議会での質問・討論(詳細)
2015年10月9日

■交通局(宇佐美さやか、あらき由美子)

高齢化社会の足として重要なバス路線を確保せよ

宇佐美議員:宇佐美さやかです。日本共産党を代表して質問します。
まず、バス路線の復活について、伺います。
交通は、人や物の交流や活動を支え市民生活にとって不可欠なものですが、今日の交通を取り巻く社会経済情勢は、高齢化の進展や地球環境問題の深刻化、郊外部での人口減少など大きく変化してきています。交通運輸の規制緩和のもとで、全国的には、鉄道、バスなどで相次ぐ路線廃止など地域公共交通が衰退し、自家用車を利用できない高齢者など移動が大きく制約される移動制約者が増大しています。また、自動車中心の交通政策により、交通事故、道路公害の発生などさまざまな弊害も生まれています。こうした状況のもとで、地域公共交通に求められる役割は、運転できない学生や高齢者、障害者、妊婦等の交通手段として、また拠点と居住のエリアを結ぶ交通手段として、外出機会の増加によるまちの賑わいづくり・健康増進策として、行き来をしやすくして人の交流を活発化するなど、ますます重要となっています。市営バス、地下鉄がその役割をしっかりと果たすことを市民は切望しています。
そこで、まず、2014年度におけるバス路線の新設、廃止の状況、および年度末のバス路線数を伺います。

津久井自動車本部長:よろしくお願いします。
 昨年度は、鴨居駅とららぽーと横浜をむすぶ100系統の新設、南区みつが丘地区を運行する219系統の延伸を実施いたしました。なお、路線の廃止はありません。26年度末の路線数については132路線となっております。以上です。

宇佐美議員:では、132路線のうち、過去に一旦廃止をしましたが、沿線環境の変化によって復活した路線はありますか。

津久井自動車本部長:バス事業者として路線の廃止はやむを得ず選択する非常に重たい判断であるという認識のもと、運行上の利用状況だけではなく、将来にも利用増が見込まない場合など、区役所や地域に事情や状況を丁寧にご説明した上で実施しております。こうした背景がございまして、これまで廃止後に復活した路線はございません。

宇佐美議員:ないんですね。私の住んでいる神奈川区では、斎藤分町という坂道が多く、また高齢化が進み、以前走っていた66系統路線の復活を切望している方が多くおられます。15年ほど前にはこの地域の近くまでバスが来ていたとのことでしたが、局に聞くと「東急東横線東白楽駅と白楽駅まで徒歩10分から15分圏内で、利用者が少ないことから廃止しました」と言われましたが、廃止当時はその地域に住んでおられる方はまだ若く必要に迫られていなかったのでしょうが、年をとるにつれ自家用車などの運転ができなくなるなど不自由な生活を強いられています。買い物や通院など生活に必要な足として復活をしていただけないか、伺います。

加賀交通局長:66系統につきましては、今委員からお話あったように、利用者がきわめて少ないということで廃止させていただいたんですが、一般的には大規模な開発など多くの方々にご利用いただけるような周辺環境の変化があった場合には、新しい路線を開設する可能性はあります。

宇佐美議員:では、今後の参考として、バス路線の新設・増設は、どのような条件がそろえば実施されるのか、伺いします。

加賀交通局長:経営面では、新たな需要が予測され一定の採算性が見込めること、必要な車両や乗務員が確保できること、また運行面では、安全に運転できる走行環境が確保できること、運行に対する地元の同意が得られることなどがあげられます。

宇佐美議員:改めて、本市も高齢化が進み、これからバスを必要とされる方がさらに増えていくと思われます。バス運転手の確保にも力を入れながら、環境にも優しい公営交通としてのアピールをしっかりしていただき、必要とされている路線を増やすことも検討していただけるようお願いして、次の質問に移ります。

