議会での質問・討論(詳細)
2021年10月8日

■交通局(宇佐美さやか)10月8日(金曜日)

◆宇佐美委員 委員長、質問の前にスライドの使用許可をお願いします。
○望月[康]副委員長 どうぞ。
◆宇佐美委員 資源循環局に続いて、日本共産党を代表し質問します。よろしくお願いいたします。
 まず初めに、JR磯子駅前のバス停上屋について質問させていただきます。
 先日、磯子駅に行く機会がありました。見ると、バスターミナルに上屋が整備されていましたが、さびていてとても古く見えてしまったのですが、この上屋はどこが維持管理しているのか、伺います。
◎原田自動車本部長 磯子駅バスターミナルの上屋でございますが、昭和52年に設置され、清掃など日頃の維持管理については交通局が実施しております。
◆宇佐美委員 私と同い年ということで驚いたのですが、バス停はバス事業者、交通局が維持管理しているということですが、設置されてから44年ということで、こちら、スライドを見ていただきたいのですが、(資料を表示)遠目から見ても赤茶色のものが分かると思います。次のスライドは柱です。ペンキが剥がれてめくれているというかさびているのが見えるのですが、この上屋を全て建て替える計画を持っているのか、伺います。
◎原田自動車本部長 この上屋につきましては、建て替えるとした場合に少なくとも1億5000万円以上の費用がかかると見込んでおります。バス事業者がバスターミナル等の大規模な上屋の建て替えに多額の費用を捻出することは現時点では非常に困難であり、磯子駅バスターミナルの上屋を建て替える計画は現時点ではございません。
◆宇佐美委員 2017年に共同利用している4社で協議をしたけれども、どこも修繕の話には乗ってくれなかったということを聞いています。そのままになってしまったということなのだと思うのですが、かなり前からさびていたということが推察できます。近年、大型台風などが襲来しています。
 強度は大丈夫なのかということが危惧されるのですが、強度の面はこれらからも耐えられる保証はあるのか、伺います。
◎橋本工務部長 磯子駅バスターミナルの上屋につきましては、鉄骨で屋根の両側を支える構造であり、堅固なつくりとなっております。さびや塗装の剥がれなどが見られますが、建築基準法の第12条第2項の規定に準じ、劣化状況の点検を3年に一回実施しております。強度に問題はないものと考えてございます。
◆宇佐美委員 強度には問題ないということですけれども、一億数千万円かかると、このコロナ禍で厳しい経営状況だというのもずっと聞いてはきたのですけれども、バス停を利用される方々がけがをされるなど、それから洋服とかに引っかかるということが起きないようにするため、そしてサービス向上の一環として、今後上屋を修繕する考えはないのか、伺います。
◎原田自動車本部長 先ほども御答弁申し上げましたけれども、今年度は新型コロナの影響により収支状況が非常に厳しい中で、上屋の新設等への投資というのは非常に難しい状況になっております。また、当該バスターミナルの上屋は交通局が管理しておりますが、横浜交通開発、神奈川中央交通、京急バス及び江ノ電バスの4社も乗り入れるバスターミナルでございまして、この修繕につきましては、これら各社との調整も必要となってまいります。したがいまして、まずは委員がおっしゃったような事態にならないように、さびあるいは雨水などが落ちてきてお客様の服を汚すということにならないように、屋根あるいはといの清掃など、そういったことを速やかに実施していきたいと考えております。
◆宇佐美委員 4社とも協議を引き続き行うということですが、強度を保ちながら、せめてペンキ、まくれたところなども削るとか、少しでもそういう危険性を減らすことを行っていただきたいと早期の修繕を要望します。
 そして、磯子駅だけでなく、市営バスでは多くのターミナルを抱えています。今後、市内バスターミナル、上屋の更新について見解を伺います。
◎三村交通局長 駅前のバスターミナルなど大規模な上屋の更新をバス事業者のみが経費を負担して実施をするというのは、現実的には大変困難でございまして、まちづくりですとか再開発、そうした観点から対応していくことが必要ではないかと考えております。今後、バスターミナルの再整備などがある場合には関係部局と十分に調整をしていきたいと考えております。
◆宇佐美委員 先ほどから厳しい経営状況だということも聞いておりますけれども、先ほどの安西委員もおっしゃっていましたバス待ちの環境改善、気持ちよく過ごせるように、お客様がせめて減らないようにしていくということもしていただきたいと思います。
 次は、ダイヤ改正で廃止されたバス路線についてです。
 今年3月末に金沢区並木地区から金沢区役所まで運行していた94系統が運行終了となりました。ルートが違うので代替路線というのか分かりませんが、7月には並木地区を巡回する294系統のルートを変更し、京急線能見台駅や京急富岡駅を経由して南部市場やアウトレットパークまでを結ぶ321系統が新設されました。
 新設された321系統の利用状況を伺います。
◎原田自動車本部長 廃止をいたしました94系統あるいは294系統は日中時間帯のみの運行となっておりましたが、今回新設いたしました321系統につきましては、地域からの御要望も受けまして、朝6時台から夜20時台まで運行しております。今年8月の実績で見ますと、1便当たりの乗車人員は平均13人となっております。
