議会での質問・討論(詳細)
2022年9月29日

■資源循環局(宇佐美さやか)9月29日(木)  

◆宇佐美委員 日本共産党を代表し質問します。よろしくお願いいたします。
 委員長、スライドの使用許可をお願いします。
○斎藤[真]副委員長 どうぞ。
◆宇佐美委員 ありがとうございます。
 それでは、まず初めに、資源選別施設の老朽化対策について伺います。
 私はこれまで、鶴見区と緑区の缶瓶ペットボトルを選別するセンターの施設と労働条件の改善を求めて質問いたしましたが、今回は戸塚資源選別センターで選別作業をされている現場の方々から雨漏りがひどく何回も直してほしいと言っているのに直してもらえないという訴えがあり、4月19日に現地を視察しました。
 スライドを御覧ください。(資料を表示)天井が雨水によって腐り剥がれ落ちて、そこから伝い落ちる雨水をホースで下のバケツに流すという対症療法でやり過ごしている写真です。次のスライドは、資源物が流れるコンベアー、つまり選別作業されている方々の頭の上にバケツや、次のスライド、先ほどの焼酎のペットボトルなどが針金のハンガーによって吊るされている写真です。このバケツやペットボトルは時々中の水がなくなるそうですが、現場の方々から、このバケツが頭に落ちてきたらと思うと怖いという声も聞きました。
 現在の戸塚資源選別センターの雨漏りの状況はどう改善されたのか、伺います。
◎安室適正処理計画部長 雨漏りをしていた部屋の天井は戸塚資源選別センターの運営管理を行っている横浜市資源循環公社が令和4年6月に屋根の防水工事を行い、雨漏りについては改善しております。また、バケツ、ペットボトル等については取り外されております。
◆宇佐美委員 選別作業されているところを塗装し直したということですが、現場の方々が何度も直してほしいと訴えたのになぜ何か月も放置していたのか。本市が委託している横浜市資源循環公社と再委託している横浜市資源リサイクル事業協同組合との関係性はどうなっているのか。直してほしいところがあっても言えない関係性ではないのかということを危惧しています。
 月1回話し合う機会を設けていることは承知していますが、そこでは雨漏りをしていることを知り得なかったのか、伺います。
◎安室適正処理計画部長 話合いの機会というのは資源循環公社のほうからあるとお聞きをしております。今回の問題につきまして、これまでも対応はしておりました。その中で雨漏りの状況は把握してきておりまして対応してきたのですけれども、やはり対応するタイミングというのは雨が降ったときでないと場所が特定できないとかというところがありまして遅れてきた部分がありますが、今回、令和4年6月に屋根の防水工事を行って改善しているという状況になっております。
◆宇佐美委員 何回も知っていたのにやらなかったということになりませんか。頭上のバケツが本当に落ちてこなくてよかったと思っています。多いときにはバケツに半分ぐらいまで雨水がたまっていたということも聞きました。選別作業をしてくださっている方々は、本市の大事な仕事を担ってくださっている方々です。この方々を平気で危険にさらすようなことをしていいはずがありません。市内にはほかに3つの施設があります。
 同様に雨漏りしている施設がないのか、状況を伺います。
◎安室適正処理計画部長 現状、市内の4つある資源選別センターにつきましては竣工から20年から30年が経過し劣化が進行しておりますが、厳しい財政状況を踏まえまして、市民生活に影響が出ないよう選別施設の安定稼働や作業に影響がある設備について着実に補修工事を行っております。雨漏りについては作業に影響がない状況に今はなっていると把握しております。
◆宇佐美委員 その状況を保っていただきたいと思うのです。築年数が20年を超えて、先ほどおっしゃっていたように建物自体が老朽化していることから、雨漏りだけではなく機械の老朽化に伴う不具合も危惧しています。実際に現場の方々からコンベアーが古いから不具合を起こすと。そうなると作業が止まる。その後物すごい量の資源物が流されてきて、我々は必死で分けても追いつかないと。我々のパフォーマンスが悪いのかということを言われました。機械などの設備の不具合は早期に解消する必要があると考えます。
 今後の選別施設の整備の考え方について伺います。
◎金澤資源循環局長 市内に4つございます資源選別センターは、竣工からほぼ30年が経過いたしておりまして、今御紹介のありました選別設備、いわゆるプラントの一般的な寿命の時期を迎えております。今後、抜本的な大規模整備について検討していかなければならない時期に来ていると考えております。
◆宇佐美委員 躯体が駄目になってしまわないかということも心配しています。選別作業してくださっている方々が少しでも快適に作業することができるように施設整備を急ぐことと同時に、この選別施設で働く作業員の方々の処遇改善も求めます。作業員の方々は何十年働いていても、昨日、今日入った新人でも時給1200円です。63歳になった女性は有無も言わせず最低賃金まで引き下げられるという、考えられないような処遇で働いています。常に危険と隣り合わせ、夏暑く冬は寒く、ダニ、ノミ、ゴキブリ、ネズミが出るのは当たり前。それでも選別作業を担ってくださっているこの方々の処遇を見て見ぬふりをしていていいのでしょうか。作業員はリサイクル事業協同組合によって雇用されています。資源循環公社から再委託をされているリサイクル事業協同組合に局から何も言えないということでしたら、せめて公社に改善を促すことをしていただきたいと強く要望し、次の質問に移ります。