市営バス・地下鉄運転手の健康管理の一層強化を

宇佐美議員:次に、職員の健康管理について伺います。
 いうまでもなく、良好な勤務環境や生活習慣を維持していくことはコストがかかりますし、その効果が計量しにくく、ともすれば軽視される傾向にあります。しかし、働くものにとって、働きやすく魅力的な環境の中、やりがいをもって業務を遂行できる環境が整備されれば、結果として市民サービスの向上につながり、持続可能な経営にも資することとなります。そうした労働環境の中では、健康の保持が特別に重要となっています。
そこで、公募付託職員を含めて全ての交通局職員の定期健康診断の受診率は過去3年間でどう推移しているのか、伺います。

梅津担当理事:定期健康診断の受診率でございますが、24年度99.6%、25年度99.9%、26年度99.9%となっています。

宇佐美議員:100%の受診を目指すべきと考えますが、受診しない職員への対応はどうなっているのか、伺います。

加賀交通局長:定期健康診断は職員の健康管理にとって大変重要ですので、職場の上司や衛生管理者が受診しない職員に対して個別に受診するよう指導をしておりますが、引き続き全員が受診するように取り組んでいきたいと考えています。

宇佐美議員:健康診断の結果に対する職員のフォローアップはどのようになっているのか、伺います。

加賀交通局長:定期健康診断では、健康状態によって5段階の判定が出されます。判定結果から医療機関に受診する必要が高いと判断された職員に対しては、救急度などに応じて、直接の連絡あるいは文書で受診を促すとともに、受診結果を確実にチェックし、健康状態の改善を図ってまいります。

宇佐美議員:お互いの健康を気づかいあえるような営業所内の雰囲気づくりにも心がけていただきたいと思います。そして、一般的な検査項目のほか、がんや睡眠時無呼吸症候群などに対する健康診断も推奨すべきと考えますが、いかがお考えですか。

加賀交通局長:がんは早期発見早期治療が重要となりますので、年齢要件はありますが、無料で受診できる職員共済組合のがん検診について、職員への周知を図っていきます。睡眠時無呼吸症候群については、バス運転手や地下鉄運転手を対象に、3年に1回スクリーニング検査を実施しております。今年度からは、検査結果が重症、中等症の職員が受ける精密検査費用を、これまでの全額個人負担から一部公費負担とし、健康管理体制の強化を図ってまいります。

宇佐美議員:ハンドルを握る乗務員は、多くの乗客の命を預かる仕事です。事故などにつながる要因を取り除くことも、局としての役割です。しっかりと100%を目指していただきたいと思います。そして、普段から健康管理をチェックする体制は整っているとは思いますが、さらに保健師の増員など、なお一層強化をしていただきたいと思います。

地下鉄線高架下に保育園は子育て環境として不適切

宇佐美議員:次に、地下鉄高架下の利用について伺います。
2014年度末現在で、地下鉄の高架下を利用した店舗や施設にはどのようなものがあるか、伺います。

植松営業推進本局長:商業施設、町内会館、保育園、駐輪場、駐車場施設など、幅広く高架下の有効活用を図っております。

宇佐美議員:保育園については、子どもの育ちを考えた場合、騒音、振動、日照、園庭などで悪条件の高架下を保育園用地とした理由は何か、伺います。

加賀交通局長:高架下の空きスペースについては、公益的な施設整備に関する提案があれば、地元のみなさまや区役所等の関係者と調整した上で、提案内容について前向きに検討することも、地方公営企業のひとつであると認識をしております。そういう意味で、高架下における保育園整備につきましては、本市の重要施策との連携の観点から、有効な活用事例であるというふうに考えております。