◆宇佐美委員 6時から20時まで走らせていただいて、1便の平均が13人と。利用者が少ないということで94系統が廃止され、294系統はルート変更をされました。321系統はこのコロナ禍の中で新設をされて3か月ということもあり、今の利用状況はなかなか見極めは難しいと思うのですが、このまま利用者が少ないと321系統もまた廃止ということになるのかと心配と不安の声が上がっています。
 局の考え方を伺います。
◎原田自動車本部長 321系統につきましては今年7月11日に運行を開始して約3か月を経過しておりますが、この間、まん延防止等重点措置あるいは緊急事態宣言が発令された期間になっております。したがいまして、人流が相当程度制限された時期でもございました。今月から緊急事態宣言が解除されたということも受けまして、人の流れがどのように変化していくのか、そういった状況を今後見極めていきたいと考えております。また同時に、沿線の皆様に利用の促進を呼びかけてまいりたいと考えております。
◆宇佐美委員 321系統の運行ルートは地域の方々からの要望と答えたのですけれども、それを聞いているのですが、私は並木地域の方々からは金沢区役所に乗換えしないで直接行かれた94系統のほうが必要だという声を聞いているのですが、交通局には94系統運行終了後に地域の方からの声は来ていないのか、伺います。
◎原田自動車本部長 94系統につきましては、今年1月に京浜急行バスと連名で運行終了のチラシを沿線地域に全戸回覧をさせていただきました。それ以降、運行を終了した3月末までの間に御利用のお客様から御意見を頂戴いたしましたが、94系統運行終了後につきましては地域の方あるいは御利用のお客様から直接御意見はいただいてはおりません。
◆宇佐美委員 市民局経由の広聴では声は来ていないと私は伺っているのですが、10月5日に並木地域のお2人の方が団地の全戸にアンケートを配付し、122人の方々から届いた声を局の方に直接お渡ししました。
 局長も読んでくださったと思いますが、地域の方々の声を読んだ所感を伺います。
◎三村交通局長 10月5日付のアンケートの結果を拝見させていただきました。並木一丁目の1100世帯の方々に配付されて、122人の方々から御回答があったということでございまして、自由意見欄を拝見いたしましても、区役所行きのバスが廃止をされ不便になった、あるいは区役所行きのバスを復活してほしい、そういった御意見がほとんどだったと受け止めています。そのほかにも様々な御意見がございましたけれども、これはこの地域だけでなくいろいろな地域で、ほかの区でも区役所へのバス路線、バスアクセスという御要望をいただくことが多いわけなのですけれども、区役所へのアクセスということにある意味目的が限定されたような路線の場合、大変残念ながらバス路線として維持するのに十分な需要はなかなか見込めないといった現実があって、いただいた御意見は、運行していた立場として本当に心苦しい限りではあると思いますけれども、こうした区役所へアクセスする路線の維持の難しさも実感をしたところでございます。
◆宇佐美委員 とても苦しいという思いは伝わっているのですけれども、94系統が廃止される前には存続を求める署名を集めるなど、このアンケートを集めた方々は運動されてきました。復活の可能性を切り開くにはどういう条件を整える必要があるのか、伺います。
◎三村交通局長 私どもとしては、市営バスネットワーク全体を維持して市民の皆様の交通手段を確保すると。そうしたためには利用実態に合わせた路線あるいは運行便数の見直しは避けて通ることはできないと考えております。94系統が運行終了となってしまったことは大変心苦しいわけでございますけれども、先ほどもほかの委員の御質問に自動車本部長がお答えを申し上げました路線別の収支、令和元年度までは黒字路線が42路線あって、その42路線で上がる黒字額が13億円ございました。その13億円で残る93本の赤字路線を維持してきたわけでございます。令和2年度が、先ほども自動車本部長が答弁を申し上げましたが、黒字路線が13本ということで10%になってしまったわけです。かつ、この13本で上がる黒字額が1億9000万円しかないわけなのです。この1億9000万円の黒字額で昨年度は残る124本の赤字路線を維持がし切れなかったから赤字になってしまったわけでございます。廃止した該当の地域の方々には大変心苦しいわけでございますけれども、乗換えなどもしていただくことになってしまうわけですが、区役所へ行くために一度乗換えをしていただくなどで、ほかの路線も使っていただいて移動していただくということで、当該路線に関して運行を再開することは考えてございません。
◆宇佐美委員 321系統はどこの声を聞いての新設なのか分かりませんけれども、先ほども申しましたように、94系統は区役所に行くために乗換えをしないと行かれない方々にとっては、アウトレットよりも区役所という声が大半です。今の321系統が区役所にも行くようなルートなど検討していただけないかと強く要望します。
 最後は、交通局と横浜交通開発株式会社の労働環境についてです。