 次に、プラスチックごみ処理方法について伺います。
 先日の常任委員会で、プラスチックごみの分別、リサイクルの拡大を検討していくという報告がありました。昨日の連合審査でも当市議団からプラごみについて質問させていただきましたが、さらに細かく伺います。私自身の経験で、スーパーで買ったお肉や魚をくるんでいるラップは容器包装で自宅にあるラップは製品プラと、同じプラスチックなのに何で分けなければいけないのだろうということに戸惑っていました。市民の皆さんの中には戸惑った上に捨てるところ間違えてしまう方もいるのではないかと思います。
 市民の皆さんが実際にプラスチック容器包装をどの程度分別できているのか、プラスチック容器包装の分別の状況を伺います。
◎中坪政策調整部長 令和3年度の組成調査の実績で申し上げますと、市民の皆様が御家庭から排出するプラスチック製容器包装の分別率は約65%となっております。
◆宇佐美委員 65%、あとちょっと頑張ってもらいたいのですけれども。私は以前から、先ほども言ったように、同じプラスチックなのに燃やすほうと燃やさないほうと分けなければいけないということに納得がいっていなかった人なのですが、今回検討を進めることになったプラごみの分別拡大では、現在リサイクルするプラスチック製容器包装に加えて、これまで燃やしてしまっていたハンガーやバケツ、ペンですとかプラスチック製品を含めてリサイクルすることになるということですが、分別拡大の実施に向けた課題は何か、伺います。
◎中坪政策調整部長 本市は我が国最大の基礎自治体でありまして、分別拡大により大量のプラスチックごみが排出されると想定しています。この大量のプラスチックごみのリサイクルに向けましては、安定的、効率的なリサイクルルートの確保や新たに係るコストが課題となっております。さらに、今回の分別拡大は、平成17年度以来定着していた分別ルールの見直しであり、市民の皆様に御理解いただけるよう丁寧な説明を行うことが課題と考えております。
◆宇佐美委員 プラごみの分別、リサイクルの拡大に向けて私が思うには、一番大きな課題は国からの財政支援がないことだと思っています。法律だけができまして押しつけられた自治体はどこも苦労していると思います。大きくうなずいていらっしゃいましたけれども、ましてや377万都市の横浜のプラスチックのごみは、本当に先ほどおっしゃっていたように大量になるということは想像できます。でも、だからといって放置できないのが、プラごみを燃やすことで排出される温室効果ガスです。温室効果ガスの排出を2030年までに50%まで抑えることを本市として掲げたのですから、プラスチック製品のリサイクルの拡大、待ったなしです。
 プラごみの分別、リサイクルの拡大、早期に実施していただきたいと考えますが、見解を伺います。
◎金澤資源循環局長 温暖化対策は待ったなしの喫緊の課題でございまして、プラスチックごみの分別、リサイクルの拡大は市民の皆様お一人お一人に行動していただく温暖化対策にとって大変重要な取組であると認識しております。様々な課題の検討を進めまして、市民の皆様の御協力をいただきながら、できるだけ早期にプラスチックごみの分別拡大を実施していきたいと考えております。
◆宇佐美委員 プラごみの分別、リサイクルのため、市で回すサイクル、循環させることをしていただきたいということと、そういう企業を誘致するなど育てることもしていただきたいと思いますし、国には財政支援を求めることを要望します。
 今回は製品プラのことを取り上げましたが、このコロナ禍で必需品となった不織布のマスクや高齢化で増えることが予想される紙オムツについても、本来は燃やすと温室効果ガス排出する石油由来の素材が含まれています。これら対策についても検討していただきたいと要望し、次の質問に移ります。
 次は、食品ロスについて伺います。
 さきの委員からもありましたが、日本ではまだ食べられるのに廃棄されてしまう食品、いわゆる食品ロスは約522万トン、国民1人当たりお茶わん1杯分の食品が毎日廃棄されているということを聞きました。では、本市において家庭から出された食品ロスの量を伺います。
◎中坪政策調整部長 令和3年度、本市の家庭ごみとして出された食品ロスの量は約8万6000トンと推計しています。
◆宇佐美委員 かなりの量ですね。食品ロスは製造工場や飲食店から出される事業系と市民の皆さんの各家庭から出された家庭系の食品ロスと分けられますが、377万市民、178万世帯を擁する人口の多い都市だからこそ、局は啓発などに本当に力を入れてくださっていますが、その啓発が市民の皆さんに届いているのかを危惧しています。
 資源の取組状況をどう把握しているのか、伺います。
◎中坪政策調整部長 取組状況につきましては、アンケートを通じて把握しています。令和3年度に市民約3000人を対象に実施した環境に関する市民意識調査では、約85%の方が食べ残しや食材の無駄を減らすなど、いわゆる食品ロス削減の行動に取り組んでいるとの回答がございました。