宇佐美議員:今後、センター南北駅間高架下活用における審査基準を見直し、保育施設や福祉施設による利用を制限する考えはありますか。

加賀交通局長:センター南駅およびセンター北駅構内や両駅間の高架下の有効活用の進め方については、地元関係者のみなさまや区役所等の行政関係者のご意見をふまえ、25年1月に基本構想として取りまとめました。その中では、公共性、地域振興、子育て、教育などといった観点を有効活用のイメージとして掲げております。地域や保育園の関係者からも、高架下の環境について特段のご意見等はいただいておりませんので、現段階では保育施設や福祉施設の立地について制限を設ける考えはございません。

宇佐美議員:制限する考えはないということですが、保育園関係者からの意見が上がらないなどは大人の都合であずけているからで、子どもの立場からの意見ではありません。本当に子どもを真ん中においた子育て環境とはどんなものなのかを、想像してみてください。
 保育園の環境については非常にあいまいな基準表現しかありせんが、幼稚園の設置基準は、環境基準が極めて明確に示されています。騒音・気温や換気・まぶしさなど実に細かく数値が示されています。幼稚園より長時間過ごし、より環境に配慮しなければならない乳児がいる保育園の用地を、今以上に提供することのないようにお願いをしまして、次の質問に移ります。

地下鉄漏水補修工事を早期に進めよ

宇佐美議員:地下鉄ブルーラインのシールドトンネル補修工事について伺います。
 昨年の予算特別委員会で日本共産党の大貫議員が、2013年2月にシールドトンネル内でのレール破断事故を受け、シールドトンネルの安全性を問いただしています。トンネル内の鋼鉄をつなぐセグメントとセグメントの間から塩分を含んだ水が漏水し、線路の破断に至ったことから、当時の局長は「2014年度からは全面的な補修工事をやっていきたい」と答弁をしています。
そこで、現在行っているシールドトンネルの補修場所と補修内容について、お聞きします。

松田工務部長:補修場所は、ブルーラインの横浜駅から高島町駅までの区間の平沼町シールドトンネル、湘南台方面に向かう下り線でございます。補修内容としましては、塩分を含む地下水が漏水し、シールド表面の金属が錆びて劣化が生じているため、錆の原因である漏水を止め、錆を洗い落としたのち、塩分に強い材料で塗装を行っています。

宇佐美議員:今後の工事の予定と完了の見込はどうなっているか、伺います。

松田工務部長:重点的に取り組んでいる横浜駅から関内駅までの区間のシールドトンネルの補修について、現在実施中の平沼町シールド下り線に続き、関内駅付近の大江橋シールド上り下り線の補修に本年度着手するなど、順次計画的に補修工事を行っていく予定でございます。この区間のシールド補修工事の完成年度は34年度を予定しております。

宇佐美議員:今のペースで良いとお考えですか。いつ災害が起こるかわかりません。利用者が安心して乗ることができるように、早期に工事を完了すべきと考えますが、今後、どのような課題があるか、伺います。

加賀交通局長:横浜駅から関内駅までの区間については、シールドトンネルの補修工事や軌道改良工事などが複層しております。合わせて、安全運行に必要な日常点検や保守作業との調整も必要となり、工事が長期間にわたることが課題となっております。このため、施工調整を綿密に行い、工事進捗管理を徹底するとともに、多額の事業費を要することから国の補助制度を最大限活用し、所要額の確保にも努めてまいりたいと考えております。

宇佐美議員:国の補助制度の拡充等について、これまでどのような働きかけを行ってきたのか、伺います。

加賀交通局長:施設の老朽化対策は全国の地下鉄事業者共通の課題でございます。これまでも他都市などと連携を図りながら、補助制度の拡充や補助金の確保などを国に働きかけてまいりましたが、今後ともあらゆる機会を通じて要望を行ってまいります。

宇佐美議員:国に対して補助金制度の拡充等について積極的な働きかけが必要と考えますが、副市長の考えをお伺いします。

渡辺副市長:地下鉄のトンネルをはじめとする都市インフラの老朽化への対応は、まさに全市的な重要課題となっております。しかしながら、局長からもご答弁いたしましたように、こうした多額の経費を要する設備投資を、非常に厳しい財政状況の中で進めていかなければならないというところがたいへん苦しいところでございます。従って、財源確保に向けまして、国への働きかけをこれまで以上に積極的に行いまして、国費を最大限活用することで市民の安心安全を守るために必要な事業は着実に進めていくんだという決意で臨みたいと考えております。