 交通局は、2010年8月4日に、労働基準監督署から時間外・休日労働に関する協定書違反その他で是正勧告を受け、翌日には労働時間、その他に関する指導票を受け、10年後の2020年6月19日には変形労働時間制運用に関わる指導票が出されました。交通開発には、2018年2月23日に賃金控除で是正勧告が出され、翌年4月11日にはバス洗浄等の労働時間未払いということで是正勧告が出されました。さらに、今年4月26日には変形労働時間制の運用及び賃金の支払いの適正化についての指導票が出されています。残念ながら、交通開発は7月29日にも指導票を出されていると聞いています。
 その指導票の内容はどういうものなのか、説明をお願いします。
◎吉川副局長兼総務部長 今委員の御質問の横浜交通開発株式会社に対して交付された指導票の内容についてでございますが、1か月単位の変形労働時間制における労働時間の運用について触れられておりまして、2点ございます。1点目は、各日の労働時間は変形期間の開始前までに具体的に特定する必要があること、2点目は、変形期間ごとの所定労働時間を定める際は当該期間における法定労働時間の総枠に収まるよう勤務割を作成することが望ましいことという内容の指導があったと聞いております。
◆宇佐美委員 どちらも働いている方々にとっては本当に大事なことだと思います。8時間を超えて労働した時間は割増し賃金を払うということは当然のことだと思います。
 先ほど数々述べた是正勧告や指導票の中の一つですが、交通開発では超過勤務手当の未払いもあったと聞いていますが、労働基準監督署からどういう指導を受けたのか、伺います。
◎吉川副局長兼総務部長 横浜交通開発におきましては、令和元年9月1日付で、就業規則に変形労働時間制に関する規定を明記したとのことですが、これよりも以前の期間につきましては変形労働時間制に関する規定が適用されないと労働基準監督署から判断されました。このため、1週間当たりの法定労働時間、40時間でございますけれども、こちらを超えて働いた時間に対しまして、割増し賃金の支払いを平成31年4月1日まで遡って清算するよう指導があったと聞いております。
◆宇佐美委員 この対応を交通開発はどういうふうにされたのか、伺います。
◎吉川副局長兼総務部長 横浜交通開発におきましては、労働基準監督署から是正勧告のありました割増し賃金につきまして、社員向け説明会を開催し、令和3年7月の賃金と合算して支給したと聞いております。
◆宇佐美委員 未払いは退職した方々も含めて支払いをしたということですが、未払いがあったことや詳細についてよく分かっていない乗務員さんもおられたと聞いていますが、そういう方々にはどのように説明されたのか、伺います。
◎吉川副局長兼総務部長 横浜交通開発におきましては、緑営業所及び磯子営業所の社員に対しまして、それぞれ2回ずつ説明会を開催したと聞いております。その際に出席できない社員に対しましては、営業所内に掲示を行いまして、周知、説明したと聞いております。また、遡って支給する割増し賃金の計算根拠につきましては、社員からの求めに応じて個別に説明しているとのことでございました。
◆宇佐美委員 各営業所で2回ずつ説明会を開いて張り紙もしたということですが、そもそも説明をすればいいというわけでもなく、未払いなどあってはならないということだと思うのです。交通開発が指導票を受け対応したことに関しての所感を伺います。
◎三村交通局長 バス乗務員の勤務というのは運行ダイヤに合わせて出勤時刻や労働時間が毎日変化をするという大変不規則な勤務でございまして、こうした勤務の特性上、労働基準法に定める変形労働時間制の適用は必要だと考えておりますし、その点に関しては、同じくバス事業を展開する横浜交通開発においても私ども交通局と同様であると思っております。ただいま総務部長からも御答弁申し上げましたけれども、横浜交通開発におきましては就業規則の規定上の不備などがあって労働基準監督署から指導票を交付されたものでございますけれども、割増し賃金の支払いについては、是正勧告書に基づき適切に対応したものと認識しております。いずれにいたしましても、ともに市民の足を支えているバス事業者として、横浜市交通局、横浜交通開発株式会社とともに労働関係法令を遵守してまいりたいと思っております。
◆宇佐美委員 これまで遵守していないことが指摘されてしまっていたと思うのです。それで、何度も指導票ですとか是正勧告が出されてしまっていた。これを調査したときに、これを騒いでいるのは一部ですと言われたのです。一部のうるさい人が言っているから是正を払ったのかということにもなってしまうのですけれども、交通局にとってはバス乗務員の皆さんは商品なのです。この商品を大事にできないから、こういうふうに直してくださいと言われてしまっているということをしっかりと受け止めて、小さい声だから、一部が騒いでいるだけだというのではなく、本当に直してほしいと訴えている方の声をしっかりと聞いていただいて、よりよい改善をしていく方向にしていかないと、また、この指導票ですとか是正勧告を受けるようになってしまうと思うのです。何度も何度も受けてしまっているということは恥ずかしいことだということで、本当にしっかりと受け止めていただいて、運転手さんたちの健康と働く環境を守っていくことこそが市民の足を守ることにつながるということをしっかり受け止めていただきたいと思います。
 これを申し上げて質問を終わります。


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