◆宇佐美委員 私は議員になる前長いこと飲食店、ホテルなどで働いていたので毎日物すごい量の物を捨てていてもったいないなと思っていたのですけれども、だからこそ料理を提供する飲食店の側でも食品ロスを出さないよう、必要以上に作り過ぎないなどの工夫が必要ですし、食品ロス削減には買い物時や外食時などの場面ごとに働きかけが必要だと考えますが、見解を伺います。
◎金澤資源循環局長 食品ロスの削減は生活の様々な場面で小さなことからでも取り組んでいくことが可能であり、市民の皆様にそういったことを繰り返し、具体的に分かりやすくお伝えしていくことが重要と考えております。例えば、買物に行く前には冷蔵庫を確認しメモをすること、調理の前には食材を無駄なく使うレシピを活用すること、さらには、外食時には適量を注文していただくことなど、日常生活の中でどなたでも実践できる取組につきまして今後も丁寧にお伝えしてまいりたいと考えております。
◆宇佐美委員 冷蔵庫の中を見てくるのを忘れたと、今どきっとしたのですけれども、企業との連携、働きかけも市民のもったいないの意識を大きくするきっかけになると思います。2021年度の企業との連携状況はどうなっているのか、伺います。
◎中坪政策調整部長 令和3年5月に本市と包括連携協定を締結いたしました株式会社良品計画と連携しまして、10月の食品ロス削減月間に合わせ、食材を無駄なく活用する調理の実演を同社店舗のキッチンで行いました。また、市内のスーパーなどの小売店舗とは、すぐ使用するもの、すぐに食べるものは棚の手前から取る手前取りキャンペーンを実施するなど、様々な企業と連携し市民の皆様に取り組んでいただきたいことをお伝えしています。
◆宇佐美委員 食品ロスには市民と企業がしっかり同じ方向を目指すことが一番近道だと考えます。食品ロス削減に向けた今後の取組を伺います。
◎金澤資源循環局長 食品ロスの削減は特効薬となる施策はございませんので、日常生活の中で実践できる取組を根気強くお伝えし、続けることが必要であると考えております。引き続き、消費者に向けたスーパー等での店頭啓発、事業者と連携した取組などに加えまして、子供たち向けに保育園や小学校への出前講座など様々な機会を通じて発信してまいります。
◆宇佐美委員 ポイントを押さえながら啓発活動の取組を続けていただきたいと要望し、最後の質問に移ります。
 最後は、家庭でのトイレパックの備蓄について伺います。
 今年は7月から9月に線状降水帯の発生などや巨大台風の度重なる襲来によって、日本全国で様々な被害が出てしまいました。台風は予測できても地震などの予測は現代においても難しいということで、やはりふだんから災害時に備えるということを本市も市民の皆さんに呼びかけていることは承知していますが、家庭でのトイレパックの備蓄に関する現状を伺います。
◎柏木家庭系対策部担当部長 令和3年度に実施しました横浜市民の防災減災の意識、取組に関するアンケート調査の結果によりますと、家庭でのトイレパック備蓄率は40.2%で、平成30年度に実施しました同様のアンケート調査結果29.8%から約10ポイント上昇しております。近年、全国各地で大規模災害が発生していることも一因かと思いますが、市民の皆様の災害時のトイレに対する意識が徐々に高まっていると感じております。
◆宇佐美委員 皆さんの啓発が多分効いているのだと思います。例えば飲料水でしたら1日1人3L、3日分の備蓄をしてくださいということを水道局は広報し、市民の約8割が備蓄しているという結果が出ていますが、局ではトイレパックの備蓄を市民の皆さんにお願いしていますが、なぜトイレパックの備蓄をする必要があるのか、どういったときに必要なのか、知らないことにはやはり備蓄する必要を感じないかと思います。
 トイレパックの備蓄をする必要性をもっと伝えていくことが大事だと思いますが、市民の皆さんへの周知の状況を伺います。
◎柏木家庭系対策部担当部長 地域防災拠点での防災訓練をはじめ、地域や大型ショッピングセンター等での防災イベントにおいて啓発活動を実施しております。また、今年の広報よこはま3月号に災害時のトイレ対策として、このトイレパックの備蓄の重要性について掲載し、約400件のお問合せをいただいたところでございます。
◆宇佐美委員 自宅で避難生活をすることを選んだときなどに必要だよということが分かって、トイレに行くことに困らなくて済むというのが分かれば備蓄の必要性をもっと理解してもらえると思うのですが、備蓄率向上に向けた取組を伺います。
◎金澤資源循環局長 少しずつではございますけれども、トイレパックの重要性について浸透してきたとは思いますが、例えば一人暮らしの世帯の方や若い世帯の方などには重要性の認識はまだまだ低い状況にあるのではないかと考えております。トイレパックを1人1日5回、3日分計15個を災害時に備えまして備蓄していただけるよう様々な機会を捉えて啓発に取り組み、備蓄率の向上に努めてまいります。
◆宇佐美委員 一人暮らしの方のアパートですとかにポスティングするとか、大学や専門学校で配付するというようなことをやっていただいて、さらなるトイレパックの備蓄促進に力を入れていただきたいということを要望し、質問を終わります。


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