宇佐美議員:ぜひよろしくお願いします。これで私の質問、終わります。

南区役所移転に伴う新バス路線維持に向けて区役所と連携を

あらき議員:宇佐美議員に続いて日本共産党を代表して、質問します。スライドを使います。よろしくお願いいたします。
南区役所移転にかかわる新路線とバス停について、続けて伺わせていただきます。
来年2月にいよいよ南区庁舎が移転することに伴い、西部地域からのバス路線が運行されることになりました。1年間の試行ということになっていますが、採算をどう見込んでいるのか、まず伺います。

津久井自動車本部長:よろしくお願いします。ご利用者の見込みや収支は、現時点では未知数でございます。採算面では赤字は確実でありまして、かなり厳しい数字になるものと思われます。

あらき議員:新路線ができて喜んでいる地域の方たちから、まず運行すれば継続を望む声があがります。赤字を理由に簡単に廃止はできないと思いますが、どうでしょうか。

加賀交通局長:南区西部地区から区役所へのご利用者数については、一定の目標を定めて本格運行の可否を判断したいというふうに考えております。私といたしましては、地域の総意としてご要望いただいておる路線と聞いておりますので、できるだけ多くのお客様に
ご利用いただければというふうに考えています。

あらき議員:そこで、なるべく多くの方に利用していただくという点では、やはり区役所との連携を欠かせないと思います。横浜橋通り商店街、三吉演芸場、三吉商店街と、いろいろ地域のすばらしい地域振興に関わる部署もあります。そういう点での連携、どうでしょうか。

加賀交通局長:これまでも、より多くの地域のみなさまにご利用いただくよう、区役所を通じていろいろお願いをしてまいりました。試験運行が開始されたあとも、利用状況について随時地域のみなさまと共有し、地域、区役所、交通局が一体となって利用促進を図ってまいりたいというふうに考えています。

あらき議員:ぜひその点、お願いしたいと思います。
そして、関連するのはバス停のベンチと上屋です。これまでバス停のベンチと上屋の設置にかかった決算額と件数、それぞれ3年でお願いします。

津久井自動車本部長:交通局が設置いたしましたベンチ設置件数および決算額について、24年度は21基、約400万、25年度21基、約410万、26年度は1基で約21万。上屋設置および決算額ですが、24年度は1基、約300万、25年度は2基、約590万、26年度は1基、約430万でございます。

あらき議員:昨年度はベンチも上屋も1件と、非常に少ない件数です。どうしてこういうふうになっているのか、まず伺います。

津久井自動車本部長:ベンチ設置にあたりましては、現地調査をしまして、基本は幅員、あと地下埋設物関係が一番にあります。そういう意味で、そういう工事調整っていうために、結果的に1基になりますが、今年度は数多く行う予定になっております。

交通局スライドあらき議員:これ(スライド)をご覧いただきたいんですけど、下が南区庁舎で、その対面が三吉橋のバス停です。ご覧のようにこれから区庁舎が目の前にありながら、バス停のところには上屋もベンチもありません。しかもここに新しくマンションが建って、ここの花壇のところに座るなと、そのマンションの方たちから言われました。でもやはり、このバス停を利用する方が今後増えるということは、区役所ができるという点では当然考えられます。バス停の上屋、ベンチ、どうでしょうか。

加賀交通局長:三吉橋のバス停につきましては、現地調査をした上で、市営バスの乗降客数、これも考慮しながら、設置の優先度に応じて検討してまいりたいと考えております。
あらき議員:終わります。


新着情報

過去記事一覧

PAGE TOP