浜の歴史的な資産に関しましては、文化財の保護を行う教育委員会事務局を中心に、都市整備局や文化観光局がまちづくりですとか都市景観形成ですとか、もちろん文化観光振興といった観点で連携しながら今施策を進めておりまして、令和3年度中に文化財保存活用地域計画というものをつくっていきまして、関係局とより一層の連携を図りながら文化財を含めた歴史的資産の総合的な保存活用、こういったものを進めていこうということで取り組んでいるところでございます。

岩崎委員:ぜひ、横浜の誇りにかけて、こういう大事なものは守ると。そうしなかったら、こういうものをおろそかにしていると、やはり横浜市政の品格が疑われますよということで、お願いします。

ちょっと時間がもうないので、最後にもう1点。コロナを理由とした文化施設のキャンセル料というものがあります。これについて伺っていきます。

昨年12月のコロナ感染急拡大を受けて、1月の施設利用予約を12月にキャンセルしたところ、利用料金が半額しか--半額というのは1万250円なのです--返還されなかった。緊急事態宣言が出された以降に施設利用をキャンセルしたときには全額返ってきた。コロナ理由で会場使用ができない事情は同じなのに差別的な扱いだということで納得できないと。これは、吉野町市民プラザをコーラスサークルで利用されている皆さんからの声です。この間の吉野町プラザのキャンセルの総数、全額返金、それから半額返金、1月3日以前の件数、これを数で教えてください。

権藤文化芸術創造都市推進部長:吉田町市民プラザの御利用に関しましては、2月19日現在で、期間として1月8日から3月7日までのキャンセル計数が208件となってございます。このうち、1月4日以降にお申出があったキャンセル件数が169件、1月3日までにお申出があったキャンセル件数が39件でございます。

岩崎委員:宣言前の件数は39件ということで、39件にすぎないわけです。自己都合の方を除いていくと、もっとこれは数字が小さくなると思います。コロナ理由によるキャンセルという点では、時期を区切らずに、同じ条件なのだから、キャンセルを申し出た時期がどこであってもコロナ理由であれば全額返還というのが公平な扱いではないですか。これはほかの施設も関係すると思うけれども、とりあえずこの吉野町プラザについて、こういう不公平な扱いは是正すべきだと思うのだけれども、どうでしょうか。

神部文化観光局長:利用料金の返還につきましては、緊急事態宣言が発出されたことを踏まえまして神奈川県知事が外出自粛要請を行ったと、それを受けて利用を控えていただける方に特例という形で対応しているものです。なお、この取扱いにつきましては、吉野町市民プラザに限らず、市の全ての市民利用施設で統一となっておりまして、利用者の皆様方には引き続き丁寧に御説明をしていきたいと考えております。

岩崎委員:コロナ理由でキャンセルした場合は全額返還というふうに扱っているのだから、その理由でキャンセルの場合は同一にすべきです。これは改善をちゃんと検討してください。そんな紋切型の答えでは、利用者は納得しませんよ。

尾崎副委員長:時間です。

岩崎委員:お願いします。終わります。


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